コラムより転載:中国の航空機、空母関連小ネタその6

7月8日

http://tuku.military.china.com/military/html/2012-07-06/203308_2179082.htm

 ワリヤーグがまた試験航行に出たようです。タイトルは「ワリヤーグ、今朝再び試験航行! あるいは艦載機の試験飛行か」(前回も言ってましたが)、説明文は「2012年7月6日、今朝8時20分、ワリヤーグが第9回試験航行を開始した。」だけです。5枚目の画像はこの海域で試験を行うので他の船は入るなという地元の海事局のサイトの画面ですね。

 プラット&ホイットニーが援助したあの武直-10関連です。

http://military.china.com/news/568/20120705/17298225.html


ロシアメディア、武直-10は中国と欧米、ロシアとの極めて大きな隔たりを変えることはできない、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:武直-10ヘリコプター」)

【グローバルネット総合報道】ロシア軍事工業ニュースネット7月4日の報道によれば、ロシア政治・軍事分析所の副所長ヘラムーチンは世界のヘリコプター装備の製造および発展の問題に関し探求し執筆した時、次のように指摘した。冷戦終結後欧米諸国の軍用ヘリ発展の趨勢は良好で、ほとんどマイナス面の影響は受けず、ロシアのヘリコプターの発展も同様に非常にスムーズである。中国も同様に大いに力を入れてヘリコプター研究開発領域を発展させているところだが、全体的レベルにおいて欧米、ロシアとの間の隔たりはしばらくの間依然比較的大きい。

ヘラムーチンは指摘する。冷戦後のNATO諸国軍隊の発展、変化に関する研究を通じ、次のことに気付くことができる。NATO軍の装甲装備(装輪装甲兵員輸送車と装甲車を除く)と大砲の数量は急激に削減され、しかも品質上ほとんど更新、世代交代は行われず、作戦機の運命も基本的に同じだが、ヘリコプターだけは例外である。装備数量がほとんど削減されていないだけでなく品質上の更新、世代交代も相当顕著である。主要な代表はアメリカの「アパッチ」とヨーロッパの「タイガー」式攻撃ヘリである。NATO諸国ができる限りヘリ戦力を集中し、統一して配備し使用するという趨勢もはっきりしている。例えばドイツ連邦軍は空中機動師団を編成し、実際上これはまさしくヘリ師団である。イギリス陸軍は連合ヘリ司令部を成立させ、あらゆるヘリ部隊と分隊、および第16航空降下突撃旅団を管轄させている。スウェーデン軍はあらゆるヘリを1つの独立飛行連隊に編入し、空軍の編成に収めている。アメリカはすでに陸軍航空旅団を直接陸軍師団の編成に入れ、師団ごとに100機余りのヘリが編入されている。

ロシアの専門家は指摘する。上述の現象が出現した原因は主にヘリの汎用性が比較的強く、航空降下突撃分隊によって広く、いかなる類型にも用いることができ、いかなる規模の戦争や衝突でも部隊の最大限の戦術的機動性が保証でき、ほとんど完全に地上装備に取って代わることができ、すでに伝統的戦争と対ゲリラ戦争に同時に適応できる最も汎用性のある戦闘装備になっていることである。だがヘリの主要な欠陥は価格が比較的高く、燃料消費が比較的多く、地上装備に比べより容易に空中や地上の各種兵器の攻撃に遭い、配備場所と天候条件の制約を受けやすく、しかも大型装備の運搬はできないことである。しかしヨーロッパの軍隊の大型装備の数量はどんどん少なくなり、ヘリを使用して運搬する問題はもはや突出しない。アメリカ軍は充分な輸送機と上陸艦を持ち、部隊を輸送するのでヘリによる輸送の必要性はやはり高くない。

ヘラムーチンは考える。ヘリはその他の装備に取って代わることはできないし、完全に取って代わられることもできなければ基本的に取って代わられることもできない。この他、ヘリは概念上の完璧化を行うことが難しく、今後どのように発展しようとも依然元の姿を基本的に保持する。このため新型ヘリ研究開発の必要性はどんどん小さくなり、多くの国は旧式ヘリの生産を再開すらしている。例えばアメリカは1994年に「アパッチ」ヘリの生産を停止したが、12年の時を隔てて2005年に生産を再開した。同時に最新式汎用攻撃偵察ヘリであるRAH-66「コマンチ」の研究開発プロジェクトを停止した。ロシアのミル-8ヘリは1961年に初飛行したが、ミル-8/ミル-17(頑住吉注:発展型で、新型っぽいイメージを出して外国に売るため改名)の生産ラインはずっとスムーズに50年余り後の今日まで継続されている。今後は依然発展が継続されていくことになる。

ロシアの専門家は指摘する。アジア諸国も非常に積極的に各種各様の国産武装ヘリのサンプル品を研究開発中で、しかも西側およびロシアの技術を手本とすることが多い。だが依然西側やロシアの絶対の独占的地位を打破することはできず、これは攻撃ヘリであろうと輸送ヘリであろうと同じである。南アフリカ共和国とインドが研究開発したそれぞれのヘリは先進的ではあるが、彼らの世界のヘリ市場における地位はほとんど取るに足りないものであり、本国の軍隊で少数が装備されているだけである。中国だけがずっと自分が陸軍航空兵の装備方面で遅れている局面の克服に努力中で、先進諸国との隔たりを縮めている。例えば、フランスのAS-365を基礎に研究開発してできたこれまでの直-9W攻撃ヘリに取って代わらせるため、中国軍はイタリアのA-129に似た新型の武直-10ヘリを装備し始めた。だが中国のヘリ研究開発領域における欧米、ロシアとの間の隔たりはしばらくの間依然比較的大きく、少なくともどのくらいの独立して自主的に研究開発する先進プロジェクトがあるかを言える段階にはまだない。


 うーん、軍用ヘリの世界的現状に関する分析は興味深く、またロシアの専門家が中国のヘリをどう評価しているかには情報価値があるでしょうが、中国のヘリのどこが先進諸国に及ばないのかこれではさっぱり分かりませんな。武直-10自体が劣るのか、武直-10自体はトップクラスのヘリに遜色ないが1機種だけだから、あるいは数や運用する組織面に問題があるからか、もうちょっとはっきり書いてほしかったです。

7月9日

 中国の対空ミサイルに関してです。

http://mil.huanqiu.com/Observation/2012-07/2886858.html


ロシアメディア、解放軍のS300の戦力はすでに明らかに不足、F35はこの天敵となる、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシアのS-400防空ミサイルシステム」)

