コラムより転載:中国の航空機、空母その他関連小ネタその343

10月9日

 建国70周年の閲兵に参加した新兵器関連です。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-10-03/doc-iicezueu9823674.shtml


攻撃11無人機がお目見え:尾部噴射口にステルス処理を行い殲ー20と協同できる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「攻撃11ステルス無人作戦機が大閲兵にお目見え、1機の大型無人機が見える」)

建国70周年の大閲兵で、国産の攻撃11ステルス無人作戦機が初めて公開されお目見えした。このことはこのステルス無人作戦機がすでに部隊装備され、中国空軍がこの領域で世界の前列を行っていることを示す。

関連の画像からは国産の攻撃11ステルス無人作戦機が全翼レイアウトを採用していることがはっきり見て取れる。全翼レイアウト最大のメリットはステルス性能が良いことで、この機には垂直尾翼と水平尾翼がなく、表面は平滑スムーズで、RCSは小さい。また全翼レイアウトは揚力:抵抗比が大きく、構造重量が軽く、搭載状態での航続距離が長い。このためステルス爆撃機や攻撃機はほとんど全て全翼レイアウトを採用している。攻撃11の主翼前縁の後退角は比較的大きく、一定の高速性能を併せ配慮しているに違いない。空気取り入れルートは機首にあり、内側向きおよび下向きにエンジンに進入し、S字型空気取り入れルートを形成し、レーダーの電波はエンジンを直接照射することができず、さらに一歩この無人機のRCSを下げている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「攻撃11は全翼レイアウトを採用している。その前縁の後退角が比較的大きいことに注意。高速性能を併せ配慮している」)

攻撃11ステルス無人作戦機の突出したハイライトは尾部噴射口にもステルス処理を行っていることである。尾部噴射口のステルス設計はずっとステルス機設計の難点であり、この点は国産作戦機のステルス方面の進歩を突出してはっきり示していると言うことができる。攻撃11作戦機の尾部噴射口は鋸刃状を呈し、それは相手方のレーダーの電波を乱反射させ、また機体尾部が一段より長く伸び出しており、エンジンの尾部噴射流は機体の外に直接排出されず、外部の空気を引き入れて尾部噴射流に対し温度低下を行い、したがってこの無人機の赤外線信号特性を下げている可能性がある。こうした設計は攻撃11が全方向、全周波数ステルスを強調し、この無人機が激烈な対抗環境で任務が執行できることが要求されていることを示す。

関連の画像からは、攻撃11ステルス無人作戦機の寸法が比較的大きく、およそフランスのニューロン無人機と同等、あるいは近いことが見て取れる。ニューロンは最大離陸重量が7トンに達し、有効搭載荷は1トンを超える。大型化は新世紀の無人機発展の趨勢で、無人機最大の特徴は人が操縦する必要がないことで、このようだとその滞空時間は人の生理の極限を突破することができ、いくつかの新型無人機の滞空時間はすでに1日に到達、甚だしきに至っては超えており、このため国産の攻撃11ステルス無人機も長時間空中に留まり、各種任務が執行できると推測することができる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「この画像では攻撃11が尾部噴射口に対し比較的徹底した処理を行っていることがはっきり見て取れる」 「エンジンの吸排気はいずれも遮蔽され、この無人機は全方向ステルスを実現している」)

大型化はさらに無人機がより多く任務搭載荷、正確制御誘導武器を搭載するために基礎を固めている。攻撃11ステルス無人作戦機はアクティブフェイズドアレイレーダー、光電子探知計測システム、電子偵察システムなどの任務搭載荷を配備し、偵察、監視および信号収集任務を執行する可能性がある。国産無人機はすでに一体化アンテナ、総合周波数技術を採用しており、このため攻撃11ステルス無人作戦機もこうした技術を採用し、もってスペースを節約しているだろう。

正確制御誘導武器方面では、新世紀に国産正確制御誘導武器は爆発的発展の状態にある。珠海航空展では多くの機関がすでに一連の正確制御誘導武器を展示しており、中国空軍にも装備されているだけでなく、さらに友好国に輸出されている。外界は普遍的に攻撃11ステルス無人作戦機が国産の小直径正確制御誘導爆弾、国産の小口径正確制御誘導ミサイルを配備すると推測しているが、これらは体積が小さく、重量が軽く、複合制御誘導システムを採用し、制御誘導の精度が高く、威力が大きく、攻撃11ステルス無人作戦機の使用に非常に適している。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「攻撃11は単独で任務が執行できる」 「有人機と空中協同作戦システムを形成することもできる」)

外界は普遍的に攻撃11ステルス無人作戦機の運用には主に2種の模式があると考えている。1つ目は単独での任務執行で、攻撃11ステルス無人作戦機は自らのずば抜けたステルス性能を利用し、相手方の防空体系を突破し、相手方の重要目標を偵察し、各種情報を獲得し、我が方の火力のために目標を指示し、機載武器を用いてそれらに対し打撃を行うこともできる。さらに有人機と無人機の混合運用がある。殲ー20と攻撃11が空中協同作戦システムを形成し、殲ー20は攻撃11のために指揮コントロールを提供し、攻撃11は殲ー20に代わって激烈な対抗区域に進入して任務を執行し、殲ー20の戦場生存能力を高めるのである。

ステルス無人作戦機は典型的な情報化武器装備で、それは完備された情報体系の支持を必要とし、それでやっと任務が執行できる。中国空軍が攻撃11ステルス無人作戦機を装備したことは中国空軍の情報化建設が突破性の進展を取得済みであり、中国空軍の作戦能力を有効に増強したことをも示している。 (作者の署名:小飛猪観察)


 展示されたのが1機だけ、地上でのみというのがやや気になりますが中国は閲兵に参加したのは全て現役装備だと主張しています。しかし能書き通りだとすれば例えば公海での訓練を偵察される、あるいは領空に進入されても気づかないままということもあり得るでしょうね。

10月10日

 建国70周年の閲兵に登場した新兵器関連です。2回に分けます。

https://military.china.com/tu/06/11119688/20191004/37154797_all.html#page_2


東風-17ミサイルが明るみに 真の世界一! 極超音速蛇形弾道 対ミサイルシステムを撃滅

中国の東風-17極超音速戦略ミサイルはすでにセンセーショナルに明るみ出された!

