コラムより転載:中国の航空機、空母その他関連小ネタその328

6月9日

 ロシアのT-14戦車関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-06-06/doc-ihvhiews7057869.shtml


ロシアのT-14の4大ハイライトは全世界に先んじる だがこの技術は中国に8年立ち遅れている

全世界初の「第4世代戦車」として、ロシアのT-14「アーマタ」メインバトルタンクには少なからぬ創新設計がある。アーマタは全世界の戦車生産の歴史上初めて無人砲塔と車両クルー人員隔離式装甲キャビンなどの機能を持ち、そして完全コンピュータ化されたメインバトルタンクである。T-14「アーマタ」(Armata)というこの言葉は古代突厥語から来ており、意味は「祖先の力量」である。2016年、イギリス軍事情報部門はT-14を半世紀以来「最も革命的性質を持つ戦車」と称した。T-14戦車は全世界の戦車事業発展の進度を30〜40年前倒しし、まるでT-34からT-64までのような巨大な飛躍幅の技術的進歩を取得すると考えられる。これまでに製造された20両あまりのT-14の他に、ロシア陸軍は現在100両のこの戦車を発注済みで、低速生産に投入し、2022年までに装備を完了する計画である。

T-14「アーマタ」メインバトルタンクで最も提示に値するのは他ならぬそれが採用する無人遠隔操作砲塔で、全世界初の無人遠隔操作砲塔を採用したメインバトルタンクである。これまでにアメリカ、フランス、ドイツなどの国がいずれも戦車の無人砲塔の研究開発を考慮したことがあり、甚だしきに至ってはサンプル車を作り出して試験を行った。だがいずれも試験段階に留まり、、後に各種の原因ゆえに放棄した。T-14「アーマタ」メインバトルタンクが無人遠隔操作砲塔を採用した後、3名の車両クルー人員は全て戦車前部の装甲キャビンに配置され、各種電子視察照準システムによって砲塔を遠隔操作、使用する。

無人砲塔設計のメリットは非常に多い。まず、無人砲塔設計を採用した後T-14「アーマタ」メインバトルタンクは車両クルー人員に対する保護能力が顕著に高まる。戦場の統計資料は、位置が高くなるほど攻撃を受ける確率も高まることを示している。戦車の砲塔の弾が命中する確率は最高で、このため砲塔内の乗員の死傷のリスクは極めて高い。T-14「アーマタ」メインバトルタンクは車両クルー人員を全て戦車の車体内部に収納し、乗員の座席の位置の高さを顕著に下げ、および乗員が作戦で死傷するリスクを下げ、この点は各国陸軍がこぞって夢にまで見て求めたものである。

戦車はどんどん先進的で複雑になり、戦車兵の専業的質に対する要求はどんどん高まり、戦車乗員に対する保護能力の増強もどんどん重要なものに変わっている。結局のところ「車両クルーが残れば、戦車がなくなることは怖くない」のである。この領域の上で、ロシアのT-14「アーマタ」メインバトルタンクおよびイスラエルの「メルカバ」系列メインバトルタンクの設計思想は同様である。

T-14「アーマタ」メインバトルタンクが車両クルー人員を車体内部に移した後、無人砲塔の体積はある程度減少したが、内部の有効な空間はそれにもかかわらず顕著に増加し、車両クルー人員をなくした後、砲塔内部に対する設計の最大限の最適化を行い、各種設備をより合理的に配置した。ある資料は、T-14「アーマタ」メインバトルタンクの砲塔の予備弾薬量は32発で、車体内部の13発の予備弾薬を加えると、全体の予備弾薬量は45発にも達し、その持続作戦能力を顕著に増強したことを示している。無人砲塔内部の空間は比較的充足し、加えて車両クルー人員の作業環境問題を考慮する必要がないため、T-14「アーマタ」メインバトルタンクの砲塔の改良ポテンシャルは非常に大きく、将来大口径主砲に交換する需要を満足させるに足り得る。

T-14「アーマタ」メインバトルタンクの125mm2A82-1M型主砲はより強大な火力を持ち、これはロシア式戦車の主砲で初めてElectroslag remelting、自緊、内部ボアメッキ技術を持つものである。ソ連解体後の経済的困難ゆえに基礎科学研究が欠乏し、ロシアは砲用鋼材や内部ボアメッキ技術の上で終始突破がなく、長期にわたりロシアの戦車砲の威力が西側の火砲に及ばない結果をもたらしていた。

T-14「アーマタ」メインバトルタンクは初めて全面的なアクティブ防御システムを配備し、これには無人砲塔の四つの隅にあるミリ波フェイズドアレイレーダーが含まれ、T-14は初のフェイズドアレイレーダーを配備した現代戦車ともなった。砲塔前の2つの隅の下部の光学探知計測早期警戒システム、砲塔左右両側の360度傾斜角調節可能式煙幕弾発射器、および砲塔左中部の垂直発射できる煙幕弾発射器、さらに砲塔前下部に巧妙に配置された左右両側それぞれ5発のアクティブ迎撃ロケット弾は、T-14「アーマタ」戦車の防御水準を水も漏らさぬものに到達させている。

T-14「アーマタ」メインバトルタンクはロシア式戦車の設備が立ち遅れた状態を一変させ、情報化水準は相当に素晴らしい。車長と砲手には汎用の周視視察照準鏡および全景ビデオカメラ、多くの内部に置かれた火力コントロールシステムがあり、戦車は偵察衛星、偵察機、早期警戒機やその他の同盟国の戦車から伝えられてくるデータ情報を受け取ることもできれば、さらに自身が発見した目標を友軍あるいは指揮センターに伝達することができ、したがって全戦場の形勢が手に取るように分かり、打撃の成功率や戦場の動態の変量の掌握コントロールを大幅に向上させる。

