コラムより転載:中国の航空機、空母関連小ネタその2


5月31日

 またまた殲-20関連です。

http://mil.eastday.com/m/20120530/u1a6589914.html


アメリカのメディア情報:2大欠陥が殲-20エンジン研究開発の緩慢をもたらしている

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殲-20がテイクオフ後、エンジンから青い火を噴き出している」)

アメリカのウェブサイトWNDの5月27日ワシントンからの報道によれば、中国は意気盛んに性能に信頼がおける第5世代戦闘機を研究開発中であるが、その研究開発はエンジン技術の欠陥および使用寿命の問題のためスピードダウンするかもしれない。

エンジンの問題はずっと中国の航空機研究開発を悩ませる主要な問題である。だが中国はずっと多くのルートを通じてエンジンのカギとなる重要技術およびタービンブレードの生産技術を探求してもいる。現在、中国の先進的なエンジン技術は主にロシアに頼っている。だがロシアもかつて同様の問題に直面した。中国が大量に配備しているロシア製航空機は欠陥のある技術を使用しており、これが中国の研究開発するJ-15およびJ-20のエンジンに関する作業に困難をもたらしている。J-20の研究開発の進度にはすでにスピードダウンする兆候が表れている。

この文章は次のように考えている。中国のエンジン技術がもし飛躍を勝ち取るとしたら、アメリカの技術を得ることによるかもしれない。アメリカは厳格な輸出管制を取っているが、依然として一部のカギとなる重要技術が中国に流出している。加えて西側の標準を熟知した国内の技術人員がおり、中国は最終的に性能により信頼がおけるエンジンを研究開発できる。

文章は、中国のエンジンの発展を阻害する要素に対し分析を行っている。中国の上層部は、効率の低い体制が、中国の高性能エンジン研究開発阻害の主要な要素であると考えている。このことが中国をして現在まで依然ロシアのエンジン技術に深刻に依存させている。だが、モスクワは中国にJ-20に必要な大推力エンジンを輸出したがらない。この種のエンジンはアフターバーナーを使わない状況下で戦闘機を超音速巡航させる必要を満足させることができる。この他、生産組織の構造が分散していることが中国のエンジン発展停滞のもう1つの重要な原因である。西側に比べ、中国はエンジンの生産設備がはるかに遅れ、しかもエンジンの生産組織の構造も非常に分散しているだけでなく、各生産組織にはまだ研究開発上の競争が存在する。もしこうした欠陥が克服できなければ、中国が予見可能な将来に、その軍用機のために充分なエンジンを提供することは難しい。


 ロシアが高性能エンジンを中国に輸出したがらなくなっているのは、軍事的脅威になるだけでなく、できれば殲-20の開発が失敗に終わってロシア製戦闘機を買わざるを得なくなった方がいいし、中国の最新戦闘機が輸出されれば商売の邪魔になるからでしょう。一方アメリカにとっては中国が強力な戦闘機を持てば東アジア戦略の支障になりますが、一方において中国脅威論を大げさに語った方が予算獲得に有利だと考える層もあるはずです。

6月3日

 殲-20関連です。

http://mil.huanqiu.com/Observation/2012-06/2778540.html


外国メディア、介入に対する脅威が深刻化、F18とF35の組み合わせでは殲-20に敵し難い、とする

概要:分析者は、F/A-18は海空一体作戦の中で先進的な地域反介入システムを具備した相手に対抗するのに適しておらず、新型地対空兵器および空中の脅威が致命的となる、と考える。当然これは単に海軍だけが直面する問題ではなく、同様に空軍のF-15、F-16も含め、3種の戦闘機によるシステムがJ-20、PKA-FAとの対抗の中で敗れるのである(頑住吉注:「PKA-FA」はロシアのT-50戦闘機のことです。 http://www.dailymotion.com/video/xdqq3q_t-50-pak-fa-the-sixteenth-flight_tech プーチンがT-50を視察する動画です)。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殲-20第2001号機」)