ロシアの「紐帯」(頑住吉注:リンク、きずななどの意)ネット6月27日の報道によれば、ロシアの最新式S-400防空ミサイルシステムの防空および対ミサイル性能の優良さにかんがみ、このシステムはすでに中国を含む多くの国々の高い評価を得ており、いくつかの国はすでに購入の申請を提出した。だが生産能力の制限を受け、ロシアサイドはまず本国の軍隊の需要を満足させる必要があり、その後やっと輸出を考慮することができる。 「ロシアサイドの中国向けS-400システム輸出時期は2017年より早くはないはずである。」

既存の防空戦力はすでに明らかに不足

アジア太平洋地域は世界で弾道ミサイルおよび巡航ミサイルの分布が最も密集した地域である(頑住吉注:そうなんですか。まあヨーロッパは冷戦終結後必要性が低下したし、中東などは中国で言うところの「非対称性の対抗」って奴ですからね)。かつてある台湾のメディアは、ひとたび両岸で戦争という事態が勃発したら、台湾軍の「雄風」-2E中距離巡航ミサイルの作戦半径は大陸の上海、香港および東南の沿海各重要都市をカバーできる、とした。各種の潜在的ミサイルの脅威に対応するため、中国サイドはかつてロシアから大量にS-300防空システムを購入した。「国防」誌の統計によれば、1990年代初めから2010年までに中国は全部で110セットを超える各タイプのS-300システムを導入し、かつこれらを各重要都市付近に配備し、多層の地上防空システムを構成した。

しかし、近年各国はアジア太平洋地域において相次いで先進的戦闘機と新型中射程ミサイルを研究開発、配備し、形勢を再度厳しいものにした。「アジア回帰」戦略に導かれ、アメリカ軍は頻繁に沖縄、グアム島などの基地にF-22ステルス戦闘機を配備している。インドは4月に「烈火」-5弾道ミサイルの試射に成功し、その射程は5,000kmとされ、打撃範囲はアジア全体をカバーする(頑住吉注:世界地図でざっと見たところ北海道には届かないかな、という程度です)。6月29日、日本はまたアメリカとF-35ステルス戦闘機購入の一事式契約に署名し(頑住吉注:「一事式」の意味は不明です)、最初の4機の戦闘機は2016年までに日本に引き渡される。ある分析は、F-35戦闘機はロシア製S-300防空システムを破壊する能力を備えているという。

周辺諸国が不断に各自の進攻性兵器をグレードアップさせる背景下で、中国が現在持つS-300システムの防御能力はすでに明らかに不足で、より先進的な防空システムの配備は中国の国家安全防衛の主要な任務の1つになっている。

先進的兵器の輸入は依然制約を受ける

中国軍が武器を獲得するルートは主に2つある。1つはロシアからの輸入である。これは中国サイドが新型武器を獲得する重要なルートでもある。しかも周辺地域が配備中の兵器の脅威度から見て、ロシア製S-400防空システムの性能はちょうど中国の防空能力増強の需要に符合する。S-400防空システムはロシアの「金剛石-安泰」防空グループ社が研究開発し、生産している。火力と無線電子対抗の条件下では400km以内の最大飛行速度48,000m/sのいかなる空中目標も破壊できる。これにはアメリカ軍で最も先進的な第4世代ステルス戦闘機F-22とF-35が含まれる。このため、このシステムは現在世界で最も先進的な防空ミサイルシステムと賞賛されている。

別のルートは中国の自主研究開発である。現在中国はすでにロシア製S-300防空システムを基礎に、「紅旗」-9国産第3世代防空システムを自主研究開発している。だがロシアの地縁政治学問題学院第一副所長コンスタンティン シフコフは、現在中国が自主研究開発している防空武器装備の科学技術レベルは充分先進的ではないため、周辺の日増しに高まる各種の脅威に直面した時、中国は依然ロシア製S-400防空システムの輸入を必要とする、と考えている。

だがある分析は、今回ロシアサイドは短期的に中国に向けS-400を提供することを示す回答をしておらず、生産能力の問題以外にロシアサイドがその核心的技術を「また中国によってコピーされる」ことを心配しているからである公算が高いと考えている(頑住吉注:そりゃ当然心配するでしょう)。これまで、ロシアは核心的技術保護問題ゆえに中国に向け武器輸出をする時、何度もひそかに障害を設けてきたことがある。だがまたある分析は、今の中国はすでに昔とは違って防空ミサイル研究開発方面にすでに一定の経験の蓄積がある、と指摘する。ロシアが中国に向けS-400を提供することを最終的に決定する前に、中国がその他のより良い選択肢を探し出す可能性もある。


 今回の内容は以前紹介した「ロシアの専門家:中国の兵器は少なくともロシアに1世代遅れており、S400の購入を急ぐ」と深く関連してます。私は中国がS-400を輸入するには4つの問題があると考えます。この文章で指摘されているロシアの生産キャパシティの問題とパクリを懸念して輸出したがらない問題の他に、これと深くリンクしますがロシアが中国には輸出用のダウングレード版しか輸出しないのではないかと思われる問題、そして国民に向けて「中国の兵器は凄い、すでに大きな飛躍を成し遂げ世界で最も先進的なレベルに達している」と大きく宣伝しているため、またロシアの専門家が「中国の既存のあらゆる新型武器の試作品は全てロシアから輸入したか、あるいはロシア製品をコピー生産した」もので、「中国の武器装備の科学技術レベルが充分先進的でなく、ロシアに少なくとも1世代遅れて」おり、「このため中国は当然S-400ミサイルシステム購入に対し興味を持つことになる」などと神経を逆なでするようなことを言っていることが報道されているため、「そんなもの買う必要はない。国産兵器でいいではないか。」という反発が生じるのではないかという問題です。

7月10日

 F-35関連です。

http://military.china.com/important/64/20120709/17304390.html


オーストラリア国防省、F-35の性能はミグ-29および中国の殲-20をはるかに超えるものになる、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「オーストラリア軍はF-35に自信満々である」)

【グローバルネット総合報道】オーストラリアの「シドニーモーニングヘラルド」7月8日の報道は、見積もりによればF-35戦闘機プロジェクト全体でアメリカは衝撃的な費用を使い1兆アメリカドルを超える、とした。

外国メディアは、F-35のメーカーであるロッキード・マーティン社の試験飛行員が、これは彼が飛んだことのある中で最も良い飛行機だと言っている、とした(頑住吉注:いや自社製品を誉めるのは当たり前でしょうが)。この機種の市場における定位置は未来における世界の空の覇者である。オーストラリアは160億アメリカドルを拠出して100機のF-35を購入する計画であると強調するが、多くの専門家はこのプロジェクトの進展と果たす作用に対し心配している。この戦闘機の単価は2001年以後75%暴騰し、各種の問題の出現はプロジェクトの各開発国にも情熱を失わせた。オーストラリアは100機の購入に興味があるとかつて表明したが、現在の契約によれば2機の購入の必要があるだけである。