注意に値するのは、ソ連/ロシアがメインバトルタンク領域で多くの新規的性質の貢献を持つことで、ずっと「あえて天下に先んじる」ことで有名だということである。歴史はソ連/ロシア戦車の非常に多くの新規的性質の設計が間違いなく採用すべきところを持ち、外界が参考にするに値することを証明してもいる。T-14「アーマタ」メインバトルタンクに同様のことが発生するか否か、戦車の砲塔の無人化の発展を率いることになるのか否か? これは非常に関心を注ぐに値する。

T-14「アーマタ」メインバトルタンク唯一の弱点は動力システムにある。「アーマタ」の車体はT-72に比べ1/4長くなっており、さらにシャーシを新規設計し、空間利用効率がより高いX字型レイアウトの12気筒A-85-3エンジンに換装している。T-14「アーマタ」のエンジンの全体構造はこれまでのV字型エンジンとは異なり、シリンダーがX字型配列を呈している。T-14のX字型エンジンはエポックメイキングな製品だという人がいるが、実はX型エンジンは決して珍しくなく、第二次世界大戦の時期には早くも、ドイツのタイガー式戦車が採用したのは雪米林(頑住吉注:検索しても不明。マイバッハとは読めないはずです)16気筒増圧ディーゼルエンジンで、X型構造だった。

ロシアサイドの資料によれば、A-85-3エンジンの実際に使用可能な出力は883キロワット(1200馬力)で、応急的に出力を1103キロワット(1500馬力)に到達させることができる。T-14戦車はロシア初の自動液力伝動システムを配備した戦車でもある。この技術は、中国が2010年に就役した99A戦車でさえすでに実現していた。99A戦車は1500馬力のエンジンとCH-1000型液力機械総合自動伝動装置を配備し、手動クラッチと自動クラッチ操縦システムを具備し、かつハンドルによって任意の半径で連続方向転換、甚だしきに至ってはその場での方向転換ができる。もしT-14戦車が2018年に正式に生産に入ったという時間の節目たるポイントに照らして判断するならば、T-14戦車の動力システムは99A戦車に8年以上立ち遅れているだろう。(作者の署名:科羅廖夫)


 全体的に見て進んでいることは確かなようですが、新技術を盛り込みすぎてうまく機能しない、思わぬ弱点がある、という可能性もかなり高そうに思いますが。

6月10日

 台湾関連です。

https://military.china.com/news/568/20190608/36355658_all.html#page_2


M1A2エイブラムス戦車、台湾への販売を予定 あるいは風土に合わないか

ロイター社の報道によれば、アメリカはその価値20億アメリカドルを超える武器の販売を探求している。ロイター社は、潜在的な販売には108両のゼネラルダイナミクス社のM1A2エイブラムス戦車、対戦車ミサイル、スティンガー対空ミサイルが含まれるとする。

6日午後に行われた外務省定例記者会見で、スポークスマンの耿爽はロイター社のこの件に関する質問に回答する時、中国サイドはアメリカの関連の動向に対し重大な関心を表明し、アメリカサイドが台湾に武器を販売することとアメリカ・台湾軍事関係を停止し、慎重、妥当に台湾に関わる問題を処理するよう懇切に促す、とした。

この一連の販売リスト内では、108両のM1A2エイブラムス戦車が疑いなく最大のハイライトである。もしこの販売がアメリカによって批准されれば、これは台湾軍(中国台湾地域陸軍)が獲得する最も先進的な地上武器となる。

台湾軍地上装甲部隊の現在の主力装備は少数のアメリカ製M48A3戦車、M60のシャーシを用いM48の砲塔をつなぎ合わせてできたM48H「勇虎」戦車で、さらに少数の骨董品クラスのM41軽戦車が加わり、機械として老化し、性能は立ち遅れ、作戦能力は低下し、実際「敵を浜の外で防ぐ」の重任を担い難いというべきである。長期にわたり、台湾軍はずっと先進的なメインバトルタンクを持つことを謀り求めてきたし、アメリカ製M1A2を購入するとの伝聞は早くからあった。

今回のリストの中のM1A2SEPは米軍現役の比較的新しい改良型メインバトルタンクに属し、この戦車は120mmスムーズボア砲、車長が直接操作できる火力コントロール視察照準システムを使用し、車長には独立した周視視察照準鏡が配備され、サーモグラフィー装置は良好な夜視能力を持つ。戦車の動力には1500馬力のガスタービンエンジンを採用し、比較的良い機動能力を持ち、全体的に性能は先進的である。だが防御能力向上のため、M1系列は初期の51トンからM1A2SEPの64トンまで大幅に高まっている(頑住吉注:キングタイガーが70トン弱ですからそんなに変わらないですね)。

台湾地域は山岳地帯が2/3の面積を占め、平原は少なく、地理的環境は戦車の大規模機動作戦に不適合であり、M1A2戦車は風土に合わない局面に直面する。

M1A2戦車の重量は64トンに達し、道路での輸送時橋梁への搭載の制限を受け、非常に多くの場所は重量超過が原因で道路による快速機動ができない可能性があり、通過できるためには甚だしきに至っては工兵に頼って専用の戦車橋を据え付けて通過する必要があり、全島の機動作戦への使用を深刻に制約する。

