コラムより転載:中国の航空機、空母その他関連小ネタその310

1月13日

 F-35関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2018-12-22/doc-ihqhqcir9262938.shtml


アメリカのF-35の機体腹部と我がFC-31を比較すると技術の隔たりが目立つ あるいは設計の位置づけの違いか

現在最もホットなF-35ステルス戦闘機に対し、皆は多かれ少なかれいくらかは了解している。試しに問うがその非常に高い単価と非常に大きな輸出数は現在どの武器装備が挑戦できるだろうか、私はないと思う。F-35戦闘機の画像を我々は平時非常に多く見ているはずだが、一般に全ていくつかの正面あるいは上からの画像や動画で、下の表面を見るのは非常に難しい。もしあなたがF-35戦闘機の下の表面、腹部をちょっと見せたなら、あなたはきっと「驚愕」させられるだろう。なんてこった、第5世代ステルス戦闘機の腹部が何とこのように処理され得るのか、このような肥満と凹凸では、強迫性障害の人が見たらきっと特別不快に思うだろう、と。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-35の腹部の様子 凸凹である」)

F-35戦闘機の腹部は何故このような様子なのか。私は主要な原因はF-35戦闘機が設計当初にもう定められた各種の基準、がんじがらめの規則や制約にあると思う。我々は、いわゆるF-35戦闘機は決して1つの戦闘機ではなく、3機種の戦闘機の一系列で、連合打撃戦闘機と呼び全部でABC3機種に分かれるということを皆知っている。F-35Aは空軍型、F-35Cは海軍艦載機型、F-35Bは垂直離着陸型で、その研究開発過程の中に消耗された時間と資金は最も巨大である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-35垂直離着陸型」)

そこで最終的に、ロッキード・マーティン社はこのような全長15.9mの戦闘機を登場させ、かつ異なる需要を満足させた。単に全長だけから見ると、この戦闘機は全て短かすぎるが、大きな航続距離を満足させるためさらにそれにより大きな燃料タンクを加えた。全長が変わらず、横向きの寸法が変わらない状況でその中にものを詰め込んだ結果は厚く太ったものに変わることに外ならず、我々人類が太るのと同じ道理である。また、比較的複雑なF-35B型はさらにその中に揚力ファンおよびより大きな燃料タンクを装備する必要がある。このため最終的にF-35戦闘機の腹部はより多くのものが詰め込まれ、表面もうまく処理されず、最終的に我々に見せたのは他ならぬあの凸凹だったのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「弾薬庫を開いたF-35戦闘機」)

このような表面が戦闘機のステルス性に影響しないと言うのは不可能である。アメリカ人がこの戦闘機の最終的なステルス効果をそれでも素晴らしいものにさせられたら、私はアメリカ人は凄いと言うしかない。実際皆考えてみよう、戦闘機が実戦の中で相手方のレーダーに探知計測されるのは実はやはり正面、ならば腹部は全体的なステルス性にあまり影響しないだろう。もう1種の情況はレーダーが仰角をかけてそれを探知計測するというものであるが、問題は仰角をかけて発見した時にF-35はすでに距離が非常に近くなっているか否かにある。私はこの時のレーダーによる探知計測はすでに意味を失っていると思う。私の見たところ、腹部の凸凹は決してそのステルス性にあまり大きな面倒はもたらさないだろう。もし当時のアメリカが戦闘機を計画しただけだったら、非常に多くの制限・基準はなく、ならば戦闘機の全長をいくらか延長できたと見積もられる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「我が国のFC-31戦闘機の腹部はやはり非常に平滑である」)

F-35に比べ、我が国のFC-31戦闘機の腹部は非常に平滑で、非常にフラットである。沈陽飛行機は当時プロジェクト立ち上げの時にもう、この戦闘機は将来もし輸出しても防空圧力が比較的弱い国相手であるとしていた。このため両側に弾薬庫を加えることを強調し、下に入れることは考慮しなかったのだろう。ゆえに、FC-31戦闘機の全体的な機体は全て非常にフラットで、F-35のように凸凹ではない。だが、アメリカのF-22戦闘機の表面処理はやはり非常に良く、非常に標準的なステルス戦闘機に属する。腹部の凹凸では決してF-35が失敗作とは言えない。少なくとも全体性能はやはり非常に素晴らしい。(作者の署名:武器正能量)


 F-35にはどうも最初から無理があったのではという心配がぬぐえませんが、日本には当面これ以外の選択肢はないわけですからね。

1月14日

 中国の大型水陸両用機関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2018-12-26/doc-ihqhqcis0475177.shtml