外国メディアは、オーストラリア国防省はF-35の性能がインドネシアのミグ-29や中国の殲-20をはるかに超えるものになると考えており、これらはオーストラリア空軍の主要な競争相手である。だが事実としてF-35に殲-20と戦って勝つ能力があるのか否か明確に指摘できる人はいない。


 そりゃそうでしょう。F-35は開発中だし、増して殲-20はまだ性能が一切不明なんですからそんなこと断言できる人は超能力者だけですって。

 ワリヤーグの最新の試験航海に関しもう少し詳しい情報が出ました。

http://tuku.military.china.com/military/html/2012-07-09/203370_2179793.htm#pic


中国空母、出港し9回目の試験航行 25日継続はこれまでで最長

国際的に空母の航海試験が成功か否かに対する主要な評価基準の1つはまさにその航海時間の長さである。海上での航行時間が長いほど、その各項目の性能が完全なものだと証明される。

中国ニュース社電によれば、6日午前、中国空母が再び遼寧省大連市の造船新工場の埠頭を離れ、第9回航海試験を開始した。ある分析は、中国空母の今回の航海試験時間の長さは25日を超える可能性があり、これまでの航海試験の中で時間が最も長い回である。国際的に空母の航海試験が成功か否かに対する主要な評価基準の1つはまさにその航海時間の長さである。海上での航行時間が長いほど、その各項目の性能が完全なものだと証明される。

関連の情報は明示しているが、2011年8月に始まり、中国空母はすでに何回も航海試験を行っている。このうち、初めて海に出た時の長さはたった5日だった。今年6月7日から22日まで行われた第8回航海試験は16日継続され、今回の時間の長さはこれまでのあらゆる航海試験を超える。


 第1回から7回までのデータはここにあります。たしかにどんどん長くなる傾向です。まあ空母にとって長い航海とは言えませんけど。

7月11日

 殲-20関連です。

http://military.china.com/news/568/20120709/17304500.html


外国メディア:殲-20はテスト作業にまだ10年を要すると推測 エンジンが障害となる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:試験飛行中の殲-20戦闘機」)

2011年1月、中国は自ら研究開発したステルス戦闘機殲-20の試験飛行を初めて公開した。この先進的戦闘機が飛び立ったことは航空業界の多くの人々を震撼させた。この時から、この成都が製造した飛行機はより多くの飛行練習を行った。報道によれば、昨年末、第1機目のサンプル機は60回目の試験飛行を完了させ、一方4機のサンプル機の内の第2機目は今年試験飛行を開始する。

イギリスの「金融時報」の報道によれば、2011年1月の試験飛行は人々が中国の軍事発展計画を過小評価していた可能性を明らかにしたが、専門家は今再び過大評価もすべきでないと指摘している。

アメリカのペンタゴンは、殲-20は2018年になってやっと戦闘に投入され得る、とする。これは中国空軍サイドの出した予測と一致する。

カリフォルニア大学サンディエゴ分校の中国軍事技術専門家である張太銘(音訳)は指摘する。アメリカのF-22戦闘機は初飛行から就役まで10年余りの時間を使った。一方殲-20は生産に入る前に少なくともまだ10年のテストと評価の継続を必要とする。

彼は語る。「適したエンジンを探し出すことは1つの主要な障害である。(国産の)WS-10エンジンには依然問題が存在し、特に高品質での製造に問題がある。しかも現在短時間での解決方法は見られないようだ。殲-20は「十二五」(頑住吉注:「第12次5か年計画。2011〜2015年」)国防発展計画の中での重点中の重点であり、このため充分な資金と指導層の高度の重視を必要とする。」

業界内の人々もエンジンが依然中国の空中軍事力のアキレス腱であると認めている。

ある西側の航空宇宙企業の幹部は言う。「ミサイルと衛星技術方面で、中国はすでにアメリカとの隔たりを大々的に縮小させた。だが航空機のエンジンの領域では、数十年の努力を行ったにもかかわらず、彼らは依然はるかに遅れている。」

報道は言う。中国の航空工業の全ての会社は今後5年で100億人民元を投資し、殲-20に必要な最先端のエンジンを開発する計画である。だがこれと同時に、中国人民解放軍空軍は依然ロシアとウクライナが提供したエンジンに頼る必要がある。

殲-10と殲-11はロシアが生産するAL-31FNエンジンを使用する。2011年7月、北京は再び123台のこのエンジンを発注した。このため2001年以後のこのエンジンの購入総数は1000台以上に増加する。

北京サイドは今年ロシアからの48機のスホーイ-35戦闘機の購入を要求した。だがモスクワサイドが、中国がその技術を模倣するかもしれないと心配し、貿易は遅延した。だがこの要求は、中国が国内エンジンのみに頼るリスクの防止を希望していることを反映しているのかも知れない。

(頑住吉注:2ページ目以降は画像とキャプションだけです。2ページ目は「資料画像:試験飛行中の殲-20戦闘機」、3ページ目は「中国国産の『太行』エンジン(資料画像)」、4ページ目は「中国国産の『秦嶺』エンジン(資料画像)」です。)


 大出力、高性能の航空エンジンは太平洋戦争中の日本がどうしても遅れを取り戻すことのできなかった分野です。また中国が強く意識するインドが最近戦闘機用エンジンの国産化を断念し、アメリカから輸入することを決定したというニュースもありました。この分野は非常に難しい性質のもので、中国が短期的にこの問題を解決できる可能性はこれまで感じていた以上に低い気がしてきました。

もう1つ、オーストラリア関連です。

http://mil.eastday.com/m/20120709/u1a6690819.html


オーストラリア、12隻の潜水艦を購入 現在日本のそうりゅう級を考慮

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『そうりゅう』号は日本初の空気動力装置に頼らない(AIP)潜水艦である。この他、『そうりゅう』号は新型潜水艦の中で比較的流行しているX字型尾舵を採用しており、伝統的な十字型尾舵の潜水艦に比べ、より高い機動性を備えている。」 この艦と「X字型尾舵」に関してはここでも出てきました。)

オーストラリアの「シドニーモーニングヘラルド」7月9日の報道は、オーストラリアの次世代潜水艦購入計画が徐々に始動するにつれ、第二次大戦の期間にかつて潜水艦を使用してオーストラリアに対し致命的攻撃を発動した日本が、現在ではすでに徐々にオーストラリアロイヤルネービーが新世代潜水艦を作ることを助ける潜在的パートナーになっている、とする。

