中国、アメリカのB-21次期戦略爆撃機を評する

 といってもまだ詳細が全く分からんわけですが。

http://military.china.com/important/11132797/20160305/21700853.html


B-21がやって来た:一体量産型B-2なのか、それとも究極版ステルス爆撃機なのか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「B-21は絶対にB-2の量産版ではない」 なお4ページ目まで同じキャプションです。)

2016年2月25日、アメリカ空軍部長のデボラ リー ジェイムズはアメリカ空軍年会で、この前「遠距離打撃爆撃機」(略称LRS-B)という名である次世代爆撃機をB-21と正式に命名した、と言明した。ジェームズは会でさらに1枚の想像図を発表したが、外観上B-2爆撃機に非常に似ており、やはり無尾翼・全翼構造タイプである。

B-21は当然21世紀をもって命名され、これはきっと21世紀に戦闘力を形成するということでもあるが、その時になれば名前を変え、気象(頑住吉注:この場合ムードみたいな意味でしょうか)を変える必要がある可能性が高い。アメリカ海軍のDDG-21級駆逐艦はDDG-1000級と改名され、つまり「ズムウォルト」級である。これだけではなく、「ズムウォルト」級は本来「バーク」級に取って代わり、大量建造する準備をしていたが、やはりコストコントロールの失敗により建造数が最終的に3隻にまで削減され、もし3号艦がすでに前期工程準備を開始しているからということでなかったら、本来は2隻まで削減される可能性があった。

アメリカ空軍が次世代爆撃機に磨きをかけてきた日々は長い。B-52、B-1はいずれも大量生産されたが、B-2になるとコストが高すぎるため、21機しか生産されずもう生産が停止され、単価は20億アメリカドルにも達した。アメリカ海軍の疑問を引き起こしたのも怪しむにはあたらない。空母を買うほうがいいのでは、と。当然、空母はとっくに20億アメリカドルの単価ではなくなっており、空母と爆撃機の作用は互いに取って代わることはできないということもある。これは純粋に軍の中の闘争の技倆である。B-2の量産がもし計画の中の132機に到達したら、単価はある程度下がっただろう。だが計画の総投資額は受け入れ不能な程度まで増加することになり、これはまさにB-2の量産が極めて大きく削減された基本的な原因である。

現代の戦術機の航続距離と弾薬搭載量はすでに第二次世界大戦時代の重爆撃機に近づいているものの、爆撃機は依然アメリカの軍事力の構成において特殊な地位を持っている。それは三位一体の核打撃能力の一部分であるだけでなく、通常戦略打撃の中でも取って代わり難い作用を持つ。

爆撃機は航続距離が長く、アメリカ本土を基地として大洋の反対側のはるか遠い目標を打撃できるだけでなく、さらに中途で呼び戻すあるいはチャンスを見て突発的な目標を打撃する能力を持ち、これは遠距離巡航ミサイルあるいは弾道ミサイルが持たないものである。爆撃機はさらに強大な電子戦能力や強大な生存力を持ち、ステルス爆撃機はさらに隠蔽して接敵し、長時間チャンスを待ち、目標を確認し、しかる後に正確打撃する特殊なメリットを持ち、このことは特殊なデリケート性を持つ高価値目標に対し特別に重要な意義を持つ。

B-52爆撃機はとっくに古くなり、B-1爆撃機も十分なステルス性能を持たず、B-2の数は少なすぎる。アメリカの戦略の重点がアジア太平洋地域に向け移転している現在、長い航続距離とステルス防御突破能力を持つ新世代爆撃機を特別に必要としている。これこそがB-21の大背景である。

(頑住吉注:これより2ページ目)

B-2の性能は非常に優秀だが、コストは逃れた野生馬(頑住吉注:自由奔放みたいな意味らしいですがここでは天井知らずに近いでしょう)のようであり、最終的に数が悲惨で目も当てられない状態にまで削減が迫られた。この教訓は悲痛なものである。コストコントロールはすでにアメリカ空軍の古い難題となっている。F-35はF-22のコストコントロール失敗の教訓を吸収したが、F-35のコストコントロールも非常に失敗し、甚だしきに至ってはその他の兵器販売を押しのけ占領する圧力を形成している。B-21のコストコストコントロールは成功だけが許され、失敗は許されない。さもないとその他の兵器購入を多量に押しのけ占領する、あるいは十分な数を配備できないマイナス面の影響がいずれも受け入れられなくなる。

