リボルバーに対する激烈な批判
いつもなら原ページのURLを紹介して参照していただくんですが、今回それができません。何故かというと、非常に長い文章を翻訳しているうちに原ページが削除されたらしく表示されなくなっちゃったからです。紹介するのを止めようかとも思ったんですが、せっかく翻訳したんだし、面白い内容なのでやはり紹介することにしました。画像はありませんが、もし原文をどうしても見たいという人がいれば保存しておいたページをメールに添付してお送りします。
リボルバーを論じる(リボルバーの22大弊害)
[内容の要点] この文章は、拳銃の性能と警察の法執行戦闘実例の両方面から、自動拳銃の性能がリボルバーより優れていることを分析論証し、装備決定部門の参考として提供し、装備決定上のミスを避けるためのものである。またリボルバーを使用している人員に提供し、実戦使用中に、長所を伸ばし短所を抑え、リボルバーのあるべき性能を充分発揮させるためでもある。
転輪手槍は英語ではREVOLVERといい、「回転装置」の意である。弾薬を装填するシリンダーが、左側から薬莢を捨てることができるため、俗称「左輪手槍」ともいう。最初の真正のリボルバーはアメリカ人のコルトが1835年に発明したもので、今からすでに175年前のことである。リボルバーに輝ける歴史があったことは否定できない。しかし科学技術の発展につれて、また現代の自動拳銃(半自動射撃をする拳銃を「自動拳銃」と呼ぶのはすでに世界中で一般化している)の工程的進歩と完備につれて、リボルバーと自動拳銃を比べれば、リボルバーに元々あった優勢はすでに消え、あるいは薄くなり、その欠点は明らかとなっている。
1.リボルバーの装弾数は少なく、戦闘射速は低く、戦闘持続時間は短い
リボルバーの装弾数は一般に5から6発であり、装弾数が少なすぎて警察の使用のために配備するには適しない。拳銃の装弾数が少なすぎることは、人民警察官の死傷が増大する重要な原因の一つである。例えば、1997年、江西萍郷における銃を所持した殺人逃亡犯万光旭の逮捕に際する「8.15」戦闘中、人民警察と武装警察合わせて5人が犠牲となり、重傷者6人を出し、この他に3名の一般人が万光旭によって撃ち殺された。戦闘中、4名の人民警察官が弾薬を撃ち尽くし、これが原因で人民警察は死亡、重傷者各1名を出した。
1984年4月、アメリカで2人のFBIエージェントが殺害された。銃撃戦によりFBIエージェントの死傷者7人を出したこの有名なマイアミ銃撃戦事件はアメリカ警察の覚醒させた。マイアミから得られた教訓の1つは次の通りである。3人のエージェントは改めて装弾しようとしている時に撃たれた。そのうち1人は9mm弾を撃ち尽くした後に撃たれて死亡した。他の2人は改めての装弾過程で撃たれ、負傷した。2人の負傷者は報告書の中で、「射撃開始から弾を撃ちつくすまでは、我々はいずれも負傷していなかった。戦闘中に敵の前で自分のリボルバーに装弾することは不可能だ。」と書いている。マイアミ銃撃戦事件後、アメリカのFBIはついに誤ちを改める決心をした。すなわちリボルバーの放棄である! 21社が提供した拳銃のトライアルにおいて、S&W
M1076自動拳銃が勝利し、FBIと生産に関する契約を結んだ。新しい拳銃の支給後、私物の拳銃を除いてFBIの所有するリボルバーは全部装備から外された。
1999年1月4日午後、張君ギャング団が武漢広場で略奪を行ってまさに逃げようとした時、武漢市公安局の巡邏人民警察所属の第2大隊5020車両グループの人民警察官陳xxと方xは群集に危険を知らせた後に現場の封鎖を急ぎ行った。張君ギャング団を指揮していた李沢軍と趙正洪が正面で警察を迎え撃ち、巡邏警察の注意を引きつけている間に、2人の巡邏警察官は弾薬を撃ち尽くした。張君ギャング団は迂回して2人の巡邏警察官の左側から不意打ちした。弾丸は巡邏警察官方xの頭部に命中した。方xは4年間の治療の後に退院したが、6歳の子供に相当する知能しか持たなかった。
2003年6月2日、重慶市栄昌郡公安局昌元派出所の、まだ26歳の人民警察官甘xxは容疑者を追跡している時、空に向かって威嚇射撃した後で容疑者に銃で襲撃され、1発撃っただけで弾薬が尽き、最後には壮烈な犠牲となった。
2004年の雲南臨滄鳳慶「8.30」特大規模の武装違法薬物密売組織事件において、鳳慶郡公安局の薬物対策大隊副大隊長呉xxはミャンマーの薬物王江偉を射殺した。その時使用していた54式7.62mm拳銃は8+1発装填できるモデルだった。容疑者に対しては装弾数の多い拳銃も充分必要性があるのだということがこの時証明された。薬物王江偉は体に数発の弾丸を受けてもなお反撃を続けることができ、500m余り走って隠れた。51式7.62mm拳銃弾の威力でも明らかに不足だったことがこれで分かる。増してやリボルバーならどうか?