中国のAG600大型機の軍事ポテンシャルはどれだけ大きいのか 対潜機への改装はすでに無価値

中国大型機三剣客の1つである中国国産のAG600大型水上機が2018年10月20日に初の水上飛行を行った後、非常に多くの公衆はこの大型水上機の軍事ポテンシャル、遠距離対潜機に改装できるか否かに非常に関心を持っている。

答えはノーである。強調するが、AG600は民間機、民間用であって、軍用ではない。

AG600の研究開発資金は国家海上応急捜索救援システム工程から来ており、国家の遠洋捜索救援システムの1つの特定プロジェクトである。AG600は現在世界で研究開発されている最大の水陸両用機で、我が国が初めて中国民間航空航行適正規則の要求に照らして自主研究開発した大型特殊用途飛行機でもある。

AG600は国家の応急救援の重大航空装備で、応用領域は比較的広範であり、森林消火、水上救援、海洋環境監視測定および保護など多項目の特殊任務が執行できる。我が国の応急救援航空機の空白を埋め、国家の応急救援および自然災害予防対応体系能力の建設の需要を満足させることに対し、マイルストーンたる意義を持つ。

AG600水上機をもし海南島の三亜基地地域に配備したら、4時間以内に我が国最南端の曾母暗沙に到達でき、かつこの海域での滞空パトロールは2時間以上である。もし南沙の永暑島に配備すれば、全東南アジア群島地帯をAG600の活動範囲にできる。

AG600水上機の重大な意義は、中国が初めて第一列島線のいかなる地点へも5時間で到達する遠洋快速救援能力を持ったことにあり、このことは国家の応急保障体系や遠洋捜索救援体系の建設に対し極めて重要である。

ある人はAG600機は対潜作戦に用いることができ、遠洋の「潜水艦キラー」に発展する巨大なポテンシャルを持つと考える。甚だしきに至ってはそれを対艦・パトロール・対潜を一身に集めた万能型遠距離作戦機に改良し、したがって西太平洋でアメリカのP-8や日本のP-1などの対潜哨戒機を圧倒する空中の覇者たる地位を取得することを構想する人がいる。実はこれはひとりよがりの美しい夢想である。

現在世界を範囲とする大型対潜機の発展の脈絡から見て、主要な強国はいずれも大型陸上基地固定翼対潜機を開発している。アメリカにはP-8ポセイドン対潜機があり、ロシアにはイリューシン-38N対潜機があり、ヨーロッパにはアトランティック対潜機があり、中国には高新6号対潜機がある。

水上対潜最大の優勢は大型吊り下げ式深度可変ソナー(アクティブ、パッシブという2種の形式のソナー含む)が使用できることで、例えば日本のPS-1対潜機は吊り下げソナーを使用する作戦方式で、飛行機は目標区域に着水して以後、大型深度可変ソナーを水中150mの深度に放出し、捜索を行い、毎回6分間捜索し、ソナーの作用半径は28kmで、しかる後にソナーを引き揚げ、55km前方まで飛び、再び着水し、このようだと迅速正確に潜水艦の位置を測定できる。1回で10機のPS-1水上機を出動させ、間隔50kmの隊形を採用し連続発着し潜水艦を20回捜索すると、8時間以内に長さ1000km、幅500kmの広大な海区が捜索できる。

だが、現在の近代化された新型ソノブイは、作動時間が十何時間にも達し、作用距離は10海里以上である。例えば中国の高新6号大型陸上基地対潜機は、1回に100個のソノブイを搭載でき、潜水艦捜索の速度と効率はPS-1水上対潜機より高いだろう。このため日本もPS-1対潜型を退役させ、それを捜索救援水上機に改装しようとしている。

世界を範囲として、大型水上対潜機はすでに斜陽で、陸上基地対潜機に比べ、水上対潜機の戦術技術ポテンシャルにはすでに掘り起こす価値がない。このため水上対潜機にはいかなる明るい前途の見通しもない。中国もAG600を基礎にさらに一歩対潜型を研究開発することは絶対にないだろう。(作者の署名:科羅廖夫)


 飛行場の整備できない場所でも発着できるなどのメリットもありそうに思いますし、新型ソノブイをこの大型機に積めば中型輸送機ベースよりたくさん積めるのでは。

1月15日

 スホーイー35関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2018-12-26/doc-ihqhqcis0505085.shtml


スホーイ-35は米軍のF-22に打ち勝てるか? 一種類の状況下でのみ優勢を占められる

スホーイ-35戦闘機はロシア空軍現役で最も先進的な制空戦闘機で、第4+++世代戦闘機と称する。第5世代戦闘機の就役前、ロシア空軍はスホーイ-35に対し高い期待を寄せている。2年来、スホーイ-35は中東地域でアメリカのF-22と何度も勝負もしている。米軍の言い方に照らせば、F-22は勝負の中でスホーイ-35を全面的に圧倒した。ロシア軍の言い方に照らせば、スホーイ-35はF-22との対抗の時、劣勢に立たされていない。

ならば、スホーイ-35は一体F-22に打ち勝つことができるのか否か?

