コラムより転載:中国の航空機、空母その他関連小ネタその342

10月2日

 中国の強襲揚陸艦関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-09-26/doc-iicezueu8467591.shtml


075上陸艦の性能はどうなのか:日本の準空母に比べさらに大きいが一大弱点あり

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「25日に1日前倒しで075第1号艦の進水式が挙行された」)

075級大型強襲揚陸艦第1号艦の建造作業は、その進度が「神の速度」だと言うべきである。この艦は中国が自ら研究開発を行った最初の強襲揚陸艦で、比較的強い水陸両用作戦能力と多様化された任務を執行する能力を持つ。その独特の設計、特殊な装備搭載、強大な機動作戦能力ゆえに、現代の海戦、特に上陸および島嶼作戦の中の不可欠な強い新戦力となる。第1号艦の進水後、第1ロットの建造総数は3隻、続いて中国はさらに第2ロット、075A型強襲揚陸艦を建造すると見られる。ならば、075艦は日本の22DDH「いずも」級に比べて一体どうなのだろうか?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「日本のいずも級はとっくにF-35B搭載のために準備を整えている」)

現在披露されているデータから見て、075型強襲揚陸艦は4万トン級のはずで、何故なら報道の中で「中米両国のみ造れる」と言われており、明らかにフランスの「ミストラル」級や日本の「いずも」級より大きく、さもなければこうした製造国のグループに加入したとしか言えないからである。また、中国の第1隻目の075型強襲揚陸艦のいくつかの設計は、中国の2隻の「キエフ」級ヘリ空母のいくつかのパラメータをも参照しており、さらに中国の決意を加えてある。すなわち制定された目標はアメリカのLHD-1「ワスプ」級に追いつき日韓のヘリ母艦を超越することである。このため、排水量の上で、075型強襲揚陸艦は4万トン級で、DDH「いずも」級の2.7万トン級より大きい。

搭載する艦載機から見て、075型強襲揚陸艦は主に直ー18大型および直ー20中型ヘリを輸送の主力として搭載し、同時に一定数の武直ー10武装ヘリも搭載して一定程度の自衛および火力支援を提供するが、暫時固定翼実戦機は搭載できない。一方22DDH「いずも」級ヘリ母艦が主に搭載するヘリにはSH-60K対潜ヘリとMCH-101掃海/輸送ヘリが含まれ、こうしたヘリの用途から見て、主に海上対潜/掃海任務を執行し、その海上攻撃力は決して強くはなく、かつ075型強襲揚陸艦のような強大な水陸両用立体上陸作戦能力はない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国は075A型も開発して積極的に対応するだろう」)

いずれもヘリ母艦の範疇に属する艦艇だが、075型強襲揚陸艦と22DDH「いずも」級の作戦範囲はそれにもかかわらず一定の交わりがあるとしか言えず、両者は各自の国情を根拠に開発したヘリ母艦というべきである。だが、日本はすでに2018年12月18日正式にアメリカから42機のF-35B第5世代垂直離着陸戦闘機を購入すると正式に確定し、これは2隻の22DDH「いずも」級ヘリ空母上に主に搭載されることにもなる。もしそれぞれの22DDH「いずも」級が8機のF-35Bを搭載したら、それを戦力の点で16号「遼寧」艦に比べさらに強大かもしれない真の空母に変じさせることができ、この種の状況は2023年にはもう出現し得る可能性が高い。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-35Bを搭載した後日本のヘリ空母の戦力は遼寧艦を超える」)

分析は次のように考える。第4世代戦闘機と第5世代戦闘機の戦損比は1:20なので、F-35Bを搭載した22DDH「いずも」級は、理論上その戦力が第4世代戦闘機を搭載した普通の空母を超え、このため2023年にF-35Bを持った後、日本の現在の準空母は戦力が強大な空母に変身することになる。同時に、言われているところによれば、日本はさらに6.5万トンの通常空母を設計しており、しかも就役時期はこれも2025年前後を指向しており、現在日本が購入している42機のF-35Bの中の大部分は、新空母の用に供されると見られる。このように見ると、日本はずっと全ての策を尽くしてその軍事大国の夢を実現させつつあり、F-35B引き渡し開始の時、この夢は徐々に現実に変わり始めるかもしれない! このため、中国は自らのステルス艦載機を開発して開発中の003、004、005空母に装備することを速やかに必要とし、一方将来は必然的にグローバルな作戦任務をメインとする075/A型強襲揚陸艦も垂直離着陸艦載機を獲得することが望め、これはいずれも勃興する大国に不可欠な最新型武器でもある。(作者の署名:軍評陳光文)