2.リボルバーの装弾は非常に面倒で、実戦要求に符合しない
リボルバーはもしスピードローダーを使わない場合、改めての弾薬の装填が非常に遅い。スピードローダーを使用した時でも、銃口をまず上に向け、左手の親指でエジェクターロッドを押し下げて排莢しなければならず、その後に再び銃口を下に向けてやっと弾薬を装填できる。したがって銃口の向く方向を変えて、装弾後に改めて銃の照準をしなければならない。スピードローダーを使用しての装弾時、射手の目は弾薬が装填されるシリンダーを見なければならず、視線が目標を離れることになり、適時に敵状の変化を視察することができない。
国産の現在装備されているリボルバーは実際の使用において、弾種の変更がさらに面倒なことになる。2007年6月8日、かつてアメリカのワシントン州特別警察隊に勤務していたアメリカ国籍の中国人石xxは筆者に向け語った。「あなたがたのリボルバーのゴム弾と実弾はどんな風に装填しているのか? ゴム弾のみを装填しているのか、それとも実弾と混装しているのか? もしゴム弾のみ装填しているのならば、事態がより緊迫した時にあなたはまず全部のゴム弾を排出し、その後再び実弾を装填することになる。これは必然的に戦機を喪失する可能性がある。実弾と混装したならば、ゴム弾を撃つべき時に実弾が発射され、あるいは実弾を発射すべき時にゴム弾が発射される可能性がある。」
3.リボルバーの威力は小さすぎ、実戦の需要を満たせない
リボルバーのチャンバーとボアがそれぞれ独立した構造であることがもたらす主なことは、先天的に威力が小さすぎることである。発射時に不可避の「漏火」により、もし同一の種類の弾薬を射撃した場合、リボルバーは初速とエネルギーがいずれも自動拳銃よりも低くなる。これはどんなに多くのリボルバー製造者が一生奮闘しても変えられない鉄の規律である。
国産の9mm警察用リボルバーの初速は220±10m/sであり、初速が低いため威力が不足となり、犯人をその場で撃ち倒す必要がある時に「軽々しく弾を撃つな。撃つなら必ず命を奪え」という要求(これもアメリカ警察の用銃理念である)に応えられない(頑住吉注:これはイスラエルの暗殺部隊とかマカロニウェスタンの傑作「怒りの荒野」みたいな標語で、アメリカ警察の一般的な理念とはとても思えませんが)。
リボルバーの威力(貫通力と殺傷力)が小さすぎることは、アメリカ警察がリボルバーを放棄した主要な原因である。1984年4月のマイアミ銃撃戦事件において、犯人のプラットは命中弾を受けた後もなお射撃を続け、3名のエージェントが撃たれて死に、他に5人が負傷した。原因は9mmリボルバーの弾丸がプラットの肺の浅い部分に留まり、心臓に侵入することがなかったからであった。後の専門家の研究によれば、攻撃者を制止しようと思うならば、弾丸は必ず人体の器官に侵入し、しかも器官を破裂させなければならない。かつてハルビンにおいて、警察官が64式拳銃(頑住吉注:PPK亜流)を使用し、革コートを着た犯人に4発の命中弾を与えてもなお犯人の攻撃を制止できず、傷を受けて死亡するという事案が発生した。これだけではない。リボルバーの威力(貫通力と殺傷力)が不足であるという実戦の例が我が国の杭州でも起こった。2007年7月12日午前、杭州警察が時代遅れのリボルバーを用いて、刀で3人の通行人と2人の巡邏警察官を傷つけた男を撃った。1発目のゴム弾は手の甲に命中、その後3発の実弾がそれぞれ腹部、膝、腿に命中した(腹部の1発は心臓から1cm離れたところに侵入したが、摘出された弾頭は無傷だった)。弾丸を受けた男は何事もなかったかのように動き回り、最後には石製のベンチに座りこんだところを、人民警察官が後ろから襲いかかって抱きつき、凶行に及んだ男をやっと制圧した。
このように、低い殺傷力しか持たない弾丸を発射するリボルバーが、大威力の弾丸を発射する自動拳銃に取って代わられるのは必然的なのである。
4.リボルバーの外形は自動拳銃のように携帯や使用が便利ではない