ロシアのスホーイ-35戦闘機は優秀な第3世代半戦闘機に属し、一方F-22は優秀な第4世代機である。F-22ステルス戦闘機の装備就役時期はスホーイ-35戦闘機に比べおよそ10年早かったが、F-22はやはりスホーイ-35戦闘機に対し顕著な世代差の優性を持つ。だが今ロシア軍のスホーイ-35戦闘機は米軍のF-22ステルス戦闘機に打ち勝てるとする説がやはりどんどん多くなっており、これは主にネット仲間の理解に偏差が出現しているのであって、一概には論じられない。

2017年12月13日、米ロに空中の勝負が発生した。ロシア国防省の表明によれば、2機のスホーイ-25低空攻撃機が3300mの高度で地上武装車列を護送していたが、突然2機の米軍のF-22が東岸から飛来し、赤外線妨害弾を発射してロシア軍の行動を妨害した。この時、10000mの高空で空中援護を担当していた2機のスホーイ-35が迅速に後半球からF-22に接近し、米軍のF-22が「そそくさとイラク領空に逃げ戻る」よう迫った。一方米軍の表明によれば、このスホーイ-35戦闘機はF-22の後方からの追跡に遭遇し、全対峙事件は40分間持続し、最終的にロシア軍戦闘機の撤退をもって終わりを告げた。

空中の対抗の勝敗が一体どのようだったのか、実戦の結果はアメリカ人を皆(日本語にない漢字を使った語でいくつかの意味のうちどれが当てはまるのか不明)させた。

米ロ双方はこの時の空中対抗に対しそれぞれの言い分があり、このため現在まだスホーイ-35とF-22の交戦で一体どちらが優勢を占めたのか確定することは難しい。アメリカの軍事専門家であるアレックス ルークはかつて、もしF-22がロシア軍爆撃機を迎撃した時に航路護衛するスホーイ-35戦闘機と衝突を発生させたら、F-22は劣勢に立たされることが決定づけられていると放言し、非常に多くのネット仲間がここからF-22はスホーイ-35にかなわないと考えたものと信じる。

アメリカの専門家の言論は非常に特定の状況下を指しており、スホーイ-35戦闘機が優勢に立つ可能性はある。米軍はすでに何度もF-22戦闘機を出動させてアメリカ領空に接近するロシアの戦略爆撃機を迎撃したことがある。この過程の中で、F-22は近距離内にいることを必要とし、それでやっとロシア機に対し強力な警告を形成でき、それでやっとロシア機に飛行方向の改変を迫ることができた。

もしこの時、航路護衛するスホーイ-35戦闘機が突然行動を起こせば、F-22は劣勢に立たされる。この時にF-22が頼るステルス能力はすでに全く用いどころがなく、超機動に頼ってスホーイ-35とドッグファイトを展開するしかない。一般的に考えて、スホーイ-35は3DベクトルノズルのAL-41F1Sエンジンを装備し、一方F-22戦闘機が装備するのは2DベクトルノズルのF-119-PW-10エンジンである。近距離の空中機動の中で、スホーイ-35は一定の優性を持つ。加えてスホーイ-35はより多くの空対空ミサイルが搭載でき、だからこそF-22はスホーイ-35にかなわないと言うのである。

だが正常な状況下では、F-22は比類のないステルス性能を持ち、AN/APG-77機載レーダーの支持の下、超視距離外でもう、いかなるステルス能力もないスホーイ-35戦闘機を発見かつロックオンし、しかる後に軽々とミサイル攻撃を発起でき、スホーイ-35戦闘機の劣勢は非常に顕著である。この時スホーイ-35がF-22に勝てるというのは当然笑い話である。スホーイ-35とF-22には反駁できない世代差が存在し、我々は当然スホーイ-35にF-22ステルス戦闘機に対抗する能力を具備することを要求することはできない。スホーイ-35の相手は西側の第3世代ないし第3世代半戦闘機である。

特定の状況下では、あるいは機海戦術(頑住吉注:人海戦術の航空機版ですね)を使用し、スホーイ-35がF-22に打ち勝つ可能性はある。実はこの問題はさらにちょっと交換することができ、殲-7GがPL-8全方向格闘ミサイルとヘルメット照準具を配備したら、F-16戦闘機に打ち勝てるだろうか? (作者の署名:科羅廖夫)


