03式小銃の主任設計師インタビュー

 今回は「兵器知識」2006年第一期号に掲載された、03式小銃の主任設計師インタビュー記事の内容を紹介します。今まで断片的に情報が出てきましたが、やはりこの人は女性でした。

http://tuku.military.china.com/military/html/2005-12-16/1020487_699218937.htm

http://blog.sina.com.cn/s/blog_4961262b0100hw07.html

 2つのページは同じ記事を扱っていますが、前者は記事をそのままスキャンしたものなので画像のキャプションなど、基本的に前者に従って紹介します。ただし後者には記事の紹介の後にブログ主の意見等が付け加えられているので、そちらも紹介します。


特別取材 03式小銃の主任設計師 範方梅

深紅を愛すべきか浅紅を愛すべきか(頑住吉注:杜甫の詩からの引用です。記事の最後に説明があります)

記者(以下「記」と略称):範主任、こんにちは。あなたが我々のインタビューを受けてくださってとても嬉しいです。03式小銃が「兵器知識」2004年第11期で公開され、デビューしてから、広汎な読者および兵器愛好家のきわめて大きな注目を集め、ネット上や読者の03式小銃に関する討論は非常に熱烈となり、多くの問題が提出されました。ここでいくつかの、最も読者の関心を集めている問題を選んで、あなたにご回答いただきたいと思います。

まず読者は、03式小銃と従来の国産小銃を比較して、03式の構造上最大の特徴は何かを知りたがっています。

範方梅(以下「範」と略称):03式自動小銃は国内において初めて、アルミ合金製アッパー、ロアレシーバー構造、上置式自動機構ガイドレールを採用しました(頑住吉注:「自動機構」は原文では「自動機」で、ボルト、ボルトキャリア周りを指しています)。この種のレシーバー構造は、スコープマウントベースの設置と、銃全体の分解組み立ての勤務性の間の矛盾を成功裏に解決しました。アッパーレシーバーを、機械式サイト、スコープマウントベース、バレル等を組み合わせた1つの有機的全体とし、照準、射撃の一致性を保証しました。ロアレシーバーと撃発機構、ストック等は独立したモジュールを形成しています。アッパー、ロアレシーバーは前後のピンで結合され、着脱が非常に便利です。

上置式自動機構の最大の長所は、ガス導入系統と自動機構、復帰機構と自動機構の間の動力パラメーターの配置がさらに合理的となり、自動機構の動力特性が大いに改善でき、自動機構の運動の平穏性が高められ、銃全体の信頼性と射撃精度が有効に高められることです。同時にそのガイドレールはエジェクションポートの上方に置かれ、劣悪な環境条件の自動機構の運動への影響が減少しました。泥水、風砂等の特殊環境条件下での信頼性の高い使用に有利です。

我々は設計時、さらに使用の快適性と安全性について充分考慮しました。できるだけ照準ラインを低くし、兵士が照準時に頬付けする高さをさらに快適とし、射撃時の隠蔽性をさらに良好にしました。これに加え照準ラインを長くし、兵士が正確な照準射撃をより行いやすくしました。同時にストック折りたたみ状態での射撃、使用を便利にするため、および行軍時に折りたたみ状態から戦闘状態に転換しやすくするため、ストックを右に折りたたむよう設計し、スリング金具とセレクターは銃の左側に設置しました。

記:一般状況下での照準長はどのくらいですか? (頑住吉注:「一般状況下」とはスコープ等を使わない機械式サイトでの場合、ということでしょう)

範:一般的な照準長は300mmあまりで、03式の照準長は500mmあまりです(頑住吉注:それはこれまで中国軍が使ってきたAK系、ブルパップの95式が特に短かったからでしょう)。

記:03式小銃研究開発の過程で、あなたがたはどんな設計上の難点に遭遇し、またそれをどのように解決されたのですか?