リボルバーに特有の、「中央がふくらみ後部が湾曲し前部が細い」形状上の特徴は、縦方向の寸法をいびつなものにしている。さらに銃の全幅、およびバレル軸線と、トリガーと銃を支える人差し指と親指の間を結んだ線との垂直距離が大きく、リボルバーを携帯に不便なものにしている。特にこれはコンシールドキャリーに不便な欠点である。
国産の現在装備されているリボルバーは「大腹」が原因でホルスターが体にフィットせず、銃が抜きにくく、安定しない。自動拳銃の外形のラインは滑らかで、「大腹」のリボルバーと比べ銃を抜くのが簡単で速い。これはとっくに定説になっていることである。
5.リボルバーのトリガープルは重く、発射時に正確な照準を狂わせやすい
リボルバーは全てダブルアクションを採用している。ダブルアクション状態ではトリガープルは重く、ストロークは長く、射撃精度に影響する。リボルバーのトリガープルは5kgを越える。5kgを越えるダブルアクションのトリガープルでは、目標に命中させるのは困難である。ダブルアクションの射撃への影響を克服するため、少数のリボルバーはさらにシングルアクションを増設しており、シングルアクションで連射ができる。実際のところ、シングルアクション機能のあるリボルバーでは、使用者は射撃時に6発のうち5発はシングルアクションで発射している。初弾発射への悪い影響をなくすため、一部の使用者はきっぱりと手動でハンマーを起こすが、これではリボルバーの素早く発射できるという長所が失われる。さらにもっと極端だと、一部のダブルアクション拳銃の使用を義務付けられている警察官は犯人に照準を合わせる前に、2発目をシングルアクションで発射するために1発目を空に向かって、あるいは大体の方向に向けて発射し、1発目の行方は気にかけない。しかし実戦において初弾は往々にして決定的作用をする。リボルバーは本当にまとまらない議論の的である。リボルバーはトリガープルが重いため、射撃が困難であり、その命中率は客観的に見て、どんなにしても自動拳銃には劣る。
6.リボルバーの重心はグリップと比較的遠く、射撃時に手に力が要り、射弾が低くなりやすい
リボルバーは自動拳銃と比べてシリンダーが加わっているため、装填後の弾薬の重量も前に集中する。自動拳銃の弾薬の重量が銃を保持する支点にかかるのとは異なり、リボルバーの重心は前寄りになり、グリップからも比較的遠くなる。重心が前寄りにある銃は射撃時に射弾が低くなりやすい。これに加えトリガープルが非常に重いため、リボルバーによる射撃ではさらに着弾点が低くなる現象が起きやすい。
7.リボルバーはシリンダーとバレルの間の隙間から火薬ガスが噴出する
リボルバーは構造上自動拳銃と1つの根本的差異がある。それは一体でないボアの構造であり、そのチャンバーとボアは独立している。リボルバーは発射時、火薬ガスが弾丸の底部に完全に作用せず、その一部はチャンバーとボアの隙間から噴出する。もし夜間あるいは暗い状況下で射撃すると、火薬ガスがリボルバーのチャンバーとボアの隙間から噴出したものである火花がはっきりと見える。
火炎の噴出は一般に、射手に対しての安全上の懸念はない。ただし射手が射撃時に、火薬ガスや点々とした燃えカスが顔や手にかかるのをはっきり感じる可能性がある。もし両手で銃を保持しているとリボルバーが射手の顔に比較的近くなるので、この感覚はさらにはっきりしたものになる。この他、射手が排莢や装弾を行う際、往々にして手中を火薬カスだらけにすることがある。
火炎の噴出が射手に与える心理的影響は比較的大きい。銃を射撃する際に火の粉が四散したら射手の心中がどんな感覚になるかは想像に難くない。
火炎の噴出が射手に対し一般に安全上の懸念を生じさせる可能性がないというのは相対的なことである。リボルバーは製造過程でチャンバーとバレル後端面の間に0.05から0.125mmの間隙がある。バレル後端面とシリンダーの錆蝕や、あるいは摩耗がひどいと、火炎の噴出が射手にやけどを負わせる可能性がある。また夜間射撃では噴出する火炎が自分を目標として暴露する重大な事態になる可能性がある。