これは世界初の正式に装備され就役した極超音速ウェーブライダーミサイルで、米ロなどの伝統的ミサイル大国の同類製品に比べ一歩先んじており、我が国の戦略打撃力量に初めて真の世界第一を持たせた!

実際今年のうちにあるメディアは報道の中で中国航空宇宙科学工業集団内部の人物の情報を引用し、中国は現在緊張して極超音速の東風-17ミサイルを研究開発、試験しつつあり、すでに何度もの飛行試験過程を行い、かつ極超音速防御突破、空前の機動能力の助けを借りて迎撃の回避を実現し、攻撃目標を転換するいまだかつてなかった戦闘特性を実証し、したがって極めて大きく敵対国家の防空設備の迎撃難度を増加させる、としていた。このことはこれまでの戦略弾道ミサイルの極めて有限な機動能力の制限をも打破し、米ロいずれに比べても一歩先んじて関連の理論を実際の戦闘力に変えた。

東風-17極超音速ミサイルは中国初の極超音速滑空体を有する中距離弾道ミサイルで、滑空体の弾頭も東風-17ミサイル専用にオーダーメイドされ、かつ成功裏に全世界で初めて実戦の需要を満足させるため行われた滑空体システムの試験をパスした。

外国メディアは、以前明るみに出た実験の情報の中からは、東風-17極超音速ミサイルは通常全て中国西北部に位置する試験発射センターで前期試験が行われ、実験の中でミサイルの飛行距離は1000km以上だったことが分かる、とする。東風弾道ミサイルの強大なブースト力は、自身が搭載する極超音速滑空弾頭が大気圏の抵抗を突破し、初期飛行を完成させ、宇宙に入るのを助けることができた。

その後空気整流カバーを捨て去り、高速で大気圏の縁に向かい、弾道飛行状態は終わり、極超音速下での大気圏あるいはその縁での滑空飛行状態に入った。

6万mの高空の時、東風-17は極超音速滑空状態に入り始め、同時にさらに空気動力に頼ってリアルタイムに機動状態を調整することができ、弾道の柔軟性は単に弾体の少しのコントロール可能な空気動力と姿勢調整ロケットに頼ることができるだけの伝統的な弾道ミサイルの弾道に比べ、ずっと高いだろう。このため、それは蛇型の、ほとんど予測できない機動ができ、このことは対ミサイルシステムにその次なる一歩の移動の軌跡をほとんど予測不可能にし、手を下すことができなくさせる。この種の波浪式弾道は、現在のほとんどあらゆる迎撃ミサイルを「屑鉄」に変えることになるだろう、と言うことができる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「今年の航空宇宙科学技術宣伝資料の中の極超音速ミサイルの想像動画。ブースター分離の状況を見せている」)

10月11日

 続きです。

https://military.china.com/tu/06/11119688/20191004/37154797_all.html#page_2


言われているところによれば東風-17極超音速ミサイルは、射程が1800〜2500kmで、このため中距離ミサイルの範疇に帰せられる。先進的な極超音速滑空体の設計を採用した後、東風-17は弾道ミサイルが本来もう迎撃難度が極めて高い極超音速飛行の特徴を持つだけでなく、同時にさらに大気圏およびその縁で滑空飛行でき、このことは射程延長の助けになり、このため我々は東風-17のサイズはごく小さく、そのロケットブースターも決して大きくはないにもかかわらず2500kmの射程に到達できるのを見ることができ、伝統的な弾頭のように単にブーストロケットの運動エネルギーだけに頼って長射程能力を実現するのではなく、これは主に空気動力に頼って大部分の揚力が提供されるのである。

原理から言って、弾道ミサイルが発するロケット動力ブースターを搭載する極超音速滑空体が、滑空に必要な速度を獲得する、この中で必要な技術的難度とコストはいずれもごく低い。そして最後の滑空武器が下降段階に接近した時、予定の高度に到達して以後ブースター、整流カバーと分離し、自ら搭載する小型ブーストロケットエンジンを利用して弾道の変化を達成し、滑空段階に入る、この技術的難度も高くない。これまでの運搬ロケットや分離式多弾頭ミサイルの中でもしばしばこのような技術が用いられている。

だが、東風-17が直面する真の技術的困難は、主に極超音速滑空段階の時に誰も予測できない機動性を持つ必要があることに体現され、このことは各方面の複雑性をもたらし、これは対ミサイル迎撃システムをいらつかせる根本の在処でもある。まず、この極超音速滑空体の空力コントロール水準は、極めて高い速度から迅速にマッハ6〜8の極超音速段階まで減速させ、過度に速い飛行速度と大気に接触した瞬間に生じる強大な作用の下でコントロールが失われる結果がもたらされるのを防止する必要がある。またさらに修正や回避に充分な時間を具備することを保証する必要があり、しかも複雑な飛行状態、過熱状態下で制御誘導能力を保持する必要があり、目標を見失ってはならない。まだあり武器の空力的能力、構造の力を受け入れる能力に対し非常に高い要求が提出され、たとえ極超音速段階でも軽く扱ってはならず、わずかに不注意があると軽ければ目標への偏差が増大し、重ければ自身の構造を損壊する。