M1A2戦車が装備する1500馬力エンジンはそれにずば抜けた機動能力を付与するが、このAGT1500ガスタービンエンジンは有名な「油喰い」でもあり、ガスタービンは作動時の燃料消耗がディーゼルエンジンをはるかに超える。米軍の湾岸戦争中のM1戦車のずば抜けたパフォーマンスは、米軍の強大な後方勤務補給能力と切り離せない。米軍の燃料補給車隊は装甲部隊のために身を寄せてサービスし、戦車の作戦が基本的に燃料問題に困らせられないよう保証することができた。だが台湾軍がこの種の補給能力を持つことは非常に難しい。台湾には山地が多く、補給車が展開して補給を提供することが難しい。しかも制空権が保証し難い状況下で。台湾軍がどのくらいの補給車を用いて前線まで行かせられるかさえ問題である。燃料弾薬が欠乏した状況下では、最も先進的な戦車もおそらくは防御陣地内に分散して移動トーチカに充当されるだけだろう。

M1A2戦車の先進的な夜視視察照準は湾岸戦争中に夜戦勝利の宝たることを勝ち取り、そのサーモグラフィーの視察測定距離は遠く、性能は先進的だが、山地地形での作戦では往々にして見通せる距離の制限ゆえに遠くが見えず、あるべき性能が発揮されない。しかも現在サーモグラフィー技術はすでに非常に普及しており、限りある距離内では、決してあまり大きな優勢はない。

厚い装甲はM1A2戦車が誇る財産で、湾岸戦争中イラクのT-72の近距離射撃に直面し、成功裏にサボ付き徹甲弾の攻撃を防ぎ止めた。だがどんなに防御が良くても、対戦車ミサイルや兵個人対戦車ロケットの全方位の攻撃の脅威に直面した時は意気込みに力が追い付かないことが目立つ。近年来中東の戦場では、M1系列戦車がゲリラ武装勢力によって撃破されることは決して何らのニュースでもない。これは米軍最新改良型M1A2SEP3戦車がアクティブ防御を追加した原因でもあり、しかも米軍自ら用いるバージョンの装甲技術はおそらく輸出されず、対外販売されるのはグレードダウンされた「モンキーバージョン」でしかあり得ないだろう。

台湾軍の演習時の看板戦術は戦車の隊列が浜辺を行進し、航行し渡る途中の上陸部隊を殲滅するというものに他ならない。この種のショーにどのくらいの真の作用があるかはおそらく台湾軍自身も信じていない。M1A2戦車が直面するのはより先進的な空対地対戦車ミサイル、遠距離対戦車ミサイル、ファイアアンドフォーゲットの先進的な兵個人対戦車ミサイル、そして末敏弾から組成される総合火力網で、この108両の戦車では実際隙間をふさぐには不充分である。M1A2戦車はあるいはちょっとの面倒を作り出すことができるかもしれないが、この種のちょっとの面倒は統一を維持し守る決意の面前では疑いなく蟷螂の斧である。


 いろいろケチつけてますけど強い戦車であることは否定できないようで、力を発揮できるか否かは運用次第でしょうね。

6月11日

 アメリカ・インド関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/dgby/2019-06-07/doc-ihvhiews7304344.shtml


インドメディア:アメリカに対し重大な不満 インド、あるいは「中ログループに加入」を準備か

5月末、トランプは行政令に署名し、6月5日からインドの一般特恵関税制度適用国(GSP)の資格を取り消し、少なくとも価値56億アメリカドル2000種あまりの商品が関税ゼロ待遇を失うことになる。
インドの「Deccan Herald」は6月4日、アメリカの最近における一般特恵関税制度適用国資格剥奪に対し、インドは不満を感じており、「中国とロシアのグループに加入」し、トランプの保護主義政策に共同で反対する準備をしている、と報道した。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「5月23日、モーディは人民党本部で集会を行い選挙での勝利を慶祝した(画像のソース:東方IC)」)

「Deccan Herald」は、ニューデリー政府はトランプの5月31日の声明に対し不安を感じている、とした。

6月13〜14日、上海協力機構(SCO)加盟国指導者はビシュケクで会議を開き、中米貿易摩擦、および全世界経済に対しもたらす影響につき討論を行った可能性がある。インド首相モーディは中ロ指導者およびその他の加盟国の指導者のグループに加入し、ルールに基づく「新型(NEW TYPE)」多国間貿易体制の建立を共同で呼びかけた。

ニューデリーの消息筋の人物は「Deccan Herald」に対し、モーディは中ロおよびその他の上海協力機構指導者と共に、「共同でいかなる一方的な保護主義もボイコットし、積極的に協力し、新型の全世界経済を形成し、寛容、透明、非差別でルールに基づく多国間貿易体系を強化する」ことを呼びかける、とした。インド政府は、アメリカの対インド輸出商品に対し報復性の関税を徴収することを考慮している。

アメリカはずっとインドとの「貿易不均衡」に対し不満で、5月初めにアメリカ商務省長官のウィルバー ローズはニューデリーを訪問した時、アメリカはインド最大の輸出相手国で、インドの輸出総額の20%を占める、と指摘した。しかし彼は「インド市場の加入障壁は厳しすぎ」、インドはアメリカの単に第13番目に大きい輸出相手国でしかない、とも言明した。

インド当局者は、60日以内にアメリカと対話を行い、これをもって最もよい解決方案を探し求めることになる、とした。日本が今月開くG20サミットで、インド首相モーディとトランプはこの件についても深い討論を行う。