オーストラリアの将来潜水艦プロジェクトの責任者ロン モフェットと主席国防科学家アレキサンダー リンスキー博士は今月共に日本を訪問し、3年前に就役した日本の「そうりゅう」級潜水艦につき考察を加える。

報道は、オーストラリアの「2009年国防白書」の中で公表された情報は、これから12隻の新潜水艦を購入し、もって将来海軍で現役のコリンズ級潜水艦に取って代わらせるとしている、とする。この白書の記述によれば、満載排水量4,200トンクラスに達する日本の「そうりゅう」級潜水艦はその寸法が規定に符合する唯一の通常動力潜水艦である。

「我々と日本サイドの戦略は希望に満ちている。何故なら我々の角度から見て、日本のこの種の潜水艦はいくつかの非常に魅力ある特徴を備えているからだ。」 モフェット上将は語る。

彼は、日本とオーストラリアは同様にいずれもアメリカの親密な友邦であり、しかも日本海軍の潜水艦の運用環境も同じくアジア太平洋の環境であり、この点はその潜水艦の設計方面に体現されている部分がある、とする。

報道によれば、「そうりゅう」号が潜在的目標となる前、オーストラリアがこれまで選択可能なものとしては、ヨーロッパのおよそ2,000トンクラスの通常潜水艦しかなかったが、その寸法と能力はいずれも白書の中で想定される4,000トン級潜水艦に比べ規模がずっと小さい。

外国メディアが以前明らかにしたところによると、オーストラリアは2025年に12隻の潜水艦隊を建設して就役させる計画である。現在すでに650億オーストラリアドルによる軍建設準備作業が開始されており、これには新しい水陸両用攻撃艦、ステルス護衛艦、戦車、ヘリコプター、ミサイル駆逐艦が含まれる。


 武器輸出三原則があるので潜水艦を輸出することはできないはずですが、オーストラリアが独自建造するにあたって技術的援助を与えることがどの程度できるのか知識不足で分かりません。しかし同じく中国の軍備発展の脅威にさらされる国が日本の潜水艦を高く評価しているというのは心強く感じられます。

7月12日

 久しぶりの戦車の話題です。

http://mil.eastday.com/m/20120709/u1a6689507.html


ロシア、中国のMBT3000戦車の性能はロシアのT90Sを超え、必ずやスターとなる、とする

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「ネット上に流れ伝わるMBT-3000メインバトルタンクの画像」 続いて2枚目。「資料画像:中国がすでに国外に輸出しているMBT-2000型メインバトルタンク」)

東方ネット7月9日の情報:ロシアの軍事工業ニュースネット7月6日の報道によれば、中国の「世界報」に最近掲載された文章は、中国の新型メインバトルタンクであるMBT-3000の先進的性能を紹介し、これが必ずや世界戦車市場のスターになり、主要な競争相手であるロシアのT-90S戦車を超えることになる、としている(頑住吉注:あのー、中国の報道ではこういうねじ曲げは当たり前みたいですけど、「ロシアが言った」んじゃなくて、「ロシアが『中国はこう言っている』と伝えた」んですよね〜)。

ロシアメディアは、中国の紹介する文章は、国産の新型戦車MBT-3000とその前身であるMBT-2000を比べると外形上の差異は大きくないが、多くの車載システムに変化が発生しており、性能はより先進さを増していると指摘している、とする。MBT-3000は1200馬力の新型12気筒「150」ディーゼルエンジンを使用し、51トンに満たない戦車に最大野外速度71km/時を達成させることができ、移動性能上1500馬力エンジンを使用し、自身の重量がより大きい西側戦車より明らかに優れている。今後の輸出型MBT-3000は1300馬力の水冷式タービン増圧ディーゼルエンジンを使用し、デジタル化慣性ナビゲーションシステムおよびGPSナビゲーションシステムを配備するかもしれない。もしユーザーが必要とすれば、さらにエンジン出力を1500馬力まで増加でき、しかも中国国内で戦車エンジンのあらゆる部品を生産できる(頑住吉注:戦車には国産エンジンが使える、ということが嬉しいようで強調していますが、信頼性や耐久性が西側の一流品と同等かどうかは分かりませんよね)。

ロシアメディアは、中国のMBT-3000新型戦車は42km/時の行進速度下での最大航続距離が500kmで、深さ4〜5mの水の障害を通過でき、幅2.7mの壕が越えられ、60度の斜面が上れる、とする(頑住吉注:最初は間接的だった書き方がとうとう完全に「ロシアが言った」になっちゃいました)。この戦車は125mm国産自動装填砲1門、7.62mm同軸機銃1挺、12.7mm高射機関銃1挺を装備する。戦車砲弾の基数は38発で、自動装弾機内に準備される砲弾は22発である。この戦車は「猟人-射手」式新型火力コントロール装置(頑住吉注:以前出てきましたが、車長が砲手を飛ばして直接砲を射撃できるものです)を採用し、新型の砲から発射されるミサイルと組み合わせ、5000m以内の目標の殺傷が確保される。戦車の自動装填装置は改善され、同一モジュールの新型照準具と砲から発射されるミサイル誘導装置を使用し、照準・誘導合一を実現した。基本装甲、複合装甲と付加反応装甲からなる戦車の装甲防御レベルは明確に強化され、このうち戦車の正面装甲の厚さはドイツの「レオパルド-2」戦車と同等に論じることができる。

ロシアメディアは、中国のMBT-3000戦車の今後における輸出市場の前途は非常に広大である、とする(頑住吉注:だから〜)。比較すると、中国の新型戦車はあらゆる性能の上で主要な競争相手であるロシアのT-90Sを超えている。西側の同類戦車は、作戦能力はより強いが価格がより高く、使用コストが極めて高く、多くの発展途上国を全く受け入れ不能にさせる。品物が良くて廉価なMBT-3000戦車だけがこうした国の需要をちょうど満足させるのである。


 まあ確かに途上国には売れるでしょうけどね。もう1本シリア関連です。

http://military.china.com/news2/02/11078239/20120711/17308465.html


ロシアの官僚、ロシアはシリア向けのいかなる武器の販売も停止する、とする

ロシアからの情報によると、シリア情勢の日ごとの悪化にかんがみて、ロシアはもはやシリアに向けいかなる武器も販売せず、この中にはこの前署名が済んでいるシリア向けの36機の軍事練習機に関する契約も含まれる。これはイギリスの「ファーンバラ国際航空宇宙展」に参加中のロシア連邦軍事技術協力局副局長ヴャチェスラフ ジャーカンが昨日語ったことである。

