日中の大型輸送機を比較

 かなり極端な愛国心を持つ人の文章でちょっと笑ってしまう部分も多いですが。

http://adaofu2.blog.china.com/201303/11137747.html


中日大型機から両国の科学技術の総合的実力の対比を垣間見る

筆者:蒼鷹的翅膀 (頑住吉注:オオタカの羽、というようなペンネームです)

中国の運ー20は2006年に始動し、2007年に正式に着手され、2012年に初の地上試験機が完成し、2013年に初飛行に成功した。

プロジェクトの進展から見て、中国は5年しか用いずに初飛行に成功し、日本のCー2輸送機は9年の時間を用いた。地上試験から初飛行まで、日本は4年の時間を用い、中国は1ヶ月の時間しか用いなかった。中国の研究開発速度は日本をはるかに超え、秘密保持の程度も日本より高い(頑住吉注:いやそんなとこ自慢されても)。

この点から、中国の工業能力と組織能力が日本を超えていることが見て取れる。中国が1対0でリード。

機体自体の対比 中国が先んじ、将来の発展ポテンシャルは極めて大きい(頑住吉注:たぶんこれ元の記事ではキャプションです)

ある飛行機をを計る最も重要なものさしは空力外形、エンジン、材料、コックピットおよび航空電子のいくつかの指標である。大型機に関して言えば、短距離離着陸と野外飛行場への適応能力も非常に重要である。

一、空力外形の対比

空力外形は機の設計能力が試される重要な指標である。中国は機の設計能力上ずっと比較的先んじており、とっくに段階的に形成され秩序ある人材の隊伍を形成している。また毛沢東時代に打ち立てられた風洞の基礎がある。このため、中国人の聡明才知により、世界の主流たる大型輸送機の先進的特徴を合理的に吸収し、中国自身の後発の優勢を形成するのは中国の一貫したやり方であり、手法は熟練している。

運ー20は通常レイアウト、片持ち式上翼単葉、T字型尾翼を採用し、主翼前縁に後退角がつき、ウィングレットはなく、これは現在世界の大型輸送機の主流たるレイアウト方式である。上翼単葉は低速の機動性を提供し、離着陸距離を短縮でき、同時にエンジンを地面から比較的遠くし、野戦飛行場で発着しても容易に地面の異物を吸入しないようにする。上翼単葉の翼中央は機の上部を貫通し、運送貨物スペースに影響はない。T字型尾翼は水平尾翼の空力効率を向上させ、同時に機全体のレイアウトをより合理的、クリーンにする。同時に野戦飛行場での発着時、気流によって吹き上げられた雑物が尾翼に当たることも避けられる。

運ー20の尾翼の方向舵にはヒンジ結合2段式が採用され、2段の方向舵はさらに一歩上下の2つの部分に分かれ、4つの方向舵面を形成し、さらに一歩空力効率を向上させ得る。アメリカのグローブマスターCー17の尾翼もこの種の構造である。

日本のC-2輸送機。その尾翼の方向舵が2段しかないことに注意。(頑住吉注:明らかにキャプションですね)

C-2の主翼は超臨界翼で、中国の運ー20は初飛行後も主翼のタイプを公表していない。だが初飛行の画面から見てやはり超臨界翼を採用している。今年の両会の期間、運ー20の総設計師は記者のインタビューを受けた時、運ー20の主翼が超臨界翼であることを事実確認した。この種の主翼は比較的高い空力効率を持ち、巡航速度を向上させ、抵抗を減少させる。同時に主翼が相対的により厚いため、より大きい燃料タンクが収容でき、航続距離が延長される。

対比を通じて、中国の運ー20の空力外形と設計レベルはすでに日本のC-2を超えていることに気付くことができる。現在中日大型機対比の得点は中国が2対0でリードしている。

二、エンジンの対比

エンジンは中日両国いずれにとっても弱点である。日本はメインバトルタンク用すらドイツのエンジンを購入している。中国と異なるのは、日本は便利に西側の先進製品を購入でき、先進エンジンの技術を吸収、学習することすらできることである。中国は日本のように便利に国際市場で先進的エンジンの製品と技術を獲得することはできず、このためしばらくは比較的遅れたウクライナのD-30KP-2エンジンを使うしかない。

一方日本が採用しているのはゼネラルエレクトリックのCF-6-80C2エンジンである。このエンジンはボーイングの民間旅客機に大量に採用されているだけでなく、アメリカのC-5スーパー輸送機の動力の核心でもある。その技術は成熟し、信頼性が高く、非常に長い使用寿命と劣悪な環境に抗する生存能力を持つ。その最大推力は260千ニュートンに達し、ウクライナのD30エンジンの2倍である。

ウクライナのD30エンジンは推力が小さく、燃料消耗が大きく、最もカギとなるのはバイパス比が充分大きくないことである。中国の轟ー6および購入したイリューシンー76などの機はいずれもこのエンジンを使用しており、メリットは簡単で信頼性が高く、維持メンテナンスが比較的便利なことである。