イギリスのウェブサイト「飛行国際」(頑住吉注:検索しましたが原題不明です)2012年5月28日の報道によれば、アメリカ海軍はボーイングF/A18E/F戦闘機群に対し機能グレードアップを行っている最中であるが、「スーパーホーネット」の使用は介入に対する挑戦に直面している(頑住吉注:中国の行動に対するアメリカの介入に、さらに中国が対抗する、ということです)。戦略評価分析センターの分析専門家は、F/A-18のグレードアップは1つの素晴らしい方法であり、就役期間を延長できるが、F/A-18という基礎プラットフォームには、作戦距離が短く航続性能が劣るという問題があり、競争のない空域での任務執行に比較的適する、と指摘する。アメリカ国防部は、潜在的な敵の区域介入に抗する能力の発展につれ、競争のない空域において将来は挑戦を受けることになる、と考えている。将来衝突が起こる区域が、新型地対空防空システム、新型戦闘機および新型対艦ミサイル、弾道ミサイルなど新兵器に守られるかもしれない。アメリカ国防部は空海一体作戦を発展させているところで、すなわちアメリカ海軍、空軍が緊密に結合して挑戦に対応しようとしている。太平洋が直面する挑戦は最も深刻で、アメリカ海軍の航空機は戦闘の先兵となる。戦闘機の主力はF/A-18機群であるが、これらがこの任務を担当するのは難しいと見られる。分析者は、F/A-18は海空一体作戦の中で先進的な地域反介入システムを具備した相手に対抗するのに適しておらず、新型地対空兵器および空中の脅威が致命的となる、と考える。当然これは単に海軍だけが直面する問題ではなく、同様に空軍のF-15、F-16も含め、3種の戦闘機によるシステムがJ-20、PKA-FAとの対抗の中で敗れるのである。

戦略評価分析センターの分析専門家は、アメリカ海軍も同様に「スーパーホーネット」に対し相当程度の技術グレードアップを行い、それに見合った作戦機能を持たせるよう分析評価する必要がある、と指摘する。西太平洋は第4世代機の発展につれ、介入に抗する脅威がすでに相当深刻化しており、イランも2020年に同様の相応な抑止能力を具有するかもしれない。空母も敵海岸に接近する過程で類似の挑戦に直面する可能性がある。1つの潜在的な解決方法は、空母の海岸からの距離を長くすることであり、このため作戦半径の長いステルス戦闘機が必要となる。現在アメリカ海軍はF/A-18E/F機を2030年、最終的にF/A-XXに取って代わられるまで保持する計画である。F/A-XXはステルス性、より良好な機動性能、より大きな作戦半径を持つ。だがこれからの10年、ロッキード・マーティン社のF-35Cステルス戦闘機がスーパーホーネットと共に空母に装備される。だがF/A-18が依然主導的な地位を占め、このことからF-35Cは海軍の実際の要求に達することができていないと推測される。

アメリカの戦略が太平洋の脅威に対応する方向に転じるにつれ、介入が抵抗を受ける環境下での作戦はすでにペンタゴンの主要な仕事になっている。アメリカ海軍の指導者は、海軍航空兵力の介入が抵抗を受ける環境下での作戦の計画を漏らすことを拒絶しているが、散見される情報からは、F/A-18E/FおよびEA-18G(頑住吉注:電子戦機)連合作戦によって作戦任務を達成する、ということが見いだされる。これには生存能力を向上させる設計、遠距離兵器の使用、EA-18Gの妨害による支援が含まれる。アメリカ海軍は複雑な条件、環境下での作戦において1種類の武器に頼るはずはなく、全面的な能力向上により脅威に対応することになる。


 これはまあ殲-20やT-50の能力が本当に計画通りに高かったらの話ですわな。

6月4日

 空母「ワリヤーグ」に関する情報です。

http://www.jundao360.com/topic_5771072.html


最多で55機、ロシア、空母ワリヤーグの搭載機数を推測

世界のメディアはずっと中国初の空母「ワリヤーグ」号の一挙手一投足に絶え間ない関心を向けている。多くのロシアの専門家は、この空母には一連の足りない部分があり、全体性能はロシア軍の1143.6型空母に及ばないと考えている。

ロシアの専門家は、中国の「ワリヤーグ」号空母はロシアの「クズネツォフ」号空母と比べ、主動力装置の信頼性が低く、防空システムが弱く、電子戦機、早期警戒機を含む各種艦載機が不足し、中国国産の殲-15の性能もロシアのスホーイ-33やアメリカのF/A-18Aに及ばないと考えている。だが主動力装置や防空システム方面を含め、上述の全ての言い方は必ずしも事実に属さない。標準空母に対空ミサイルシステムを基礎とする強大な防空システムが配備されたことはなく、艦載戦闘機がそれに代わっているのである。殲-15がスホーイ-33やF/A-18Aに及ばないという言い方に関しては、同様にその根拠は不足である。何故なら戦闘機の戦闘力を決定する主要な要素は航空電子設備ではなく、兵器の質だからである(頑住吉注:旧日本軍みたいなこと言ってますが)。殲-15に使用されるロシア製R-77ミサイルは必ずしもアメリカの同類品に劣らないことを知る必要がある。