ロシアのインタファックス通信の報道は、ジャーカン副局長は9日、本社記者のインタビューを受けた時、「シリア情勢は緊張を続けており、この状況下ではロシアはもはや絶対にシリアに向けいかなる武器も販売することはないし、この前署名したシリア向けに36機のYak-130練習機を販売する契約も終了だ。この契約は総額5.5億アメリカドルである。」と指摘した。ジャーカンはさらに、「現在シリアに向け販売中の武器は過去に署名された契約だけに限られ、しかも武器の維持用部品だけである。ロシアは内戦発生国に向け武器販売をしないことに関する規定を順守する。」と表明した。

シリアに運搬中のヘリコプターに関する問題に言及した時、ジャーカンは特に強調した。「3機のヘリはシリアの所有に属し、双方が2009年に署名した契約に基づき、ロシアでメンテナンスと維持修理が行われ、現在海運によってまさにシリアに行く途中である。」 彼はさらにデマを打ち消し、「西側のメディアはロシアがシリアに向け36機のMi-25型攻撃ヘリを販売すると言っているが、これは純粋にでっち上げに属し、いかなる根拠もない。」と語った。

中東のある報道は、ロシア連邦軍事技術協力局はロシア国防省に属し、主要な職能は対外的武器販売である、とする。今この局の指導者であるジャーカンが上述の談話を発表したことは外界に突然な感じを与えた。何故ならロシアはずっとシリア当局を支持し、かつそれに向け武器を提供してきたからである。彼の談話はロシアのシリア危機に対する立場に実質的変化が発生中であることを示している。


 これはいいニュースでしょう。ロシアがシリア政府に向けた武器輸出を止めれば当然中国も販売しにくくなります。中国内部にはビジネスチャンスだから今まで以上に売ろうという意見も出るでしょうが、そうなればこれまで以上に中国に対する国際社会の批判は強まります。アメリカの世界征服の野望に対抗するにはロシアと組んでシリア、イランを助けるしかないのだと思い込まされている中国人の一部が、何かおかしいなと気付くきっかけになるかもしれませんしね。

7月13日

 「中国の無人機がなければシリアのアサドは風前の灯だ!」、「中国がロシアの「バックファイア」爆撃機を導入する意味は補講にある!」という主張を行っていた「アドルフ2世」氏が日本と中国の対艦ミサイルを比較、評価しています。


中国海軍を恐れさせる日本の屠龍利器 (頑住吉注:「屠龍利器」は直訳しようがないですしニュアンスは伝わるのでそのままにしますね)

中日の海上における交戦で腕比べとなるのは各種のミサイルであるが、単に現役の対艦ミサイルについて言えば、中日のレベルは大差ない。

日本が現在装備する対艦ミサイルの主要機種には次のものがある。88式SSM-1、「ハープーン」、90式SSM-1Bなどの艦対艦ミサイル、80式ASM-1、91式ASM-1C、93式ASM-2などの空対艦ミサイル。これらのミサイルの性能は中国の現役の各種対艦ミサイルと大差ない。制御誘導、抗妨害方面では日本が一歩先んじているかもしれず、射程の上では中国がやや優位を占める。特に中国のYJ62の装備後は、現役対艦ミサイルで中国はすでに優勢を占めている。

だが、日本人にはまだ秘密にして発表していない屠龍利器がある。‥‥ASM-3空対艦ミサイルである(頑住吉注:開発中のミサイルで別に存在を秘密にはしてません。なお名称は制式化前なのでXASM-3が正しく、日本の脅威を煽るためXを取っちゃったようです)。日本サイドの関連する資料によれば(頑住吉注:おいおい、やっぱ秘密にしてないじゃん)、ASM-3の全長はおよそ6m、重量はおよそ900s、一体式ロケット・ラムジェットエンジンを採用し、巡航速度はマッハ3に達し得る。射程は150kmで、制御誘導方式は中継慣性誘導+終末段階のアクティブ/パッシブ複合制御誘導方式である(赤外線熱成像制御誘導も可)で、比較的強い抗電子妨害能力を持つ。このミサイルの最大の特徴は、攻撃の終末段階に大角度での急降下トップアタック方式を採用していることだとされ(頑住吉注:この点は日本語版Wikipediaには載ってませんし、検索してざっと調べたところでは見つかりません)、防御突破速度はマッハ5に達し得る。イギリスの「ジェーン ミサイルとロケット」の紹介によれば、ASM-3は2006年10月に初の秘密試射に成功し、現在依然計画通り試験が継続され、最も早い場合2010年に使用のため投入されるとされている。

もし日本のASM-3がすでに装備されていれば、日本は対艦ミサイルの優位を獲得することになる(頑住吉注:どうもジェーンの古い資料を見てこう書いているようですが、日本語版Wikipediaには2016年の開発完了を目指す旨書かれてます)。

中国には現在ASM-3に匹敵する対艦ミサイルはない。中国が自ら研究開発するラムジェット式超音速対艦ミサイルはC101とC103の後停滞に陥り、ロシアのSS-N-22導入後も新たな進展が見られず、技術上克服しがたい困難に遭遇したのかもしれない。YJ62は射程の上では大きな向上があったものの、防御突破能力の上での進展ははっきりしたものではなく、類似の亜音速対艦ミサイルが現役の水上艦艇の3段階の迎撃火網を突破できるか否かは懐疑に値する。伝説中のYJ85はロシアの「クラブ」ミサイルに似た亜音速で巡航し、終末段階では超音速で防御を突破するミサイルかも知れず、日本のASM-3とはまだ隔たりがあるかもしれない(頑住吉注:C-805というのはYJ-8系列の最終タイプらしいです)。唯一希望があるのはYJ9系列である。最も早い時期のYJ91はロシアのKH-31をコピー生産したもので、もしさらに一歩の発展ができればASM-3に対抗する能力を持ち得るかもしれない。

進攻面と比べ、中国海軍の大型水上艦艇の防御能力はさらに人を不安にさせる。共に傷を負う結果は我々が希望するものではない。中国海軍がまだ低空で海をかすめる攻撃方式に対する迎撃に注目している時、日本人は「高挙高打」(頑住吉注:トップアタックのことですね)の方法を取った。このため、真にASM-3を迎撃できるのは052C(頑住吉注:駆逐艦)が装備する海紅旗9とSA-N-6Cしかない。その他の例えばHHQ-16、HHQ-7、730近接防御砲などはいずれも有効な迎撃ができない。現在中国に可能な対策は3つある。1つ目は052C大型防空駆逐艦の大量建造、2つ目は現役の中、短距離ミサイルの性能向上(性能指標は倍加する必要がある)、3つ目はステルス艦艇の建造である。

戦争は運動場での競技のようなもので、試合前に技術、身体能力上の準備がなければ、その場に臨んで奇跡を起こそうとしても難しいのだ! このため、中国海軍、中国の軍事工業はさらに努力を倍加する必要がある!


