中国の新型76mm車載高射砲
中国の対空砲関連です。
http://military.china.com/news/568/20161020/23796499.html
AH-64に抵抗反撃:国産76mm車載機動高射砲が珠海にお目見え
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:国産の76mm自走高射砲」)
最近、国産のSA-2型76mm自走高射砲が今回の珠海航空展にお目見えするとの情報がメディアの関心を引き起こしたが、中国は何故このように大口径の車載機動型高射砲を必要とするのだろうか? もし輸出するならば誰が目標たる顧客なのだろうか? こうした問題を持っていた鷹眼戦情室の珠海に赴いた前線の記者は、我が国が研究開発したこの新型高射砲は威力と射程において現在の小口径高射砲よりはるかに高く、正確制御誘導弾薬とコンビネーションすれば、作戦効果は倍に向上する、と理解した。
この説明から見て、国産のSA-2型76mm高射砲の主要な作戦目標は相手方の武装ヘリ、巡航ミサイルなど中低空作戦目標で、それは現在の小口径高射砲に存在する射程と威力が不足する問題を解決している。
周知のように、大口径高射砲は発射速度が低い、火力転移速度が遅いなどの要素ゆえにすでに淘汰されており、取って代わったのは対空ミサイル、小口径速射高射砲だが、戦場の経験から見て、前者は低空/超低空目標に対する迎撃効能が良くなく、後者の射程は短すぎ、一般に30mm以下の口径の高射砲は、マズルエネルギーが低いため、砲弾が3km以上飛行すると殺傷能力がもう非常に低くなると考えられている。
この欠点に照準を合わせ、AH-64をトップとする新世代武装ヘリはロングアームの原則を採用しており、すなわち武器に携帯式対空ミサイル、小口径高射砲の射程を超えさせる。それが配備するヘルファイア機載対戦車ミサイルの射程は8kmに達し、こうした武器の射程外から攻撃を発起することができ、湾岸戦争中この戦術は重要な作用を発揮し、AH-64は大量のイラク戦車および装甲車を破壊した。中国の直ー10武装ヘリも射程がこれに近いAKD-10機載対戦車ミサイルを配備済みである。
このようになると地上防空武器に対し新たな挑戦が提出される。砲弾の射程がより長く、もってAH-64がもたらす挑戦に対抗し得るのに便とすることが要求される。射程延長の最も直接的な手段は口径の増大だが(頑住吉注:「最も直接的な手段」は初速を上げることではないかと思いますが、対空砲である以上初速はすでに最大限高めてあるという前提なんですかね)、このようにするともたらされる問題は火砲の射程は増加するが精度が悪くなることである(頑住吉注:大口径の砲は精度が悪い? と首を傾げましたが、たぶん遠距離では散布界が大きくなるということでしょう)。だが技術の進歩はこの欠点を補った。大口径砲弾の内部スペースは比較的大きいため、制御誘導システムが収容でき、このようなら正確制御誘導弾薬の開発のために基礎が固まる。例えばイタリアの新世代76mm自走高射砲であるが、これは正確制御誘導砲弾を配備する状況下で、15km前後の飛行機と8km離れたヘリが打撃でき、すでにAH-64といったような武装ヘリに対抗できる(頑住吉注:ヘリに対する有効距離が半分くらいなのは固定翼機より不規則な動きができるからですかね)。
軍事専門家は鷹眼戦情室記者に次のように教えた。関連の画像からSA-2型76mm自走高射砲は普通のトラックをシャーシとして採用していることが見て取れ、国外の同類製品が装軌式シャーシや8x8装輪式シャーシを採用しているのと比較すると、このようにする目的はコストを下げることに違いない。またそれには捜索レーダー、火力コントロールレーダーも配備されておらず、主要な探知計測システムは光電子火力コントロールシステム1台で、このようにすることはそれが外部の探知計測システムが目標の指標を提供することを必要とすることを意味しており、一定の独立自主作戦能力のみ具備し、このようにするのもコストと費用の軽減のためで、実際イタリアの新世代76mm自走高射砲には誰からもオファーはなく、非常に高いコストと費用がほかならぬその原因である。
SA-2型76mm自走高射砲の最も主要な問題は打撃の正確さというこの問題である。「現代兵器の紹介」は「正確制御誘導弾薬」を配備していると言及しているため、イタリアの76mm高射砲はミリ波指令制御誘導砲弾を配備し、もって高射砲の低空/超低空飛行機に対する殺傷能力を向上させ、これはさらに砲塔にミリ波指令制御誘導システムを配備することを必要とする。関連の画像から見て関連のシステムのアンテナは見られないようで、砲から発射される誘導線および砲口のコイルから見て、SA-2型76mm高射砲はAHEADに似たような正確制御誘導弾薬を採用しているようだ。AHEADはあらかじめ破片を製造してある集束式プログラミング信管親子弾である。
それは搭載する大量の事前に製造した破片を利用して、直接目標に指向する高密度破片束を形成し、もって空中目標を迎撃および破壊できる。この弾薬は武装ヘリ、巡航ミサイル、空対地ミサイル、攻撃機、無人機などの空中目標からの防御に用いることができるだけでなく、さらにトラックが有効に破壊でき、しかも装甲車両の光学部品を制圧できる。対空と対地という多用途作戦能力を持つ。このように見ると、SA-2型76mm自走高射砲はイタリアのAMRADの概念に近い。AMRADの主要な目標はトラックをシャーシとし、装甲を減少させ、火力コントロールシステムを簡略化し、コストと費用と制御し、新型弾薬の配備によって火砲に対空、対地/対艦の総合作戦能力を具備させ、多用途の火砲作戦システムを形成し、もってシステムの効能を向上させるのに便とすることに他ならない。
フランスが最も新しく研究開発したラピッドファイア型40mm多用途高射砲もこの概念の産物で、このためSA-2型76mm自走高射砲の目標も総コストと費用を制御する状況下で、ユーザーのために総合防御手段を提供し、もって現代の戦場の日増しに増加する武装ヘリ、無人機、巡航ミサイルなど空中目標の脅威に対応させることに違いない。
だがSA-2型76mm自走高射砲といったような武器はヘルファイアミサイルを配備するAH-64に対応できるが、未来の連合空対地ミサイルJAGMを配備した新世代武装ヘリに対応するには依然として意気込みに力が追いつかない。このようになれば新世代対空ミサイルが必要となる。ロシアの鎧甲(頑住吉注:NATOのコードネームSA-22)のように、中国もこのような対空ミサイルシステムであるFK-1000を登場させている。この角度から言うと、SA-2型76mm自走高射砲は国際的な兵器販売をもってメインとする。
そういえば大口径機動高射砲って昔は多かったのに今では少なくなっていますが、理由を考えたことはなかったです。いまいち不鮮明な画像しかありませんがどうも中近東あたりの国の軍関係者に通訳が説明しているようで、やはり輸出メインですかね。大口径高射砲が淘汰されたのは「発射速度が低い、火力転移速度が遅い」ためだとされていますが、後者は車載により解決できるとして前者は少なくとも機関砲のレベルに近づくのは不可能なはずです。ただ命中率を上げ、散弾のような砲弾を発射すれば補えるということなんでしょうか。