 まあしかし本当に実戦になったら相手にステルス機であるF-22に気付かせるなんていうことは当然せず、遠距離からミサイルで撃墜するでしょうからこの仮定はあまり意味ないような気もしますが。

1月16日

 ロシアの対空兵器関連です。

https://military.china.com/critical/11139178/20190109/34943179_all.html#page_2


ロシアの専門家、「鎧甲」システムは無能と痛烈批判 無人機を探知計測できず、飛ぶ鳥を飛行機と誤認

最近、あるロシアの軍事専門家が軍事雑誌上でロシア軍が装備する「鎧甲」ミサイル・砲合一防空システムは、小型低速目標に直面した時相当に「無能」であると指摘した。この作者は、ロシア軍はシリアの戦場で依然「鎧甲」ミサイル・砲合一防空システムだけに頼っているが、小型低速の飛行目標、特に人の頭を痛めさせる無人機が全く探知計測できない、と指摘する。さらに人を受け入れられなくさせるのは、「鎧甲」がしばしば誤報を発生させ、ロシア軍基地上空を飛んで通過する鳥類を飛行機と誤認することである。

また、実戦の中での「鎧甲」ミサイル・砲合一防空システムのパフォーマンスも非常に人を失望させる。2018年7月の無人機がロシア軍基地を襲撃した防空作戦の中で、「ドイル」野戦防空システム(頑住吉注:SA-15 Gauntlet)は5発のミサイルを発射し、4機の無人機を撃墜した。「鎧甲」ミサイル・砲合一防空システムは13発のミサイルを発射し、撃墜したのは3機だけだった。統計によれば、2018年4月から10月の間、ロシア軍がシリアに配備する「ドイル」防空システムは80の各種空中目標を撃墜し、作戦効率は80%だった。一方「鎧甲」ミサイル・砲合一防空システムは19%しかなく、データの上から見ると、「鎧甲」は間違いなく「ドイル」防空システムに及ばない。だが、この2種の防空システムの執行する任務には差異がある。「ドイル」防空システムは前線配備型防空システムで、主に野戦部隊に追随して防空任務を執行し、走りながら打撃する能力を具備する。一方「鎧甲」ミサイル・砲合一防空システムは軍事基地周辺に固定配備され、S-400、S-300などの中遠距離防空システムと防空体系を形成する。

ならば、一体何が「鎧甲」ミサイル・砲合一防空システムの作戦効率をこのように低下させているのか?

「鎧甲」ミサイル・砲合一防空システムは「ツングースカ」ミサイル・砲合一防空システムを基礎に研究開発されたものだということを知る必要がある。最初の「鎧甲」システムは1994年に研究開発が成功し、1995年8月に初めて公開されお目見えした。「ツングースカ」と比べ「鎧甲」防空システムは主にミサイルの性能を向上させ、ミサイルの迎撃殺傷区域を拡大し、ミサイルの配置数を増加させることによって作戦効率を高めた。しかし、当時の「鎧甲」システムはもうすでに後続の「遺伝病」のために災いの根を埋めていた。一連の試験を経て、ロシア軍は「鎧甲」防空システムの多くの欠陥を発見した。例えば以下の通りである。

一、「走りながら打撃する」作戦の需要を実現できず、静止状態でのみ、それが装備する武器はやっと有効に目標に命中できる。二、対空ミサイルの命中率が比較的低く、特に小型目標に対してはそうである。防空演習の時コーナーリフレクターを追加搭載した気球、落下傘などの目標に対しいずれも理想的な命中確率に達せず、12km離れた正確制御誘導ミサイルを迎撃する能力を達成できなかった。三、高射機関砲の発射速度が低すぎ、使用する弾薬の種類の殺傷力が不足し、低空高機動目標に有効に対応できない。

「鎧甲」システムの欠陥、加えてロシアの経済の不景気ゆえに、ロシア軍はすぐにそれに対する興味を失い、それを部隊装備できなくさせた。幸運だったのは、アラブ首長国連邦が「鎧甲」システムに対し濃厚な興味を生じさせたことだった。購入を準備したが、全システムの性能の大幅増加を要求した。2000年5月、「鎧甲」システムの研究開発者であるツーラ機器設計局はアラブ首長国連邦と50セットの「鎧甲」防空システムに関する契約を締結した。このため、ツーラ機器設計局は「鎧甲」システムに対するグレードアップを行った。ツーラ機器設計局は技術、資金の上で困難だったため、この時の武器グレードアップはロシア初の海外資金によって自主的にに完成される武器システムだった。グレードアップ後の「鎧甲」は「鎧甲-S1」防空システムと呼ばれた。だが、その追跡レーダーの性能はずっと戦術の需要を満足させられなかった。このため、第一陣の「鎧甲」は2006年になってやっと引き渡された。ほどなく、グレードアップ版の「鎧甲-S1」がロシア軍によって購入された。