 この記事にはこう書いてありますが、その後中国の報道で075級の排水量は2万トン級と明言されたそうで、標準排水量27000トン、満載排水量36000トンと推測する記事も出ていますが予想よりかなり小さいようです。

10月3日

 中国の空母への対抗手段に関する記事です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-09-28/doc-iicezzrq9000434.shtml


轟ー6Nは射程3千kmの対艦弾道ミサイルが搭載できる あるいはすでに4機就役しているか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「轟ー6Nは多機種の対艦ミサイルが搭載できる」)

中国空軍はすでに少数の轟ー6爆撃機を改装済みで、もって非常に大きな新型対艦ミサイルを搭載する。これは東風-21D対艦弾道ミサイル改良型の新兵器らしく、アメリカ海軍の西太平洋における軍艦、特に空母に対し深刻な脅威を構成する可能性がある。国家の喜ばしい慶祝の大典の訓練の中に、新型の轟ー6N爆撃機が出現した。轟ー6Nの轟ー6Kとの最も顕著な差異の1つは、それが弾薬コンパートメントを徹底して除去し、かつ大型ミサイル搭載のため、ハードポイントのある窪み部分を追加したことである。それは「空母キラー」の呼び名のある東風-21D空中発射型対艦弾道ミサイル、つまりCH-AS-X-13を主要な武器として採用するに違いなく、ミサイル本来の射程を超越して空母に対しより遠い距離での狩り殺しを行うことができる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「轟ー6Nは主に空中発射対空母ミサイルを発射する任務を担う」)

周知のように、中国の「空母キラー」には東風-21Dと東風-26という2種の対艦弾道ミサイルがあり、前者は第1列島線内外の敵サイドの大型軍艦、特に空母に対し強大な殺傷能力を持つ。一方後者は俗称「グアム島エキスプレス」で、主に第2列島線以遠、特にグアム島上の米軍作戦力量を破壊するものだが、一定の対空母能力も持ち、カギとなる重要な時には空母に対して正確殺傷を行うこともできる。もしひとたびアジア太平洋地域が有事となれば、米軍の空母のその前での安全な距離は、東風-21Dに関して言えば1500kmだが、東風-26に関して言えば3500kmで、この範囲の外では、一般に中国はアメリカの空母に対しどうすることもできないと考えられている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「轟ー6Nの作戦半径は全世界で空母を追跡し狩るに足りる」)

俗に矛あれば盾あり、と言う。新型戦略爆撃機がまだ作戦能力を形成する前、中国はやはり主力爆撃機である轟ー6Kに改装を行ってそれを轟ー6Nとさせた。この機は二大特徴を持つ。1つは空中給油プローブを装備していることで、1回の空中給油を行った後は巡航半径が6500kmにまで拡大する。2つ目は機体腹部の弾薬コンパートメントを廃止したことで、空力の最適化を行った後では空中発射型東風ー21D、CH-AS-X-13対艦弾道ミサイル1発が搭載できる。言われているところによれば射程が3000kmあり(空中発射はその射程を大きく増す)、理論上9000km離れた目標を攻撃する能力を具備している。このようだとほとんど全太平洋およびインド洋にはアメリカの空母にとってもはや安全な場所はないと言える。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカは中国との衝突時に空母を使用することを期待してはならない」)

分析は次のように考える。現在少なくとも4機の轟ー6Nがすでに解放軍中部戦区空軍遠距離爆撃機旅団入りして就役しており、今回やはり国家の喜ばしい慶祝の大典に盛大にして厳かに登場し、この機がすでに戦闘力を形成していることを充分に証明ようとしている。何故なら中国はすでに今回検閲を受ける装備は全部現役武器だと宣言しているからである。ひとたびこのようになるや、中国は遠距離では轟ー6N+CH-AS-X-13ミサイル、中距離では東風-26ミサイル、近距離では東風-21Dミサイルが相互に結合した三層の大型空母打撃体系を形成し、ほとんどアメリカのあらゆる空母に戦時インド洋・太平洋にもはや身の置き場所をなくさせることができる! 米軍が積極的にMQ-25を開発していることから見て、その心が死んでいないことをはっきり示しているが、この空母生存の争いの中では、明らかにすでに勝負はついている! (作者の署名:軍評陳光文)


 轟ー6自体は設計の非常に古い飛行機で敵の戦闘機に遭遇すればひとたまりもないでしょうが、はるか遠距離からミサイルを発射すれば問題ないということなんでしょう。何千kmもの先で移動する空母に命中できるかは依然不確かですが。