8.発射音が小さく、威嚇効果が小さい
国産9mm警察用リボルバー用弾薬の発射薬が採用しているのは高エネルギー低燃焼のxxxx発射薬であり、弾道性能が高められ、発射音が低減されている。このため発射音によって威嚇する効果は良くなく、警告効果が劣っている。警告効果が低すぎるので、巡邏警察官に装備するのには非常に不向きである。
9.リボルバーの分解結合は不便である(頑住吉注:この項目は本来画像のみによって示されており、その画像は削除されてしまっていました。画像のキャプションは「リボルバーの分解は何本かのネジを抜く必要があるのが常であり、分解結合が不便である」となっています)
10.リボルバーは外部に露出する部品が多すぎ、少しの適切でない操作がその性能に影響する可能性がある
特にシリンダーがそうである。これは実際上開放されたチャンバーであって、使用環境に対しても開放されている。氷雪、泥水、灰土、およびその他の汚物が容易に侵入、付着する。「リボルバーはシリンダーをスイングアウトした後には、非常に容易に泥砂、埃によって汚れる。これを避けることはできない。」(「アメリカ警察自衛術」179ページ) このためリボルバーは戦闘環境における順応性や機構作動の信頼性の方面において決して楽観できない。
11.リボルバーの撃発機構とシリンダーの間の機構動作は複雑であり、潜在的故障率は高い
実戦使用中、リボルバーのシリンダーが回転しない、不発、という状況が発生することがある。よく見られる故障はほとんど全部シリンダーの回転とハンマーの回転という2大機構の相互の作動関係をめぐってのものである。
我々は1人の長期間リボルバーを携帯したアメリカの警察官が十年余りも前に話した内容により、難なく自動拳銃とリボルバーのどちらが優れどちらが劣っているかの結論を得た。彼は語った。「法執行界において9mm半自動拳銃の装備は疑いをさしはさむことの許されないものだ。多くの人は自動火器は射撃時の故障を容易に発生させると考えているが、リボルバーの故障は普通容易に排除できると考えられている。私の17年のほとんど毎日銃を携帯していた経験から、故障が最も多かったのはリボルバーだ。過去の軍用火器信頼性試験においても、自動火器の信頼性は常にリボルバーを上回っている。」
しかしリボルバーを偏愛する人は非科学的態度をとる。自動拳銃は近代的武器であると考え、まったく無根拠に道理に合わないことを強弁する。いわく、「近代的武器ほど故障が多いのだ。」
リボルバーの故障が現代の自動拳銃よりも多いことは明らかである。リボルバーがジャムしないという言い伝えは明らかに神話である。リボルバーのシリンダーが回転しない、あるいは定位置に至らない事態は実際上まさにジャムである。シリンダーの回転不良が起きた時、故障の排除は自動拳銃よりもさらに難しい。
12.リボルバーにはスライドストップに当たる機構がなく、射に対し適時に改めての装弾を促すことができない
我が国の9mm警察用リボルバーはリコイルシールドの対応する位置に残弾視察口が設けられているが、プライマーの形状の視察を通じて残弾の状況を掌握する効果は不明確である。また銃撃戦の緊急状況下にあって、射手が残弾視察口を通じて残弾を視察することは不可能である。またシリンダーにフル装填していない時、射手が何回か空撃ちになって戦機を誤る危険があり得る。
13.リボルバーは装弾時に射撃できない
実戦において、射手は弾薬の消耗を心に留めておくべきである。弾薬の補充は弾薬を完全に消耗した後にすべきでは決してなく、地形に隠れることが出来さえすれば、前進の前にもし銃の中に1、2発の弾薬しかなければ弾薬を補充すべきである。もし自動拳銃ならば、親指でマガジンキャッチを押し、マガジンが落ち、この時凶手が迫ったら射手はチャンバー内の1発を使って敵を撃つことができる。だがリボルバーの場合は装弾時にシリンダーと銃身は分離しており、射撃はできない。
