95式系列の開発過程

 今まで紹介していたサイト「国産軽武器-銃砲世界」が何故か見られない状態になっています。以前もあったのでたぶんそのうち見られる状態に戻ると思うんですが、それまで別のページを見ていくことにしましょう。

http://war.news.163.com/07/0410/08/3BN2BCRQ00011232.html

 これは95式突撃銃を含むファミリーの開発過程について説明したページです。


中国製95式銃器系列の殺傷力は米ロ制式小銃をはるかにしのぐ

中国の95式5.8mm銃系列は小銃、分隊用機関銃、短突撃銃を含む。小銃と分隊用機関銃は1996年に設計が定まり、1997年に駐香港部隊においてデビューした。短突撃銃は2000年に設計が定まった。目下95式銃系列はすでに部隊への大規模装備が開始され、かつ戦果を挙げており、わが軍の主要な小火器装備をなしている。その中の小銃は重量3.3kg(空マガジン含む)、有効射程400m、初速920m/s、全長746mmである。機関銃は重量3.95kg(ドラムマガジン含まず)、有効射程600m、初速970m/s、戦闘射速はセミオートで毎分40発、フルオートで毎分120発、全長840mmである。短突撃銃は重量2.9kg、有効射程300m、初速790m/s、全長609mmである。

誕生の内幕

95式銃系列誕生の内幕を理解するためには、国際的な小口径銃の発展史から語り起こす必要がある。第二次大戦終結後、当時の連合国の軍用小銃は機種もバラバラ、口径も多種多様だった。そこで1947年から1956年の間にNATO加盟国は10年の長きにわたる口径に関する論戦を経て、最終的には政治の関与のもとに、全威力(頑住吉注:フルサイズ)弾薬と呼ばれるアメリカの7.62mmx51歩兵弾薬をNATO制式弾薬として選定した。一方ソ連は中間型(頑住吉注:短小。中国語はドイツ語の「ミドル弾薬」に近い表現です)弾薬の道をあくまで選んだ。すなわち7.62mmx39弾薬である。そして古典的なAK47小銃を世に送り出した。我が国の56式サブマシンガン(頑住吉注:前にも触れましたが以前はこの分類が用いられていたそうです)、81式銃器系列はいずれもこの旧ソ連の中間型弾薬の路線を引き継いでいた。

アメリカ軍は7.62mmx51歩兵弾薬を発射するM14小銃装備後短時間しか経っていない1960年代、口径5.56mmのM16小銃を世に出し、ベトナム戦争中小口径の優位性を充分に示した。アメリカ軍が一方的に装備改編を行う状況下で、NATO各国も皆競って小口径小銃、弾薬の研究開発を行った。これと同時に、旧ソ連もひっそりと口径5.45mmのAK74ライフルを世に出した。最終的な結果として、アメリカは5.56mm口径をもってNATOを統一し、旧ソ連は5.45mm口径をもってワルシャワ条約陣営を統一した。

国際的な小口径の発展は我が国の注意を喚起したが、実はアメリカ人が小口径小銃の研究開発を開始してすぐの時期、中国の小火器専門家も小口径の問題を提出し、かつ最初から小銃の口径として5.8mmが適していると考えていた。1970年、中央軍事委員会常任兵器工業指導グループ第6次会議において、我が国の小口径小銃を研究開発する考えが初めて明確に提示された。この指導思想に基づいて最高司令部装備部は1971年3月の小火器科研作業会において我が国の小口径弾薬、銃系統の研究開発開始を決定した。その後全国規模で大々的に小口径小銃の論証作業が開始された。当時はまさに文化大革命の時期だったので、小口径に関する論証は「ハチの巣をつついたような」状況下で進行した。当時全国に存在した8つの会戦組が小口径の論証作業に従事した。論証が開始された口径は5つで、5.6mm、5.8mm、5.81mm、5.98mm、6mmだった。ただし当時の政治環境下で科研作業はほとんど停滞状態になり、小口径の論証作業は長い間同じところをめぐるばかりだった。

1975年、最高司令部は専門的な小火器科研論証機構の設立を決定、小火器論証研究所を作り、小口径小銃の論証作業は正しい軌道上で走り始めた。各方面から集まった論証成果を基礎とし、1978年に発展型5.8mm弾薬と銃器に関する戦術技術的要求が初めて提出され、1979年2月には中央軍事委員会が正式な文書をもって研究開発のプロジェクトとしての立ち上げを承認し、これをもって我が国は5.8mm口径銃器の研究開発を正式に開始した。ただし、我が国がどんな口径を選択すべきかの論争は終わらなかった。軍内外の少なからぬ人がアメリカの5.56mm口径あるいは旧ソ連の5.45mm口径小銃を真似て作ることを主張した。こうすれば輸出に有利であり、かつ国外にある成功経験を参考にできると考えたのだった。

口径問題が障害となって5.8mm銃系列の研究開発作業は停滞し、よい設計方案は一向に出せなかった。1982年7月、軍の高級幹部は「わが軍の小口径銃系統をできる限り早く完成させ、早期に部隊に装備すべし」と指示した。研究開発を加速するため、研究を経てまず81式7.62mm銃系統の構造を基礎にして5.8mm口径に改造することが決定された。これこそが後の87式5.8mm銃系統である。87式銃系統は1986年に設計定型試験を通過し、1987年に定型が承認され、QBZ87式5.8mm銃系統およびDBP87式5.8mm普通弾薬と命名された。小銃の定型後、建国40周年における閲兵用の装備とするため外形の変更が行われた。87式銃系統はプラスチック製のマガジン、グリップ、フォアグリップを採用し、剣型の銃剣が新設計された。全長が長すぎ、重量が重すぎ、工程にも問題があったため、87式銃系列は少量生産のみで、4つの軍区部隊に試用された。87式銃系列は中国の小口径小銃の発端となったもので、小口径銃弾発射に特有の技術的難点を解決し、中国が小口径化を実現するために歴史的貢献をなした。