範:銃は兵士の使用に供するものなので、銃器設計者に関して言えば人間工学の問題が主要な問題の1つです。03式小銃の設計中、我々が遭遇した最大の難点はスコープマウントベースの設置とそれに付随する勤務使用性の問題に他なりませんでした。

一般的に言って、兵士の照準射撃に便利とするためのスコープの接続部の理想的位置はレシーバーの後端で、しかもレシーバーに固定し、スコープを反復して着脱した後の射撃一致性を保証するべきです。しかし伝統的ロアレシーバー構造に合わせて設計したスコープマウントベースには以下の問題があります。もしスコープマウントベースを左側に(頑住吉注:オフセットさせて)設置すると、銃の幅が大きくなるだけでなく、左側に突出物が形成されて、兵士が銃を背をった時の快適性に影響します。もしスコープマウントベースをリベットでレシーバー左側に固定し、レシーバー後端上部に位置させる(頑住吉注:マウントベースは左側だがマウントを湾曲させ、スコープは真上に位置させる)と、やはり勤務使用性が劣るという問題がもたらされます。また銃から自動機構を取り外すのに不便であり、このため自動機構はそのストロークの外のレシーバー後端から取り出なければならなくなります。

このような状況に対し、我々は2年余りの時間を通じて多くの方案の設計を進行させました。最初の方案は熱型鍛造アルミレシーバーで、その構造は基本的にブルパップ自動小銃(頑住吉注:95式)と同じでした。主な変化はレシーバーの後端で、リアサイトベース(スコープマウントベース含む)にブリッジ式構造を採用したことで、レシーバー後端にリベット止めし、ストックはストックベースによってレシーバーと結合され、取り外し可能でした。その他の構造は基本的にブルパップ自動小銃と同じでしたが、このためにもたらされた問題は外形寸法が大きすぎ、外観に特色がなく、使用性能が劣るというものでした。分解時にはストックをまず取り外さねばならず、その後自動機構をレシーバー後端まで引いて一定の角度回転させ、その後やっとスコープマウントベースのブリッジから取り出せました。

最初の方案の、外形が大きいという欠点に対し、我々はさらに第二の方案設計を進めました。アルミ製レシーバーをリベット止めのスチールプレス製レシーバーに改め、着脱式ストックをレシーバー後端に固定し、ブリッジ式リアサイトベース構造を片持ち式構造に改めるなどを行い、また自動機構の構造に最適化処理を行いました。しかし新たな問題が付随して生じました。レシーバーとリアサイトベースの剛性が劣ることになっただけでなく、自動機構の取り外しに依然としてストックの折りたたみが必要で、後端のベース部品は回転させて初めて取り出せたのです。

リアサイトベースをレシーバー後端に固定することには勤務性が劣る等の問題があったので、我々はいっそリアサイトベース(スコープマウントベース含む)を着脱可能な構造に設計することにしました。しかも一定の技術的措置を通じて、その反復しての着脱後の一致性を保証し、同時に人間工学と勤務性方面において不断の改良設計を進めました。トリガー、グリップ、コッキングハンドル、照準ラインの位置に対し調整を進め、できる限り照準ラインを下げて照準の快適性等を改善しました。こうした多くの改良を行ったにもかかわらず、スコープマウントベース設置後の勤務使用性が劣るという問題を良好に解決することは終始できませんでした。今思うと当時の感覚はまさに、行く道がほとんどないのにもかかわらずあきらめない、というものでした。

現在皆さんが見ているこの種の構造は、何ら新奇なものとは思われないかもしれませんが、私たちにとっては1つの、自己を突破する、大胆な、新しい道を切り開く過程であったのです。伝統的な構造は我々の頭の中で根深く凝り固まっており、それを捨て去るのは確実に、それはそれは難しいことだったのです。しかし現に伝統構造では問題が解決不能であったので、他の道を探さざるを得ませんでした。ひとたび思考のルートを開いてしまえば、苦境の中に光明が見えてきました。数種の方案の反復論証を通じてアッパー、ロアレシーバーの構造が浮上し、方案審査を1回で通過し、上級機関と使用部門との好評を得たのです。

記:03式小銃は自動機構の設計上、独自の道を切り開いたと言えるものになっています。ただし、95式分隊用銃器ファミリーの1メンバーとしての通用性が考慮されており、03式の構造設計は95式小銃の完成された構造を借用したものではないのですか? また同じくそれ以前の56式、81式、87式小銃にルーツがあるのではないのですか?