ロシアのメディアは、中国は空母のためにあらゆる類型の艦載機を研究開発しているところだが、専門家たちは秘密保持のため過度の詳細を明らかにしていない、としている。例えば、艦載の早期警戒機としては運-7を基礎に研究開発が急ぎ行われているところである(頑住吉注:運-7とはアントノフ‐24を基に開発された双発プロペラ輸送機です。1970年初飛行ってずいぶん古いですが)。興味深いのは、中国軍はこの種の飛行機の機載電子設備に対し、ソ連の将軍が当時ヤコブレフ-44艦載早期警戒機に過酷な要求をしたのとは違い(頑住吉注:1993年開発中止。ただし要求が過酷すぎてまとまらなかったのではなくロシアの空母建造計画が中止されたためらしいです。 http://baike.baidu.com/albums/272112/272112/0/0.html#0$8a95ad1ca5457dce87d6b6af ただ、固定翼機の二重反転プロペラって要求が過大な時に選択されがちですよね)、高すぎる能力上の要求を提出しておらず、このため中国の艦載早期警戒機は研究開発の成功が確保されると考えることができる。専門家は、中国国産空母の建造完成時期は2017〜2020年より早くはないと考えている。その排水量は約4.5〜5万トンで、カタパルトが配備される。主動力装置の具体的類型は不明である。ただし、この空母は明らかに中型核動力空母の設計方案と完全に符合し、3セットのカタパルトが配備される。

ロシアのメディアは、中国の「ワリヤーグ」号空母は国産新世代空母と航空艦隊を構成し、統一配置を採用するかもしれない、としている。これは24〜36機の殲-15戦闘機、4機の早期警戒機(運-7かヤコブレフ-44を基礎とした)、6〜18機のカ-28PL、2機のカ-28PS対潜ヘリコプター(頑住吉注: http://baike.baidu.com/view/83037.htm 「共通軸ダブルローター」形式です)、およびその他の飛行機を含むと見られ、総数は50〜55機である。

ロシアのメディアは、中国空母は艦載主力多用途戦闘機として国産の殲-15を選択した、としている。ロシアの消息筋は2008年11月に、中国がロシアから14機のスホーイ-33M艦載機を購入し、スホーイ-30MK2の機載レーダーと航空電子設備を使用することを希望した、と漏らしたことがある。中国はさらにこれらの艦載機に近代化改造を行い、カタパルトによる発進能力を持つことを保証させる可能性があった。だが2011年、中ロはスホーイ-33供給契約締結に向けた努力の失敗を宣言した。ロシアサイドは主要な原因が中国の購入量が少なすぎたためと解釈して語っている(頑住吉注:まあごく少数買ってパクり、輸出までされたんじゃたまらないですわな)。実際の原因はアメリカから来る強大な圧力を再度受けたためかもしれない。


 中国の純国産空母が原子力空母になる、「ワリヤーグ」と統一した艦載機装備になる、スホーイ-33系をカタパルト発進用に改造する、といったこれまで紹介したのとは異なる可能性に言及されてちょっと戸惑います。「アメリカから来る強大な圧力を再度受けたため」というのはどういう意味でしょうか、前にもアメリカの圧力でロシアからの武器供給がダメになった経緯でもあるんでしょうか。そんなことができるならアメリカがロシアに「中国にタービンブレードを売るの止めろ」と圧力をかけることもできそうなもんですが。

6月5日

 ロシア製エンジンの中国向け輸出関連です。

http://mil.eastday.com/m/20120604/u1a6600010.html


ロシア、中国サイドが140台のAL31Fエンジンを価格7億アメリカドルで再購入、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:中国の殲-11戦闘機はすでに部分的に国産の太行エンジンを装備している」 なお「殲-11」は中国版スホーイ-27です)

ロシアの世界武器貿易分析センターウェブサイトの5月31日の報道によれば、ロシア国防製品輸出社は今年の年初に再度中国とAL-31Fジェットエンジン提供関係の契約に署名した。

ロシア国防製品輸出社に近い消息筋の漏らしたところによれば、中国サイドは140台のAL-31Fエンジンを再度発注し、価格は約7億アメリカドルであるという。ロシア国防部の消息筋によっても事実と確認されており、この契約の主要な履行企業はモスクワの「礼砲」エンジン社である。

だが、ロシア国防製品輸出社と「礼砲」社はいずれも現在、この情報に関連する報道に対してコメントすることを拒絶している。昨年末の報道は、ロシアが140台のAL-31Fエンジンの提供に関し中国と談判を行っているところであるとしていた。