14.リアサイトのノッチの幅が不適合であり、フロントサイトがはっきり見えず、夜間射撃ならなおさら照準は不可能である
15.チャンバーの抗堪力が自動拳銃に及ばず、チャンバー内圧力の急上昇は容易にチャンバーの破裂を引き起こす
チャンバーが一定の火薬ガス圧力を受けても変形しない能力をチャンバーの抗堪力という。リボルバーでは弾薬を収容する穴がすなわちチャンバーであり、チャンバーの抗堪力を自動拳銃の銃身の抗堪力のように最高のチャンバー内圧力の2倍以上という余裕のあるものにすることは不可能で、リボルバーは使用時や保管時に、特に銃身内に汚物がつくことを防止しなければならない。さもないとチャンバー内圧力が急上昇してチャンバーの破裂を引き起こす。
16.リボルバーは遅発が起きた際にチャンバーの破裂が必然である
リボルバーの最大の長所は、まさに不発弾の排除が速いことである。しかし、もしこの不発弾が遅発だったら、銃身からずれている弾薬は必然的にチャンバーの破裂を引き起こす。
17.リボルバーのチャンバー内圧力は均等でなく、チャンバーの破裂はその潜在的危険である
リボルバーが威力不足であることに次いで、2番目の先天的な不足点は、シリンダーにある各チャンバーが同心の軸をめぐって「星形」に配列されており、射撃の瞬間にチャンバーの周囲が受ける圧力が不均一であることだ。この点はリボルバー使用時の最大の懸念であり、別の言い方をすれば潜在的危険、すなわちチャンバーの破裂である。
18.蛇足である「セーフティー」は長所を喪失させる物笑いの種である
チャンバーが定位置にないと撃発しないセーフティなどを除き、世界中の圧倒的大部分のリボルバーには独立した発射機構のセーフティ機構は設置されていない。リボルバーのトリガーが重く、ストロークが長い特徴を充分に利用し、射撃準備と操作動作を最大限に簡素化して、迅速に戦機をつかみ、敵より先に発砲するのである。
国産の9mm警察用リボルバーには発射機構の手動セーフティが設置されている。手動セーフティの設置は無益であり、危険でさえある。使用者が忘れることがあるからだ。リボルバーはトリガープル自体がまさに発射機構のセーフティを構成しているのである。国産9mm警察用リボルバーに手動セーフティを設置することは、リボルバーの銃を抜いて発射するまでが速いという長所を喪失させるもので、わけのわからないものに見える。
19.セーフティをかけた後にシリンダーが型通り回転し、使用者に「不発だ」との誤った判断をさせる
セーフティをかけてもシリンダーは型通り回転し、ハンマーは型通り倒れる(ファイアリングピンは叩かないが)。このような状況は実戦において大きな問題を起こす可能性が高い。射手に不発であるのか、それともセーフティを外していないのかはっきり分からないからである。
実戦中、射手の精神は高度に緊張している。うっかりセーフティを外し忘れるといった状況は常にあることだ(例えば、98年に安徽で起きた重大事件において、最初に犯人王伝海を発見し、銃を構えて射撃した人民警察官は、最初にトリガーを引いた時うっかりセーフティを外し忘れていた)。このような状況下では、射手は不発であるのか、それともセーフティを外していないのかはっきり分からないので、「もう一度トリガーを引く」という選択をしがちである。したがって戦機を誤り、命を失うことになる。
20.トリガーを途中まで引いたら変更できない。さもないと次が空撃ちになる危険がある
あなたがリボルバーのトリガーを途中まで引いてから緩めると、撃発準備状態にあった弾薬は次に送られる。このような状況が実戦中に起こり得る。弾薬が最後の1発になった時、トリガーを途中まで引いた時に敵が突然隠れ、再び出現したら、あなたは生命の危機に直面した状態で再びトリガーを引き、結果的に空のチャンバーを叩くことになる。このような状況下で、あなたは命をながらえられるだろうか?