発注はあったが、「鎧甲」システムの欠陥は実は有効に改善されておらず、特に無人機が満天を飛ぶ今日、この欠陥は無限に拡大されることになる。今ロシア軍が使用するのはすでに再度グレードアップされた「鎧甲-S2」システムで、このシステムはすでに「走りながら打撃する」能力を具備しているが、その対空ミサイルの問題はそれにもかかわらず有効に解決されていない。当然、「鎧甲」システムのレーダー問題は依然存在し、その目標捜索は自動で空間のスキャンが行え、各種目標の類型、国籍などが自動で探知計測及び識別できる。だがこのレーダーはレーダー反射面2平方m以上の目標に対してのみ有効に識別しかつ自動追跡することができる。その追跡レーダーは2つの部分に分かれ、1つは対空ミサイルの無線電信応答器の信号をキャッチし、もってミサイルの3D座標を測量するのに用い、もう1つの部分は目標の位置を測定するのに用いるが、このレーダーは同時に3つの目標に対してのみ追跡が行え、かつその中の1つの目標に対し2発のミサイルの同時発射を実施することが保障できる。つまり、「鎧甲」防空システムは小型目標に対する発見およびロックオンが非常に困難で、もし発見しかつロックオンしても、ミサイルの問題ゆえに有効に命中できない。

このため、「鎧甲」ミサイル・砲合一防空システムがロシアの専門家の執筆した文によって大いに罵られるのもやむを得ない事情がある、結局のところ全体的に言って「鎧甲」は本当に設計思想が比較的古い防空システムなのである。


 確かに設計時に想定されていなかった無人機やステルス機に対応できないことを責めるのは酷で、問題は新しい状況に対応できる兵器に更新できていないロシア軍の体制にありそうです。

1月17日

 ロシアの小火器関連の記事を2つ紹介します。

https://mil.news.sina.com.cn/world/2019-01-15/doc-ihqfskcn7278027.shtml


ロシア、新型弾薬を研究開発 速度はマッハ5を超える 狙撃手に装備へ

先日、ロシアの武器製造商であるルオバオアームズ社は、自分たちは銃口初速度2000m/sの武器弾薬が生産できる、と宣言した。これはおよそマッハ5.83に相当し、マッハ5という極超音速の基準を超えており、このことはこの弾薬は「極超音速」弾薬になり得たということを意味している。ルオバオが提供する弾薬のこの速度は小型火器の弾薬の中で比類のないものである。ルオバオの共同創立者ウラジスラフ ロバイェフは、ロシア軍がそれに対し一定の資金援助を提供する状況下で、自分たちには1年以内にこの2000m/sの速度の狙撃手用弾薬を量産に投入する能力がある、と考えている。

狙撃手は最大限正確度を向上させるため、一連の外部弾道学的要素を考慮することが必須である。これには風速、風向、海抜、甚だしきに至っては空気の密度が含まれる。こうしたことの見積もりは短時間内に決定をなすことが必須で、しかも目標の距離や環境の要素の変化により異なる程度の複雑性を有する。その他の条件が同じ状況下では、狙撃手は外的要素の妨害を減少させて射撃することがより容易である。しかし極超音速弾を使用すれば、弾丸の空中における飛行時間が非常に大きく短縮され、したがって打撃の正確度が向上し、同時に射程を伸ばすことができる。ロバイェフはインタビューを受けた時、速度がマッハ5を超える状況下では、極超音速弾はいかなる調整も行わない状況下で射程が1000mに達し得るとした。

だが彼は、極超音速弾薬の大量生産には技術および後方勤務の障害が存在するともした。伝統的銃器の弾丸の速度に1220m/sを超えさせる、および狙撃銃を2000m/sを超える速度にさせたければ、信頼できる搭載メカニズムが提供する超越的に高いチャンバープレッシャーを必要とする。まさにこうであるがゆえに同社は、ある特殊な「独特の成分を起爆させることのできる化学成分」を採用したのであって、標準の火薬を使用して弾薬の起爆部分を組成したのではない、としている。その生産コストおよびそれらの現有の銃器との互換性の程度、こうしたことはいずれもまだ視察が待たれる。また、騒音、後座力や重量の問題は操作レベルに依然存在する。どうであろうと、この「起爆」弾薬はほとんど間違いなく狙撃銃の寿命に対し非常に大きな影響をもたらすだろう。ロバイェフはこの点を決して否認しないが、効率の向上がもたらす収益は部品の劣化がもたらす損失の増加を打ち消すことになる、と指摘する。