範:03式小銃は設計初期において95式が大いにルーツになったと言うべきです。この銃は95式分隊用銃器ファミリーの最後のメンバーとして、コンベンショナルな構造とされ、外観上他のいくつかの兄弟銃とは差があるかもしれませんが、我々は設計の初期においてやはりその内部構造をできる限り同じにし、通用性を高めることを希望しました。このため最初の方案の設計時、95式小銃との通用性が優先順位1位に置かれました。しかし具体的な実施中に、前述の勤務使用性の問題の他にも、さらに2つの障害が存在しました。1つは重量が重すぎて基準を超えること、2つ目は外形が大きいことでした。想像してください、本体が95式と同じでストックが増えたら、重量がどうして増えずにいられるでしょうか? さらにレシーバー後端にスコープマウントベースが出来たら、「スマート」になるのは想像し難いです。実のところブルパップ小銃と折りたたみストックの小銃では、根本的に2種類の全く違う銃器類計なのです。多くの制限がある条件下で通用化の要求を達成することは基本的に不可能であり、このため現在の03式小銃の本体構造は95式小銃と全く異なっています。

03式と56式、87式の関係となれば、密接な関係はないと言っていいです。ただし81式自動小銃とは発射機構、セーフティ等の構造が類似しています。03式自動小銃の構造はさらに完璧に近づき、81式自動小銃の使用中に存在したいくつかの問題を克服しただけです。

記:03式小銃と95式小銃の通用化は達成できなかったわけですが、それでは両銃器の性能上のパラメータには差があるのですか?

範:そんなことはありません。03式小銃の性能パラメータは95式小銃と同じです。当初、小口径分隊用銃器ファミリー戦術技術指標が提出された時、95式自動小銃ははまだ方案論証段階でした。小口径分隊用銃器ファミリーの研究開発成功を保証するため、折りたたみストックの自動小銃が第2方案としてその中に組み入れられました。このため両銃器は全長に関する要求が異なるものの、その他の性能指標は全く同じでした。

記:03式小銃には一方において称賛する声がある背後で、一部の異議もあります。その中で論争が最も多いのはラッパ型の銃口装置の外形があまり美しくない、というものです。この問題についてあなたはどう見ますか?

範:銃口装置には主に2つの機能があります。1つは銃口炎を消す機能、2つ目は騒音を軽減する機能です。同時にその円筒形の外形はライフルグレネードを発射し、多機能バヨネット装着際の補助固定機能も兼ねています。皆さんはあまり注意していないのかも知れませんが、03式の銃口装置前面のラッパ形状は実際上95式小銃と類似しています。これは比較的良好な消炎効果を達成するためです。ただ03式小銃の銃口装置のラッパ口はスリットを開けるのに便利なように比較的短いので、外表面のリブがなくなっているだけです。

03式小銃の銃口装置は95式小銃のそれと外形が似ていますが、内部構造の設計上やはり差があります。我々は03式の銃口装置の中央部に気体膨脹チャンバーを設計しました(頑住吉注:3ページ目左上のイラスト参照)。この目的は、火薬ガスがチャンバーを出る時の圧力を下げ、騒音を軽減する目的を達成することです。ここで私は銃口装置の設計について簡単に紹介しましょう。この銃の銃口装置の機能は95式小銃と全く同じなので、最初の方案では95式の銃口装置を直接採用することを希望していました。しかし全体の設計中に、銃の全長に関する指標を満足させるために、この銃のバレルは95式よりも短くなり、火薬ガスが銃口を出る時の圧力がより大きくなり、これに応じて銃口を出る際の騒音も増大することが判明しました(頑住吉注:03式の銃身長は440mm、95式は463mm)。このため95式の銃口装置を採用したのでは騒音軽減に関する要求を満足させられません。このため有限な空間をどのように利用して使用要求を満足させるか、これが我々が設計中に解決しなければならない問題でした。理論上いくらかの経験値はありましたが、銃ごとの各種パラメータには差があるので、各影響要素に対し最適化に向けた組み合わせを進め、最良の使用効果を達成させました。例えば、我々がもし銃口装置のラッパ口の角度と長さを変えれば消煙効果はより良くなったかも知れませんが、騒音と精度は基準を超えてしまいました。膨張チャンバーを大きくしてラッパ口の長さを減じれば、騒音は小さくなりますが、銃口煙を減少するという要求を満足させられませんでした。理論計算と反復試験を通じて、現在あるこの種の膨張チャンバーとラッパ口の構造をもって初めて、騒音減少と消炎の使用要求を満足させられることが分かりました。ただ、膨張チャンバー内に堆積する火薬残渣があまり良好に処理されていません。膨張チャンバー内壁に特殊な表面処理を行いましたが、依然として少量の火薬残渣が堆積します。そこで、この構造には長所も短所もあると言うことができます。現在ちょうど我々は他の道を考えているところです。例えば専用のクリーニングブラシあるいは特別な溶液でこの問題を解決する、といったことです。