アメリカ経済の成長(頑住吉注:文脈から言って停滞とかでは)と軍事費削減というダブルの重い困難が巨大な予算への圧力をもたらし、コスト優先の大型武器研究開発プロジェクトであるB-21は目標単価を5.5億アメリカドルと規定した。このため手放しで先進技術を追求することはできない。F-35のコスト優先原則は小さからぬ程度上F-35の技術の先進さの程度を決定した。例えば、最初からもう超音速巡航や超機動を考慮しなかったのはまさにリスクと単価を下げる考慮から出たことである。B-21のコスト優先原則が最終的にどのような爆撃機を生むのか、現在まだはっきりしない。だがアメリカの軍事の需要、戦場に対する予測、未来の軍事戦略がB-21の基本設計を決定している。

コストが牽引し動かすという原則から出て、B-21は基本プラットフォームレベルの上で革命的性質の先進技術を採用しないだろう。これはB-52、B-1そしてB-2とは全く異なる。B-52誕生の時、ジェット式大陸間爆撃機は航空科学技術の絶対の前線だった。B-1は可変後退翼を採用し、高空でマッハ2以上の速度に到達でき(この要求は後に放棄)、超低空でも高亜音速をもって防御突破でき(これは後に主要な要求となった)、F-111のような戦術機が可変後退翼を達成したばかりの時には、これも先んじた科学技術だった。B-2の無尾翼とステルス技術は再度航空科学技術の新たな境界を開いた。今に至るもさまざまな無尾翼、全翼無人機は依然異なる程度上縮小したB-2と見なし得る。だが少なくとも公開されたB-2の想像図について言えば、B-21の空力設計にB-2との世代差クラスの差異はないようである。

公開の文献を根拠にすると、アメリカの次世代爆撃機に対する事前研究にはすでに一定の時間があり、基本的に2大技術路線に分かれる。すなわち、極超音速と高度ステルスである。

(頑住吉注:これより3ページ目)

極超音速は特別に高い速度を利用して大気圏の縁を飛行し、できる限り早く攻撃を発動し、反応時間を短縮することができるだけでなく、速度と高度自体も自らを保護する有効な手段である。対ミサイルミサイルや対衛星ミサイルの速度や高度は極超音速機を非常に大きく超えるが、対ミサイルおよび対衛星技術の重要なカギは目標の弾道に対する正確な計算と、ミサイルを遅れずあらかじめ設定した迎撃位置に送り込むことにあり、真の末端追跡の機動量は比較的小さい。極超音速飛行機はそうではない。これは機動飛行するのであって、迎撃の窓口が非常に大きく縮小するだけでなく、しかも弾道の推算に照らして迎撃することはできず、ミサイルの全力に頼って追跡することが必須であり、極めて大きく迎撃の難度を高める。また、極超音速飛行機も隠身(頑住吉注:ステルス)ができ、高度が高く、斜めの距離も大きいため、距離自体がレーダー反射強度を下げる良い方法なのである。

だが極超音速の技術的難度は非常に高く、特に推進システムである。スクラムジェットは研究開発されて何十年になるが、現在に至っても連続作動時間はまだ分クラスを超えず、実用までの距離は非常に遠い。別の方面では、ステルス技術が過去何十年内に理論から実践に入り、単純な電波吸収塗装層に頼るものから外形をもって安定し強烈な反射を下げる、さらには新世代の幅広い周波数帯のステルス塗料まで、ステルス設計の方法、技術的手段いずれにも迅速な向上があった。無尾翼・全翼は上から、下から見る角度を除き、全方向のステルス最大化を達成し、しかも全機体構造を揚力発生と力の受け入れに用い、揚力:抵抗比が最高である。このため長い航続時間、高度ステルスの飛行機設計に非常に適している。B-2や歴代の無尾翼・全翼無人機はすでに機の背部からの空気取り入れの問題を解決しており、このためB-21とB-2が似ているのは偶然ではない。