2017〜2018年度、インドはアメリカに対し479億アメリカドル輸出し、267億アメリカドル輸入した。インドの「商業標準報」は、貿易バランスはインドに有利であると考えている。2017年、インド・アメリカ二国間の商品とサービスの貿易額は1260億アメリカドルに達し、2018年は12.6%増加し、1420億アメリカドルに達した。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「2018年の上海協力機構青島サミットで、プーチンはモーディと親しく語り合った(画像のソース:東方IC」)

去年6月、アメリカはインドの鋼とアルミに対しそれぞれ25%および10%の関税を徴収し、インドは29種のアメリカ商品に対しても同等の報復性措置を準備済みである。ここ1年以来、アメリカ・インド間の貿易に関する談判には成果がなく、インドもずっと報復性措置の実施を推進している。

国連商品貿易統計データバンクの統計は、アメリカが毎年インドから約7.95億アメリカドルの鋼材と4.24億アメリカドルのアルミ製品を輸入していることをはっきり示している。関税の徴収はインドに対し2.41億アメリカドルの影響をもたらし、このうち鋼鉄製品の関税が約1.968億アメリカドルで、アルミ製品は約4240万アメリカドルである。

インドの対アメリカ関税徴収は元々5月16日に効力を発生させると定められていたが、インド総選挙ゆえに、モーディ政権は総選挙終了後、改めてアメリカと貿易に関する争いを解決することを希望した。インド財務省は通知を発し、関税徴収の効力発生を1か月、6月16日まで延期した。

アメリカに対するボイコットの一部分として、インドはすでに何種かの製品に対し関税を追加徴収することを宣言している。クルミの関税を30%から120%に引き上げ、ヒヨコマメ(chickpeas)、バングラディシュ豆(Chana)および馬栗豆(masur dal)の関税を30%から70%まで引き上げ、レンズ豆(lentils)は30%から40%まで引き上げる。


 G20で日本がうまく仲裁して問題を解決できれば理想的だったんですけどね。

6月12日

 スホーイー35関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-06-05/doc-ihvhiews7005264.shtml


スホーイー35のこの切り札はF-35に対抗できる 殲ー20のある重要な指標はそれに及ばない

スホーイー35はステルス能力と超音速巡行能力を持たず、第4世代機の基準に到達することはできない。このためそれはその他のいくつかの方面に技量を注ぐことに重点を置き、特に長じた「切り札」を持ち、比較的短時間内において自らを短所はあるが長所もあり、これをもって作戦の中で第4世代機に対抗できるものにさせることを極力企図している。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「スホーイー35の超機動」)

具体的に言うと、スホーイー35は2つの方面の「切り札」に重点を置いている。

1つ目は非常に強い機動性である。この点を我々はそれぞれの飛行デモンストレーションの中でいつも見ることができる。スホーイー35はベクトル推力と成功した飛行コントロールシステムのコンビネーションにより、非常に強い機動性を獲得している。スホーイー35のこの機動性はその他のいかなる第3世代機も現在具備しないものである。

実際には、現在中距離空戦にはやはり非常に多くの制約要素があり、かの種の「視距離外で相手を打撃することだけを保持し、近距離格闘には入らない」というのは実際には実現が非常に難しい。まず、相手が視距離外でこちらを攻撃するには、レーダーをONにして中距離ミサイルを誘導する必要がある。こちらのレーダーは相手のこのステルス戦闘機を発見しないかもしれないが、こちらのレーダー警告装置の敏感度が高く、周波数のカバーが広くありさえすれば、相手がひとたびレーダーでこちらをロックオンすれば、こちらは依然相手がこちらをロックオンし、こちらを攻撃しようとしているのを知ることができる。そこでこちらは直ちに電子妨害をし、電子デコイを放ち、同時に激烈な機動をし、相手のレーダーのロックオンからの離脱を勝ち取ることができる。もし相手のレーダーのロックオンから離脱したら、当然ミサイルは目標に命中できない。現在の技術水準の下では、「中距離で絶対に電子妨害されず、激烈な機動に直面して絶対にロックオンを逃さず、ミサイルは絶対に目標に命中する」というものは現在まだ存在しない。ロックオンを離脱する確率が高いか低いかの問題しかなく、絶対に影響を受けないという問題はないのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「スホーイー35のパッシブ探知計測システム」)

2つ目はスホーイー35上の雪豹パッシブフェイズドアレイレーダーの性能が強大で、一般の戦闘機の機載レーダーを超えていることである。ロシア自らはこのレーダーの、レーダー反射面積0.01平方mの目標に対する発見距離は90kmに達し得ると言明している。このレーダー反射面積0.01平方mというのはどんな概念なのか? アメリカのいくつかのルートが発表するF-35のレーダー反射面積は0.01、一方F-22は0.001である。その他の一部の国は、アメリカのF-22のレーダー反射面積は0.01で、F-35のレーダー反射面積は0.05平方mであると考えている。もしスホーイー35のレーダーが本当にレーダー反射面積0.01平方mの目標に対する発見距離90kmだったら、これはつまり90kmの距離でF-22が発見、あるいは少なくともF-35を発見できることを意味している。こちらはステルスでなく、あちらはステルスだが、こちらは強大なレーダーを作ることによって相手を見る。このように中距離でもこちらはあちらと戦える。アメリカの第4世代機のステルスの優勢は引きはがされる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「スホーイー35の大小2つの赤外線センサー」)

