日中の「イージス艦」の実力比較

 本文では西側の記事をそのまま紹介し、キャプションが反論するというパターンが多いですが、この記事ではよほど我慢ならなかったのか本文で本格的に反論してます。

http://military.china.com/important/11132797/20130411/17772390.html


中日イージス艦によるPK 中国と外国のメディアの結論は全く異なる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「日本のイージス駆逐艦あたご級が採用するベースライン7.1型イージスシステムは最新のグレードアップバージョンである」)

中日の「イージス艦」にはそれぞれ長所、短所があるが、その実際の作用はさらに両国の作戦体系の下に置いて観察する必要がある。

近年来、中国の「中華イージス」駆逐艦建造に関する状況が何度も国外メディアの関心を集めている。加えて隣国の日本はとっくに性能が似た艦艇を装備しており、ある人は東アジアの海軍競争はまさに急速に「イージス時代」に入っているところだ、とする。

中日が現在持つ、アメリカのそれを除き数が最も多い「イージス艦」を考慮し、最も新しく出版されたカナダの「漢和安全保障業務評論」は中日の2種の艦艇にスポットを当て、「紙上で兵を語る」式の技術戦術分析を行っている。

「中華イージス」の進歩は迅速

「漢和」の文章は、解放軍の現役の052C「中華イージス艦」はすでに4隻に達し、この他2隻が艤装中で、2年以内に就役する、としている。同時に、中国は「イージス艦」のグレードアップの歩みを加速し、052Cを基礎に、トン数がより大きく、武装がより強力な052D型艦を発展させている。新たな艦の外形寸法はやや大きくなり、排水量は8,000〜9,000トンに達しているかもしれず、日本の「あたご」級「イージス艦」のレベルに近づいている。

「漢和」は、052C/D型艦がいずれも「鷹撃」-62系列の遠距離対艦ミサイルを装備していることに注意を向けている。信じられているところによれば、その射程は280kmに達し、巡航高度は約30m、目標命中前はさらに7〜10mにまで下降し、弾頭重量は300kgであり、いかなる水上艦艇もあえて軽視しない「天敵」であって、日本の海上自衛隊もこれを仮想敵の1つとしている。

また、「漢和」の分析は、052C/D型艦が使用するアクティブフェイズドアレイレーダーは探知計測距離、追跡能力などの方面で、より早く就役した日本の「イージス艦」より顕著に優れており、それが装備するのはパワーがより低いパッシブフェイズドアレイレーダーである、としている。中国の「イージス艦」のもう1つの「力量倍増器」は自主的に研究開発したC41SR作戦指揮システムで、これは総合、一体化して全艦に対する管理が行える。文章は日本の海上自衛隊の全体的実力は中国海軍より優れていると強調しているが、中国海軍のカギとなる重要な水上作戦プラットフォームの上での技術の進歩が非常に迅速で、すでに非常に大きく戦役突撃能力を向上させていることも認めている。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「MK-41垂直発射システムは世界で最も先進的な艦載ミサイル発射装置で、隠蔽性が強い、発射速度が速い(最高毎秒1発に達する)、反応時間が短い、全方位攻撃が可能などのメリットを持ち、これらの特徴は飽和攻撃に対抗するのに特別に重要である。」です。)

日本の艦の核心的技術はより成熟

中国の「イージス艦」に対し多く誉めているものの、「漢和」はそれでも日本の現役の「こんごう」級、「あたご」級「イージス艦」は極めて重要な防空能力の上で中国の052C/Dより優れていると認定している。

この刊行物の具体的説明は次の通りである。中国海軍の052C型艦は48発の艦対空ミサイルしか装備していないが、日本の2機種6隻の「イージス艦」はそれぞれ90の垂直発射装置を持ち、数の上で顕著な隔たりがある。武器の性能方面では、中国の052C型艦が装備する「海紅旗」-9ミサイルは最大射程が125km、日本の艦が使用するアメリカ製の「スタンダード」SM-2ミサイルの射程は167kmで、日本サイドが少数導入している「スタンダード」SM-3艦対空ミサイルはさらに対ミサイル能力を持ち、「隔たりは同様に顕著である。」

また、中国の052C/D型艦のフェイズドアレイレーダーに関し、「漢和」はこのレーダーは技術原理上先進的なだけで、依然日本が登場させたばかりのFCS-3アクティブフェイズドアレイレーダーには及ばない、と考えている。同時に、中国のレーダーの寸法と重量は日本製品より大きく、加えてレーダーを取り付けている052C/D型艦の上層建築の高さは限られ、レーダーの装着位置が低めであり、超低空目標に対する探知計測距離と効果が制約され、海をかすめるように来襲する対艦ミサイルに対する防御能力に不利な影響がある。