B-2はF-22と相互にセットになるものであり、実際には同一の雄大な計画の中にはさらに高度ステルス、長航続時間無人偵察機があった。使用の上では、この神秘の無人機はソ連内地に深入りし、機動大陸間弾道ミサイルの行方を偵察、監視し、戦争が勃発した最初の時間に、B-2とF-22が同時に決起し、B-2の目標は機動大陸間弾道ミサイル発射システムの排除、F-22は空中の早期警戒機の排除で、両者は共に手を下し、包丁で牛を解体するようにソ連の戦略および戦術能力を崩壊させ、一挙に全面的な主導権を奪取するはずだった。固定された指揮、通信センターを打撃する方法は逆に非常に多く、必ずしもB-2を必要としない。種々の原因により、この体系の中の戦略無人偵察機は中止され、今に至るも秘密解除されず、細々した噂だけがある。B-2のステルスは防御突破の中で敵を驚かせるのを避け、帰投の中で生存を確保する。だがB-2には決して目標区域で長時間徘徊する要求はなかった。新時代の中で、アメリカのはっきり名指ししないトップの敵としては明らかに中国以上のものはない。中国は最低限度の核力量という原則を守っており、このため多数の地下発射サイロをメインとする陸上基地大陸間弾道ミサイル力量ではなく、ソ連に比べてもさらに機動発射の大陸間弾道ミサイルシステムを重視する必要がある。また、中国は独特の対艦弾道ミサイルを開発済みで、さらに別に通常弾頭の戦役弾道ミサイルを有して遠くグアム島までのアメリカのアジア太平洋地域におけるカギとなる重要基地の打撃に適用する。こうした準戦略中、遠距離弾道ミサイルの高度な機動、使用のハードルは核ミサイルよりずっと低い。だがアメリカの戦争体系に対する脅威は非常に大きく、B-21の重要目標となる。

こうした目標の機動性と突発性は、高度ステルスの無人偵察機が深入りして偵察し、打撃を召喚する模式を用いるにはすでに適さず、偵察・打撃一体を必要とする。目標のデリケート性を考慮すると、無人作戦機は全てその任に適さず、高度のステルス、長い航続時間と正確打撃能力を持つB-21こそが担当できる。

(頑住吉注:これより4ページ目)

別の方面では、このような高価値、高度にデリケートな目標には大トン数の弾薬の投下、発射を決して必要とせず、伝統的な爆弾トラックの概念はすでに時代遅れである。爆弾トラックの機能はまだ必要だが、現代の陸上基地、海上基地および空中基地遠距離打撃手段は非常に多く、コストも日増しに下がり、かつ必ずしも爆撃機で大トン数弾薬の投下、発射任務を完成させる必要はない。逆に、爆撃機は敵後方のISRの核心に深入りし、戦争体系の目や耳として、目標マーキングと遠距離打撃手段の召喚をメインとし、必要な時だけ直接手を出すものとなるべきである。このように、B-21は中距離爆撃機の重量しか必要とせず、非常に大きくコストを下げることができる。これはB-21の5.5億アメリカドルの単価の基本的な保証でもある。

だが中型爆撃機は通常中等の航続距離と航続時間を意味している。うまいことに無尾翼・全翼構造の空力効率は特別に高い。B-52を例にすると、B-52の最大離陸重量は220トン、全幅56.4m、航続距離16,232km、弾薬搭載重量31.5トンである。これに比べB-2の最大離陸重量は170.6トン、全幅52.4m、航続距離11,100km、弾薬搭載重量は23トンに達する。もし離陸重量を下げ、だが全幅を非常に大きく増加させ、アスペクト比を高めれば、顕著に航続距離を延長することができ、中型爆撃機の重量を用いて、伝統的には重爆撃機だけがやっと達成できた航続距離と航続時間を実現することが有望である。

