韓国の「THAAD」導入は自衛のためか

 日本との関係についても触れられてます。

http://military.china.com/news2/569/20160809/23247914.html


THAADは日本のX周波数帯レーダーと連動できる 東アジアの戦略の安定を転覆させる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:アメリカの新型海上基地X周波数帯遠距離レーダー」)

韓国が「THAAD」ミサイル防衛システムの配備を宣言して以来、国内外の強烈な疑問の声、反対の声に直面している。これに対し、韓国政府は連続して「『THAAD』配備は自衛の挙」、「『THAAD』の場所選択は充分に中国を考慮」、および韓国は決してまだアメリカのミサイル防衛システムに加入していないなどの言い方を提出している。しかし、こうした言い方には根拠がなく、「THAAD」韓国入りの真の意図を覆い隠すことはできない。「THAAD」の韓国入りは韓国のいわゆる「北朝鮮の核とミサイルの挑発」を解決できないだけでなく、しかも地域情勢を悪化させ、地域の戦略バランスが深刻に破壊される悪い結果をもたらすだろう。

「自衛」の挙には程遠い

韓国サイドは最近何度も、「THAAD」の配備は国民の生命財産を保護するための「不可避な」決定であり、「自衛」であると言明している。しかし技術から分析して見れば、「THAAD」配備は「自衛」の目的も達成できなければ、国民を有効に保護することもできない。

韓国は面積が比較的小さく、50%を超える人口が集まる首都圏は韓国・北朝鮮境界からの距離が最短で40km未満である。しかも技術から見て、「THAAD」の機能は高空で大気圏内あるいは大気圏外の来襲するミサイルを迎撃することにあり、つまりこのシステムの最も有効な作用は中距離および遠距離弾道ミサイルの迎撃である。「THAAD」は、韓国、特に戦略的価値を持つソウルおよび周辺地域の打撃に最も用いられる可能性がある短距離弾道ミサイルの迎撃に対し、ほとんど、あるいは完全に役に立たないのである。

報道によれば、以前韓国はイスラエルの「アイアンドーム」ミサイル防衛システムを導入することを考慮した。このシステムはイスラエルを保護しガザ地区から来るミサイルやロケット弾の攻撃から防御する方面で、迎撃効率が90%にも達する。

「最終的に韓国はそれにもかかわらず『THAAD』を選択し、このことは人にその実質の目的を疑わさせずにはおかない。」 中国国際問題研究院の研究員である楊希雨は語る。

短距離ミサイル迎撃能力に限りがあるという状況下で、「THAAD」はそれにもかかわらず「AN/TPY-2型X周波数帯レーダー」を配備し、このことは顕著に韓国自身の防衛の需要を超え、中国やロシアなどの周辺国の強烈な反対を引き起こす。

このレーダーには2種の模式があり、すなわち終端模式と前線配備模式である。韓国はレーダーの探知計測範囲を600km〜800km以内に制御する終端模式とするとし、もってその「自衛機能」を顕示しているが、それにもかかわらずわざとその模式切り替え機能を「軽視」している。

技術の上では、前線配備模式の探知計測範囲は約2,000kmである。中国国際問題研究所の研究員である楊希雨は語る。「アメリカ議会公聴会の資料は、ひとたび需要が生じれば、駐韓米軍は完全に現地で、8時間以内に、終端模式を前線配備模式に転換し、探知計測目標を北朝鮮から中国あるいはロシアに変えることができる、とはっきり示している。このため、有効な「自衛」も達成できなければ、「自衛」の範囲をも超えている。韓国が米軍の「THAAD」を導入することは、自らを欺き人を欺くだけでなく、しかも人に言いたくない別の意図を隠しているのである。

(頑住吉注:これより2ページ目)

場所選択は実質を避けた空論

レーダーの探知計測範囲が周辺国に深入りできるという事実の面前で、韓国サイドは「THAAD」の場所選択を朝鮮半島東南の片隅の星州郡としたのは、「充分に中国を考慮」したからだと言明するが、この種の弁解も空虚である。

