スホーイー35購入は何のため?

 またスホーイー35購入を批判する声に対する「言い訳」的記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20151123/20801496.html


中国は何故24機だけ買うのか:神殿を降りたスホーイー35 (頑住吉注:「神殿を降りた」というのは神格化された状態から客観視されるようになる、みたいな意味らしいです。)

今週、中国の軍事マニアにとって最も重要な情報として中ロが「またしても」スホーイー35戦闘機購入契約を締結したこと以上のものはない。同様な情報が過去10年あまりのうちずっと、アジア太平洋地域の安全保障業務に関心を注ぐ関係者を悩ませ、繰り返しの「狼が来た」の後であるため、中国のスホーイー35購入に対する真の態度と意図が、かえって探求に値する話題となっている。

神殿を降りたスホーイー35

今週木曜、中国とロシアは協定を締結し、24機のスホーイー35戦闘機を購入し、契約の総額は20億アメリカドルで、これには生産ライセンスは含まれず、中国軍専用にオーダーメイドされるタイプでもない。類似の情報は過去長年来ずっと異なるロシアメディアによって繰り返し大ニュースとして報道され、あんなにも何度もの「狼が来た」を経歴した後、すぐにこのような情報を信用させようというのは明らかに非常に難しい。中国方面は決してまだ公式なルートを通じてこの情報を事実確認していない(中国軍では通常装備を購入し正式に配備した後でのみ、ニュース報道内の画面によってこの契約の存在が実証される)。このため今回の契約は、以前メディアによって繰り返し騒がれた何度かのいわゆる「契約」と同様、暫時やはりメディア界の「伝聞」としてしか存在しない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシア軍事工業総合体が発表したスホーイー35生産計画。コードナンバー0319-0402、0417-0506、0601-0610は中国に輸出される」)

だがこれは確かに我々が聞いた、中国がスホーイー35戦闘機を購入することに関する「伝聞」の中で最も信頼できるものである。中国共産党中央軍事委員会副主席の許其亮は、中航工業集団社最高責任者の林左鳴を含む高級軍事代表団を率いてロシアを訪問中であり、中ロの1年に1度の各種軍事貿易プロジェクトの談判や契約締結も、毎年年末というこの時間に行われる。許其亮がさらに「目的性を持って」スホーイー35戦闘機とセットになる117Sエンジンを生産するウファエンジン生産連合社を視察したこと、今回ロシアの報道の中でさらに未来の戦闘機の生産計画などの関連の情報が発表されたことを加え、さらに今年6月もうあるロシアメディアが解放軍総装備部当局者が再度ロシアに赴いてスホーイー35戦闘機を考察したとし、そして中国空軍飛行員がロシアに赴いて養成訓練を受けたというニュースを考慮するならば、今回の報道にはいまだかつてなかった高度の信頼性があると言える。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「許其亮がロシアを訪問」です。)

スホーイー35の具体的性能に関し紹介する文章はとっくにたくさんあり、その中には性能を誇大化する部分が少なくないが、この機の性能は解放軍の絶対多数の現役戦闘機より優れており、甚だしきに至っては一部の性能(主に飛行性能)は解放軍が研究開発中のいくつかの第4世代半戦闘機より優れているという事実は非常にはっきりしている。筆者が今回深く検討したいと思っているのは、購入と談判の時間の問題である。