アメリカ空軍の年会で発表された想像図の中で、B-21は間違いなくB-2に比べより細長い主翼を持っている。問題は、もし主翼前縁と菱形の機体前縁に平直を保持させたら、全幅の延長は翼端の位置を菱形の機体後端に比べさらに後ろ寄りにするということで、このことは後ろ寄りの揚力が大きく、しかも速度が上がった時にさらに一歩後方に移動し、前寄りの重心から遠く離れる結果をもたらし、バランスと空力コントロール問題をもたらす。もしX-47Bのように、菱形の機体は不変に保持するが、主翼の後退角を非常に大きく減少させれば、このような比較的大きな全幅も翼端を過度に後ろ寄りにさせ、バランスと空力コントロールの問題をもたらす結果にはならない。決して偶然の一致ではないのは、X-47BとB-21がいずれもノースロップだということである。当然、これは想像図とはある程度異なるが、誰が最終的な飛行機が想像図と完全に同じであるのが必須と規定したのだろうか?

(頑住吉注:これより5ページ目。画像のキャプションは「B-2の複製は決して必ずしも米軍の需要を満足させられない」です。)

偵察・打撃一体の他、B-21はさらに初代の指向性エネルギー打撃手段を採用する爆撃機である可能性がある。一般的に考えて、レーザーやマイクロ波武器はすでに実用化のハードルまで到達し、ひとたび実用化されれば、これはB-21が十分な燃料さえまだあれば、ほとんど無限の「弾薬」を持ち、繰り返してレーザーあるいはマイクロ波武器を発射できることを意味している。だがもし指向性エネルギー武器の実戦化が最終的にまだ間に合わなくても、進攻性の情報やネットワーク攻撃はB-21のもう1つの腕の振るい場所である。伝統的に、専用の電子戦機こそこのような能力を持つのだが、それ自体強大なISR能力を持つB-21はすでに専用電子戦機に相当する電子偵察および情報分析能力を持ち、さらに一歩情報やネットワーク攻撃能力を整合させるのは自然なことである。

大きな機内容積と充足した電力供給を持つ爆撃機は本来非常に強大な電子戦能力を持ち、B-1の設計要求の1つは、一切の既知および未知の防空レーダーをリアルタイムに分析および制圧できるというものだったが、最終的に技術的困難とコスト、速度の問題ゆえに、リアルタイム分析だけし、リアルタイム制圧は達成されなかった。B-21の電子戦能力は戦術機の保障に用いられるのではなく、進攻性電子戦を直接執行するのに用いるのである。これは戦略電子戦機、あるいは電子戦爆撃機と見なすことができる。

B-21最大の困難はコストコントロールにある。中型、長航続時間、超長遠距離は空力上良好なコストコントロールの基礎を提供しているが、複雑なISRと電子攻撃の要求は極めて大きくソフトウェアの困難を増加させる。この中で、同様にコストコントロールをメインに考慮したF-35は非常に良い参照ポイントである。

F-35は空力上は相当に簡略化され、縮小されたF-22であり、決して懸念はない。最も問題をもたらす可能性がある垂直-短距離離着陸技術はDARPAのJAST計画対比試験飛行によって先行して論証され、もし現在後出しじゃんけんをしても、F-35の技術路線に何ら顕著で重大なミスがあったことも見いだされない。F-35は多くの既存に近いように見える技術を採用しており、これは決して不思議ではない。研究開発中にもたらされた問題は個別のシステムについて言えばいずれもあまりとんでもない大問題ではないが、システムの高度な複雑性と関連性は多くの研究開発の偏差を相互に拡大させ、最終的に研究開発過程の中の多くのハードルとなった。基本飛行システムの後、ソフトウェアの研究開発が最大の技術的問題となっており、バージョンの進度に関する要求からのソフトウェアの深刻な立ち後れは、F-35が最終的に航空機関砲の空中発射ができたことさえニュースとした。B-21の態勢関知、電子戦、ISRに関する要求はF-35よりはるかに高く、数量級で増加するソフトウェアの困難への遭遇には懸念はないが、コストと進度が最大の障害となるかもしれない。


 確かにF-35の状況を見るとB-21がたとえ優秀な兵器として完成してもB-2より高価なものになったというオチが待っているような不安を感じますな。




















戻るボタン