当時の報道の中で引用された消息筋の人物は、東風-17極超音速ミサイルは通常兵器と核兵器を発射する能力を持つと指摘していた。このミサイルは中国航空宇宙科学工業集団の下に属するサブ機構由来かもしれず、長年来関連の機構は全力でこうした高度科学技術を開発しつつあり、かつ一連の試射を行い、一部の発射は夜の空の中にはっきりした痕跡を残している。加えて以前のあるメディアの報道は、東風-17ミサイルは全部で6回の試験を行い、全部成功したとしており、このように見ると、東風-17ミサイルは2020年に大量作戦能力に達するとの噂は現実になるだろう。中国の他、アメリカやロシアも最近奮起してまっしぐらに追ってきており、極超音速滑空体技術領域で中国を追い越すことを希望している。

公開の資料は、東風-17はこの独特の絶技に頼って現有の各種ミサイル防御システムを突破できることをはっきり示している。東風-17の誕生、このことは中国にとって、中国の各威嚇力を革命的に向上させた。

東風-17ミサイルの戦力形成と共に、ある報道は多くの大国が現有の対ミサイルシステムは数を増やすべきではなく、あるいは直接より先進的な迎撃武器の研究開発に改めるべきとも考えている、とする。周知のように、現有の対ミサイルシステム、例えばTHAADや陸上基地イージスの当初の位置づけは来襲する中距離弾道ミサイルの迎撃に用いるというものだったが、東風-17極超音速ミサイルのような超越的に強い回避能力を持つミサイルの出現のため、対ミサイルシステムの迎撃成功率は急速に低下した。配備数を増やすのも弱点を克服する1つの良い方法だが、肯定できるのは、THAADのような種類の伝統的な弾道ミサイルに照準を合わせて研究開発された迎撃武器が、東風-17に命中する可能性は非常に低いということである。こうした大国は巨資を投じて新型対ミサイル武器、例えばレーザーなど指向性エネルギー武器を研究開発することを考慮するしかないかもしれない。


 アメリカもこの分野ではてこずっており、6回の試験が全部成功して全世界のトップに立ったというのは現在の中国の全体的な科学技術の水準からしてやや不自然な印象を受けるわけですが、もし本当なら直接的また間接的に日本の安全保障に重大な影響があるでしょう。

10月12日

 「アーマタ」戦車関連です。非常に長いんで何回に分けるかまだ分かりません。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-10-04/doc-iicezuev0023729.shtml


ロシアのT-14戦車の装甲はエレクトロスラグ再溶解技術を採用 同じ防御の下で15%厚みを減らすことができる

2015年にT-14を初めて見て、私の心ではひそひそ話をしており、無人砲塔の寸法がどうしてまだこんなに大きいのか、外殻は見たところごく薄い一層でおもちゃに似ており、内面の装甲にはどれだけの厚さがあり得るのか?

だが仔細にT-14の防御体系を了解した後、私が言いたいのは無駄に太った外観にだまされるな、T-14のパッシブ防御は非常にハードコアなもので、アクティブ防御は非常に全面的だ、ということである。

本体メイン装甲

いわゆるパッシブ防御とは装甲に頼って強固に抵抗することである。過去のロシア式戦車は外観上全て亀甲式鋳造砲塔のようだが、実際にはT-72基本型、T-72M輸出型、T-80基本型が純鋳造鋼砲塔を採用しているのを除き、1967年から就役したT-64に始まり絶対的大部分のロシア式戦車は複合装甲を配備している。鋳造砲塔のあらかじめ留保された空洞内に複合装甲構造を挿入し、そのサンドイッチ層の材料の発展の脈絡は次の通りである。T-64の鋳造アルミ、T-64Bのセラミック球アレイ、T-72Aの石英砂、T-80Uの「ハニカム」構造にポリウレタン充填材を充填したもの、T-72Bの反射板(NERA-非爆発性反応装甲、つまり間隙複合装甲)。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「T-72B「スーパードリー パートン」の砲塔内のNERA反応装甲ブロック板は、それぞれのブロックの反応装甲ユニットの構造が鋼装甲(21mm)+ゴム板(6mm)+薄いアルミ板(3mm)で、「チョバム」装甲の構造に似ていた。」)

同様にT-72で、砲塔の寸法が基本型に似たT-72Bの装甲の性能はかけ離れていた。基本型の砲塔の徹甲弾に対する防御力はRHA厚さ380〜410mmと等しい効果だったが、T-72Bは520〜540mmに達し、成形炸薬弾に対する防御力は隔たりがさらに大きかった。450〜500mm対900〜950mmで(「コンタクト-5」爆発付加装甲含む)、ほとんど倍増していた。同時代の西側の戦車に直面しても劣勢には立たされなかった。多国籍軍の蹂躙を嫌というほど受けたイラクのモンキーバージョンT-72Mの装甲防御性能は甚だしきに至っては基本型にも及ばず、これは西側軍事界が普遍的にロシア式戦車の防御を見下す原因でもある。彼らは真の精鋭のロシア式戦車部隊と交戦したことは全くないのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「1973年に就役したT-72基本型。純鋳造鋼砲塔」 「1985年に就役したT-72B。『コンタクト-5』爆発反応付加装甲を配備し、レオパルド2の120mmL44砲に強固に抵抗できる」 しかしまあ戦ったことが全くないわけですから実際戦ってみたらやっぱり惨敗ということも充分あり得るわけですよね。)