記:その他に、読者は03式小銃の外形が81式、87式と似たところがあり、かつ銃に突出物が多すぎるのではないかとも考えています。さらに女性設計師の設計した小銃の外形は男らしさに欠けると考える人もいます。あなたはそう思いますか? (頑住吉注:うわー、こんなこと言う人がいるんじゃ大変ですね)

範:この問題をどう話しましょうやら。私は外観からすると、この3機種の銃はいずれも右にストックを折りたたみ、中央に心臓部があり、すなわち自動機構と撃発機構を備えたレシーバーがあり、グリップはいずれもマガジンの後方に置かれ、レシーバー前面のバレルはハンドガードでカバーされ、バレル先端部には銃口装置がある等々、これらは実のところいずれも伝統的な小銃のレイアウトです。例えばソ連の著名なAK47、AK74小銃、現在のロシアのAK101、AK102はいずれもこのような構造を採用しています(頑住吉注:AK47の折りたたみストックは形式が違いますが)。こうした長年の実践を経て、こうした構造は人間工学に完全に符合し、兵士の操作使用に便利で、銃の使用効能を最も良く発揮することが証明されています。

銃の突出物とはレシーバー上部の調節式リアサイト、前部のフロントサイトベース等のことを指しているのかもしれません。これらは我が国の小銃の装備使用と関係があります。もし全ての銃にスコープを装備して使用したら、機械式サイトは緊急時のおおざっぱな照準に使用するだけのものとなり、機械式サイト系統の設計はずっと簡略化できます。

銃全体の外形が女性的であるとの話になりますが、私個人は03式小銃の外形はやはり、かなり勇猛なものだと考えます。現在の小火器設計では、機能的要求を満足させることの他に、外形が美しく調和がとれているかも設計者が考慮しなければならない問題です。1人の女性設計師として、比較的美を愛するのは天性のもので、銃の外形設計上少なからぬ技量を注ぎました。当時、全体方案の確定後、外形設計の方案図はすでに数十枚ありました。現在の03式小銃の外形に関して、ある人は「千万回呼んで初めて登場した、人を驚かせるもの」と言いますし、大したことはないと言う人もいます。しかし他人がどう言おうと、私個人はこの銃の外形は悪くないと思っています。

記:私が見るに、コッキングハンドルは少し薄いようなのが目につきます。これは戦術使用に影響しないでしょうか? もしするとすれば、さらにどのように改良しますか? (頑住吉注: http://tupian.hudong.com/s/%E4%B8%AD%E5%9B%BD03%E5%BC%8F%E8%87%AA%E5%8A%A8%E6%AD%A5%E6%9E%AA/xgtupian/1/0 うーん、これを見ると確かにちょっと不安かも )

範:我々は設計時、わざわざコッキングハンドルを孤形に設計しました。このようにした目的は、コッキングハンドルを人の指とフィットさせ、作戦操作使用に便利とすることです。ただし外観からすると少し薄いのが目立ちますが、この銃は部隊試験中の試用が進行しているだけであり、部隊にはまだ未装備ですから、戦術使用に影響するかどうかはさらに一歩、部隊の使用論証を待たねばなりません。ただし、もしコッキングハンドルを改良する必要が生じたら、一定の難しさがあります。現在のこの種の構造のコッキングハンドルを大きく、厚くしたら、レシーバーのコッキングハンドルの入るスリットの寸法と、自動機構の後端部の寸法に調整を加える必要があるだけでなく、コッキングハンドルを基部の強度問題にも影響します(頑住吉注:コッキングハンドルの先端近くが重くなると、ボルトキャリアと一体で激しく前後動する際に基部から折れるおそれが生じる、ということでしょう)。ここで詳細に説明するには差し障りがありますが。

記:03式小銃には孤形のコッキングハンドルのような、いくつかの特殊な構造があります。そこでこの銃の加工工程性(頑住吉注:生産性のことでしょう)は良好なのでしょうか。

範:全体的に言って、03式小銃の加工工程性はまずまずです。いくつかの個別構造、例えばバレル基部とハンドガード後部カバーの接合部分はあまり大量生産の必要に適応していません。ただし試生産時、その機能と使用状況に影響がない保証の下で、すでに細部の調整が行われました。外観から見ると変化がないだけです。

記:さっきあなたは部隊試験に言及されました。武器というものは突き詰めれば部隊に支給して使用するものです。03式小銃の、部隊使用における勤務性と信頼性はどうですか?