10月4日

 ロシア空母関連です。2回に分けます。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-09-27/doc-iicezueu8651660.shtml


ロシア唯一の空母、船全体が赤く塗装され、あるいは不使用状態で保存されようとしているか ロシア国防大臣、空母は無用と称する

過ぎ去ったばかりの2018年はロシアにとって永遠に心痛ませる年となることが運命付けられている(頑住吉注:変ですが今年初めに書かれた文の流用でしょうか)。ロシア海軍唯一の老朽化した現役空母クズネツォフ号は浮きドックの中で突然不慮の災厄に遭った。今年初め北方艦隊副参謀長のコンスタンティン将軍はインタビューを受けた時、もしクズネツォフ号を修復した後で再度就役させようとすれば、1600億ルーブルが必要とされると直言した! この時から、戦闘民族は国連五大常任理事国の中で唯一空母のない国となった。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「最近、クズネツォフ号は赤く塗られ、これは不使用状態で保存される前兆の可能性が高い」)

クズネツォフ号に事故が起きた後ほどなく、ロシアの多くの設計局や研究所は同時にサンクトペテルブルグ海事安全保障業務展などの公開の展示会で自身の新たな空母の設計模型、事前案を登場させ、特にネバ設計局が登場させた8万トン級11430E型原子力空母は一度各方の注意を引いた。だがこうした設計局の実際に即さない頭は結局のところロシア国防省の真の態度を代表することはできず、最近ロシア国防大臣のショイグは「モスクワ共産党青年団報」のインタビューを受けた時あいにくにも、ロシアは空母を必要とせず、空母を撃沈する武器のみ必要とする、とした。ショイグは、アメリカの軍事予算はロシアの十倍だが、アメリカの予算は米軍のグローバルな戦略方針ゆえに高度に分散し、一方ロシアは局部において米軍に対抗する必要があるだけで、空母はグローバルな戦略方針の進攻性武器であり、疑いなく金を飲み込む巨獣だ、と考える。直線的な思考に照らせば、ロシアは5〜10個空母戦闘群を発展させる必要があるが、これは明らかに実際に即さない無駄な仕事である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「上海蟹がよく煮られると赤くなる運命は言わずとも明らかだが、クズネツォフ号も同工異曲である」)

ショイグは、もしサウジアラビアや日本であっても軍事費ランキング世界第7位のロシアに先んじており、このためロシアは非対称方式を採用してアメリカの空母艦隊に対抗することが必須である、と強調する。ショイグが空母無用を暗示するのと同時に、クズネツォフ号空母の最新画像はこの艦の甲板上がすでに赤いペンキで塗られていることをはっきり示している。ソ連国旗も赤がメインだが、クズネツォフ号が赤く変わったのはしかしこの艦がソ連の栄光の時代にロシアが回帰する先駆者になることを絶対に意味してはおらず、この艦の生命が間もなく終点に向かうことをはっきり示している! 何故なら赤いペンキが塗られるのは不使用状態で保存される前兆だからである。ソ連解体後、ロシアのいかなる不使用状態で保存された戦闘艦も全て廃棄、解体に向かう帰結から免れ難く、例えば巨大巡洋艦ウシャコフ号がそうだった。グルメは皆知っているが、上海蟹はよく煮られると表面が赤色を呈し、これはそれらの生命の最終的な帰結をも表示している。この点から見て、クズネツォフ号が赤く変わったことは上海蟹と同工異曲のところがある。ショイグがあくまでこの時にロシアは空母を必要とせず、対空母武器のみ必要とすることを暗示したことも、形なき中にこの点を証明している。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ショイグはロシアは将来極超音速対空母武器のみ必要とすると言明する」)