周知のようにイギリスには「チョバム」装甲があり、アメリカには劣化ウラン装甲があり、中国には完全固定セラミック複合装甲があるが、それらの内部構造がどうか、配合は何かに関してはちまたの推測しかない。何故ならこうした全ては国家の絶対の秘密だからである。ロシア最新世代の複合装甲も同様に何らかのベールに覆われているが、ロシアサイドが発表した情報の中に一点やはり相当に人の注目を引くものがある。それはT-14の複合装甲の中には44C-SV-W合金鋼が採用されている、というものに他ならない。この新型合金鋼はモスクワの鋼鉄研究院によって研究開発され、エレクトロスラグ再溶解技術を採用し、報道によれば等しい防御性能を保持する前提の下で、装甲の厚さが15%減らせ、全部で数百kg重量軽減される。

「エレクトロスラグ再溶解」Electro-Slag Remelting (ESR)というこの言葉は戦車領域では非常によく見られる。その原理は(頑住吉注:この分野全然知識ないんで難しい専門用語だらけで分かんないです。この技術に関して知りたい人は検索して日本語のサイトで調べてください)。最も通俗的に言えばちょうど鋼鉄の蒸留に例えられ、溶解再凝固の過程を経て脱酸素、脱硫黄、雑質を除去し、結晶は緻密均等になり、鋼材の力学特性は向上する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「エレクトロスラグ再溶解炉の外観および内部構造。構造は相当に簡単で、名前には渣の字があるが、熔渣(炉渣ではない)システムはそれにもかかわらず全く「渣」ではなく、技術含有量は全てこの中にある」 全然分かんないです。)

武器クラスのエレクトロスラグ再溶解鋼の指標は過酷で、製造コストは非常に高い。通常全てハイプレッシャー戦車砲の原始胚材(頑住吉注:要するに加工する前の材料でしょう)に用い、装甲に用いるのはやはり相当に珍しい。当然先例がないわけでもなく、T-80系列戦車は車体側面と前面下部の装甲にБТК-1Шエレクトロスラグ再溶解高硬度ローラー製造鋼装甲を応用しており、屈服強度は1300Mpaに達した。だがこの特殊鋼材はウクライナのアゾフ鋼工場で生産され、ウクライナの独立と共にとっくにソースを喪失しており、ロシア本土の科研単位によって改めて研究開発される必要がある。重量軽減が数百kgというところから見て、T-14のエレクトロスラグ再溶解合金鋼の使用量は相当に多く、防御の増強、重量の軽減のためにはコストを惜しんでいないと言うべきである。

また、T-14の複合装甲の中には言われているところによれば(この文章の中には非常に多くの「言われているところによれば」があるが、何故なら「アーマタ」に関する情報の大部分がロシアメディアや工場の宣伝由来で、決して当局の発表ではないからである。ロシアの世論環境も信頼度が特別に高くはなく、このため非常に多くの「言われているところによれば」が生じるのである)はさらにセラミック、チタン合金、カーボンナノチューブを含有する。

10月13日

 続きです。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-10-04/doc-iicezuev0023729.shtml


付加装甲

現代のメインバトルタンクは基本のメイン装甲の他に、大多数はさらに付加装甲が吊り下げられており、しかも重要性は不断に高まっている。何故なら基本装甲は戦車のメイン構造で、製造完成後は交換し難く、もし撃ち抜かれた戦車も基本的に廃品で、戦車工場に戻ってリニューアルしなければならず、それでやっと原状復帰できるからである。だが付加装甲はいずれも寸法の小さなモジュール化された構造で、ネジを用いて基本装甲の外に固定し、命中弾を受けて損壊したら部隊の修理工場、甚だしきに至っては野外ですぐ交換できる。性能のより良い製品の出現があればグレードアップもごく容易である。このためロシア式メインバトルタンクは基本的に成形炸薬弾を防ぐ重任を大型爆発反応装甲、ERAに委ねている。一方基本装甲は最後の防衛線として尾翼で安定するサボ付き徹甲弾に対抗する。当然ロシア式爆発反応装甲の徹甲弾を防ぐ能力も徐々に向上しつつある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「T-72B3の砲塔の特写」)

M1A2、レオパルド2、ルクレール、メルカバといった西側戦車上にはいずれも付加装甲はないではないか、T-14にも見えないぞ、と言う人がいるだろう。

西側戦車は過去において確かに付加装甲を愛用していなかった。これには2つの原因がある。一方においては自らの装甲技術に対し比較的自信があり、メイン装甲でロシア式弾薬に対応するには充分だと思った。もう一方では西側の大型砲塔の装甲構造が爆発反応のたぐいの付加装甲の取り付けに適さなかった。だが対戦車武器の不断の進歩と共に、西側戦車もひっそりと取り付け始めた。

M1A2 (頑住吉注:以下キャプションです。)

我々が平時に見るM1A2はこのようである

イラクの戦場でのM1A2 TUSKII(都市生存ユニット)はこのようである。斜めに置いたM32 ARAT-IIブロック式反応装甲は見たところちょっとユーモラスである

増強されたM1A2 SEP V3はこのようである。砲塔正面と車体正面にはレゴのようにごく厚い装甲ブロックが重ねられ、さらにTUSKIIユニットが追加装備できる

装甲の配置

T-14の3人の乗員は全部車体前部の独立した装甲乗員室内に位置する。このため車体正面の装甲の厚さは無人化された砲塔を非常に大きく超えている。西側メディアの推測によればメイン装甲+「孔雀石」爆発反応装甲の効果は水平の物理的厚さ1.1mに近く、現代のメインバトルタンクの中で第一位に位置する可能性が高い。これはT-14の車体がこのように長い主要な原因の1つでもある。ロシアサイドの予定によればT-14の正面装甲の徹甲弾を防ぐ効果は1000mmRHAに等しく、成形炸薬弾を防ぐ効果は1300mmRHAを超え、西側の最新の徹甲弾や「TOW」式、「ジャベリン」などの大型対戦車ミサイルの打撃に抵抗できる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「西側メディアが画像を根拠に推断した装甲の厚さ。正確性は決してまだ実証を得ていない」)