範:03式小銃は現在まだ部隊に装備されていません。部隊試験から、この銃の使用における勤務性は比較的良好であるとされています。新構造ではあるが兵士は容易に掌握し、操作使用も便利です。この銃の信頼性は95式小銃に相当し、国家射撃場と部隊試験において、その低故障率から部隊将兵の好評を得ました。

記:それでは、03式小銃を同じく国外の同類銃器と比較すると、一体優劣はどうなるのでしょうか?

範:周知のように国外の同類銃器の中で、ソ連のAK系列とアメリカのM16系列の銃が、世界各国で大量に装備されているため、長期にわたる異なる環境での実践論証を経てきており、公認の優秀者です。前者は威力が大きい、操作使用が便利、機構作動の信頼性が高いなどの長所を持ち、後者は重量が軽く、初速が高く、射撃精度が良好です。一方03式自動小銃はそれらの長所を吸収しています。我々は設計中、銃全体の動力特性に重点を置き、またストック、緩衝器、撃発機構に最適化を進行させ、人間工学に射撃精度、特にバースト時の射撃精度向上に充分力を発揮させました。同時に、その機構作動信頼性に関しては、大多数の国外銃器に比してさらに厳しい各種環境試験を経ました。このため、国外の同類銃器と比べ、火力が猛烈である、重量が軽い、体積が小さい、単、連発精度が高い、信頼性が高いなどの長所を備えています。したがって銃全体に関して、中国将兵の使用要求により符合していると言えます。

武器というものは結局使ってみて分かるものです。03式自動小銃は部隊の実際の使用をまだ経ていません。この銃の長所短所に関してここで過度の評価を下すことは望ましくありません。ただし下された評価がどうであろうと、実際の使用中に判明した、意に沿わぬ部分に対し、我々は全て真剣に解決を図り、取り組むでしょう。努力して武器を兵士に合わせ、03式を、部隊の兵士の練磨を経てさらに成熟度を加えたものにしていくでしょう。

編集後記:インタビューの最後に、筆者は範方梅さんに自己紹介をお願いした(頑住吉注:最初にやれよ)。彼女はただ簡単に一言口にした。1987年に南京理工大学特殊機械科を卒業し(頑住吉注:私、一浪一留して平成元年、1989年卒業なんでほぼ同い年かもしれません)、ずっと小火器設計業務に従事していたと。1人の女性銃器設計師として、男性が主役の武器研究開発領域で頭角を現すことができたのは並大抵のことではない。しかもこのように穏やかな心を保持し得ていることは、記者を感嘆させて止まない。河畔を一人歩いていた大詩人、杜甫は一群の満開の桃の花に直面して、濃い赤色の桃花を愛すべきか淡い赤色の桃花を愛すべきが悩んだ。03式と範方梅に対して、我々もこんな感じではないだろうか? (頑住吉注:要するに女性設計師の設計した03式か、男性設計師の設計した95式か、どちらを選ぶか難しいなあ、といった意味のようです。杜甫の詩に関しては

http://black.ap.teacup.com/nosukuk/211.html

こんな紹介ページがありました)


(頑住吉注:各画像のキャプションです

1ページ目、左から

「03式小銃の、左側に位置するスリング金具とセレクター」

「03式小銃のボルトを外しかけた状態」

「03式小銃の最も特色あるリアサイトベース」

2ページ目、上列左から

「03式小銃のアッパー・ロアレシーバーは2つのレシーバーをピンで接合する方式が採用されている」

「03式小銃のピストンロッドおよび自動機構」

「03式小銃のエジェクターおよびガイドレール」

下列左から

「03式小銃のロアレシーバーには主に発射機構とストック等の部品が装備されている」

「03式小銃の緩衝器は射撃精度向上に対し大いに助けになっている」

「03式小銃のストックのロック金具」

3ページ目左から

「03式小銃の銃口装置の内部構造」 (矢印で示しているのはバレル)

「伝統的構造の代表、著名なAK47小銃」 )

(頑住吉注:元の記事はこれで終わりで、以後は後者のページの補足です)

ブログ主注:09年の建国記念日の閲兵式でデビューした03式を、私は今日に至るまで撃ったことがないが、数日前藍血軍魂兄弟(頑住吉注:中国の軍事ブログ界の有名人らしいです)がちょうど言及していた。軽火器使用の専門家、楊南鎮の03式に関する評論を見つけて引用した文章は後に示す通りであるが、楊氏の文中からは、95式の10大問題点が03式ではもはやほとんど存在していないことが見て取れる。

これまでネット上で03式と95式、コンベンショナルとブルパップの優劣に関する論争は依然として激化しつつあるが、私の視点は、全面的に装備されているものがいいとは限らず、まだ装備されていないものが悪いとは限らない、というものだ。全ては戦争にプルーフさせることだ!