中国の次の一歩の目標は国産大バイパス比エンジンで、全権限デジタル電子コントロールシステムを採用し、CFM56エンジンの技術指標を達成させ、同等の条件下で運ー20の航続距離を10%増加させることである。

エンジンはずっと科学技術の頂点であり、エンジンの研究開発と生産に必要とされるサイクルはその他の軍事工業プロジェクトを超え、エンジンの研究開発は最も金のかかるものの1つでもある。その中で最も重要なカギは、優秀で安定した人材の隊伍を作り出すことである。ここには技術人員だけでなく、さらに優秀な技術工員が含まれる。

中国のあらゆる武器の弱点は全てエンジン上にあり、上は飛行機から下は戦車、海上軍艦まで、全てエンジンの弱点の制限を受けている。

ここで我々は例を挙げる。1980年代に中国と西側の関係が緩和した時期、かつてドイツから一定数の戦車用ディーゼルエンジンが輸入された。中国の工程師と技術人員は急いでドイツのエンジン技術を学び、密かにドイツエンジンを分解した。結果は何の特殊な部分も見られないというもので、再びこっそりと組み立てられた。だが意外にも元に戻したエンジンの出力は定額に達しなかった。中国の工程師はドイツ人を呼び、エンジンに問題があり返品すると言った。意外にも数人のドイツ技術者は見た後きっぱりとエンジンが分解されたと断言し、彼らは秘密という条件で改めて組み立てた。結果はドイツの技術者が改めて組み立てた後、エンジンの出力は直ちに原工場の設定した出力を回復する、というものだった。

この例から、エンジン技術には多くの伝えない秘密があり、いくつかのカギとなる重要技術は師から弟子へと代々伝えられ、図面上でも見て取れないのだ、ということが分かる。エンジンの上でのある程度の突破を望むなら、安定した人材の隊伍を作り出すことが必須である。現在中国はすでにこの問題を意識するに至っており、根気よく投資して行き、プロジェクトが中断されさえしなければ、未来の10年後には必然的にエンジンの上での重大な突破を迎えることになる。中国はすでに段階的な成果を挙げており将来が期待される。

中国はしばらくエンジンの上でやや劣る状態だが、将来はきっと日本を超える。現在中日の得点は2対1である。

三、輸送能力の対比

中国が使用するエンジンの単発の推力は日本のエンジンより小さいが、中国の運ー20は4発を採用している。一方日本のC-2は双発に過ぎない。運ー20は初飛行前、広範に「パクリ版イリューシンー76」のレッテルを貼られたが、画面から我々は運ー20の機体にはイリューシンー76との非常に大きな差異があることをはっきり見いだすことができる。

運ー20の機体は明らかに太っており、ヨーロッパのA400Mによく似ている。その貨物コンパートメントの高さと幅はおよそ4m前後、長さは20m前後で、日本のC-2の16mより長い。C-2の機体は見たところ非常に短くて太っている。

運ー20の最大搭載重量は60トンに達し得、我が軍最新の戦車も含め輸送できる。一方日本のCー2の搭載重量は40トンに満たず、その主力戦車を輸送することはできない。

輸送能力の上では運ー20がC-2にはるかに勝り、中国は3対1でリードする。

四、材料の対比

運ー20の総設計師である中航工業第一飛行機設計研究院総設計師の学士院会員唐長紅は両会の期間に記者のインタビューを受けた時、運ー20は軽質材料を採用していると語った。

以前当局のメディアは次のように報道した。

「運ー20のコンパートメント内の一部の装飾部材には、一院(頑住吉注:「航空宇宙一院」とも言い、運搬ロケット技術研究院だそうです)703所によってリードされ、多くの機関が協同研究開発した難燃グラスファイバー強化エポキシ樹脂、グラスファイバー強化フェノール樹脂を事前に染み込ませた複合材料が使用されている。

この機コンパートメント用複合材料は高い比重:強度比と高い比重:剛性という特徴を持ち(頑住吉注:要するに軽い割に強いということですわな)、難燃性と煙を出しにくい優勢がよりはっきりしており、機の構造重量の軽減に成功しただけでなく、機の防火安全性能を高め、同時に我が国の研究開発した大型旅客機が輸入した事前に樹脂を染み込ませた複合材料の選択を迫られるという不利な局面も一挙に打破し、我が国の大型機コンパートメント内複合材料の「国内で足り、自主保障する」との要求を実現し、機全体の安全性および経済性を向上させた。

2009年3月にプロジェクトが立ち上げられ、3年近い努力を経て、703所は成功裏に2種の航空クラスの高度の均一性を持つサテンガラス繊維織物を研究開発し、性能は国外の同類製品と基本的に同じで、機コンパートメント内難燃材料の必要性を満足させた。」

初飛行の高解像度の画像から見て、運ー20の機体にはあまねく新たな合成材料が分布しており、運ー20の機体は明らかに3つの色を見せ、機首は浅い緑色、機体は黄色、尾部は緑色である。3種の異なる材料が使用された可能性がある。