21.国産9mm警察用リボルバーの2種類の弾の内外弾道は異なり、ゴム弾は発射後にチャンバーに残渣を残す
22.ゴム弾の戦術技術指標は模糊としており、使用者は使いようがない
「ゴム弾は殺傷力を持たない」という言い方は間違っている。攻撃性の弾薬である以上、もしも攻撃の対象を殺す可能性がなくとも、それは攻撃対象を傷つけないということと同じではない。ゴム弾の非致命は絶対的なものではない。使用過程で、その安全技術条件要求を厳格に順守することが必須である。一般的に言うと、使用中には危険範囲外の目標だけを射撃しなければならず、このようにしてやっと致命傷を負わせる可能性がなくなるのである。もしこの安全距離に関する要求をなおざりにし、安全距離より近い、数mの距離で目標を射撃すれば、目標に致命傷を負わせる可能性がある。
ゴム弾には実際の距離での運動エネルギーに関する指標がないため、使用者はいろいろな距離でどんな部位を撃てば目標に致命的な傷を与える可能性がないのかを判断する方法がない。ゴム弾を使ってどんな目標を射撃するのか? どんな時期に射撃するのか? 射撃の目的は何なのか? 射撃後目標にどんな傷を与える可能性があるのか? 目標に傷を与えた後、どんな法的責任を負う可能性があるのか等々、これら全てが不明確である。ゴム弾使用の難易度は実際のところ致命弾薬の使用よりもさらに高く、人民警察官をジレンマに追いやる。銃を発射すべき時にゴム弾を使ったのでは目標を制圧できず、かと言って銃を発射すべきでない時にゴム弾を使用すれば違法な武器使用ということになる。また、ゴム弾を使用したのでは使用目的を達成できず、かつ人民警察が武器乱用の追及をも受ける、ということもあり得る。ゴム弾は実は「水掛け論弾」なのである(頑住吉注:中国語の「ゴム」と「水掛け論」は漢字2文字で2文字目が「皮」と似ているので、それに引っかけた表現です)。
上述のようなリボルバーの弊害に照らして、あるドイツ人は言った。「すぐれたリボルバーよりむしろ劣った自動拳銃。」 すなわち最も劣った自動拳銃でも、最も優れたリボルバーより良い、というのだ。この話は少し決めつけ過ぎではあるが、現実にまさに存在する愛憎を明らかにしており、リボルバーがドイツ人の心の中で低い地位しか持たないことを反映している。
リボルバーにはこんなにも多くの弊害があるのに、なぜまだこれを好む人がいるのか?
1つ目は、アメリカ人がリボルバーを使うことが多いのを見ている人がいて、特に「西部のカウボーイ」のカッコいい動作が人に深い印象を残していることがある。彼らは、アメリカの法律が民間での自動銃所持を一律に許さない規定があることを知らないのだ。アメリカ国民が民間において自動ではなくリボルバーを使用しているのは、やむを得ずしているというのが事実なのである。この種の「西部のカウボーイ」をうらやむ人は、「精通者はコツを重視し、素人は賑やかさを重視する」である。
2つ目は、リボルバーを装備すべきだと主張する人が、自動拳銃ではたとえばゴム弾などの補助的な弾丸を発射できないと言っていることだ。これは完全に一種の誤導である。実際には、リボルバーが発射できる銃弾は、すべて自動拳銃で発射できる。
3つ目は、「リボルバーを使用していてもし不発が起きたら、続けてもう一度引き金を引くだけで改めての発射ができ、これは生死を賭けた戦いでは重大な意味を持つ」と考えている人がいることである。これはリボルバーを装備すべきだと主張する人の、最も有力な理由である。しかし、各種の拳銃の故障率は、一般に0.2%以内に抑えられている。我が国の著名な弾薬専門家であるケxxシニアエンジニアは、弾薬の不発率は一般に1/100,000未満であるとしている。使用者が緊急情況下でこのような不運な状況にさらに遭遇するという可能性は微々たるものである。建国以来、危険な法執行中に犠牲となった人民警察官の中で、これまで不発が起こって排除が間に合わなかったのが原因で犠牲になったという例はまだ1例もない。ゆえにこのようなきわめて小さい可能性、あるいは架空の可能性のために全国の警察官がリボルバーに装備変換するなどというのは全く引き合わないことである。架空の話は人を愚弄し、人々を間違った方向に導く可能性があるということを知らねばならない。
リボルバーには自動拳銃と比べて上述のような欠点が存在するので、アメリカも含めて現代の軍隊のうちもはやリボルバーを装備しているところはない。それでは警察の状況はどうか? 現在世界中で、きわめて少数の国や地域の警察がリボルバーを装備しているのを除き、ほとんど全ての国の軍と警察はもはやリボルバーを装備していないのである。