ロシアのメディアは、中国は2011年にロシアサイドとAL-31系列エンジンに関係する2つの契約に署名した、とする。2011年初め、ロシア国防製品輸出社と中国サイドは150台のAL-31Fエンジン提供に関する契約に署名した。これらのAL-31Fは中国空軍で現役のスホーイ-27、スホーイ-30MKK/MK2戦闘機に装備されすでに使用寿命の上限に近いエンジンの交換に用いられる。

もう1つのエンジン輸出契約は2011年6月初めに署名された。当時中国サイドは全部で123台のAL-31FNエンジンを発注し、価格は全部で5億アメリカドルを超えた。これらのエンジンは中国が自ら研究開発した殲-10多用途戦闘機に装備するのに用いられる。契約内容によれば、ロシアサイドは2013年前に引き渡しを完了する。この契約のロシアサイドの執行企業は同様に「礼砲」社である。指摘しておく必要があるのは、「礼砲」社は以前にも複数の中国向けAL-31系列エンジン提供の契約を執行したことがあることだ。それぞれ2003年54台、2007年100台、2009年122台である。

専門家の見積もりによれば、「礼砲」社が責任を負って中国サイドのために生産するAL-31系列エンジンの総数は1000台近い。この他、ロシアサイドはさらに中国向けにAL-31FおよびAL-31FNエンジンの維持修繕とメンテナンスに関係するフルセットの技術ファイルを引き渡した。


 ロシアから輸入されるエンジンの数は明らかに増加傾向にあり、国産エンジンの不足分を補うとか今一歩技術的に足りない部分の参考にするとかではなく、基本的に全て輸入しなければならないことが伺えます。

6月6日

 中国の空母関連です。

http://www.jundao360.com/topic_5771083.html


アラブ首長国連邦、アメリカの最強武器を中国に売る:ワリヤーグの戦力大いに増す

中国の空母「ワリヤーグ」号は先日第7回目の海洋試験を完了した。カナダの「漢和防務評論」、ロシアの「軍事平等」などのメディアは、この空母が数回の海洋試験の過程で密かに艦載対潜ヘリコプターのテストを行ったかもしれないと推測している。中国国産の直-8ヘリコプターは先進的なアメリカ式ソナーに換装され、このため有効に「ワリヤーグ」号の対潜水艦戦力不足の短所が埋め合わされたかもしれない。

カナダの「漢和防務評論」は、「ワリヤーグ」は中国空母艦隊建設のサンプルであり、数回の海洋試験の主要な内容は艦載機を含む各サブシステムの完璧化である、と指摘する。。遼寧省某所に位置する解放軍艦載機試験飛行センターは2011年にはすでに正式に始動しており、外国は殲-15艦載戦闘機がこのセンターにおいて滑走、離着陸テストを行っていることに気付いている。このことは殲-15艦載機のテスト初期段階の作業はすでに基本的に完了したことを示す。

報道は、殲-15が「ワリヤーグ」号の何回目かの海洋試験過程において、艦上で滑走、発艦テストを行った公算が高いと推測している。だが、この型の戦闘機は空母の甲板上での降着テストはまだ実現できていない。何故なら「ワリヤーグ」号には目下のところ依然制動ケーブルが装備されていないからである。

「漢和」は、「ワリヤーグ」が試験航海の過程で重点的にテストしたのは地位が艦載機の次でしかない対潜ヘリコプターであると考えている。。ある情報は、直-8対潜ヘリコプターの編隊はすでに「ワリヤーグ」上で何度も離着艦を行っている、とする。このヘリコプターの前部には光学電子探知測定システムが装備され、機体後部には合成開口レーダーが装備されている。注目に値するのは、直-8ヘリコプターには折りたたみ式のローターと尾翼が配備され、非常に大きくその占める空間を減少することができ、空母に搭載するのに有利であることだ。

「漢和」は推測する。解放軍はアメリカ式のAQS-22機載ソナーに関連する技術を獲得し、それに機能が近いソナーシステムを開発して直-8対潜ヘリコプターに装備し、このヘリの探査、追跡、位置確定能力が大幅に向上した、と。

AQS-22ソナーはアメリカ海軍のMH-60R対潜ヘリコプターの主力装備であり、アメリカの雷神社(頑住吉注:Raytheonらしいです)によって研究開発されたものだ。AQS-22はアクティブおよびパッシブ2種の探知測定モデルを採用し、性能は非常に出色である。AQS-22を搭載するアメリカ軍のMH-60R対潜ヘリコプターは何度もの演習に参加したことがあり、敵潜水艦の味方水上艦艇への接近を有効に阻止できると証明されている。アメリカ海軍の言い方によれば、アメリカ空母戦闘群にはこの装備があり、「各種の潜水艦が実施を企図する奇襲行動を封殺できる」。