日本の輸送機も複合材料を採用している。日本は複合材料領域でも比較的先んじた地位にいる。だが2013年1月10日、日本の航空自衛隊岐阜基地に所属するXCー2輸送機が日本海上空で試験飛行している時に事故が発生し、機の尾部の1ブロックの部品が脱落し、海中に落ちた。海中に落ちた部品はまさに複合材料の一部分で、長さ84cm、幅36cm、重量約1kgだったとされる。

材料の対比の上では、現在資料がまだ充足しておらず、中日の間は引き分けと見なし得る。得点は4対2である(頑住吉注:引き分けだと双方に1点加算ということですかね。普通勝ち2点、引き分け1点とかにしますが。)。

五、短距離離着陸能力の対比

輸送機にとって短距離離着陸能力は非常に重要な指標である。アメリカはかつて空母上でさえ成功裏にC-130輸送機の発着試験を行った。

中日両国の大型機は短距離離着陸能力の設計上いずれも多くの心血を注いでいる。C-2は主翼にいくつかの増生装設(頑住吉注:意味不明ですが航空機の知識ある人には見当つくでしょう)を追加装備し、エンジンの噴流を下向きに偏向させ、したがって大幅に短距離離着陸能力を向上させている。中国の運ー20はイリューシンー76に似たフラップを採用し、翼面の設計によって離着陸時の揚力を高めている。中国の揚力増加システムはよりやや複雑である。

だが、日本の機体は小さく、重量は軽く、エンジンの出力は大きく、このため短距離離着陸効果の上で日本の機は運ー20より優れているだろう。得点は5対3である。(頑住吉注:何で双方に1点加算?)

六、航空電子およびコックピットシステムの比較

中国の航空電子レベルは近年来すでに非常に急速な勢いで変化しており、そのコックピットはすでに「ガラス化」を実現し、いくつかの新型戦闘機では、中国のデジタル式電気伝導および総合航空電子システムはすでにアメリカのすぐ次である。国内の航空展の時、かつてARJ21およびC919コックピットが展示されたことがあるが、いずれも全機総合航空電子設計を採用していた。

操縦システムの上では中国の多余剰度デジタル電気伝導および放寛静穏定設計(頑住吉注:この辺はもうさっぱり分かりませんわ)は機を敏捷に機動させることができる。中国の科学技術はしばしば過度にけなされ、あるいは故意に軽視される。事実として中国の飛行機設計にはユニークで優れた所があり、中国の技術者は飛行コントロール技術上中国は世界に先んじていると考えている。例えば殲-10の飛行はコンピュータ制御(fly by wire)で、試験飛行から現在まで1機も損失しておらず、これは世界記録であり、西側諸国にはfly by wireにして事故を起こしていない機はない。(頑住吉注:検索したところでは「fly by wire」は電気伝導による操縦であってコンピュータ制御ではないようですが。)

中国は6対3で大幅にリードする。

結び

日本の科学技術は誇大に言われすぎており、とっくに中国の相手ではない。中国の優勢は将来さらに一歩拡大する。

中国はエンジンと短距離離着陸で優勢を占めず、材料では日本と互角だが、空力設計、コックピットの設計、飛行コントロール、輸送能力ではC-2を超え、戦略輸送能力は日本よりはるかに高く、発展ポテンシャルがより大きい。

中国と日本を比較する時、工業でも軍事でも、日本の実力はいつも誇大に言われすぎる。日本は中国の1つの競争指針、過渡的競争対象に過ぎず、究極的な相手ではない。

中国の発展は単一あるいは複数の方面ではなく全方面である。今日の工業は鎖のように互いにリンクしており、もしアメリカのように全方位の発展ができなければ、きっと他国の制限を受ける。中国の行く道はまさに過去アメリカが行った道であり、これは日本も含め他国が学ぶことができなかったものである。日本の科学の発展はアメリカに制限され、言うに値するポテンシャルは全くない。

今日多くのメディアは意識的にあるいは無意識に日本を神話的に、一切の科学技術が中国を圧倒する強国として宣伝しているが、実は軍事科学技術の対比から見れば、中国はすでに日本をはるかに引き離しているのである。今後10年は中国経済の転換期であり、科学技術が成果を獲得する爆発期でもある。10年後、中国の科学技術はアメリカと差がなくなり、大型機が舞い上がり、空母が進水し、ナビゲーション衛星が全地球をカバーし、原子力潜水艦が太平洋とインド洋をあまねく航行し、実際の生産力はアメリカよりはるかに大きくなる。

中国の究極的な競争対象はアメリカである。中国は大国であり、国土が広大、資源が豊富、人口が多いだけでなく、さらに重要なのはその人民が非常に優秀だということだ。中国人は聡明で、勤勉で、学習好きである。これこそ中国があらゆる他国を打ち負かす真の資本である。

我々に共に祖国の勃興を目撃させよ。いかなる国もこの趨勢を遮ることはできない。中国の勃興こそ世界の希望であり未来なのだ。


 何と申しますか愛国心が極端すぎるとこんなにおかしな状況判断と将来予測になってしまうんですね。他山の石にいたしましょう。本筋と関係ないですけどドイツのエンジンのエピソードは非常に興味深かったです。





















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