フランスの小火器専門家ジャック・レウナーツは、国際的に有名な小火器関連の雑誌「ターゲット」上で発表した「自動拳銃苦節25年の歩み」という一文の中で次のように指摘している。「長きにわたり、リボルバーは信頼性が高いという不公正な名声を享受してきた。リボルバーの装填は非常に遅く、敵に対処する能力は劣り、かつ体積が大きい。このためリボルバーを偏愛してきたアメリカも1980年代中期にリボルバーを排斥した。」 フランスはヨーロッパで最後のリボルバーを装備した国であったが、2004年にはすでにリボルバーを装備から外すことを決定した。我が国の香港警察も2006年11月にSIG P250自動拳銃をもってリボルバーに換装することを決定した。
リボルバーを偏愛していたアメリカの警官たちは、20年前に思い切ってこれを放棄することを始め、リボルバーを捨てて半自動拳銃を手に取った。30年以上前、アメリカのイリノイ州警察はS&W
M39式半自動拳銃をその正式装備とした。1989年より前、いくつかの州の警察と地方警察局も、リボルバーを半自動拳銃に換えた。1988年、連邦捜査局はP226
9mm半自動拳銃をその正式装備として購入した。1989年、アメリカのFBIは10mm半自動拳銃を正式装備とすることを正式決定した。現在半自動拳銃はすでにアメリカ警察と法執行系統の一般的な装備となっている。
アメリカ警察は考えている。1人の警察官が、1人の装弾数の多い半自動拳銃をもった犯人に相対した時、もし彼が6連発のリボルバーしか持っていなかったら恐怖を感じる可能性がある。一部の9mm半自動拳銃のマガジン容量は17発であり、しかもチャンバーにはさらに1発があり、この数字はリボルバーの装弾数の3倍に相当する。現在アメリカ警察の装備する拳銃はすでに大部分がダブルアクションの自動拳銃であり、リボルバーではない。
我々は世界の警察用拳銃の装備状況を理解すべきである。我々には、我が国が独自に研究開発した、世界最高水準のQSZ92式9mm拳銃とQSZ92式5.8mm拳銃がある(両者は構造が同じで口径が異なる姉妹銃であり、後者の性能はさらに優秀である)。そしてこれら2種の銃よりもさらに先進的なCF07式9mm拳銃もあり(頑住吉注:92式のコンパクトバージョンのようですが、改良点もあるようです)、さらに多くの国外の先進的自動拳銃にならって作った銃もある。したがって我々は「西部のカウボーイ」の影響を受けてリボルバーへの偏愛に走り歴史の舞台から退出し、時代遅れのリボルバーに走る必要はない。中国は開放されている。もしリボルバーの性能が本当に優越しているのならば、我々がそれを導入したりならって作ることがどうしていけないものか。問題はこうだ。かの、かつてリボルバーを発明し、装備することを誇りに感じていた国自身すらリボルバーを捨て去ったのに、我々がそれを拾いあげる必要があるのか? 世界で最も議論の的となっている弾であるゴム弾を発射するために、また世界で最も遅れたリボルバーを模倣して作るだけの立場になる。堂々たる大国のメンツはどこにあるか? 尊厳はどこにあるか? 悲しいではないか! 痛いではないか! 腹が立つではないか! 憤るできではないか! 我が国の警察がリボルバーを装備すれば、公安人民警察の武器装備は世界で最も遅れた水準に後退するのだ。公安人民警察は犯罪者に銃をもって対抗するにあたり火力上の優勢を失うのだ。悪人が強く警官が弱いという局面を作り、有効に重大な暴力犯罪に打撃を与え、有効に自己を防衛するのに不利となるのだ。
時が移り事情が変わった。古いリボルバーが散るのはしかたがない。新興の自動拳銃は雨後の筍のように出現し、すでに人の意思をもって情況を変えることはできなくなっている。中国警察はすでに先進性のない、また中国的特色のないリボルバーを装備している。自然科学的方面での銃の性能からしても、社会学的方面での民族感情からしても受け入れることはできない。我々は理知に目覚めるべきである。国家利益を重んじ、偏見を放擲し、科学を尊重し、歴史を尊重し、民族感情を尊重し、納税者を尊重し、人民警察官の生命を尊重し、真に中国警察に世界一流の警察用拳銃を装備させるべきである。
歴史の趨勢
リボルバーが散るのは仕方ない。
自動拳銃は雨後の筍のように出現する。
時代遅れのリボルバーは典型的な外国のゴミ
この文章は非常に面白く、なるほどと思うところ、教えられるところも多いんですが、最後の論調があまりに感情的であるために説得力が逆に大きくそがれてしまっている気がします。極端すぎる愛国心から「中国が時代遅れのリボルバーを装備したと外国から笑われることは我慢できない、何としてもリボルバーを否定しなければならない」という結論が先にあって、必死で考え得る限りの理由をかき集めてきたような印象を受けてしまうんですね。92式拳銃に関し、何ら根拠を示さず9mmモデルより5.8mmモデルの方が優秀であるとしていますが、この種の小口径高速弾薬を使用する拳銃を警察用として広く採用している国はまだなく、中国が採用すれば世界初の栄誉が得られる、というだけの理由ではないのか、という感じもします。