ルオバオは彼らの極超音速弾薬を伝統的狙撃弾薬の代替品とは決して位置付けない。逆に、彼らはそれを非常にそろばんに合う選択として宣伝している。極超音速弾薬のほか、ルオバオ狙撃銃社はさらにその他のいくつかのプロジェクトに参与しており、これには正確制御誘導火器システムや彼らの言うところの世界初の自動狙撃小銃が含まれる。この種の状況下で、極超音速弾薬の研究はルオバオ社が研究開発する新興技術の一部分であり、彼らはこうした技術は今後何十年の武器の研究開発の方向を改変することになる、と考えている。(作者の署名:土星軌道視察室)


 何だか読んでもいまいちよく分からないですね。従来もサボ付き弾薬、12.7mmクラスの薬莢を急に絞って8mmクラスの弾頭をつけた対戦車ライフル弾薬、28mm口径を20mmに絞って発射する「重対戦車銃」(ドイツ人自身も実際には小型対戦車砲だと認めてましたが)などで1000m/s以上の初速を達成するものはありましたし、ナチスドイツの多薬室の特殊砲V3は1500m/sを超える初速を達成していたようですが、スナイパーライフル程度のサイズで2000m/sの初速を達成した例はないと思われます。ちょっと信じ難いような気もしますし、むしろレールガンのほうが技術的ハードルがまだ低いのではという気も。

https://mil.news.sina.com.cn/2019-01-14/doc-ihqhqcis6027285.shtml


ロシア軍、マカロフ拳銃を交換する計画 新たな銃はあるいは3月に量産開始か

ロシア軍の軍事工業のある消息筋の人物は、最新型の拳銃は今年量産されかつロシア国防省に供給されることになり、ロシア軍に応用されること最も広範なマカロフ拳銃との交換に用いる、と語った。

ロシア衛星通信社は13日かの消息筋の人物をソースとして、部門をまたぐ委員会は今年3月に量産許可証を発する、と報道した。

報道は、関連の部門は新型拳銃を誰によって生産させるか考慮中で、3つの企業と機構が選択候補で、これには有名な銃器メーカーのカラシニコフ社と中央精密機械製造科学研究所が含まれる、とする。

消息筋の人物は、中央精密機械製造科学研究所は新たな拳銃を製造する主要な技術を掌握していると語り、この拳銃の生産がこの機構の手に落ちる可能性を暗示している。かの人物は新たな拳銃のより多くの詳細を明らかにしていない。

中央精密機械製造科学研究所は以前メディアの記者に向け、口径9mmの拳銃が国家試験を完成させたと明らかにしていた。試験人員はこの拳銃を多種の複雑な環境に置き、もって信頼性、寿命などの指標を検証し、同時に弾道特性を研究した。試験結果は、摂氏零下70度から摂氏50度の温度の範囲内で、拳銃の性能は安定していることをはっきり示した。

衛星通信社は、マカロフ拳銃の他、口径9mmのスチェッキン拳銃がロシア軍で同様に広範に使用されており、通常特殊部隊に用いられている、と報道している。(安暁萌)


 これも具体的にどんなものなのか全く分からない記事ですね。口径9mmなのは間違いないようで、威力不足の9mmx18や広範に使用するには強力すぎる9mmx21ということはないと思われ9mmx19でしょうが、いわゆるグラッチの改良型その他なのか、全く新しいデザインなのかも全く不明です。まあ記事内容が事実なら拳銃なんて厳重な秘密保持を要するものでもなく、遠からずもう少し詳しいことが明らかになるでしょう。

1月18日

 次世代の航空技術関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-01-14/doc-ihqhqcis6085908.shtml


スホーイ-57は「人工神経」を植え込み自動で傷を探ることができる 殲-20にもあるいはすでに類似の技術があるか

現在、殲-20、F-35などの第5世代戦闘機はすでにどんどん多く各国空軍入りして就役し、全面的に普及するまでの距離はすでに遠くない。第5世代機が具備するステルス、超機動、先進的航空電子などの優勢は、それに前の世代の戦闘機に比べて圧倒的性質の優勢を持たせている。

より強い戦闘力を達成するため、新世代戦闘機は非常に多くの変化もなしており、その中には機体に用いられる大量の複合材料が含まれる。複合材料は重量が軽く、靱性が高く、飛行機の性能向上に対し顕著な助けがある。また特に超材料などの複合材料が第5世代機に導入されると、ステルス性能に対し比較的大きな向上がある。