ロシアの「軍事平等」の報道によれば、これまで外部は「ワリヤーグ」号空母の総合能力の短所はその対潜能力だと考えていた。固定翼艦載早期警戒機および対潜機がないため、艦載レーダーとソナーに頼って探知測定を実施するしかなく、敵潜水艦の脅威を受けやすかった。だが、解放軍はすでにこの点を意識するに至り、しかも積極的に問題解決のための措置を取っている。それは主に艦載ヘリコプターの発展に力を入れることで、ロシアのKa-31対潜ヘリコプターの購入および国産の直-8対潜ヘリコプターの発展が含まれる。「ワリヤーグ」号は海洋試験過程で搭載する直-8対潜ヘリコプターを運用して演習を実施し、一定の対潜戦力を形成したかもしれない。

中国がある「友好国」を通じてAQS-22ソナーに関連する技術を獲得したと憶測する人がいる。「漢和」は、アメリカはいくつかの国に向けこのソナーを輸出しており、目下MH-60R対潜ヘリコプターとAQS-22ソナーを持っている国としてはフランス、スウェーデン、イギリス、そしてアラブ首長国連邦がある。

報道は、これらの国の中で中国に向け関連技術を提供する可能性があるのはアラブ首長国連邦を置いて他にない、と推測する。事実として、中国とアラブ首長国連邦の間には一定の軍事協力関係が存在する。アラブ首長国連邦陸軍は多くの中国製兵器を装備しており、これには紅箭-8対戦車ミサイルや、砲から発射されるレーザー管制誘導弾などが含まれる。だが、中国が他のルートを通じてこのソナーの関連技術を獲得した可能性も排除されない。

水上艦艇に装備される固定されたソナーと比べ、ヘリに吊るされたソナーはより敏捷で、艦隊の外周で機動警戒式の対潜パトロールを行い、潜水艦の艦隊への接近を防止することができる。アメリカ軍が対潜ヘリを発展させた目的は、空母艦隊が敵潜水艦の脅威に直面している時に万一のことがないことを確保することに他ならない。

「漢和」は、中国の直-8対潜ヘリコプターがもし本当にAQS-22と似たソナーを装備したとしたら、「ワリヤーグ」号の対潜能力はアメリカ空母に劣らないものになり、アメリカの原子力潜水艦や日本の通常動力潜水艦に対し脅威を構成し得る、と考える。報道は、「ワリヤーグ」号空母のヘリコプター昇降区と甲板のレイアウトから見て、この艦はソ連の「クズネツォフ」級空母のレイアウト方式を完全に踏襲しており、このことはこの艦が比較的多数の対潜ヘリコプターを搭載できることを示している。

将来の中国国産空母の規模とレイアウトは「ワリヤーグ」と類似したものになるかもしれない。中国はロシアから9機のKa-31対潜ヘリコプターしか購入せず、最多でも2隻の空母にしか装備できない。これは解放軍が国産の直-8対潜ヘリコプターの発展に力を入れている原因でもある。将来より多くの空母による艦隊を建設するため、良き基礎を築くのである。


 仮にアメリカのソナーのサンプルを入手したとしても、それと同等のものを作れる保証はありませんが、仮に本当だとしたら日本とも関係が良好なアラブ首長国連邦もいらんことをしてくれたもんです。アメリカが輸出する際の契約にこういったことを防止する条項はないんでしょうか。

6月7日

 中国の無人機関連のニュースを2つ。

http://mil.eastday.com/m/20120605/u1a6604029.html


アラブ首長国連邦が輸入した中国製翼竜無人機の標的射撃が不調

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:ネット上に広がっている中国の翼竜無人機の画像」)

2012年6月出版の漢和防務評論は、パキスタン陸軍が中国製のCH-3A型無人攻撃機を輸入した、としている。だが2012年までには飛行機自体だけが輸入され、AR-1対戦車ミサイルは輸入されていない。パキスタン陸軍は、目下CH-3に対しテストを行っているところで、ひとたびその効果が理想的になればすぐにAR-1対戦車ミサイルの輸入を考慮するだろう、としている。

報道によれば、パキスタンはCH-3を非常に重視している。現在パキスタン自身による生産可能性の有無をまだ考慮中で、関係する構想はすでに比較的長時間行われている。

漢和は、CH-3無人機は滞空時間12時間、時速600kmであるとしている。中国陸軍もCH-3に対しテストを行っている。AR-1対戦車ミサイルは重量45s、射程8000m、慣性プラスGPS制御誘導で、速度はマッハ1.1である。