 いやそんな競技は願い下げにしたいです。

7月14日

 昨日紹介したのは単にミサイルの性能比較ですが、今日紹介するのはもっと物騒な尖閣諸島をめぐって海戦になった場合の双方の優劣に関する論評です。

http://adaofu2.blog.china.com/201207/9851410.html


中日釣魚島海戦、勝負の基本的方法を評価!

ちょうど再び「7.7」が巡ってきた時に合わせ、「甲午大海戦」(頑住吉注:黄海海戦)の映画が国内で上映される。同時に中日の釣魚島をめぐる距離をおいての挑発のトーンがちょうど高まり、このため中日第二次海戦の熱い論議が引き起こされている。中日の再度の海戦の勝負を推論演繹しどう評価するかとの話になれば、私の考えるにはある基本的方法がある。

通常海戦では、双方が全力で勝負するのは、相手に向け投射する炸薬の効率であり、効率が高い方が勝利を獲得する。炸薬投射の効率に影響する主要な要素には以下のものがある。

1.射程。先手を打った者が勝つ。

2.精度。命中率の高い者が勝つ。

3.当量。威力が大な者が勝つ。

4.防護。抗打撃能力が強い者が勝つ。

5.技術・戦術。人・機結合に優れた者が勝つ。

中日甲午海戦の勝負はすなわちこれら5つの要素の総合作用の結果であった。

射程の上では双方大差はなかった。北洋水師(頑住吉注:清国海軍北洋艦隊)は日本の連合艦隊に比べ数分だけ早く発砲した。

精度では日本がやや高かった。命中率は北洋水師に比べ1〜2%高かった。

当量では日本人がはっきり優勢を占めた。日本人の艦砲の口径はやや小さかったが数が多く、発射速度が速く、砲弾の装薬の配合方法も北洋水師より良く、さらにやや高い命中率と結合したため、海戦中優勢を占めた。一方北洋水師は艦砲の口径は大きく、数量は少なく、発射速度は遅く、命中率はやや低く、最も致命的だったのは弾薬搭載の不足で(搭載できる弾量の60%に相当)、しかも炸裂弾が少なかった(自分では作れず全て輸入に頼る)。このため海戦中完全に受け身の立場だった。

防護では、北洋水師の「鎮遠」、「定遠」という2隻の鉄甲艦が威力をはっきり示した。日本の艦は両艦を有効に撃ち抜くことができず、北洋水師に惨敗の中で自らを慰めることを許した。

技術・戦術では日本が優位を占めた。日本艦体は1つの全体作戦を取り、北洋水師は各自で戦った。さらには戦いに臨んで逃亡し、友艦に衝突し沈めたものもあった。

これまで我々は中日甲午海戦について討論する時、体制方面の考慮が多かったが、仔細な学習後、私は技術的要素の作用も大きいと気付いた。

事件から100年余りが過ぎたが、もし中日間で第二次海戦が勃発したら、勝負を決定するのはやはり双方が投射する炸薬の効率である。違うのは大口径艦砲が対艦ミサイルに変わり、光学照準鏡が各種レーダーに変わり、装甲が各種の妨害措置、迎撃ミサイル、近接防御速射砲に変わったことである。

中日が同等のレベルと規模で艦隊決戦を行う場合を、再び5つの要素で評価すれば、基本的に得られる結論は次の通りである。

中国は対艦兵器の射程で優位を占める

日本の電子技術は先進的で、射撃精度で優位を占める

双方の搭載する対艦ミサイルの数量は基本的に同等、個々のミサイルの破壊威力も同等、このため当量は同等

日本には迎撃ミサイルが多く、電子技術が先進的で、妨害能力が強い。一方中国は近接防御砲の口径が大きい(頑住吉注:日本は20mmバルカン砲ですが中国は30mm7本バレル、25mm4本バレル、57mm速射砲などを使っているようです。57mm速射砲は単一バレルですが発射速度は毎秒4発と相当早いです)。総合的に考慮すれば、日本艦隊の防御能力がやや優勢を占める。

技術・戦術レベルは評論に向かない。両者は相当の処理を行っている。

このため、中日第二次海戦で中国の勝算は大きくない(頑住吉注:おや意外)。特に双方の電子戦能力がカギとなる重要要素となる。中国が日本と戦って勝てるか否か、本当には把握されない事情がある。ある人は、現代の戦争は双方の技術者の腕比べの結果であると言い、この説には道理がある。

把握はされなくても、ひとたび釣魚島の事態が武力衝突によらなければ問題が解決されないまでに発展した時、我々はやはり突撃せねばならない。ならば充分に準備し、長所を伸ばし短所をなくさねばならない。

遠距離武器は使えるものは全て使う。DF-21Dは日本の駆逐艦を打撃するのに用いてよい。金を惜しんではいけない。

レーダー、ミサイルはできる限り早く多くの制式兵器を研究開発する。艦体全体で1種類の対艦ミサイルしか使えないのでは人を不安にさせる。

作戦プラットフォームの数量を増加する。駆逐艦、護衛艦は足りない。1000隻の022ミサイル艇が先頭になり、一度に8,000発のミサイルを同時発射する。これなら砲弾で迎撃されてもOKである!

海紅旗十(頑住吉注:18発の蜂の巣状ミサイル発射機)、1030近接防御砲(頑住吉注:30mm10本バレルで「ワリヤーグ」にも搭載されているようです)に交換できるものは全て交換し、防御能力を増強する。

技術・戦術を向上し、大規模な戦技競技を行う。上は艦隊司令から下は普通の水兵に至るまで、全員が大規模な戦技競技を行い、能力ある者が上に行き、勇者が上に行く。

兵が危うく戦いが危うければ、一戦が往々にして国運の盛衰を決定し、いささかもゆるがせにはできない。当然、戦略決策者も心理的負担の重さに負けてはならず、少し「煮ても焼いても食えぬ奴」の精神を持ち、主権を維持し守るため何度も敗れては何度も戦うことも賞賛される価値がある!


