米軍、5.56mm弾薬を放棄? その3
続きです。
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選択3:より大きな弾頭と薬莢を使用する
M855弾薬はアフガニスタン作戦の期間、一部の兵士に効果が良くないと考えられ、彼らはより威力あるM4カービン銃弾薬を設計したがった。某何人かの個人がレミントン弾薬社の協力援助の下、6.8mmx43特殊用途弾薬(SPC)を研究開発した。6.8mmSPC弾薬は各種距離いずれにおいても5.56mm弾薬に比べより強い殺傷効果だったが、弾頭重量が115グレイン、および弾頭の空力特性が並だったため、弾道性能と風に抗する能力では5.56mm弾薬に比べごく少ない向上しかなかった。
6.8mmSPCはおよそ500mの距離で点目標に対応するのに充分だったが、弾道が湾曲しているため、より遠距離の正確射撃には適さなかった。そこでまた一部のマッチシューターと銃器メーカーが協力して新弾薬を研究開発し、M16にも1,000mの目標が正確射撃できるようにさせた。その結果6.5mmグレンダル(GRENDELとは神話伝説の中の怪物の名前)と命名され、この6.5mmx38弾薬の弾道はフラットで、風への抵抗力が強く、1,000m以内では甚だしきに至っては7.62mmx51のM80弾薬に比べより高い精度と殺傷効果を有した。
この2種の弾薬は宣伝によれば現有の5.56mmマガジンがそのまま使用できる。だが薬莢の直径を拡大し、もってより多くの発射薬を収納したため、1つの30連のM16マガジンに28発の6.8mmSPCあるいは26発の6.5mmグレンダルしか収容できず、しかももし戦闘中にマガジンが機能しなくなる問題が出ることを願わないならば、最も良いのはやはり専用のマガジンを使用することで、例えばPRI社がわざわざ6.8mmSPCのために生産した25発マガジンは信頼性が相当に高い。
(頑住吉注:次の3つはキャプションです。)
左から右に、7.62mmx51NATO、6.8mmSPC、5.56mmx45NATO
左から右に、7.62mmNATO、6.5mmグレンダル、5.56mmNATO
何種かのマガジン。左から右に、5.56mm30連マガジン、PRIの25連6.8mmマガジン、15連のPRIの6.8mmマガジン、20連5.56mmマガジン
総合的考慮
もし性能だけから考慮すれば、方案3が疑いなく最も良い選択である。しかし、5.56mm小銃とカービン銃を6.8mmSPCあるいは6.5mmグレンダル口径に換える投資は相当に高く、改変する必要があるのは単にバレルとボルトだけではなく、さらにマガジンを交換し、もって給弾信頼性を保証する必要がある。一方5.56mm軽機関銃をこの2種の新口径に換えるのはずっと困難で、コストもより高い。何故なら給弾機構の再設計が必須で、しかもさらに新たな金属ベルトを採用する必要がある。方案3は最も向上のポテンシャルを有するが、この方案はコストも最も高いのである。
コストと転換の複雑性の他、6.8mmSPCおよび6.5mmグレンダルを使用することのもう1つの欠点は弾薬の重量が5.56mmNATOに比べて40%増加することである。また、25連マガジンは通常2大ブロックの鋼板から構成され、このためそれらはM16の標準装備のアルミマガジンに比べ重いだろう。もし小銃手の弾薬の基本負荷を同じ重量に維持するなら、より大きな新弾薬の使用は携帯する弾薬の数量を減少させるだろう。そして弾薬の数量が減少すれば持続作戦能力や火力密度が下がり、かつ戦場での補給の圧力が増加し、甚だしきに至っては戦闘の勝敗に影響をもたらすだろう。例えば、一部のベトナム戦争に参加したことのある老兵は、多くの戦闘行動の勝利の功をM16小銃を使用する歩兵がM14小銃を使用する歩兵に比べより多くの弾薬を携帯できることに帰している。1人の兵士が10個の30連M16用マガジンを携帯できる時、全部で300発の5.56mm弾薬だが、同じ負荷の下で、彼は8個の25連マガジンに全部で200発の6.8mmSPCあるいは6.5mmグレンダルしか携帯できない。
しかし、携帯する弾薬は充分な数があることも要するし、また殺傷効果、貫通能力を併せ配慮することも必須であり、さらに武器のコントロール性およびその他の要素を考慮する必要があり、理想の口径は決して存在せず、このため妥協するしかない。
もし方案2、すなわち6mmx45あるいは6.5mmMPC口径を選択すれば、小銃に関して言えばバレルを交換する必要があるだけだが、機関銃は依然ボルトの交換と給弾機構の再設計を必要とし、少しも楽ではない。しかも性能の向上は限られ、継続してのグレードアップポテンシャルも方案3に比べ低いだろう。
要するに、方案3だろうと方案2だろうと、費やされる費用は相当に巨大で、しかも十数年の時間を要して徐々に兵士の手中の武器を交換する必要がある。一方5.56mmNATO弾薬はあれやこれやの問題があるが、まだ我慢できない状態には至っていない。米軍が金を費やす必要のある場所は多すぎ、新口径も何らスーパー武器ではなく、性能も質的飛躍を生まず、明らかに現在まだ新たな小銃弾薬に交換する切迫した需要はない。
興味深いのは、6.8mmSPCは何人かの特殊兵と弾薬メーカーによって共に研究開発されたものだが、この新口径に最も反対なのもまさに特殊部隊だということである。例えば一部のシールズ隊員の6.8mmSPCを試用した後の感覚は、慣れない、必要もない、というものだった。
アメリカでは、特殊兵は現役の兵士の中から選抜されてきており、こうした人は軍隊の中で最小でも2、3年就役し、しかも選抜された後の訓練量は通常部隊に比べより多く、このため彼らはとっくに5.56mmと7.62mmに慣れている。この時にもし突然彼らが後座力が5.56mmと7.62mmの間で、しかも弾道性能も全く異なる新口径を使用する必要が生じたら、こうした自らの戦術技術水準に非常に自信のある人にとってはごく受け入れ難いと言え、彼らの臨戦水準の発揮にも必然的に影響する。
しかもこうした新口径が7.62mm全威力弾薬に取って代われない以上、もし小分隊内の5.56mm武器を全て6.8mmSPC武器に換えても、元々の7.62mm武器には依然取って代われず、かえって弾薬携帯量を減少させ、口径の変更は逆にメリットよりデメリットが大きくなる。
やはり最大限の改良の上5.56mmx45の使用は継続し、補給や兵士間の弾薬の交換に不便をきたしても7.62mmx51を使用する銃の割合を相対的に増やすのが最善ということになるんでしょうかね。