漢和はさらに、ある情報はアラブ首長国連邦が「翼竜」無人攻撃機を輸入したが、この無人機は後における何度もの標的射撃過程であまり順調でなく、原因は不明である、とはっきり示している、とする。中東地区の酷暑の天候が無人機と地上のセンサーとの間の通信のスムーズさに影響したのかもしれない。

報道は、「翼竜」は成都飛行機設計所(中航集団)の設計で、一方武器システムは兵器工業集団の製品である。「翼竜」の最大弾薬搭載量は200sで、最大滞空時間は20時間である。


http://adaofu2.blog.china.com/201206/9742702.html


中国の「翼竜」無人機のアラブ首長国連邦におけるパフォーマンス不良の原因

ある報道は、アラブ首長国連邦は中国の「翼竜」無人攻撃機を輸入したが、この無人機は後における何度もの標的射撃過程であまり順調でなく、原因は不明である、としている。この情報は疑いもなく中国の目下における無人機「大躍進」運動に冷水を浴びせたものである。

中国の「翼竜」無人機は何故アラブ首長国連邦においてパフォーマンス不良なのか、それは現地の砂漠性気候と関係がある。影響する主要な要素には次のものがある。

1.高温。高温の影響は次のところに現れる。まず地上目標と背景のサーモグラフィー画像のコントラストが小さくなり、目標補足に不利である。その次に、各種チップ、電子部品が高温下で性能低下し、さらにはシステム全体の作動に影響する。

2.砂埃。砂埃は余計な機械の摩損をもたらす。視線を遮り、武器の制御誘導効果に影響する。もし砂埃の中に金属、グラファイトの微粒子が多い状況下だと、ミリ波制御誘導に対しても妨害が発生し得る。

3.光線の屈折。砂漠の地面付近では高温により頻繁に上昇気流が生じ、光線に屈折が発生する。このことは光による制御の使用に不利な影響を生む。

4.空気の密度。空気の温度が高くなるほど空気の密度は低くなっていく。特に砂漠の地面付近ではなおさらそうであり、ミサイルの制御舵の機能に影響する可能性がある。

これらの要素が引き起こす問題は有人操縦の飛行機にも無人機にも影響を生み得る。ただし無人機に対する影響はより大きい。有人操縦機は現場でリアルタイムに人間による操作が行われ、操縦員は判断能力と素早い反応時間を持つ。無人機の人工知能のレベルはまだ比較的限られており、人間のファジーな判断能力を具備するには程遠い。加えて、無人機の操作員は遠距離からコントロールを行うので、ディスプレイの歪み、情報伝達の遅れはいずれも無人機の機能低下をもたらす可能性がある。

このため、「翼竜」の国外におけるパフォーマンス不良は技術上の大問題ではなく、解決の難易度は原因の確定にかかっている。この種の外部環境の変化によって引き起こされる問題は、システムのハードウェアの故障とは違ってその発生は往々にしてランダムであり、むしろソフトウェアのシステム内バグに近い。ソフトウェア内のバグを排除するには、ソフトウェアに対する最も全面的な実行が必要である(頑住吉注:徹底的な動作確認、というようなことですかね)。環境要素のシステムに対する影響の確定が必要で、すなわち絶大部分の環境条件の遍歴が必要であり、それでやっと問題の核心が探し出せるのである。費やされる時間と資金はきっと少なくない。

技術上大問題ではないが、研究開発の態度と方法の上で、我が国の無人機大躍進に大きな問題が存在することをはっきり示したとも言える。多くの国内研究所は無人機を、投資は少なく、効果が出るのは速いプロジェクトとみなしている。1回の無人機航空展に5、60機種が展示される。しかし、「翼竜」はスター機種であり、成都飛行機は業界のパイオニアであり、それでなおかつ問題が発生するのである。このことは我々に、研究開発には「クイックスパイク」だけで「高点強攻」がないのはダメだ、と気付かせる(頑住吉注:バレーボール用語らしいんですが、要するに「投資は少なく、効果が出るのは速い」だけ追い求めてリスクや苦労を避けていたんではいかん、ということらしいです)。我が国の武器輸出の規則に照らせば、軍が切迫した必要性がないのに輸出を考慮し、5、60機種の無人機を同時に展示会に参加させる、この表面的なにぎやかさは、軍の我が国無人機研究開発状況に対する不満の反映である。