当然、ショイグの最後の切り札はロシアが近年来不断に開発する極超音速ミサイルに他ならない。例えばジルコン極超音速ミサイルはかつてロシア軍によって空母キラーと呼ばれたが、このミサイルは全長9m、本体直径800mm、最大射程は3万mにも達し得る。ロシアサイドは、このミサイルの巡航速度はマッハ6で、末端でのスパート速度はマッハ8以上に達し得、アメリカ空母艦隊の艦載ミサイル迎撃ミサイルでは迎撃し難い、と言明する。ジルコンは高推力ロケットブースターと多面形波乗り体の弾体を採用し、戦闘部の重量は約200〜250kgのハイエクスプローシブ弾頭で、その末端のスパート速度に頼って、ジルコンは軽々とニミッツ級あるいはフォード級のような種類のスーパー空母の甲板を貫通できる。言われているところによればこのミサイルには空中基地発射版があるだけでなく、さらに艦載発射型が開発されることになっており、ロシア海軍はこれまでに15億アメリカドルの資金を費やして近代化改装を行ったキーロフ級巨大巡洋艦ナシモフ海軍上将号は艦載版ジルコンを配備することになる、と言明する。ロシア海軍の未来の発展方向がすでに明朗で、すなわち空母艦隊を放棄し、少数の大型艦艇、多くの潜水艦と空中力量をメインとすることが難なく見いだせ、某種の意味の上でこれは能動的な退縮と防御でもあり、グレードアップ版の空潜快(頑住吉注:大型艦艇を多数持つ金がなかった初期の中国海軍が海軍航空隊、潜水艦、快速艇をメインとした「止むを得ざる」策)と言うべきである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカ空軍は当時かつて戦略爆撃機は遠洋艦隊を無用のお飾りにするだろう、と言明した」)

10月5日

 続きです。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-09-27/doc-iicezueu8651660.shtml


まず空母無用論を提出した代表的人物の1人は他ならぬ旧ソ連指導者のフルシチョフで、彼は就任後スターリン時代に確定した多数の国防に関する策を完全に覆した。彼は、ミサイル核兵器や高性能爆撃機の発展と共に、非常に高価だが脆弱な空母は最終的に戦艦に続いて海上の棺桶となる、と考えた。この単一の兵種の技術の急速な進歩を迷信することの影響下で、旧ソ連遠洋水上艦隊ないし空母の発展はいずれも深刻な制約を受け、このことがまさに旧ソ連の遠洋海陸連合投入能力がアメリカとの隔たりが非常に顕著なものに変わる結果をもたらした。キューバミサイル危機事件の中で最終的に敗北したソ連はアメリカの圧倒的性質の空母艦隊の威嚇力と実戦能力を切実に感じ取り、最終的にやむを得ず改めて空母など大型水上艦隊の発展を重視したが、設計思想と国防の背景の差異により、旧ソ連の空母は航空戦の能力方面でアメリカの同類にはるかに遜色があり、フルシチョフの誤った判断が残した災いは非常に深かったと言うべきである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカ海軍内のアーセナル艦の支持者もかつて空母はアーセナル艦によって取って代わられることになるだろうと言明した」)

事実、アメリカもかつて空母無用論の衝撃を受けた。第二次世界大戦終結後ほどなく、成立したばかりのアメリカ空軍は勢いのあるスターとなり、アメリカ空軍指導者は戦略爆撃機や核ミサイルは遠洋海軍と空母を歴史にするだろうと強調し、彼らの影響は最終的にユナイテッドステーツ号空母を死産させた。1990年代、米軍の一部の人はステルス化設計で、大量の各種ミサイルやレールガンを持つアーセナル艦が空母に取って代わり新たな海上の覇者となると提示し、彼らはアメリカが後続のニミッツ改良型空母の開発を停止するよう提案した。だが2回の事件の中で、空母無用論は最終的にやはり優勢を占めることはなく、特にアメリカが何度もの戦争の中で空母の助けを借りて絶対的な戦略の主導権を取得したことは空母の価値が依然として取って代わられ得ないことを証明した。あるアメリカ海軍の将官はさらに古生物の進化理論を用いてこの道理を説明した。彼は次のように考えた。いかなる先進的な武器も最終的には徐々に歴史の舞台から退出するが、まさに白亜紀時代、恐竜が一度初期の哺乳動物(霊長類の祖先を含む)と非常に長く併存したように、未来において某種の武器があるいは不断に成熟しかつ空母のたぐいの伝統的武器に取って代わるかもしれないが、空母は依然として想像できる未来において継続して重要な作用を発揮し得る。このため、今日の米軍の世界一の遠洋艦隊は依然としてアメリカの全世界における覇権の重要なツールである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシア海軍の巨大巡洋艦は将来海上基地版ジルコンとS-400を配備する可能性がある」)