振り返って日本の「イージス艦」が装備するSPY-1Dフェイズドアレイレーダーはと見れば、アメリカ軍によって広範に採用され、技術が成熟し、500kmの探知計測距離と200個の目標追跡能力があり、「現在の海空作戦に対し完全に使用に充分である。」

総合的に見て、「漢和」の結論は次の通りである。中国の052C/D型艦は対艦ミサイルの射程方面で優勢があるのを除き、防空能力、自動化システム、艦隊協調、航行速度などの方面でいずれも日本の「イージス艦」との隔たりがある。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「日本のイージス駆逐艦の主要な任務は艦隊に防空を提供すること」です。)

「1対1」の比較は科学性を欠く

このカナダの刊行物は中日の「イージス艦」に対し細緻な分析と比較を行っているが、その他の公開されている情報を結合させて見れば、単純に両者が「イージス」フェイズドアレイレーダーを配備していることをもって同列に比較するのは、必ずしも科学的ではない。実際のところ、中日双方の主力艦にはそれぞれ長所があり、双方の海上戦力を指導する思想と位置付けにも関係があるのである。

同類艦艇の核心技術であるフェイズドアレイレーダーから見て、中国の052C/D型艦のアクティブフェイズドアレイレーダーのレベルは疑いなく日本の「イージス艦」より一歩先んじている。052C/D型艦のレーダー性能の優勢は現在まだはっきりしたものではないが、日本の艦が装備するSPY-1系列レーダーがすでに相当に成熟した段階まで発展していることを考慮すれば、後続の向上の余地は大きくなく、一方052C/Dの艦載レーダーはまだ発展の前期にあり、今後不断に改良型が登場し、性能が時間の推移と共に増強し続けることが有望である。

艦対空ミサイル方面では、日本の艦が使用するアメリカ製の「スタンダード」-3ミサイルのパラメータには見るべきものがあるが、それは主に弾道ミサイルに対処するのに使われるものであり、海戦の中で通常の対艦ミサイルの攻撃を防御する時には基本的に使い道がない。制海方面では、中国の「イージス艦」の優勢を疑うウォッチャーはごく少なく、このことは2種の戦闘艦の使用時における異なる位置付けを暗示している。すなわち、日本の「イージス艦」の任務は明確に単一で、主に艦隊防空の核心である。中国の「イージス艦」の運用はより柔軟である。

日本はアメリカの援助に益を受け、その「イージス艦」の自動化レベルは依然中国艦艇より優れている。だが、「漢和」の文章の中で触れられていない点は、日本の艦のカギとなる重要技術がアメリカによって掌握、コントロールされていることである。これはそのグレードアップも改装も、アメリカサイドの同意を得る必要がある、ということも意味している。また「イージス艦」の作戦時に必ず必要な支援ネットワークを日本は全部備えておらず、例えば早期警戒能力と遠距離打撃能力である。アメリカの作戦計画の中で、日本の海上自衛隊は補助性の戦力であり、もしこれがアメリカの作戦体系の支持を離れれば、数が限られた日本の「イージス艦」は決して戦局を変える作用を発揮することはできない。

中国海軍の自らの位置付けは日本海軍とは異なり、このため上述の基礎レベルの問題は存在しない。核心技術の独立性もアメリカの保護に依存する日本とは同一レベルにはない。このため、中国海軍は技術と装備のグレードアップを行う時、基本的に自身の力量に頼って完成させることができる。このことは、「中華イージス艦」が不断に改良と向上を行うことができ、かつ各種の開拓展開を行うこともできる、ということを意味している。また、中国海軍は完備された攻防作戦体系を持ち、かつこの体系のそれぞれのパーツはまだ不断に強化されつつあり、システム作戦能力は日増しに向上している。現実の環境の下では、より少ない「弱点」は中国海軍が安定し、持続的なパフォーマンスを実現できることを確保している。(特約特別原稿 馬蘭)

(頑住吉注:4ページ目)現在日本の海上自衛隊の絶対的主力は6隻のイージス駆逐艦である

(頑住吉注:5ページ目)解放軍の052C駆逐艦は排水量が052Bに比べ数百トン増加し、喫水は0.1m増加し、満載排水量は7,000トン前後である。

(頑住吉注:6ページ目)作戦システム方面では052Cが使用する中国海軍の第3世代新型艦載戦闘システムは、旅海級のZKJ-7をさらに一歩発展させてできたもののはずで、機種名はH/ZBJ-1だとされ、完全分散型アーキテクチャおよびモジュール化設計が採用されている。

(頑住吉注:7ページ目)現在052C駆逐艦は中国海軍の総合作戦能力が最強の艦である

(頑住吉注:8ページ目)中日イージス艦にはそれぞれ長所があるということができ、こんごう級はより防御力を重んじ、中華イージスはより攻撃力を偏重している


 アメリカに依存云々は当たっている部分もありますけど、「どちらが勝つか」ということに対しては、アメリカが日本の勝利を望まないような事態にならない限り関係してこないのでは。















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