私は、我が国は大型機、第4世代戦闘機に対してそうであるように、無人機開発も軍がリードし、無人機の発展に対し事前判定と計画を行い、いくつかの高度に先鋭的な無人機研究開発計画を策定し、もって各軍兵種の無人機に対する必要性を満足させるべきであると考える。「百家争鳴」だけがあって「鶴の一声」がないのではダメなのである。


 ちょうど昨日、アメリカが無人機の攻撃によりアルカイダナンバー2の殺害に成功したとのニュースがありました。現に中東においてもドイツ製も含め西側の無人機は成果を上げており、いくら言い訳しても現時点において中国の無人機の性能が低いというのは間違いなさそうです。そして後の記事の筆者も、解決には長い時間がかかるであろうことを認めています。ちなみに、「構想はすでに比較的長時間行われている」というのを読んで、映画の宣伝によく使われる「構想〜年!」というのは実はダメな企画だから長時間売れなかっただけだ、という指摘を思い出しました。

6月8日


 殲-20以外の中国戦闘機関連ですが、最も興味を引かれるのは別のポイントです。

http://club.china.com/data/thread/1013/2741/86/44/5_1.html


紆余曲折 中国におけるスホーイ27

注:この記事の内容は公開された出版物を参考にしたものであり、国家機密に関わる内容はない。

中国空軍の最も先進的な戦闘機の1つとしてロシア製スホーイ-27は1996年に初めて中国において公開された。人をして注目させた台湾海軍事演習の中で、全世界の観衆がテレビ画面を通して中国空軍のスホーイ-27が爆弾とロケット弾を使って地上目標を猛烈に攻撃するのを見た。しかし知識ある人は演習後に次のように指摘した。製造コスト3億人民元近い制空戦闘機として、スホーイ-27は高射機関砲によって撃墜されるリスクを冒して低空飛行により対地攻撃任務を執行するのには適していない。特に射程が極めて限られた機関砲、ロケット弾、爆弾を使用して相対的に廉価なトーチカ、火砲などの目標を攻撃する時はなおさらそうである。この種のやり方は実際上本末転倒であり、「強5」、「A10」などの攻撃機にミラージュ2000を迎撃させるのと同じである(頑住吉注:「強5」は中国製攻撃機で、対地支援がメインだが空戦も一応できる、というものらしいです)。これは当時の中国空軍に対地攻撃能力が欠乏していたことだけでなく、いかに適切にスホーイ-27に代表される第3世代戦闘機を運用するかが分かっていなかったことを示している。

以後に行われた軍事演習の中で、中国空軍のスホーイ-27が殲-7E(頑住吉注:ミグ-21コピーの発展型)と対抗演習を行った。当初期待の大きかったスホーイ-27のこの種の演習中のパフォーマンスは不良で、このため当時の国内軍事メディアはこのことを報道し、かつこれが、「輸入された第3世代機は名が実に合っておらず、国産第2世代機は宝刀不老」と見る証拠であると広く宣伝した。この予想外の対抗結果は当然中国空軍上層部を大いに驚き、不思議がらせ、この情報を知らされたロシアの専門家も信じ難いと感じた。後には中国空軍自身も模索、総括を通じてその原因を探し出した。そもそもの原因はやはり中国空軍の装備と考え方が長期にわたり遅れ、スホーイ-27に代表される先進的戦闘機に対する理解が欠け、戦術運用が不適当だったことで、スホーイ-27の機能が充分発揮できず、対抗演習における何度もの負けをもたらしたのだった。その後飛行員が相応の戦術を了解、熟知し、かつスホーイ-27の操縦に熟練し得た後では、殲-7Eに代表される第2世代機は手の打ちようもなく率直に負けを認めた。

1996年の台湾海大演習後、大陸と台湾サイドおよびアメリカ軍の電子制圧と対制圧の闘争は日増しに激烈になり、関係する資料が明らかにするところによれば、当時大陸のスホーイ-27が台湾海上空でパトロール任務を執行していた時、往々にして台湾軍電子戦部隊の攻撃を受けた。こうした電子戦部隊は西側の先進的な電子戦装備を利用して大陸の戦闘機と地上の指揮員の通信連絡を切断し、スホーイ-27の機載レーダーを妨害あるいは盲目化させ、スホーイ-27の通信周波数を利用して偽の命令を発し、あるいは造反を扇動する宣伝を行った。これは大陸の飛行員に巨大な心理的圧力をもたらした。これに非常にショックを受けた中国空軍は迅速に関係する状況をロシアに通報し、同様にショックを受けたロシアも迅速に電子戦専門家を中国に派遣して対策の研究につき議論した。そしてついに中国空軍と共に、徐々にそれまでの受け身の局面を逆転させた。だが別の角度から言えば、この種の硝煙なき戦闘は実際上中国空軍が「現代の複雑な電磁環境
を理解する」重要な契機にもなったのである。