 そもそも日本人にとって太平洋戦争より前の海戦と言ったらもうほとんど日露戦争におけるバルチック艦隊との日本海大海戦なわけで(無理にその次を挙げさせたら壇ノ浦海戦とかがが挙がるかも)、それに比べると黄海海戦はたぶん1/10も意識されず、実は私も「日本での名称は『黄海海戦』でいいんだっけ」と検索したくらいです。日本海大海戦を扱った映画は少なくとも2本知ってますし見もしましたが(ちなみに旧作の方が絶対面白いです)、黄海海戦がメインテーマの映画は知りませんし、仮に日本で企画を出しても通らないでしょう。日本人の意識と違って中国人にとってこの海戦って重要なものだったんですね。まあ中国はこれ以外に大規模な海戦をやってないからでしょうけど。で、原ページの映画のタイトルで検索したら動画があったんで心眼で見ましたが(笑)すっごく面白かったです。明治天皇のキャラが日本のイメージとは全然違うんですけど、それなりに人間臭くて魅力的だし、福沢諭吉、小村寿太郎、伊藤博文の描き方も興味深かったです。海戦自体は清国の圧倒的優勢の中、日本が快速を生かして脱兎のごとく逃走し(まるでコマ落としみたいで笑えます)、この間に清国の砲弾が尽きて切歯扼腕する中日本に逆転を許すというトンデモですが、それもまた一興でしょう(ちなみにミニチュアは当時の艦の形なんですけど、人間と共演する艦は現代の艦なのが萎えます)。日本パートは日本語ですし(意外にも日本パートの方が多いくらい)、また中国人が日本人に話すシーンでは後ろの通訳の声が聞こえたりし、字幕の漢字で意味の見当がついたりもするので中国語が分からなくても楽しめると思います。

 あ、本題を忘れてた(笑)、「熱狂的民族主義者」的には、戦力的に絶対優勢なのだから勝てるに決まっている、と言うのかと思ったら意外な評価でした。いや仮に勝てる見込みがあっても当然極力衝突は避けるべきですがね。

7月15日

 え〜、今さらそれ? というニュースです。

http://military.china.com/news2/569/20120714/17315759.html


残骸はすでに発見 シリアによるトルコ戦闘機撃墜事件、疑問が再び持ち上がる

ロシアのノーボスチ通信7月13日の情報。トルコ軍総参謀部が13日に声明を発表し、同国がこれまで断定して主張してきた、トルコ機がシリアの防空システムによって撃墜された、との説を否定した。

トルコ総参謀部の情報は次のように言う。「技術的鑑定により、これまで事実とされてきた我が国の飛行機が防空システムによって撃墜されたとの説は成立しないことが確認された。」

これまでのメディアの報道によれば、トルコ空軍の1機のRF-4E偵察機が6月22日、東南部のマラティヤ省の空軍基地から飛び立ち、1時間半後にシリアとの国境地帯のハタイ省東南部の地中海上空でレーダースクリーン上から消失した。シリアは同国の海域上空でこの戦闘機を撃墜し、その理由はこの機がシリア領空を侵犯したことだと認めた。トルコの外務大臣ダウトオルズは、この機は国際空域で撃墜され、残骸はシリアの海域に落ちたと表明した。

トルコは事件発生後直ちにトルコ機がシリアの防空システムに撃墜されたと声明した。だがトルコの官僚はその後、機にミサイル命中の痕跡が見つからないことを認めた。7月4日のある情報は、飛行機の残骸と2名の飛行員の遺体はすでに発見されたとしていた。総参謀部発表の声明は、「海底から飛行機の残骸をサルベージした後に事件の原因が確認される」としている。


 事故だったんでしょうか。それなら何故シリアは撃墜を認めたんでしょうか。以前の情報では高射砲によるとされていたはずですが、高射砲弾が近くで炸裂し、爆風などで墜落した場合、海面突入の損傷に紛れて海底でのダイバーによる目視では痕跡が確認できないということはないんでしょうか。

 何か面白いんでまた「アドルフ2世」氏のページの紹介です。

http://adaofu2.blog.china.com/201207/9869619.html


中日釣魚島大空戦の前戯に注目!(頑住吉注:中国語でも「前戯」は主に日本と同じ意味のようですが、この場合の意味は読めばお分かりと思います)

中日は釣魚島をめぐり戦争と平和の瀬戸際をさまよっているが、ひとたび開戦すれば空中の腕比べが勝負を決定する重要なカギとなる。

中国空軍、海軍航空隊と日本の自衛隊を仔細に対比すると、双方の力は伯仲している感じである。

数量の対比:日本の主力戦闘機は190機余りのF-15J、90機余りのF-2、80機余りのF-4EJ、17機のE-2CとE767早期警戒機。中国の空中戦力の主力を見積もると、殲-8が200機余り、殲-10が200機余り、殲-11が150機余り、スホーイ-27各型が70機余り、スホーイ-30各型が70機余り、KJ200、KJ2000などの早期警戒機は10機を超えない。第3世代戦闘機の数量を対比し、かつ限られた作戦空域を考慮すると、双方の隔たりははっきりしたものではない。

双方の戦闘機の近距離空戦能力を対比

F-4はベトナムの戦場で初期型のミグ-21に対抗するのですら簡単でなく、このため中国の現役の各型の究極バージョンのミグ-21(殲-7)でもう近距離空戦においてF-4EJを打ち負かすのに足りる(頑住吉注:私全然知りませんけどファントムもそれなりに装備のグレードアップはしてるんじゃないんですかね)。

F-2はF-16から改装され、ロシア人はスホーイ-27はあらゆる指標上F-16に勝り、近距離格闘でF-16を打ち負かせると考えている。ロシア人の話は完全に信じることもできないし信じないこともできない。ミグ戦闘機は中東の戦場においてかつてF-15、F-16と長期にわたり交戦したことがある。シリア、エジプトといった国の戦闘機は旧ソ連の飛行員に操縦され、彼らはF-16に対し密接に体得した。中国の飛行員も友好国のF-16で飛んだことがあり、彼らは殲-10の操縦感覚はF-16と大差ないと評価するが、これが謙虚かどうかは分からない。つまり、F-2との近距離格闘の中で、中国戦闘機が大きすぎる面倒に遭遇するはずはない。

F-15は第3世代戦闘機の成功の典型例であり、1機も空戦中に撃墜されたことがないとされる。ロシア人はスホーイ-27とF-15は異なる指標上それぞれやや勝るところがあるが、隔たりは決定的なものではないと評価する。それらの飛行性能はほとんど全く同じである。これはスホーイ-27とF-15の近距離格闘時は双方の飛行員のパフォーマンスが非常に重要であることを意味している。日本のF-15Jにはある新たな動向がある。それらはヘルメット照準具とAAM-5新型格闘ミサイルを装備済みだということで、これは老いたF-15Jの近距離格闘における脅威を大いに増す。