もし楽観的な見積もりに照らせば、ロシア海軍巨大ミサイル巡洋艦がジルコンやS-400などのミサイルの追加装備と電子化グレードアップを完成させれば、対艦・防空能力は急増するが、もし遠海でアメリカ艦隊と対決が発生したら、確かに米軍の空母に対し相当の脅威をもたらすことができるが、最終的にはやはり単一プラットフォームの限界に陥ることが免れ難く、特に受動的防空では米軍の大量の先進的艦載機の攻撃を打ち消し難く、甚だしきに至ってはそれを第二の大和号とさせる可能性がある。現代の海上対決は、ちょうど2人のボクサーのようなもので、空母艦隊は一方のボクサーの打撃範囲を顕著に向上させることができ、たとえ相手方の局部の防御力が非常に強くても、依然として相手方のテンポにつれて受動に陥るだろう。21世紀は海洋の世紀でもあり、遠海の制海権を掌握した者が、さらには戦争全体の方向性を主導できる可能性がある。このためロシアサイドが極超音速対艦武器というこの唯一のカードに期待を寄せることは、明らかに戦略上のネガティブな表現であり、甚だしきに至ってはフルシチョフの何十年前の古い思想の再現である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「将来の相当に長い一定の時間内、空母の作用は依然として取って代わられ得ない」)

客観的に分析すれば、ショイグは軍事大国の国防大臣であり、軍事知識が欠乏し思想が硬直した無能の輩である可能性は絶無であり、旧ソ連の回り道およびアメリカ海軍の発展の曲折の道に対し見て見ぬふりはあり得ない。彼が今日それでも空母無用論を強調するのは、極超音速武器を過度に迷信しているというよりは、むしろ経済などの要素の困難を受けて虚勢を張る止むを得ざる挙と言った方がよい。ロシア海軍司令のニコライ同様、彼はそれぞれの設計局の現実離れし実際の能力と違う空母設計に全く実現可能性がないことをはっきり分かっている。だがもしロシアはこのため制海権の争奪を放棄せざるを得ないと明確に表明すれば、ロシア国内の士気に対し必然的に壊滅的破壊をもたらす。彼は最小の金を用いて最多のことをやろうと強調するが、言外の意味はロシア遠洋海軍発展の首要な困難を認めているに等しく、極超音速武器というこの最後の切れるカードは、まさに彼に最後の勇気を与えてもいるのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殲ー20の就役後、殲ー8がF-22に挑もうとした時を回想すると泣き笑いするしかない」)

ショイグの背後の悲しみは理解し難いものではなく、特に中国人はさらにこの点が理解できる。当時タイさえも空母を配備していたが、中国には一度も一隻の空母も就役したことがなく、だからこそ一度空母無用論と潜水艦決勝論が極度に盛んだったことを遥かに回想する。これだけではなく、中国空軍に一度あった導入したスホーイ-27をもって最終的な宝とするしかない困難な時期、非常に多くの人は米軍のステルス戦闘機は見かけ倒しであるとほしいままに言明し、甚だしきに至っては殲ー8がF-22に挑む笑い話が騒がれた。今日殲ー20が日増しに成熟するのを見る我々はこれが非常に可笑しくまた悲しいのを感じる。これはちょうど貧乏人が立身出世する前に他人が豪華車を運転するのを見て、豪華車は故障が多く、メンテナンスが高く、駐車が面倒でさらに盗まれる恐れがあり、自分が自転車に乗って出かけるのが実はより良いのだと突っ込むようなものである。だが彼は立身出世後、より良い豪華車を運転する時には自らのかつての話を完全に忘れ、豪華車の各種のメリットを強調するよう転じるのである。このため、今日のロシアの国防がまるで何十年前の自らのようであるのを見て、中国はちょっと同情もするべきである。 (作者の署名:迷彩派)


 まあこれは国内の「空母のような金食い虫をこれから多数作るのは無駄、もっと合理的な道がある」との批判を封じようとする論でもあるわけでしょうが。

10月6日

 日本関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-09-29/doc-iicezueu9126537.shtml


日本、極超音速ミサイル計画を初めて明るみに 射程は周辺各国のあらゆる島嶼をカバー

アジアの隣国が極超音速武器技術領域において取得した顕著な成就に直面し、日本は密接に関心を注ぐのと同時に、本国の極超音速ミサイル計画も積極的に発展させている。2018年に発表された「日本防衛白書」の一文は、同国が陸上基地「イージス」防空対ミサイルシステムを継続して導入し、F-35ステルス戦闘機やJSM巡航ミサイルを購入し、新型艦船を開発すると言明する他、さらに初めて本国の極超音速ミサイルの一連の開発計画を提出した。極超音速ミサイルはマッハ5の速度を超えることのできるミサイルで、それは大気圏と大気圏外における遠距離高速飛行が実現できる。極超音速ミサイル武器は打撃速度が速い、威力が大きい、敵サイドの武器によって迎撃され難いなどの特徴を持ち、それは非常に強い総合作戦能力を持つ。