車体が長い第2の原因は3人制乗員室が1人の操縦員室の長さに比べ大きいことである。もって大量のモニター、火力コントロール、空調設備を収納し、甚だしきに至っては伝説の中の特殊生命保障設備を包括する。便所である。これに対し私はやはりちょっと懐疑的で、仰臥姿勢の3人の乗員がいかにして狭い座席内で便器設備を使用するのだろうか? タス通信社の報道によれば、ウラル設計局の品質管理・情報技術主任はインタビューを受けた時、「アーマタ」大型車両ファミリーは便所を装備し、もって車両クルーの長時間の作戦を支持する、とした。だが便所を装備するのはT-15歩兵戦闘車のようなより大きい内部空間を持つ車両の可能性が高い。非常に多くのメディアは「アーマタ」の三文字(頑住吉注:中国語では)を見ればすぐにT-14戦車だと誤認するのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ちょうどずっと流れ伝わっていたスホーイ-34が便所を持つというのと同様で、実際にはそれは単なる科学技術含有量の全くない手持ち式尿瓶である」)

車体が長い第3の原因は燃料タンクの位置である。大多数の戦車の燃料タンクはやりくりがつかず車体外側に配置され、例えばM1A1であるが、燃料タンクは車体尾部の右側に位置する。

レオパルド2は4つの燃料タンクを有し、2つは車体内砲塔座席下にあり、2つは車体上方両側にある。一層のごく薄い側面装甲の保護があるだけで、左側外部の燃料タンクはさらに車体内の弾薬架と密着している。

10月14日

 続きです。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-10-04/doc-iicezuev0023729.shtml


T-14の装甲燃料タンクは砲塔バスケットの後ろに深く隠され、動力室の前の車体内部で、側面装甲、エンジン、砲塔尾部スペースによって四方を包囲され、もって車体の延長を代価として非常に大きく燃料の安全性を高めている。

(頑住吉注:以下キャプションです。)

操縦員を参照すれば、T-14の車体前面上部装甲の全体的な厚さが見て取れる

この俯角から見る角度では乗員室頂部の装甲もサンドイッチ複合構造であることが見て取れる

T-72B3の操縦室のハッチの厚さと対比してみる

T-14の前面下部装甲外部にはアクティブ地雷妨害システムが装備されており、戦車前方の無線電子遠隔操作地雷が探知計測かつ起爆でき、これは世界のメインバトルタンクの中でも初めて見られる。

乗員室底部にはさらに円形の応急出口が開けられている。

側面の反応装甲を取り外した後では車体側面の内部構造を見て取ることができる。車体下部は顕著に内側への傾きを帯び、良好な地雷を防ぐ外形を持つ。

車体後半部のエンジン吸排気口の部位にはグリル式装甲が装備されRPGのたぐいの成形炸薬弾を防御しているだけである。砲塔尾部スペース後部は収納バスケットで、これも一定の成形炸薬を防ぐ能力を持つ。

最後に皆が最も興味を感じる砲塔の装甲を見て見よう。俯瞰の画像から見て、砲塔頂部前部には12ブロックの反応装甲が装備され、その後は左に開く大型の長方形のハッチで、砲塔内部の設備に対し検査修理を行うのに用い、このハッチの上も反応装甲でカバーされている。砲塔のその他の部位は全て外形が非常に複雑な不規則多面体で、無頓着な隙間から見て一層の非常に薄い外殻でしかない。

もしこの薄い殻を取り外せば、

内部はこのようである

もしさらに頂部付加装甲を含むあらゆる設備、アクセサリーを全部外すと、最終的に残るのは体積が非常に小さい溶接装甲ボックスで、左側には下に開くハッチがあり、これは半可燃薬筒の排出口である。

振り返ってさらにアバディーン標的場に廃棄されているM1 TTBのサンプル車を見てみよう。それらの砲塔が何と似ていることか。

装甲ボックスは砲尾と自動装填装置をカバーする必要があるだけで、砲塔が無人なので相応に防御の要求も下げることができ、このためこの外観は非常に大きいかのような砲塔の核心部分は実際には非常にコンパクトである。正面投影面積は砲の防盾に比べちょっと大きいだけで、砲手のメイン視察照準鏡室の幅を加えてもレオパルド2A6の2/5前後しかない。

レオパルド2A6とT-14の砲塔正面同縮尺の対比。オレンジ色の部分がメイン装甲の投影面積(頑住吉注:これ以外の部分に命中弾を受けても戦闘不能にならないというのでない限りこの比較は意味が薄い気がしますがそうなんですかね。)

レオパルド2A4の戦闘全備重量は55.15トン、砲塔の重量は16トン、車体重量は39トンである。レオパルド2A6の戦闘全備重量は60.1トン、砲塔の重量は21トン、車体重量は39トンである。ロシアサイドの発表するデータによれば、T-14の戦闘全備重量は48トン(非常に多くの西側メディアや軍事マニアはこれに対し懐疑を表明し、少なくとも55トンクラスに達しているだろうと考えている)、非常に重い砲塔前部装甲と尾部スペース式弾薬庫がなく、この砲塔は大雑把に見積もって5トン前後しかない可能性があり(西側の分析者は砲塔内の3人の乗員をなくせば少なくとも砲塔重量の3/4を減らせると考えている)、車体重量43トンで、この重量はより長い車体とより強い車体前上部装甲防御に対応するものでやはり合理的であり、無人砲塔のもたらす優勢をも体現している。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「砲塔外殻を除去した後の想像図」)