具体的にスホーイー35というこの戦闘機について語れば、そのレーダーはスホーイ-27のレーダーに比べずっと強大である。このためアメリカ人が重んじる遠距離射撃と先発の優勢はそんなに顕著なものではなくなり、大幅に低下する可能性がある。これはアメリカがその他の第3世代機に対してはあまり眼中にないが、スホーイー35に対してはやはり比較的気にする原因でもある。ステルス能力は空中作戦に対しやはり意義が重大である。その最も主要な意義は強大な奇襲能力を作り出すところにあり、ステルス能力を持つ実戦機は非ステルス実戦機と公明正大に対面して空戦せず、各種の奇襲作戦を採るだろう。あるいは非ステルス実戦機を直接奇襲し、あるいは直接空軍基地を奇襲し、対ステルス技術を掌握しない側は非常に受け身となるだろう。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「スホーイー35の分布式センサー」)

ロシアのこの考え方の筋道は、自らが某いくつかの方面で立ち遅れ劣勢な状況下で、特に長じた「切り札」を作ることによって、自らを短時間内作戦の中で第4世代機に対抗できるようにさせることを極力企図するというものである。はっきり言って、これこそロシアが長期にわたり堅持する工程に関する考え方の筋道の新たなる体現である。世代差ゆえに、それはアメリカの第4世代機に対しやはり某いくつかの方面でいくつかの劣勢がある。だが隔たりはそれにもかかわらず、すでに普通の第3世代機と比較できるものでは全くない。

中国の殲ー20は真の第4世代機で、動力方面で暫時足を引っ張られており、動力方面は「ステップに分けて行く」必要があるかもしれない。だがステルス方面、情報化方面ではいずれも真の第4世代機の水準であり、こうしたものはいずれもスホーイー35というこの第3++世代戦闘機とは比較できない。高い機動性の方面では、殲ー20は暫時そんなに強い動力とベクトル推力がないが、技術の難関攻略性が極めて強い空力レイアウトと飛行コントロールシステムにより、それでも非常に高い機動性を実現している。殲ー20ももうすぐより良いエンジンとベクトルノズルを装備するからなおさらである。超機動性方面では、殲ー20は最終的にスホーイー35というこの第3++世代戦闘機を全面的に超越するだろう。超音速巡行方面では、スホーイー35は第3世代機の空力設計に基づいているため、エンジンの推力がどんなに増大した状況下でも真の超音速巡行(エンジンがアフターバーナーを使用しない状態で比較的長い時間超音速飛行を保持すること)を達成することは非常に難しい。一方殲ー20は第4世代機の空力設計のため、現在エンジンに足を引っ張られているが、将来新式エンジンに換装した後、超音速巡行が完全に実現できる。殲ー20はきっとスホーイー35というこの第3++世代戦闘機より顕著に優れるだろう。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殲ー20はスホーイー35に比べ世代差がある」)

ステルス戦闘機時代にスホーイー35というこの非ステルス戦闘機を購入することは、それ自体時代遅れの行為であるのか否か? もし我々が現在すぐにスホーイー35に比べより先進的でより使いやすく、しかもスホーイー35のように成熟したステルス戦闘機が購入できれば、我々がスホーイー35を購入する意義は大きなものではなくなる。だが問題として現在それはあるのか? ない。ロシアのT-50は確かにスホーイー35に比べより先進的で、しかもステルス戦闘機であるが、それは現在まだごく未成熟で、まだ試験飛行中であり、さらに受領して先んじての試用がされていない。もし我々がT-50を購入すれば、我々自ら研究開発する殲ー20に比べ先んじて戦闘力を形成しない可能性が高く、我々が対外購入する作用も失われる。この種の状況下で、現在我々はまた非常に現実的にF-22とF-35の脅威に直面しており、ならば特徴を突出させ、「切り札」を作り、一定程度上F-22とF-35に対抗できるスホーイー35は、1つの合理的な選択ともなる。

このため国内では普遍的にスホーイー35は全く新しい戦闘機ではなく応急戦闘機とすることができると考えられている。スホーイー35は決して発展の方向性ではなく、我が国がスホーイー35の生産技術を大規模に導入する必要もない。(作者の署名:伽利略視野)


 スホーイー35の技術を参考にして殲ー11系列をそれと同等、あるいはそれを超えるものにグレードアップする可能性もあるでしょうが、やはりエンジンが問題になるでしょうね。

6月13日

 中国空母関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-06-10/doc-ihvhiews7759495.shtml


当局のポスター、中国の原子力空母らしきものを暴露 外形はフォード級に似、搭載機は殲ー15

遼寧艦の後、我が国の空母事業の発展は追い越し車線に入り、すでに明るみに出ているものには国産初の空母002が含まれ、現在すでに6回の試験航海を完成させており、年内に間もなく就役する。一方上海で建造されつつある通常動力電磁カタパルト空母003も、ひとまず雛形を現し、2年後にはもう進水できると見られる。002および003の他、我が国はさらに原子力空母を建造することになり、これは必然の趨勢である。ちょうど最近、中電科14所の宣伝画の中に、初めて我が国の原子力空母の画像が出現した。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中電科14所は大学受験生を応援している」)