「何故ならどこに配備しようとも、『THAAD』レーダーを北朝鮮の監視に用いさえすれば、必然的に中国東北地域を向くからである。もし方向を転換すれば、中国国内の相当の縦深の目標が視察できる。」 精華大学国際関係研究院の教授である李彬は語る。

楊希雨も、「THAAD」がひとたび韓国入りしたら、その真の戦略目標はあるいは中国とロシアの極東地域の軍事力量、特に両国の戦略ミサイルの監視になるかもしれない、と考える。

現在、アメリカはすでに日本に相次いで2基のX周波数帯対ミサイルレーダーを配備済みで、つまり「THAAD」システムに使用するレーダーである。韓国は8月6日、日本とX周波数帯レーダーの情報を「分かち合う」ことを宣言したが、このことは韓国が日米と「THAAD」が監視測定した情報を共有することを意味している。

「三基のレーダーは連動を形成し、アメリカの太平洋地域におけるグローバルミサイル防衛システムの重要な支柱を構成することができる」 楊希雨は、「大国間の戦略の安定は転覆的性質の破壊を受けることになる。」と語る。

「THAAD」の韓国入りには別に真の意図がある。韓国元外務大臣、現在北朝鮮研究院大学校長の宋旻淳は、韓国は「THAAD」の代替方案を探求する必要がある、と主張する。彼は7月25日に韓国の「中央日報」に発表した文章の中で次のように書いている。「我々は、この狭小な土地の上のどんな場所に『THAAD』を配備するかの問題ではなく、『THAAD』配備の必要性自体を消し去ることに集中すべきである。」

アメリカという「戦車」の上に縛り付けられる

外界の疑義に対し、韓国方面はアメリカの対ミサイルシステムの計画に加入することはないと弁解している。韓国国防長官の韓民求はかつて、「THAAD」の韓国入り後、韓国サイドはアメリカのグローバルミサイル防衛システムと情報共有することはないだろう、とした。だが彼はまた、「韓米両国間の(情報)連動は基本である」と認めている。この言い方は明らかに相互に矛盾している。

ウォッチャーは次のように指摘する。技術上、設備と配備の提案が全部アメリカから来ている状況下で、韓米ミサイル防衛システムの相互隔離は根本的に言い逃れに他ならず、政治、外交上もあり得ない。楊希雨は、韓米が北朝鮮の危険を誇大宣伝することを利用して「THAAD」の韓国入りを推進するが、将来もしいわゆる北朝鮮の脅威が解除されても、アメリカは必ずしも「THAAD」の韓国からの撤去には同意せず、これを「神に来てもらうのは容易だが神に出て行かせるのは難しい」と言う、と語る。

中国社会科学院アジア太平洋地域・グローバル戦略研究院の研究員である董向栄は、「THAAD」の韓国入りは、韓国が実質的にアメリカが主導するグローバルミサイル防衛体系に加入することを意味しており、大国間の戦略バランスに対する影響が非常に大きい、と指摘する。

ウォッチャーは指摘する。大西洋および太平洋の両翼のミサイル防衛システム構築は、いずれもアメリカがグローバルなミサイル防衛の覇権を追求する意図を示し、その手法は瓜二つでもある。すなわち、脅威の誇大宣伝に他ならない。

半島情勢もこの種の誇大宣伝の中にあり、一歩一歩緊張と対立が激化している。国際社会が半島の非核化実現のためになす努力も深刻な挫折に遭うことになる。

「軍事は重要な安全保障手段の1つであるが、単に軍事に頼ったのでは問題は解決できない」と李彬は語る。「THAAD」の韓国入りは韓国をより危険な困った状況に押し込む。困難な状況を解決する典型的方案は協力の探求で、ウィンウィンの出口を捜し当てることである。韓国サイドは執迷不悟(頑住吉注:頑迷で悟ることがない)であってはならない。


 この文章でも具体的に北朝鮮の脅威から韓国が自衛するにはどうしたらいいのか全く指摘していません。仮に「THAAD」が韓国自体を守るものでなかったとしても、アメリカがいざという時に韓国を守る条件として「THAAD」配備を要求したのならそれを飲むのも自衛手段のうちでしょう。












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