砲塔のその他の装甲防御がない部分に関しては、10mmの厚さしかない軽質外殻は対戦車弾薬によって簡単に撃ち抜かれ、致命的傷害を形成しないだろう。

T-14のこのような装甲配置は戦艦の重点防御理論に非常に似ている。「all or nothing」である。装甲を全部重要区域の防御に用い(例えば「サウスダコタ」号)、その他の区域は装甲の配置を完全に放棄し、このようだと戦艦の生存力と戦闘力が有効に保証でき、全面防御だがそれにもかかわらず至る所が不足な戦艦(例えば「霧島」号)より顕著に優れている。

10月15日

 続きです。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-10-04/doc-iicezuev0023729.shtml


アクティブ防御システム

アクティブ防御はソフト、ハード殺傷方式を用いて敵を国の門の外で御する(頑住吉注:古典由来かと思いましたが国共内戦時代の共産党のスローガンだそうで、しかも現在では誤った冒険主義として否定されているようです。ここでは敵の対戦車弾薬が着弾する前に対応することを指しています)ことで、T-14は「Afghanit」という名の(ロシア語ではАфганит)アクティブ防御システム、APSを装備している。大部分のメディアはAfghanitを「アフガン人」と翻訳しているが、英語にはこの言葉は探し当たらない。Афганитはロシア語で「アフガニスタン」である。

これは世界初のメインバトルタンク内に整合されたアクティブ防御システムに違いない。ロシアには「Drozd ツグミ」、「Arena 競技場」があり、イスラエルには「Trophy 戦利品」、「Iron Fist 鉄拳」などのAPSがあり、いずれもすでに長年装備されている、と言う人がきっといるだろう。「Afghanit」はどうしてそれでも初なのだろうか?

これまでのAPSは全て独立して研究開発されてから「防御パッチ」として現有の戦車上に装備されたもので、例えば世界で初めて実用化されたAPSである「ツグミ」は1977年に研究開発に成功したもので、まずT-55AD上に搭載されて試験が行われた。またT-62がアフガニスタンの戦場で取得した実戦経験と共に、その後さらにT-80UとT-84に装備された。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「T-55ADの砲塔側面の『ツグミ』APSシステム」)

現在まで、現役のAPSとしては「Afghanit」だけが設計段階でもう戦車の大システム内に整合されており、レイアウトはよりコンパクト、合理的で、システムの集成度がより高く、反応速度がより高い。これも不思議ではなく、冷戦後全世界で完全新規に設計された戦車は日本の10式、中国の15式軽戦車そしてT-14といった何種かしかない。

「Afghanit」APSは探知計測/制御システムとハード殺傷システムによって構成される。

砲塔の4つの隅には4つのツーラ機器設計局が設計したKa周波数帯アクティブフェイズドアレイレーダーが装備され、360度の視野を構成する。

外観および作動原理はいずれもイスラエルの「戦利品」システムのELM-2133レーダーによく似ているが、両者の性能と作用の差は非常に遠い。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『戦利品』システムを装備して試験を行うM1A2。砲塔側面に追加装備されたレーダーアンテナアレイおよびケースの体積は非常に大きく、砲塔の幅を車体を超えるものにさせている」)

ロシア工業貿易省の技術資料によれば、このレーダーアレイ面には大量の独立制御されるアクティブ発射/受信モジュールが集成され、一部のモジュールに故障あるいは損壊が発生した時、全レーダーの画像には軽微なゆがみが発生するだけで全部失効することはないだろう。レーダーパネルにはスホーイ-57の側面を見るレーダーと同じLTCC低温セラミック技術を採用し、厚さ50mmで、防弾、炸裂を防ぐ保護カバー内に封入され、7.62mm弾の射撃を防ぐことができる。両側には大寸法のプルリングがあり、野外で直接レーダーのパネルを抜き差し交換でき、維持保護可能性が非常に高い。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「レーダーアレイ面の保護カバーと軽質外殻の特写。全外殻の厚さは10mmしかなく、7.62mm小銃弾と弾片が防御できるだけである」)

このレーダーはパルスドップラー体制を採用し、主に運動目標の追跡に用い、言われているところによれば最大発見距離は100kmに達し(そう、あなたの見間違いではない。多くのロシアメディアが揃ってこう書いている)、同時に40の地上目標と25の空中目標が追跡でき、全方位の遠距離早期警戒および偵察能力を具備する。まさに戦車の中の早期警戒機である。この探知計測距離に対しても私は比較的懐疑的で、10kmがやはり比較的現実的である。「アパッチ」の寸法がより大きい「ロングボウ」ミリ波レーダーの探知計測距離も8kmしかない。

前向きのフェイズドアレイレーダー真下の凹み状の穴の中には、さらに近距離パルスドップラーレーダーがあり、2つの小さなアンテナアレイを配備し、上のが受信アンテナ、下が発射アンテナで、両側をプラスすると正面120度の範囲をカバーする。

これこそ「ハード殺傷」の火力コントロールレーダーで、超越的に高い目標反応速度を持ち、来襲する高速弾薬の探知計測、ロックオン、迎撃に用い、触発ハード殺傷迎撃弾である。アクティブフェイズドアレイレーダーがシャットダウンして沈黙を保持する必要がある時、この近距離レーダーは依然戦車のアクティブ防御能力を保持する。

10月16日

 続きです。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-10-04/doc-iicezuev0023729.shtml


豪華セットの2つのレーダーシステムの他、T-14はさらに6つの高解像度赤外線/紫外線ビデオカメラを配備し、360度の範囲をカバーし、乗員室のモニターパネル上に周視戦場事態感知能力を提供する。