人をしてばつが悪くさせる一連の挫折を経て、スホーイ-27は中国空軍において一歩一歩成熟に向かい、スホーイ-30と国産の殲-11系列戦闘機も大量就役した。これにつれ目下中国が保有数世界最大のスホーイ-27系列機群であるが、最近の国内軍事報道の中では、殲-10とスホーイ-27が攻防演習を行ったとの情報が少なくない。こうした情報はスホーイ-27は殲-10の敵ではなく頻繁に敗北しているとしているが、敗北したスホーイ-27はグレードアップ改良を経ていない初期のタイプである公算が高い。何故ならスホーイ-27を手本とした国産の殲-11Bは新型のレーダーと武器システムに換装済みで、すでに優秀な多用途戦闘機になっているが、戦闘機のサイズ、全体レイアウトに制約され、大量の弾薬を搭載しがたい殲-10は作戦機能上実際のところこれと比較できるものではないからである。


 日本では大きく報道されませんが、中国と台湾の間で激しい電子戦が行われていたんですね。「中国空軍と共に〜局面を逆転させた」と書いてますけど、流れからすれば衝撃を受けてロシアに「言いつける」ことしかできなかった中国が重要な役割を果たしたとは思えません。しかしこれを契機に電子戦能力の重要性に気付いた中国が、現在どの程度まで力をつけてきているのかは気になるところです。

6月9日

 中国戦闘機の輸出関連です。

http://club.china.com/data/thread/1013/2741/65/88/4_1.html


イギリスによる情報:梟竜の輸出、重大な進展を獲得 トルコなどの国が協議中

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『梟竜』戦闘機はすこぶる第三世界の国の歓迎を受けている」)

イギリスの「飛行国際」5月29日刊行の文章によれば、中国はこれからの5年内にアフリカおよび中東地域に向け300機の中国・パキスタン共同研究開発による「梟竜」戦闘機(パキスタンサイドはJF-17「雷電」と称する)の販売を希望している。目下パキスタンのみが150機のこの戦闘機を発注しているが、最終的には200機購入の可能性がある。イスラマバード中隊は第3のJF-17「雷電」戦闘機を装備する中隊となる。

アメリカメディアは、中航技(頑住吉注:China National Aero-Technology Import & Export Corporation 、略称CATIC)スポークスマンが、これからの5年以内に中航技はアフリカおよび中東のいくつかの国に300機のこのJF-17戦闘機を販売することを計画していると漏らした、とした。中航技の販売およびユーザーサポート団体はこのために積極的に努力しているところで、これからの数年で良好な販売業績を実現することを希望している。

パキスタンのJF-17プロジェクトを熟知するある業界内の人物は、2011年11月にドバイの航空展でデビューしてから、この戦闘機の販売業務は、「重大な進展」を獲得した、と明らかにした。中・パ両国はドバイ航空展で販売に入れる力を大きくした。パキスタン空軍の3機のJF-17戦闘機がこの航空展に参加し、そのうち1機は静止状態で展示され、1機は飛行を行ってデモンストレーションし、もう1機は予備機だった。中・パの企業代表は航空展で、JF-17の「物は良くて廉価」ぶりを強調した。

この業界人はさらに、中・パ両国はこのJF-17戦闘機の販売市場を平等に享受し、輸出される戦闘機も両国で製造される、とした。だが、彼は発注数を漏らすことは拒絶し、両国が現在「8〜9か国」と戦闘機販売の協議を行っているところだ、としただけだった。これらの国は大体の必要数を提示しているだけである。潜在的買い手には、コンゴ民主共和国、ナイジェリア、スリランカ、スーダン、ベネズエラ、トルコが含まれる。

ある報道は、モンテネグロもこの戦闘機の購入に興味を持っている、とする。この戦闘機はロシア製のRD-93エンジンを使用しているが、パキスタンの官吏はこれは輸出の障害を生まないと考えている。何故ならJF-17の潜在的買い手は皆ロシアと良好な関係があるからである。この業界人は、「潜在的ユーザーがエンジンの問題について憂慮を表明したことは全くない」とする。


 最後の部分は要するにエンジンの交換は中国やパキスタンではできないのでロシアにやってもらえ、ということでしょう。飛行機にとって最重要の部品であるエンジンを自分で作れずロシアから購入しなければならなくとも、相手の多くが貧困な国々でも、戦闘機を300機も販売すれば相当美味しい商売になるはずです。













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