日本でも低威力のリボルバーは警察用として広く使用され続けていますし、はるか昔にドイツが威力不足として捨て去り、他の先進国でも警察用としてはほとんど使用例がないと思われる.32ACP仕様のピストルも使われています。私にはこれを遅れていると恥じる気持は全くありません。逆にそれで大きな問題が生じない日本の治安の良さを誇りに思います。
以後番号順に気付いたことなどを書いていきます。まず、1.の項目において、マイアミ銃撃戦事件がアメリカがリボルバーを放棄するきっかけになったという記述があり、「ん?」と思いました。一般にこの事件は9mmパラベラム弾薬が威力不足であると評価されるきっかけになったとされているからです。しかし、
http://en.wikipedia.org/wiki/1986_FBI_Miami_shootout
ここを見ると確かに.38(.357)口径リボルバーを持っていたエージェントの方が多かったことが分かります。ただし発射された数では9mmパラの方が多くなっています。リボルバーを再装填して射撃を続行したエージェントも、M459を再装填して射撃を続行したエージェントも1人だけです。ただしリボルバーは弾薬を撃ち尽くした状態になったものが多いようなのに対し、M459には残弾があったと考えられます。敵前でのリボルバーの再装填の困難さに関してはこの英語版Wikipediaでも指摘されており、この事件がリボルバー放棄のきっかけにもなったのは事実のようです。ただし9mmオートピストルも使用されていたことに全く触れないのはやはりどうかと思います。
3.ではリボルバーは威力不足とされていますが、これは同一の弾薬を使用する場合のことで、最高威力のオートとリボルバーを比べればリボルバーの方が強力であり、マグナム弾薬を使用するハンドガンも圧倒的にリボルバーが多いというのが事実です。アメリカの警察がリボルバーを放棄した主要な原因が威力不足であるというのは全くの間違いです。
9.ではリボルバーの分解組み立てが困難であるとしていますが、リボルバーの分解組み立てが困難でも特に問題とされず、スタームルガー製品のような比較的簡単に分解できる製品が特別に高く評価されていないのは、分解しなくても日常の手入れができるからでしょう。完全分解、組み立てをするならリボルバーの方が特に難易度が高いということはないはずです。
10、11.ではリボルバーの信頼性は高くないとされています。引用ながら「過去の軍用火器信頼性試験においても、自動火器の信頼性は常にリボルバーを上回っている。」という記述がありますが、例えばコルトガバメント採用時のトライアルではリボルバーの信頼性の方がはるかに高いという結果になっています。ただしこれはクリーンな状態でのことです。創刊からまだ間もないコンバットマガジン誌はアメリカの銃器雑誌と提携して翻訳された記事を掲載していましたが、その中にオート派とリボルバー派の主張をぶつけ合うという企画がありました。砂などに対する耐性テストにおいてリボルバーの方が問題が起きやすいという結果が出たことをリボルバー派の筆者自身が意外としながらも認めていたことを覚えています。ただ、軍用ならともかく警察用の銃が砂まみれ泥まみれの状態で使用されることはほとんどないのではないでしょうか。
15、17.ではリボルバーのシリンダーは破裂しやすいのだと主張しています。前述のようにマグナム弾薬を使用するハンドガンの多くがリボルバーであることからして、リボルバーの方が基本的に強度を上げやすいと考えられます。しかし日常的に携帯するハンドガンには軽量であることも要求され、その範囲ではリボルバーのシリンダーに余裕を持った強度を持たせにくいというのは確かでしょう。「別冊GUN PARTII」ではガバメントとM1917を使用して3倍の火薬を充填した弾薬を発射する実験が行われていましたが、M1917のシリンダーは破裂し、フレームも大きくゆがみましたが、ガバメントにははっきりした破壊は見られなかったとされています。
19.の指摘は事実とすれば設計上の大きな問題でしょう。しかしセーフティをかけるとトリガーが固定されるように改良することは容易なはずです。
16、20.の指摘はなるほど確かに理屈上そうだよなと納得できます。しかしこの筆者は不発が原因で殉職した警察官は中国建国以来1人もいないのだから大きな問題とするべきではない、という主張を他の場所で行っているわけで、それならこれらの原因で殉職したアメリカの警察官がどのくらいいるのかを検討する必要があるでしょう。ゼロかどうかは分かりませんが、大きな問題とされなかったことは確かなはずです。
アメリカの民間人がリボルバーを使うのはオートが禁止されているからだというのは全くの論外で、何故こんなことを書いたのか理解に苦しみます。
「リボルバーが発射できる銃弾は、すべて自動拳銃で発射できる」というのはまあ間違ってはいないでしょう。しかしエネルギー量で8倍くらいの差がある実弾とゴム弾を快調に連射できるオートピストルを作ることはきわめて困難であろうと考えられます。