それらの光学口径は相当に大きく、スホーイ-35上の紫外線探知計測装置に非常に似ており、それぞれのビデオカメラは電源を自ら備え独立して作動し、レンズのかたわらにはさらにクリーニング装置が付属している。

ビデオカメラが記録した光学画像信号は「Afghanit」APSシステム内に整合され、多種の機能を提供する。

レーダーをシャットダウンしている、あるいは強烈な電磁妨害の電子環境下でパッシブ光学探知計測能力を保持する

レーダーの探知計測結果と交差比較を行い、誤報を避ける(サボ付き徹甲弾芯は高速飛行中空力的に加熱され2200度に達し得、非常に顕著な赤外線目標となる) (頑住吉注:と言っても空気との摩擦で加熱されてから着弾までの時間はほんのわずかでしょう)

レーザー照射警報

煙幕を貫く全景探知計測能力

最後の機能は防御時に特に重要で、T-14が敵歩兵に包囲された時、煙幕を放って戦場の視界を悪くし、自らは赤外線高解像度ビデオカメラを利用して煙幕を透過して目標を指示し(ドップラーレーダーは主に高速目標に照準を合わせており、地上に潜伏した静止目標に対しては探知計測効果が非常に劣る)、遠隔操作機関銃で自動射撃を行うことができる。

T-14の光電子探知計測システムは効能が強大で、全面をカバーし、遠距離広域警戒と近距離快速反応が相互に結合し、さらにパッシブ光学探知計測の補充が加わり、スホーイ-57の配置に追いつけると言うべきである。戦車の中の戦闘機で、ハード殺傷システムも同様に非常に強い。

砲塔下方左右両側に5つの迎撃弾発射器が装備され、弧型の配置をなし、片側60度の範囲をカバーする。

もし探知計測システムが側面後方に来襲する目標を発見したら、システムは自動的に砲塔を脅威の方向に回転させ(前編で無人砲塔の回転速度は有人砲塔よりずっと早いだろうことに言及したことに注意)、最も厚い正面装甲を用いて敵を迎え、同時に迎撃プロセスを活性化させる。

この迎撃弾の直径、長さはいずれもよく見られる迎撃弾に比べ一回り大きく、その装薬量とエンジンがいずれも比較的大きいことをはっきり示している。これは片側に備えられる弾の量が5発しかない原因でもある。だが10発の迎撃弾は正規の戦車戦をする戦車にとってやはりすでに充分とも言える。進攻こそ最も良い防御であり、名手同士の勝負では皆いつもほとんど1回のチャンスしかないのである。(頑住吉注:しかしたいていは一騎打ちじゃありませんからね)

先代の「競技場」APSに比べ、新システムは単発の迎撃弾の攻撃範囲を増大しており、さらに重要なのは新型弾薬が先進的な探知計測システムとコンビネーションし、「Afghanit」に戦車からの距離4〜5mのところで速度が1700m/s(マッハ5)にも達する来襲する弾薬が迎撃できるようにさせることで、今後はさらに3000m/s(マッハ8.8)の水準にまでグレードアップされることになる。(頑住吉注:そんな対戦車弾薬ってあるんですかね)

西側の飛行速度が最も速いサボ付き徹甲弾はDM53で、L55によって発射された時砲口初速が1750m/sであり、1000mで55m/s速度が低下し、2000mの交戦距離で目標に命中する速度は1640m/sである。一方アメリカ式劣化ウラン徹甲弾は耐熱性が劣るため、速度がより低く、M829A3の砲口初速は1555m/sである。

ロシア国防省の情報によれば、T-14は実弾試験を経て世界で初めて劣化ウランサボ付き徹甲弾を能動的に迎撃する能力を具備した。西側のウォッチャーは公開の証拠をまだ視る前には普遍的に懐疑を表明し、単に迎撃弾の破片に頼ったのでは高密度の劣化ウラン弾芯の飛行ルートを改変できない、弾道ミサイル防御のような「hit to kill 衝突殺傷」体制を採用しない限りは、と考えている。「Afghanit」の迎撃弾の戦闘部がどんな形式を採用しているのかは現在秘密保持されているが、ロシアのRU 2263268号パテントは間違いなくこの衝突殺傷戦闘部が存在する可能性をはっきり示している。

一方ロシアの「競技場」だろうとイスラエルの「戦利品」だろうと、設計目標はいずれも低速のRPGや対戦車ミサイルの迎撃で、飛行速度は300m/s前後しかなく、対戦車ミサイルはごく薄い外殻に包まれたひとかたまりの電子ユニット、装薬と推進剤でしかなく、高速、密度の高いサボ付き徹甲弾に比べれば迎撃の難度は全く同じクラスにはない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国のGL5 APSが対戦車ミサイルを迎撃する連続写真。迎撃ポイントは戦車からの距離10m(プラスマイナス1.5m)である」)

10月17日

 続きです。

https://mil.news.sina.com.cn/jssd/2019-10-04/doc-iicezuev0023729.shtml


砲塔の頂部にはさらにNII Stali上半球防御システムが装備され、これはモスクワの鋼鉄装甲研究院(NII Stali)によって研究開発され、2基の回転発射塔と2組の固定された垂直発射器を包括し、それぞれの発射器は12門の体積が比較的小さいグレネードランチャーを包含する。

このシステムはソフト殺傷に属し、発射される榴弾は決して直接に来襲する弾薬を迎撃せず、多種の弾頭を配備し、これにはレーダーシステムを妨害するチャフ妨害弾、ミサイルの制御誘導システムを破壊する電磁妨害弾、光学/レーザー照準システムを妨害するエアロゾル煙幕弾などを包括する。目標の探知計測、追跡およびロックオンは高精度のフェイズドアレイレーダーに頼る。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「垂直発射器の特写」)