この類型の武器は各国の未来の軍事的実力が勝負する重要な装備でもある。日本は1980年代から始まりもう極超音速技術の研究を開始し、かつ1994〜1996年の間に相次いで帰還式飛行体の軌道再突入試験や極超音速飛行体の飛行試験を完成させ、空力、熱防護などの方面の貴重な実践経験を取得し、かつ相次いでマッハ8の極超音速風洞、最大空気速度毎秒4〜7kmのHigh Enthalpy衝撃風洞を完成させ、こうした航空宇宙の成果は日本が高速/極超音速武器を開発するために良好な基礎を固めた。日本メディアの説明によれば、日本の防衛省の2019財務年度防衛予算文書は、同国が本国の高速ブースト・滑空ミサイルと極超音速巡航ミサイルという2つの極超音速ミサイル計画を並行して発展させつつあることを明らかにしている。

日本の高速ブースト・滑空ミサイルプロジェクトは2017年に初歩的な研究が展開され、2026年財務年度に初歩的に現役に投入される計画で、その最大射程は300〜500kmで、すでに国際ミサイル軍備制限条約の射程に関する制限範囲を超えている。この高速滑空弾は主に滑空飛行体とロケットブースターからなり、その飛行のおおよその過程はまずロケットブースターを利用して滑空飛行体を何十kmの高度まで押し上げた後で分離を実施し、しかる後に滑空飛行体は自身の揚力:抵抗比の大きい空力外形が生じさせる空気動力に頼って宇宙に近い空間の大気圏内外を絶え間なく滑空飛行し、最終的に目標上空に到達し、打撃任務を完成させる。この計画を完成させるためには、高性能ロケットブースター複数回点火、滑空弾正確飛行コントロール、滑空弾頭の外形最適化設計など一連の高度先端技術の掌握を必要とする。

ブースト滑空飛行体の技術的難度が比較的高いため、アメリカさえもこの方面で2回しか飛行試験に成功しておらず、日本は同盟国に頼って参考を得ることが非常に難しく、さらに多くの解決の待たれる技術的難題が存在する。軍事視察員は日本が期日通り研究開発に成功できるか否かに対し決して楽観していない。だが日本政府はこのミサイルの研究に対し自信満々で、すでに第二段階改良型の開発計画を提出済みで、2028年財務年度あるいはさらに遅い時期に使用に投入する計画の極超音速巡航ミサイルプロジェクトは2018年に初めて披露され、同様に期間7年(2019〜2025財務年度)のカギとなる重要な技術開発および論証作業が計画されている。極超音速巡航ミサイルのカギとなる重要技術を日本は2013年にはもう計画を開始し、準備的性質の作業を6年経ている。

軍事視察家は次のように考える。極超音速巡航ミサイルの技術的難度はさらにいくらか高く、スクラムジェットエンジン実用化技術、高温耐熱材料や構造の技術、極超音速ミサイル外形設計技術を掌握する必要があり、日本は2026年に初の実弾試験を行う計画である。極超音速巡航ミサイルの射程はさらに長く、1300km前後に達し得ると見られ、アジアの隣国を含む全北東アジア地域に対し実質的性質の脅威を構成する。だが日本が現在極超音速巡航ミサイルプロジェクトの実弾を装備することはまだ時期尚早で、日本の関連の科研機構の主要な精力はやはり最も核心的なスクラムジェットエンジン技術の難関攻略の上に用いられ、ミサイルが就役するか否かはやはり最終的な研究の進展状況を見て定めることになる。日本は再三その極超音速ミサイルの開発目的は主に島嶼の防御であると言明し、かつ射程の上で周辺各国のあらゆる争いのある島嶼をカバーしているが、この一連の類型のミサイルは疑いなく日本に初めて防衛区域外打撃能力を持たせ、平和を愛好するアジア人民が高度に警戒するに値する。 (作者の署名:小鷹説科技)


 中国も当然開発し、アメリカに先んじていると称していますが、莫大な資金を投入しており、日本が単独でこれと勝負するのは難しいのでは。

10月7日

 建国70周年の閲兵に登場した兵器関連です。2回に分けます。

https://mil.news.sina.com.cn/2019-10-01/doc-iicezzrq9592870.shtml


我が軍の新型無人機が初お目見え ロケットエンジンを配備し速度はマッハ2.5を超える

もし今日の閲兵の中で検閲を受けた装備の中で最も人を震撼させる装備はどれかと問う人がいたら、地上無人機スクエアチームの中に出現した新型高空高速無人機は少なくとも1つの候補者である。一つにはその神秘のベールが最後の一時になってやっとはがされたこと、もう一方ではその独特の外形と性能も自らのために「強大なオーラ」を添えたことで、もし各種の初めて姿を現した新たな武器の面前でも遜色はない。