中電科のこの宣伝画の中には、大学受験生に対する美しい期待が寄せられ、下方には艦ナンバー19の空母が出現しており、見たところ米軍の「ニミッツ」や「フォード」級と非常に似ており、画像を拡大すればすぐに気づくが、その艦橋は非常に小さく、しかも大面積の煙突がなく、このためこれは原子力空母だと判断できる。この艦は3台のカタパルトと3台の舷外昇降機を装備し、アメリカの空母に比べ一回り小さい。艦載機との対比から見ると、その排水量は「ニミッツ」や「フォード」に比べやや小さく、およそ7、8万トンかもしれない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国初の原子力空母」)

提示しておくに値するのは、中電科の宣伝画の中で、国産原子力空母がまだ殲ー15艦載機を搭載していることで、これは大いに意外である。殲ー15は総合性能は素晴らしいが、結局のところ第3世代機であって、ステルス方面の考慮は全くなく、米軍が艦に搭載しつつあるF-35C、甚だしきに至ってはF-35Bに直面すれば、絶対的な劣勢の地位に置かれる。現在我が国は第4世代艦載機を研究開発中だが、これまでFC-31で時間を無駄にし、貴重な時間を空しく何年か流れ行かせたため、言われているところによればすでに新たな空母の進度に間に合わず、上海で建造中の通常動力電磁カタパルト空母就役後は、まず殲ー15をを用いて一定の時間耐え、しかる後さらに第4世代艦載機に換装する可能性がある。だが第4世代艦載機の研究開発はさらに遅く、原子力空母の進度にも追いつかない結果をもたらしている。外界は原子力空母が前倒しされるのではなく、秘密保持のため画像では殲ー15を用いて第4世代艦載機に代替しているのだと推測する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中電科の画像は軍事博物館のこの模型に比べさらに権威がある」)

こんなにも多くを語ったが、ならばこのいわゆる当局の画像は一体どれだけの信頼度があるのだろうか? 皆は何年か前明るみに出た某単位の会議室の003空母の公式画像をまだ覚えているかもしれない。言われているところによればその信頼度は100%である。特に最近武漢のコンクリート製空母の艦橋のメインマストが新顔に交換された後、さらにかの画像を見れば、両者がほとんどそっくり同じなことに気づく。このため当局が発表した画像は、勝手気ままに持ち出されたものではないのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「この画像の権威は疑いの余地がない」 「仔細にメインマストを見れば、全くの瓜二つである)

少し前、中央テレビはかつて我が国が2049年までに10隻の空母を建造すると暴露したが、それを聞いて不思議に思った人がいる。実は、あなたが時間を計算してみれば、2049年までまだ30年の時間があることに気づく。30年で7、8隻の空母を建造するというのは、多いとは言えず、ちょっと少ないとしか言えない。そしてこの30年の端緒に、今回原子力空母が明るみに出、それはこれまでのそれぞれの型を1、2隻建造する慣例を打破し、中国初の真に大規模建造される空母となるのかもしれない。(作者の署名:鉄翼蒼穹)


 中国空母の発展が慎重に少しずつ段階を踏んでいくものであるのはこれまでの経緯から明らかで、アメリカの原子力空母より小型の旧世代改良型艦載機を搭載する原子力空母というのはいかにもありそうに思えますが。

6月14日

 ステルス戦闘機関連です。

https://military.china.com/aerospace/special/11162362/20190611/36370628_all.html#page_2


米軍、F-35を用いて殲ー20を模す? 専門家:性能差があまりにも大きくシミュレーションには不充分

【グローバル時報報道 記者 章節 劉揚】 最近アメリカが第65「侵入者」中隊を再建しかつこの中隊にF-35A戦闘機を装備したとの情報が広範な関心を集めている。米軍は仮想敵部隊に装備されるF-35Aがどの機種の戦闘機を模すのに用いられるのか決してまだ明言していないが、香港の「南華朝刊」など多くの域外メディアはF-35を中国の殲ー20と結び付けている。中国の専門家は、塗装の上から見て、現在公開されている仮想敵部隊のF-35の塗装方案は殲ー20とあまり多くの共通点はなく、両者は空力レイアウト、機動性能、航空電子性能などの方面で差異が比較的大きく、前者が後者を真に迫って模すことは非常に難しい、とする。だが、アメリカが今回第5世代戦闘機を用いて仮想敵部隊を装備しようとしていることは、第5世代機の空戦に対する重視を体現しており、この点は間違いなく我々が高度に関心を注ぐに値する。

アメリカの「空軍雑誌」ウェブサイトは、ネリス基地に行ったF-35は初期生産型だが、第5世代戦闘機の加入は米軍に各種の潜在的相手をシミュレーションできるようにさせる、とする。第57仮想敵部隊指揮官のシモンズ大佐は、F-35は空戦にステルス能力をもたらし、現在まだこの種の能力を複製することはできない、と語る。センサーの融合は第5世代戦闘機固有のもう1種の能力で、アメリカはロシアのスホーイ-57あるいは中国の殲ー20は潜在的空戦の中で優勢を占めることになると見ている。

報道は、アメリカ空軍が初めてF-35がネリスで「侵入者」の役割を演じることを宣言した時、航空愛好家はすぐに第57連隊指揮官が社交メディアを通じて公開した黒色の塗装のF-35と第64中隊のF-16Cが一緒に飛行する説明画像の共有を開始し、画像の中のF-35は他国のステルス戦闘機の塗装を根拠に作画されている、とする。だがアメリカ当局はまだ最終的にこの方案を確定しておらず、アメリカ空軍とロッキード・マーティン社は、いかにしてその被偵察性の低いステルス塗料層を損なわない状況下でF-35に対し吹き付け塗装し直すかを深く検討中である。