2つの回転塔は水平方向に対し、砲塔から独立して自主的に方向転換できる。垂直発射器は「BILL」、「ジャベリン」などのトップアタック式対戦車ミサイルやterminal-sensitive projectilesのたぐいの高い弾道で来襲する弾薬専門に照準を合わせる。全システムの敏捷性は高く、カバーする面は広く、多目標交戦能力を具備する。

実はさらにもう1つのハード殺傷手段があり、それは砲塔頂部の遠隔操作機関銃である。遠隔操作武器ステーションと車長主観照準回転塔は各自独立して回転でき、武器ステーションは「Afghanit」システムが提供する高精度目標指示をキャッチし、全自動で対戦車ミサイル、落下傘による減速降下を採用するterminal-sensitive projectiles、無人機などの低速目標を射撃する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「terminal-sensitive projectilesが戦車を攻撃する説明図」)

トップアタック模式の弾薬に対応する殺傷手段を専門に配備する、これは全世界のメインバトルタンクの中でも初の例である。砲塔頂部の「孔雀石」爆発反応装甲とコンビネーションし、T-14の独自に到達した頂部防御能力は世界最強と言うべきである。

偽装能力

T-14は戦車の中の戦闘機なだけでなく、さらにカメレオンである(頑住吉注:ちなみに中国語で「変色竜」)。非常に多くの方面で積極的なステルス設計を採用し、できる限り自身の赤外線、電磁信号特性を下げ、戦場での被発見率を減少させている。ロシアはそれは世界初のステルス戦車だとストレートに称しており、この言い方には多少宣伝、誇大の成分があり、陸上武器が大幅なステルスをしたいというのは現在まだあまり現実的ではなく、このためこの表題で私もステルス能力ではなく、偽装能力と言う。

まずはレーダー信号に照準を合わせて最適化を行った砲塔の軽質外殻、「Afghanit」システムを装備するいくつかの突出した部位にはいずれもエッジが平行なコーナーをカットした設計を採用し、上のかの無秩序に肥満したM1A2戦車の画像と比べれば、T-14の全砲塔表面は必須な少数の設備を除き非常に整い、レーダー反射強度を下げている。

T-14全体の表面に塗装された濃い緑色の塗料はステルス特性を持ち、レーダー信号を吸収でき、言われているところによればさらに太陽光の車体に対する加熱作用を下げ、対外的に輻射される赤外線特性を軽減することができる。

次に車体前部と側面に特殊な電気ケーブルを配置し、虚偽の磁場を作り出し、磁性戦闘部を装備した地雷や対戦車ミサイルに戦車の真の位置を識別できず、間違った距離で起爆させることができる。第二次世界大戦中ドイツ式戦車に塗られた非常に厚い磁気を防ぐZimmerit塗装層に比べ、その虚偽磁場はずっと先進的である。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「東部戦線で磁気を防ぐ塗装層を塗ったタイガー式戦車。だがZimmerit塗装層はいかなる実際の作用も果たさなかった。何故ならドイツ人自らを除き、その他の軍隊は磁性地雷を装備していなかったからである」)

T-14はさらに専門に全車の赤外線特性に対し最適化を行っている。車体側面のスカートとグリル装甲を取り外せば多くの開口が見られる。最後部側面はエンジン排気口で、一部の排出される高温の排気は前方の円形の吸気口によって吸入され、車体前部の排気口まで運ばれて排出され、このようだと全車の赤外線分布特性が改変され、敵サイドのサーモグラフィー装置に真実ならざる赤外線画像が生じ、戦車の位置、サイズ、方向に対する判断を妨害する。吸気口の前にはさらに斜めに置かれた冷却空気出口があり、排気口の高温の排気との混合、希釈に用いる。

同様に、西側のウォッチャーはこうした偽装措置に対してもすこぶる不同意で、現代の敏感度の高いサーモグラフィー装置の面前ではこのような赤外線抑制、磁場を揺らがせる措置にはいくらの実戦的価値もない、と考える。だが私は真実の戦場環境は複雑多変で、決して全てがイラクの戦場のように見渡す限り平坦で、遮蔽物や掩体がないわけではなく、もし双方の勢力が拮抗していたら、1つ偽装が多ければちょっと被発見確率を下げ、わずかに勝算を増加することができ、ロシアの戦車設計師のこうしたすこぶる新しい意味を持つ設計はやはり相当に有意義だと考える。

Quora上の多くのアメリカ退役戦車車長のM1とT-14を対比した評論を見ると、基本的な視点は彼らに2つのうち1つを選択させようとすればやはりM1を選ぶというもので、何故なら実戦の経験を経ているからである。一方T-14はあまりにも多くの新概念、新技術を運用し、非常に大きな不確定性を帯びている。同時に彼らは揃ってT-14の無人砲塔は今後の発展方向であることも認めている。このようなレイアウトの下で視察照準システムが有効であるか否か疑っているだけのことで、次の編で我々は継続して分析する。(作者の署名:温哥華的魚)


 長かったですがこの前編もあれば後編もあるんですか。面白そうだったら読んでみますかね。中国ではT-14に対しては比較的懐疑論が多い印象ですが、この筆者は肯定的ですね。意欲作であるのは確かですが、実戦では意外な弱点を暴露する可能性も高いのではと個人的には思いますが。まあ一番の問題は仮に西側の戦車より一段上だったとしても明らかにコストが非常に高いこの戦車をかつてのソ連のように膨大な数で揃える経済力が今のロシアにはないということでしょうね。




























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