楊南鎮の文、「部隊使用から5.8mm自動小銃を語る」の概要

03式を評論する以上、私という厳しいユーザーは、この「男の子」が、なるべく早く戦争に強い「野生児」に成長する期待という角度から、銃の全体造形を調和のとれた美しいものにし、さらに1ステージ上げるため、私の提案を話そう。

まず、銃口装置前端の「小ラッパ口」を後部の直径と同じに太くすることを提案する。これにより銃全体の調和度がより増すだけでなく、緊急状況下でのバヨネット装着、ライフルグレネード装着がガイドされて便利さが増し、同時に銃口という銃全体で最もぶつけやすい部分の強度を増すことにもなる。

第2に、現在銃全体から見て、コッキングハンドルという兵士の操作使用が最も頻繁な部品が小さすぎ、尖り過ぎているのが目立つ。夜間、雨雪、寒冷および緊急状況での使用に不利である。ゆえにコッキングハンドルを適度に大きく、太くすることを提案する。56式サブマシンガンや81式自動小銃のようなサイズになれば可である。その先端部はやや鈍化させるべきである。

(ブログ主注:実際のところ03式のコッキングハンドルはかなり優れている。そのアールは56式サブマシンガンとやや似ており、個人的な感覚では56式から03式に至るまでの銃では、56式のコッキングハンドルが人間工学的に最も優れている)

第3に、アッパーレシーバーのエジェクションポートが角ばっている。適度なアールをつけた丸みのある角にすればさらに少し美観が増すかもしれない。

第4に、ロアレシーバーの「腹部」が銃全体の造形の中にあってやや太り過ぎである。もし改良し適度に「ダイエット」したなら、03式はさらに美しさ、健全さが増す印象になるであろう。以上の提案、ご参考まで。


 杜甫の詩とからめた洒落た言い回し等、手も足も出ない部分があったので中国朋友にいろいろ教えていただきました。後者のページも何故か私の検索では見つからなかったものを教えていただいたものです。また03式の分解に関し、次の画像をいただきました。文字は私が書き直したものです。



 ストックのロッキングについてはちょっと分かりにくいですが、下の画像の「1」を押すと連動して「2」が下降してロック解除になる、ということらしいです。かなり強固にロックできそうですね。どこにも指摘されていませんが、セレクターはちょっと操作しにくそうに見えます。



 さて、私は字句の解釈とは別に、中国朋友に次のような質問をしました。

「軍用銃の設計者が女性というのは銃器発達史上でもきわめて異例と思われますが、こうした場合、

1.全く男性と平等に評価された結果
2.女性が不利な男社会の中で実力が認められたのは才能が突出していたから
3.女性を社会進出させたい、また女性の社会進出が進んだ国であると世界から評価されたいため、男ならばそこまで評価されないであろう人物を重用した

という3種類が考えられると思われ、記事の筆者は2.であるとしていますが、あなたはどう考えていますか?」

 よく見る眼鏡の美人報道官、姜瑜氏は優秀な官僚であると報道されており、いかにもそんな感じに見えますが、ああいう目立つポストに女性を置くのには、女性の社会進出が進んでいるという印象を世界に与えたいという意図も含まれているのではないかと思うわけです。この質問に対する中国朋友の答えは次の通りです。

「女性設計師に関する小火器界での異なる見方に関しては、私もあなたの列挙した第2の視点に同意するものです。一般人の印象の中だけでなく、実際の状況でも、武器設計は全く男性優位の社会です。1人の女性設計師の設計方案が大国の軍隊によって採用される、これは間違いなく非常に稀にしか見られないことです。私が知っている他の女性設計師はおよそ旧ソ連のSPP-1水中ピストルのために設計された専用弾薬の設計者某氏だけです。また中国の数多くの軍事フォーラム上で、内情に明るくない人々が、03式の設計師が女性だというだけのために、ずっとこの銃に関し、みだりに非難し続けてきました。ここ2、3年になって03式の装備量が次第に増加するにつれ、また使用部隊(主に降下兵部隊)の03式に対する好評が絶え間なく伝わってくるにつれ、こうした非難の声はやっと少し収まってきました。これも1人の女性が中国で成功を望むことにどんなに多くの困難があるか、ということの一側面からの反映です。」

















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