新華社10月1日の報道によれば、無人作戦モジュールの第一スクエアチームとして、検閲を受けた高空高速無人偵察機、偵察射撃修正無人機、小型近距離偵察無人機、中距離高速無人機など4機種の装備は、戦場偵察、目標位置決定、火砲射撃修正、火力誘導、打撃損傷効果評価などの機能を持ち、情報化条件下での作戦効能の倍増器となる。初めて国慶節の閲兵にお目見えした高空高速無人偵察機を例にすると、この検閲を受けた装備の中で唯一黒色に塗装された無人機は、戦場のために偵察と打撃効果評価情報を提供することができる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「高空高速無人偵察機」)

独特の外形

この無人機の外形が人に連想させる第一の言葉は「高空高速」に他ならない。これまで当局は「高空高速」というこの言葉を用いて殲ー8戦闘機を紹介してきたが、その性能指標は最大速度マッハ2超、最大飛行高度2万m超である。だがごく明らかに、この高空高速無人機の最大飛行高度と速度はこの指標には止まらない。

外形から見て、この無人機は超越的に大きい後退角のデルタ翼と比較的長細い伝統的な流線型の機体を採用し、もってできる限り高速飛行の抵抗を下げ、少なからぬファンから「大スオビャオ」(頑住吉注:日本語にない漢字を使った語で両刃の投げ槍。イメージとしては忍者の使う「クナイ」に近い感じでしょうか)と呼ばれている。全体的に見て、その空力設計はほどほどで、近年来湧くように出現している極超音速飛行体が使用する揚力体などの特殊レイアウト方式のように急進的ではない。

その動力システムには空気取り入れ装置がなく、ロケットエンジンを使用している可能性が高いことを説明する。ロケットエンジンの使用は、一定程度上この機の速度を反映している。もし最大飛行速度マッハ2クラスの無人機なら、ターボジェットエンジンを装備すればもうOKであり、さらにアフターバーナーを使用することができる。明らかにこの無人機の飛行速度はマッハ2.5を超えている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「高空高速無人偵察機の造形はSF的」)

黒色の塗装の謎

この機が採用する黒色の塗装はSR-71ブラックバードの塗装に似ている。

当然、アメリカのB-2やF-117はいずれも類似の黒色の塗装を採用している。B-2とF-117が黒色の塗装を採用しているのは主にそれらが夜間に使用されることを考慮したもので、この色の塗装は夜間の目視ステルスに有利にできる。

無人偵察機はもっぱら夜間に出動する必要はなく、ちょうど反対で、夜間の出動は光学カメラ偵察を行うのに不利である。この種の塗装の主要な考慮はやはりその飛行高度層における目視ステルス効果で、この点はU-2偵察機、SR-72「ブラックバード」の黒色の塗装の原理と一致する。「ブラックバード」の主要な飛行高度は3万m以上の成層圏中部で、U-2の飛行高度はやや低いが、それでも2万m以上である。この時天空の色はすでに黒色に向かっている。比較すると、1万m前後の成層圏では、天空の色は暗い灰色で、このためこの中を飛行する飛行機、例えばB-52、C-5、KC-10給油機はいずれも暗い灰色の塗装を採用している。高度がより低い対流層を活動する飛行機、例えば各種戦闘機の制空塗装は、通常明るい灰色がメインである。

高空高速無人機にとって、2万mの飛行高度は充分には程遠い。一方においては、抵抗を下げる角度から考慮すると、もう少し高くすれば抵抗がさらに低くなるだろう。もし敵サイドの防空システムの迎撃に遭うのを免れるという角度から見ると、少なくとも3万mより高いべきである。

10月8日

 続きです。

https://mil.news.sina.com.cn/2019-10-01/doc-iicezzrq9592870.shtml


現在、大多数の対空ミサイルの有効射撃高度は3万m以下で、ロシア系地対空ミサイルの射撃高度は普遍的に27000m以下である。ミサイルがそんなに高く飛べないことは言わずとも、そんなに高い空中では、空気が希薄で、ミサイルの空力舵のコントロールに不利である。対空ミサイルがもしこの高度まで飛べても、その機動性は大幅に下がり、飛行機の機動に対応し難い。実際、SR-71が当時あんなにも多くのミサイルの「追殺」をかわすことができたのは、不断に誇大宣伝される速度の他、高度も重要な原因だった。U-2も当初飛行高度に頼って、一波また一波の迎撃をかわした。後に対空ミサイル技術の進歩と共に、やっと一敗地にまみれただけである。