「南華朝刊」など多くのメディアはF-35の塗装を相手の第5世代機、例えば中国の殲ー20を模倣するものだとしている。だがある匿名の中国の軍事専門家は「グローバル時報」記者のインタビューを受けた時、この機首の整流カバーを除き全体が黒色の塗装は見たところ第5世代戦闘機の塗装のようではない、とした。

実際、現在いかなる第5世代戦闘機も就役後この種の全体が黒色の塗装を使用してはいない。なぜならこの種の塗装は昼間の光学偽装に決して有利でないからである。現在全天候戦闘機の塗装はおおよそ3種に分かれる。第1種目は可視度の低い塗装で、塗装と天空の色をできる限り一体化することを要求し、主に灰色がメインである。もう1種は迷彩塗装で、いくつかの戦闘機は上部がジャングル迷彩で、腹部に青色、灰色基調の塗装を使用し、これは主に低空防御突破の時、上から見ると地面と一体に融合し、下から見ると天空と一体に融合できるようにするためである。もう1種の塗装は色のブロックあるいは不規則な図案を採用して相手方の飛行員の飛行機の輪郭に対する視覚判断を破壊するものである。いくつかの戦闘機は原型機、検証機段階の塗装ではB-2に似た暗い灰色あるいは黒色の塗装を採用し、例えば中国の殲ー20、FC-31、ロシアのS-37戦闘機がそうだが、これは決して作戦の需要からではない。一方アメリカのF-117Aステルス戦闘爆撃機、B-2ステルス爆撃機は全体が黒色に近い塗装を採用し、これは主に夜間爆撃の光学偽装に便とするためである。

専門家は、少なくとも塗装から見て、黒色の塗装のF-35と殲ー20あるいはスホーイ-57とではどこにも似たところは見て取れないとする。また、機動性、レーダー反射面積、航空電子性能の上でも非常に大きな差異がある。例えば、F-35は超音速巡行能力を持たないが、中ロの大型第5世代機は設計上いずれも超音速巡行を考慮している。しかもF-35は加速能力も不足である。また、F-35の近距離格闘能力は劣り、特にスホーイ-57の過失速機動は模倣できない。だがF-35のステルス性能はまずまずで、航空電子システムも比較的先進的である。F-35は決して非常によく某機種の他国の第5世代戦闘機を模倣することはできず、第5世代機のおおよその性能をシミュレーションできるだけだと言うことができる。

米軍がF-22を仮想敵部隊の装備とするか否かに関しては、この軍事専門家はその可能性は高くなく、何故ならF-22の数量は非常に限られ、作戦部隊への装備さえやや不充分だからだ、と考える。


 確かに他に選択肢はなく、性質が違っても非ステルス戦闘機を使用するよりはよく、超視距離空戦のシミュレーションに用いるなら比較的差は小さく、塗装の差も問題にならないでしょう、

6月15日

 スホーイ-57関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-06-05/doc-ihvhiqay3752302.shtml


ロシア、ついに第5世代戦闘機の量産を宣言 76機のスホーイ-57は使用に充分か

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシア航空宇宙軍のスホーイ-57戦闘機」)

2010年に初飛行を実現させた世界第3の第5世代ステルス戦闘機、スホーイ-57(T-50)の研究開発の道はそれにもかかわらず決して順調ではなかった。定型、就役の時期が何度も遅延しただけではなく、しかも装備規模も100機、32機から、最終的には一度8機のみの装備まで縮小された。しかも登場して9年後、スホーイ-57は依然として少数の何機かが先んじて試用されている場面しかなく、ロシアの航空専門家は甚だしきに至ってはこの機の大規模就役は10年後まで遅延するだろうとした。このことは外界にスホーイ-57の前途の見通しに対し極めて大きな疑いを生じさせた。最近、この「運命が山あり谷あり」の先進的な戦闘機に良い情報が伝わった。ロシアの権威あるメディアが最近明らかにしたところによれば、ロシア航空宇宙軍はスホーイ-57の最新の購入数量を宣言した。76機である! このことは、スホーイ-57が間もなく正式に定型しかつ大規模量産を実現することを意味している。ならば、ロシア航空宇宙軍は何故76機のスホーイ-57の購入を選択したのか、ここにはどんな考慮があったのか? 76機のスホーイ-57はロシアにとって一体充分なのか不充分なのか?

量産はスホーイ-57がすでに成熟していることが源

ロシアがこれまで何度もスホーイ-57を小規模に購入するとの情報を宣言した時、スホーイ-57プロジェクトはまもなく流産し、ロシア航空宇宙軍は主要な力量を第4世代改良型(第4世代半)戦闘機の大規模生産に置くことになる、と考える人がいた。

世界のどの国の航空専門家もすでに認識するに至っているが、ステルス、超音速巡行などの世代をまたぐ技術を採用した第5世代戦闘機はエポックメイキングな戦闘機で、それと第4世代戦闘機との間には世代差が存在し、そして空戦の中で優勢を享有し、第4世代戦闘機と第3世代戦闘機および第3世代戦闘機と第3世代戦闘機をはるかに超える。もし当時の殲ー6戦闘機がF-4戦闘機と空中格闘して勝てたと言うならば、ミグー21戦闘機もF-16と空中で勝負できる。しかしもしF-22とF-16、F-15に置き換えたら、米軍はすでに模擬空戦を用いて証明しているが、F-15/F-16はF-22に直面した時、全くやり返す力はなく、全く敵ではない。