未来複合材料はすでに新世代戦闘機を作り出すのに必要不可欠な技術領域だと言うことができる。だが複合材料の使用には1つ問題もあり、それはそれの維持保護に対する要求が特別高いことに他ならない。今日、北国防務(微信ID:sinorusdef)特約原稿執筆者の楊政衛はこの件を語る。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「公開されている画像からは殲-20が大量の複合材料を使用していることが見て取れる」)

例を挙げると、飛行機が飛行中バードストライクを受けるのは免れ難く、地上での不注意な衝突も免れ難い。金属構造に対して言えば、非常に容易に損傷が見つけられるが、複合材料では最初から肉眼では見えないだけで裂け目があり、この裂け目は時間と共に拡大し、最終的に危険をもたらすかもしれない。このため通常何回か飛行するごとに、傷を探る技術を利用して非常に仔細に垂直尾翼、主翼、機体に対し仔細な非破壊検査を行う必要があるが(頑住吉注:「仔細」の重複は原文通りです)、この方面の検査技術はまだごく成熟したものとは非常に言い難い。

2017年のモスクワ航空展で、ロシア研究基金会(FPI)はこの問題に対する解決方案を展示した。彼らが研究開発した人工神経システムは飛行機の構造のリアルタイムの検査測定に用いることができ、かつスホーイ-57をもって展示の模範例とした。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「複合材料に光ファイバーを入れて試験を行う。見たところ比較的単純である」)

この種の人工神経システムは飛行機の複合材料構造内に光ファイバーネットワークおよびセンサーを埋設し、このようにすると飛行機構造が応力を受けてわずかな変形があった時、センサーがすぐに変形を感知計測し、かつ分析を加えることができ、このようだとリアルタイムに、持続して飛行機の構造の状況が掌握できる。この種の人工神経システムはスホーイ-57用に推薦されているほか、民間機にも使用されるだろう。

最近、ロシア連合航空工業製造集団社は公式社交メディアの上でさらに一歩このスマート複合材料の発展を披露した。複合材料構造の安全性を向上させるため、およそ5年前(すなわち2013〜2014年)に工業貿易省、連合航空工業製造集団社およびスホーイ社が協力して複合材料の研究開発を行った。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「光ファイバーセンサーの分布の説明図」)

このスマート複合材料は制作時にもう材料内に光ファイバーを埋設し、かつレーザー信号発射および受信装置がある。機全体構造内に埋設された光ファイバーは全部で数百mの長さがあり、内部に持続的にレーザー信号がある。構造に損傷があった時、センサーはレーザー信号の変化を根拠に(注:損傷時には光のルートが変わるため)、損傷の位置を判定し、かつ残りの寿命を評価し、状況に依拠して飛行員に提案を行う。例えば損傷が比較的大きい時、飛行員に急いで帰投することを提案する。損傷が深刻な時は、飛行員に機を捨てて脱出することを要求する。

説明によれば、伝統的な検査方法を使用した時、飛行機は900時間の後方勤務を複合材料の検査に用いる。スマート型複合材料を使用すると、この作業量は何分の一にも減少し、しかも増加する重量は(光ファイバーとレーザーシステムを指す)は5〜7kgを超えない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「新世代実戦機が複合材料を使用するのは大きな趨勢で、使用中の問題の解決も当然趨勢である」)

このスマート型複合材料の研究開発の一部分は連合航空工業製造集団社とスホーイ社自ら完成させたもので、別の部分は「科研と移転発展研究院」(NITs IRT)によって担当された。2017年モスクワ航空展の時、未来研究基金会(FPI)はすでに「人工神経システム」の形式をもってこの技術を展示した。だが当時この技術はまだ研究開発中だった。将来、スホーイ-57の量産と共にこうした技術はすぐに使用に投入できるものと信じる。

当然、この技術は決してロシア独特ではなく、技術の趨勢である。我々の同様に複合材料を大量に採用した殲-20にもある、甚だしきに至ってはすでに類似の技術を持つと信じる。(作者の署名:北国防務)


 あくまで相対的にですが実現の技術的ハードルは低く、しかもメリットは多そうな気がします。アメリカはこの方面でどうなっているんですかね。

1月19日

 ロシアの戦略兵器関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-01-09/doc-ihqhqcis4629390.shtml


ロシア、ポセイドン核魚雷の驚異的な性能を披露 敵艦が100%迎撃できないまでに速い

2018年3月、ロシアはプーチン大統領の国情諮問を発表する時、多くの「切り札」武器を「官製漏洩」した。これには「サーマト」大型大陸間弾道ミサイル、「海燕」原子力動力巡航ミサイル、「短剣」極超音速空対地ミサイル、「先鋒」極超音速地対地ミサイルなどがあって相次いで明るみに出、しかもロシアは先日また「ポセイドン」原子力動力無人潜行器の驚異的な指標を披露した。