「高空高速」への回帰

「高空高速」飛行機の開発は1960年代のホットなポイントだった。ミグー25、SR-71はまさにこの時代に発展したものである。典型的な指標は「ダブル3」で、つまり3万mの高空、マッハ3である。ミグー25は大きな燃料搭載量とアフターバーナー燃焼室のついたターボジェットエンジン、そして中等の後退角、総体的に厚みがごく小さな主翼に頼って比較的長い時間の高速飛行を実現した。一方SR-71はより複雑なコンビネーション式エンジンと複雑な空力外形を使用した。後に、アメリカ人はさらにマッハ3クラスのD-21無人機を開発し、ラムジェットエンジンを使用し、高速プラットフォームによって空中発射した(頑住吉注:ラムジェットは高速の中で始動する必要がありますからね)。D-21が失敗をもって終わりを告げただけのことである。

SR-71は1990年代までずっと使用された。その後世界各国の「ダブル3」クラスの「高空高速」飛行機の研究開発は停頓に陥った。一方においては使用コストが比較的高かった。「ダブル3」指標のため採用されたいくつかの設計が、非常に大きくシステムの複雑性を増加させ、1回の飛行コストが非常に高くなる結果をもたらした。加えて大国間では平時そんなにおおっぴらに領空に進入して偵察はできず、外交的紛糾や軍事報復を引き起こす可能性がある。SR-71というこの種の偵察機も慎重に用いる必要があり、その平時の価値は大幅割引になった。加えて機体がすでに徐々に老化し、退役はすでに必然だった。

また、時間の推移と共に、「ダブル3」クラスの偵察機はすでに自身の安全を確保できなくなった。1960〜70年代、主流の対空ミサイルの射程は50km前後で、航路の早道は30kmを超えなかった(頑住吉注:ちょっと意味分かりませんが航路を変更して目標を追跡する場合の飛行距離のことですかね)。SR-71がもし特別大きな過負荷の機動を行わなくても、こうした対空ミサイルシステムに対しては回避を行うことができ、少なくともその射撃区域をごく小さなものまで圧縮させた。だが対空ミサイルシステムの発展と共に、最大有効射程はすでに100kmで、射撃高度の増加も完成不可能な任務ではなくなった。実際、初期の対空ミサイルに対しても、SR-71偵察機はある時には危険な場面でいっぱいだった。何度かの攻撃の中で、SR-71付近で爆発したミサイルの破片がその外皮に食い込んでいた。実は、SR-71を開発する時、アメリカ人は注意を完全に速度と高度には向けず、彼らはすでにステルスを行うことを考慮していた。エンジンに対しショックコーンの遮蔽を行うことを採用し、機体は全てエッジ処理と電波吸収構造および電波吸収材料を採用した。一方ミグー25はさらに多数が撃墜されたことがある。また、西側はミグー25はそんなに先進的ではないと考えていたが、間違いなくSR-71を迎撃しかつ撃墜することができた。

この種の状況下で、アメリカ人はもう2つの方向に転向した。1つは高空長航続時間無人機で、主に平時の他国の国境線の外で常態化された偵察を行うのに用いる。もう1つはステルス技術の発展で、RQ-170亜音速ステルス無人機が典型的な例である。それは他国の領空に潜入し、容易に発見されず、外交的紛糾を避け、また厳密に防衛を設けた目標に対する偵察能力を高めた。だが、高空長航続時間無人機の戦時生存能力は劣り、イランが「グローバルホーク」を撃墜したのは他ならぬ1つの典型的な例である。一方対ステルス技術の発展と共に、ステルスもそんなに安全ではなくなっている。

このため「高空高速」が再度発展のチャンスを迎えている。だがこれは一種のらせん式上昇で、この時の高空高速はもはや「ダブル3」ではなく、極超音速とより高い高度に達する。アメリカのSR-72偵察機は正式にこの背景の下で発展したものである。SR-72偵察機は言われているところによれば最大速度がマッハ6に達し、2020年以後初飛行すると見られる。

中国の新型高速無人機の発展が、高空高速飛行機のらせん式上昇の起点なのか、それとも中間点なのか、あるいは終着点なのか、依然真相が明かされるには時間が必要とされる。だがこの機の鮮やかなデビューは、我々の航空工業の進歩、および部隊の偵察監視能力の向上を説明するに足りる。


 閲兵に登場するのは全て現役兵器とされていますからこれもそうだということなんでしょう。性能がどうなのかはあくまで推測ですし、高空を高速で飛びながらどれだけの情報を得ることができるのかもよく分かりませんが。






















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