1985年、参謀本部、科工委は「359号」通知を発し、「作戦使用任務と我が国の国情から出発し、国外の先進技術を吸収し、戦術、技術、経済性、近代化等の方面に配慮し、新型小口径銃系列の論証作業を急ぎ実施する」ことを要求した。この指示要求を実現するため、1986年に我が国は再び口径に関する論証を進め、3種の小口径銃と弾薬に対する大規模な対比試験と分析を経て1986年11月、5.8mm口径採用を提起し、1種の口径、5種の銃(自動小銃、分隊用機関銃、短小銃、汎用機関銃、狙撃銃)、共用の2種の弾薬(普通弾薬と機関銃弾薬)を使用する小口径銃系列の発展が可能となり、我が軍の小火器弾薬の共用性を大幅に高めることができ、歩兵分隊の作戦能力が顕著に増強できることになった。1987年、中央軍委は常務会議を開き、小口径銃系列の口径問題について討論した。参加者は「5.8mm口径を選定し、新世代の小口径銃系列を発展させる」ことで意見が一致した。ここに至り、中央軍委の2回の決議を経て、我が国の新口径銃の発展が新たな道のりに入ることが最終的に確定した。

考えに入れなければならないのは中国が当時置かれていた国際環境である。中ソ関係は悪化し、我が国が独自の小口径発展の道を行かなければならないことが決定した。我が国が両大政治集団(頑住吉注:アメリカを中心とする西側、ソ連を中心とする東側両陣営)の外で世に出した独自の5.8mm口径が、充分に賢明な選択であったことは事実が証明している。ここ数年小火器の口径に関する論争が存在し、また持ちあがる情勢にある。まず車臣(頑住吉注:何のことかと思いましたがチェチェンでした)戦争中、5.45mm銃系列はロシア将兵の批判を浴び、重用されなかった。原因はこのように口径が小さい弾薬は多くの戦術的任務に適さず、遠距離においては小口径弾は即時的殺傷力に欠けており、支援火器用として7.62mm弾薬に及ばなかったことだった。アメリカの5.56mm口径の状況もまたこれよりましとは言えず、アフガン、イラク戦争中5.56mm弾薬の威力不足の問題が絶えず露呈し、アメリカ軍(特に特殊部隊)は5.56mmx45弾薬のターミナルバリスティック性能にずっと不満を持っている。彼らは人体に対してさらに大きい停止作用を持つ弾薬を必要とし、現有の5.56mm弾薬を改造しても彼らの要求を満足させることは難しい状況にある。一方我が国が選択した5.8mm口径は弾薬の設計に大きな余裕がとってあり、殺傷性能が5.56mmや5.45mmよりずっとすぐれているだけでなく、汎用機関銃や狙撃銃も含めた小口径系列を形成し、欧米各国をうらやましがらせている。

新世代の5.8mm小口径銃系列に向けた指示要求に関し、我が国は全体性能上同類武器の世界先端レベルと競えるものにするという目標を提示し、歩兵分隊に点、面殺傷力と軽装甲に対する打撃能力を与え、夜間作戦能力を高めるとした。ブルパップ型全体設計方案の採用が明確に打ち出され、全長の大幅な短縮および重量の軽減という技術的課題の中でアルミ合金、プラスチックや新技術工程の採用が求められ、防腐食性や品質を高めることも要求された。これらの目標を実現するため、新銃系列の研究開発過程には競争システムが導入され、7つのグループが組織され、これらが新銃系列の方案の競争での作業、選定試験に参加した。小火器業者内の各方面の専門家が組織され、2回の詳細な論評、厳しい検査が行われた。このような競争入札方式は各グループおよび科研人員の積極性や才知を引き出し、構造上の新機軸や新材料の導入をうながし、新工程の使用等の方面に本質的な進展があったし、以後の銃系列の最適化設計のため、性能の優れた武器系統の研究開発に良好な基礎を作った。


 何故中国が5.8mmという他国と共用できない独自の弾薬を採用したのか疑問でしたが、中国国内でも5.56mm、5.45mmを流用すべきだとの意見は強かったわけです。しかし結果的にはそれらよりやや強力な弾薬を採用したため、アメリカやロシアが悩んだ威力不足問題は起こらず、原則全ての歩兵弾薬を統一できたと誇っています。確かにアメリカもロシアも小口径のスナイパーライフルは持つものの主力は7.62mmの機種ですし、小口径の支援火器も持つものの7.62mmの機関銃も併用せざるをえない状況にあります。中国は7.62mmの銃なしで済ますことができ、うらやましがられている‥‥というんですが本当でしょうか。中国は民族紛争などで実戦を経験しているとはいえ、まともに装備された近代的な軍隊と戦ったことは近年なく、実際やってみたらやはり7.62mmクラスの銃は必要だ、という結論になる可能性もあるんではないでしょうか。



















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