総合的に見て、中日戦闘機は近距離空戦時、2パターンに分かれ、カギとなるのは双方の飛行員の素質と見られる。飛行員の素質に関しては、2つの中国の軍事マニアを喜ばせるに値する情報がある。1つ目は伝説ある中国の精鋭飛行部隊の飛行員の飛行時間がすでに200時間に近づき、アメリカ、日本の飛行員の飛行時間に接近していることだ。2つ目は中国空海軍が毎年10名の「金のヘルメット賞」受賞者を評価して選び出していることだ。これは飛行員の積極性と技術研鑽に対する激励、奨励である。訓練レベルさえ上げれば、中国戦闘機の性能指標をもって、日本機との近距離格闘の中で不利になるはずはない。

最も確定が難しいのは中日双方の超視距離空戦能力である。普通の軍事マニアはこれに対し以下のように結論する。中国、日本の指揮官、飛行員でさえこれは分からない、と。この問題においてレーダーの機種、ミサイルの指標をたくさん列挙する意味は大きくない。超視距離空戦の結果は双方の設計者、技術者により決定される度合いが大きい。日本の民間用電子製品の人を驚嘆させる性能と指標を考慮すれば、中国戦闘機の超視距離空戦におけるパフォーマンスに不安を感じざるを得ない(頑住吉注:やはり案外冷静な目を持った人ですね)。

戦時において受け身に回ることを防止するため、中日の大規模空戦勃発前の前戯が不可欠になる。

防衛省のデータによれば、日本の戦闘機が緊急発進し中国機を迎撃したケースは、2003年2回、2004年13回、2005年は107回まで激増した。2010年、日本は日本の領空に接近して飛行する飛行機を迎撃(頑住吉注:通常「迎撃」と訳す語が使われてますが「スクランブル」ですね)するため全部で386回軍用機を出動させた。これは2009年に比べ29%の増加である。このうち、中国の飛行機が迎撃を受けたのは96回である。日本の防衛省が発表した最新の統計データによれば、2011年度の日本の自衛隊軍用機の緊急出動の総数は425回で、このうち領空を侵犯するかもしれない中国機に対する緊急出動は156回で、2001年度に国籍ごとの統計発表が開始されて以来の新記録を作った。防衛省統合幕僚監部の紹介によれば、中国機は主に西南諸島付近などの東海空域を飛行し、「飛行形式は多様化し、電子偵察機が比較的突出している。」

電子偵察機は電子信号の収集を担当し、スーパーコンピューターは素材の分析を担当し、技術、設計人員は解決方案の制定を担当する。これすなわち前戯の目的である。もし日本機のレーダーとミサイルを妨害する方法を徹底して探し出すことができなければ、その電子信号の特性を識別して中国戦闘機の警告システムに導入できさえすれば、それでもう超視距離空戦に対し極めて大きな助けになり得る。アメリカのAIM-120(頑住吉注:中距離空対空ミサイル)は10機余りの飛行機を撃墜したが、1機も命中前に反応を起こさなかった。このことは相手の警告装置が全く働かなかったことを表している。

当然、平和な時期の電子偵察飛行ではおそらく相手に全力を出し尽くさせることはできない。このため、大空戦の前の双方の戦闘機による直接的接触が多くなる。この前、シリアは高射砲でトルコのF-4を撃墜したが、これこそこうした接触の典型例である。

こうした前戯にはもう1つの作用もある。そのうちの一方に困難だと悟り引かせることができる。これこそ電子情報戦時代のメリットである。‥‥必ずしも真剣実銃でやらなくてもいい。中日双方の戦闘機が接触した時、もし一方が相手をロックオンできず、逆に相手から何度もロックオンされていることに気付けば、ひとたび真に開戦した時の結果は想像がつく。このため、中日の間の勝敗は全て実力次第であり、あえて開戦を叫ぶのはきっとよくない結果になる。


 最後の部分に関連するものとしては「紆余曲折 中国におけるスホーイ27」の中に「1996年の台湾海大演習後、大陸と台湾サイドおよびアメリカ軍の電子制圧と対制圧の闘争は日増しに激烈になり、関係する資料が明らかにするところによれば、当時大陸のスホーイ-27が台湾海上空でパトロール任務を執行していた時、往々にして台湾軍電子戦部隊の攻撃を受けた。こうした電子戦部隊は西側の先進的な電子戦装備を利用して大陸の戦闘機と地上の指揮員の通信連絡を切断し、スホーイ-27の機載レーダーを妨害あるいは盲目化させ、スホーイ-27の通信周波数を利用して偽の命令を発し、あるいは造反を扇動する宣伝を行った。これは大陸の飛行員に巨大な心理的圧力をもたらした。これに非常にショックを受けた中国空軍は〜」という記述がありました。電子戦において力を見せつけることで緊張が高まる中台湾が防衛に成功した、とも見られるわけですね。日本も双方に犠牲者を出さずに中国に「戦ったらまずいことになる」と悟らせ、引かせることが理屈上はできるはずだ、ということになります。おそらく反発を避けるため婉曲な書き方になっていますが、「日本の民間用電子製品の人を驚嘆させる性能と指標を考慮すれば、中国戦闘機の超視距離空戦におけるパフォーマンスに不安を感じざるを得ない」という記述から見ても、この筆者も近い考え方なのではと感じます。

7月16日

 「ちまき機」関連で、画像の右でクリックすると次の画像が見られるページです。

http://tuku.military.china.com/military/html/2012-07-15/203877_2186599.htm#pic


陜汽大運ウェブサイトが発表した原文

 これが「ちまき機」運送を引き受けた陜西の某自動車運送会社(頑住吉注:某って名前出してるじゃん)公式ウェブサイトが発表した情報である。この中には「ちまき機」の詳しいデータがある。現在この文章はこの公式ウェブサイトからすでに削除されている。


で、この画像の当該部分は次のようになってます。


〜2011年12月29日、市場開発部事務室は2名の特別な客人を迎えた。西飛社の主任設計師と研究員である。しかし彼らが来た意味を説明すると、我々は驚きを禁じ得なかった。ある軍用品を沈陽飛行機から閻良強度研究所まで運ぶ必要があり、貨物の全幅は何と11.5mに達するというのである。また絶対秘密の軍用品で、事は重大でいささかの間違いも許されなかった。この前例のない輸送の難度に直面し〜


 重大な任務を任されて嬉しかったんでしょう。絶対秘密と言われてたのに、全幅だけとはいえほぼ正確と思われるデータを公式サイトに書いちゃったわけで、日本でアホの店員が有名人のプライバシーや悪口を書いて「炎上」するのとは重大性が違います。今の技術なら正確な全幅が分かれば、何枚もの画像から全長その他各部分の寸法もほぼ正確に割り出せるでしょうし。あんまりきつく怒られないといいんですが。ちなみに輸送先が「強度研究所」ということはやはり強度試験用の可能性が高そうですね。














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