「ポセイドン」は原子力動力無人潜航器で、原子力動力魚雷と見なすこともでき、これはプーチン大統領が国情諮問の中で初めて披露したものである。原子力動力推進システムを使用しているほか、外界はそれに対して知ること甚だ少なく、原子力動力によって推進され、それはほとんど無限の航続距離を持ち、つまり10000kmもの長さで、機械システムさえ故障しなければ、地球の端から地球の端まで打撃できる(頑住吉注:地球の直径は約12,742 kmだそうです)。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:ポセイドンのあり得る外形、直径はすでに魚雷発射管では用いることができないまでに大きい」)

しかも最近、ロシアメディアは「ポセイドン」の作戦速度や深度性能の指標を披露した。ロシアの軍事工業システムの消息筋の人物は、「ポセイドン」は比類のない機動性を持ち、その主要な特徴は「その進攻に反撃(防御)できない」ことである、と明らかにする。この原子力動力無人潜航器の最大時速は200kmを超え、最大深度は1kmを超え、この性能は非常に人を驚嘆させる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:VA-111『風暴』)

意外にも、ロシアメディアは「ポセイドン」はVA-111「風暴」魚雷同様の超気泡技術を採用していると明らかにした。この魚雷は旧ソ連が開発した非常に独特な水中武器で、独特の水中「超気泡効果」を利用し、物体を自ら生じさせる長い気泡の内部で、最小の抵抗をもって飛ぶような速度で前進させることができる。VA-111はこの物理現象を利用し、200ノット(370km/h)の驚異的速度を達成し、「唯快不破」(頑住吉注:速いことは唯一対応策のない無敵の戦法だ、といった意味のようです)で、敵潜水艦や水上作戦艦艇を打撃する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:1発の発射中の『風暴』」)

こう語ってきたが、「ポセイドン」は他ならぬ原子力動力推進を採用した「風暴」超気泡魚雷であり、アメリカの現有の原潜に対する脅威は巨大である。

もしその最高速度が本当にロシアの軍事工業関係者が明らかにした200km/h(108ノットに相当)なら、「風暴」に比べやや遅いだろうが、依然として現有のアメリカ原潜よりはるかに速く、たとえ速度が最速のシーウルフ級(最高35ノット)や、Mk48大型魚雷(60ノット近い)の最高速度でもそうで、さらに一般の原潜が望んでも及ばない1000mの最高深度が加わり、小型魚雷が迎撃しようとするのには、難の上に難が加わる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:アメリカで現在最速の原潜はシーウルフ級で、35ノットである」)

ロシアが「ポセイドン」を研究開発してすでに一定の時間があり、それは以前に噂が聞こえてすでに久しい「状況-6」原子力動力魚雷を基礎に研究開発されたものに違いない。

「状況-6」は直径1.6mに達し、全長は20mを超え、同様に原子力動力推進で、それは少なくとも180km/hの速度に到達でき、最大航続距離は1万kmで、ロシア国防省が披露したポスターは、それが2018年に設計が固まり、2025年前後に試験に投入されるだろうことをはっきり示しており、これはプーチン大統領が2018年国情諮問の中で披露した「ポセイドン」は2027年にロシア軍の装備に加わるとの時間と吻合する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:中央が『状況-6』」)

「ポセイドン」でもいいし、「状況-6」でもいいが、いずれにせよ人に1950年代、旧ソ連の赤い海軍初の攻撃型原潜627型(N/11月級)のために研究開発したT-15大型核魚雷を想起させるが、T-15は原子力動力推進を採用しておらず、最大航続距離は何百、最多で1000kmしかなく、主にTNT1億トン相当の熱核弾頭に頼り、アメリカ沿岸の大都市に対し致命的戦略核打撃を行うもので、威力は広島の原子爆弾の5000倍だった。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:T-15。11月級は2発のみ搭載できたが、1発でもうアメリカを天国に送ることができた」)

同様に、「ポセイドン」にも核弾頭が搭載できるとの説があり、それはVA-111の超気泡技術を混合した21世紀復活増強版T-15であると言っても、決して言い過ぎではない。(作者の署名:烏竜防務評論)


 潜水艦発射弾道ミサイルより迎撃は困難でしょうし、沿岸の都市しか狙えないとはいっても広島型原爆の5000倍の威力では確かに被害は致命的なものになるでしょう。中国も超気泡技術を使った魚雷を開発中だとの記事もありましたね。























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