ロシアの航空人も例外ではなく、彼らはすでに第5世代戦闘機を前線に配備したアメリカに直面しては、スホーイ-57だけがやっとロシアの領空の安全を保護できると深く知っている。

スホーイ-57低速生産の時期、ロシアがスホーイー35Sやスホーイ-30SMなどの第4世代半戦闘機を大規模量産したのは、一方においては古い対地攻撃機と基本型第4世代機を交換し、ロシア航空宇宙軍の基礎力量を実務的なものにするためである。同時にスホーイー35Sなどの機種に第5世代機の関連技術を大規模に使用することは、スホーイ-57のそれぞれのサブシステム技術の迅速な成熟の助けにもなる。また、スホーイ-57の量産は、さらに試験飛行中で発見されたいくつかの問題の解決、特に目標たるエンジン、「製品30」の成熟を待つ必要がある。この推力:重量比10クラスの先進的な第5世代エンジンがあってのみ、スホーイ-57は設計指標が完全に実現でき、F-22を超える超音速巡行速度に到達する(マッハ1.5を超えると見られる)。これはスホーイ-57がアメリカの第5世代機に直面した時に勝ちを制する「切り札」となる。

そして現在、「製品30」の試験飛行は順調で、2018年にこのエンジンは何度もロシア当局メディアで公開されお目見えし、2019年3月にはまた新たな情報が伝えられ、この機はすでに24台の試験型エンジン(原型機)を製造して試験に用いており、T-50-2試験飛行機も同時に「製品30」を装備し空中試験飛行に用い、地上、空中の試験飛行が並行して推進されている、とした。ロシア方面は、さらに2年の時間を要するが、すなわち2021年になれば、スホーイ-57は「製品30」エンジンを搭載して完全状態での定型を実現できると見積もっている。その時、技術上完全に成熟し、完全に設計の性能指標に到達したスホーイ-57は、当然定型、量産のあらゆる条件を具備する。

76機は完全に使用に充分

ならば76機のスホーイ-57を生産するだけでOKなのか? ロシアの戦略的な相手はアメリカであり、F-22を持つこと180機を超え、将来第5世代機を保守的に見積もって千機近く装備することになるが、ロシアが76機のスホーイ-57を装備することは、使用に充分なのだろうか?

第1に、ロシア航空宇宙軍は76機の購入期間を10年後までと設定しており、その時アメリカ空軍、海軍がヨーロッパ、アジア太平洋地域の前線に常備する形で配置する第5世代機の数はせいぜい200機で、対比としては決して非常にかけ離れてはいない。

第2に、冷戦の時期のアメリカ・ソ連スーパー大国の対峙とは異なり、ロシアが奉ずる新たな軍事学説は防御を主とすることを強調し、侵略者に対し受け入れられない報復性の損害をもたらすことを威嚇として要求する。このため、スホーイ-57は第一線での対抗を執行し、米軍第5世代戦闘機の制空権に関する作戦任務に抵抗、防御することだけが必須で、同時にS-400/500対空ミサイルシステム、早期警戒指揮レーダー、広範な飛行場ネットワークなどのコンビネーションと支援もあり、このため76機の数量はすでに充分なのである。同時にロシアは、この種の「作戦プラットフォームの数量が戦略的な敵の何分の一か」という局面に長期的に直面することをすでに充分に認識するに至っている。

第3に、現在空中作戦は有人機間の対抗から有人機+無人機という体系の作戦に向け移行、発展しており、ロシアも積極的に「ハンター」-Bなどの無人僚機プラットフォームや関連のシステムの技術を開発しつつあるため、その時、防御性政策を奉ずるロシアは本土作戦の利、物は良く廉価な無人僚機とスホーイ-57のコンビネーション作戦の助けを借り、非常に大きな程度上F-22やF-35の数量の優勢を打ち消すことが完全にできる。

第4に、スホーイ-57をF-22やF-35と比べると、超音速巡行速度が速い(スホーイ-57は新たなエンジンを装備した後、超音速巡行速度がマッハ1.5を超え、F-22のマッハ1.2〜1.4より高い)、航続距離が長いなどのメリットを持ち、このことはそれを速く、遠くまで走らせ、F-22やF-35に比べより広大な作戦地域がカバーでき、このこともそれが防御の中で少をもって多と戦い、能力を充分に発揮するのに有利である。

このため総合すると、76機のスホーイ-57は、現在のロシア航空宇宙軍に対して言えば、基本的にやはり使用に充分である。

未来の展望:装備数量は需要によって決まる

当然、ロシアにとってもアメリカにとっても、現有の購入した第5世代機の数量はいずれも真の作戦の需要ではなく、現在の一時期内の最低の需要に基づいている。もしひとたび戦争が勃発すれば、76機のスホーイ-57だろうと180機のF-22だろうといずれも全く使用に充分ではない。その時はロシアだろうとアメリカだろうと、いずれも第5世代機隊の規模を大幅に拡張しなければならない。

また、ロシアの将来的なスホーイ-57に対する最終的、長期的な購入数量は、おそらく76機には止まらないだろう。ロシアの現役の第4世代機および第4世代半戦闘機の数量が600〜700機の水準であることを考慮し、将来全部取って代わらせたいならば、スホーイ-57の数量は300〜400機より少ないというわけにはいかない。(作者の署名:兵工科技)


 スホーイ-57に比較的好意的な評論ですが、速いとか航続距離が長いというならF-22以上の戦闘機はすでにあるわけで、ステルス性に問題があるという欠点がカバーできるのか疑問です。





















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