もしさかのぼるならば、中国がスホーイー35を購入しようとしているとの情報は前世期末までさかのぼることができるが、今世紀に全面改良された新たなスホーイー35の出現後、近年来中国がスホーイー35戦闘機を購入することに関する情報はほとんど何ヶ月かに1回もう伝わり、毎回必ず権威あるもので、2013年3月のある伝聞は中央テレビを驚き動かしさえした。また外国メディアは中国の中央テレビがこの購入項目を報道したがゆえに、購入プロジェクトはすでに「欽定」(頑住吉注:この場合は当局による最終決定くらいの意味でしょう)と考えたが、結果は依然光打雷不下雨(頑住吉注:大山鳴動し鼠一匹すら出ないといったところでしょうか)だった。注意に値するのは、当時のニュース報道もいわゆる24機の戦闘機、20億アメリカドルという購入内容で、しかも詳細な内容も今回とそっくり同じだったことである。その後の遅延に関し、メディアは中ロが中国の機載武器に適合する特殊バージョンを生産するか否かの談判をめぐってだと説明した。だが今回の「最終」契約成立から見て、いわゆる国産武器バージョンは話し合いがまとまっておらず、まったく談判されていないかもしれない。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「2000年、スホーイー35UBとスホーイー47という2機のかつての『女神』が揃って飛ぶ」です。ちなみにスホーイ-47は試作で終わった前進翼機ですね。)

この種の2半年あまりを経たにもかかわらず、談判にほとんど進展がない状況が出現したのは、中ロの談判の中でのいくつかの食い違いの他、スホーイー35戦闘機自体の状況も重要な影響する要素だった。もしスホーイー35のここ何年かの就役状況を整理すれば、この第4世代と第5世代の間を介すると考えられている「中ランク」戦闘機は、ロシア軍内での使用が押し広められているにもかかわらず、スムーズと言い得るにはほど遠いことに難なく気付く。

2009年8月、ロシア国防省はスホーイ社と正式にスホーイー35を国家が購入する契約を正式に締結し、共青城飛行機製造工場によって2015年までに48機のスホーイー35戦闘機をロシア軍に引き渡すことが予定された。この計画は当初進行がまだスムーズだった。2011年にスホーイ社は最初の2機のスホーイー35量産機を引き渡し、2012年には8機を引き渡した。この2回10機は作戦部隊には引き渡されず、929国家試験飛行センターに支給されて国家合同試験が行われた。だがこうした飛行機には少なからぬ問題が存在し、異なる飛行機間に相当な差異が存在し、試験飛行結果も軍の要求に達しなかった。このことは2013年に生産されたスホーイー35戦闘機が同年年末になっても引き渡されないようにさせた。関連の問題が解決された後、2014年2月、前年に生産された12機のスホーイー35がやっと改良後に929国家試験飛行センターと第23戦闘航空兵団に引き渡され、かつ同年年末また第23航空兵団に向けもう12機のスホーイー35が引き渡され、それを満編成状態に到達させた。2015年に引き渡されるべき最後の14機のスホーイー35に関しては、現在になってもそれがいつロシア空軍に引き渡されるのかに関する情報はない。国家総合試験に関しては、今年終わる計画であるが、今に至るも関連の報道は見られない。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「ロシア軍の新たなスホーイー35の1号機」です。)

国家連合試験の中で遭遇した挫折を考慮しなくても、すでにスホーイー35戦闘機を装備して2年近い第23戦闘航空兵団はやはり戦闘力形成までまだ少なからぬ距離がある。2014年および2015年の航空ダーツ競技の中で、スホーイー35戦闘機はいずれも開幕式のデモンストレーションに参加したが、競技には決して投入されず、モスクワの閲兵には参加したが、今に至るも依然共青城のゼムジー飛行場に配備されている。某いくつかのメディアが誇大宣伝するいわゆる「極東に配備し中国に防備する」、あるいは「中国東北と面と向かう」といったような陰謀論とは異なり、ここに配備される主要な原因はこの飛行場がスホーイー35のメーカーである共青城飛行機製造工場の試験飛行用飛行場で、工場との距離が遠くなく、こうした技術的にまだ完全に安定していない飛行機に遅れず維持修繕メンテナンスするのに便利だということに他ならない。

もう1つの事情もスホーイー35の現在の技術的成熟度を証拠づけることができる。ロシア空軍は2013年にスホーイー30SM戦闘機の受領を開始し、時間的にはスホーイー35に比べて1年に満たない時間早いだけだったが、スホーイー30SMを装備する部隊は1年後にはもうクリミアに進駐し実戦配備を行っただけでなく、さらに今年は遠くシリアに赴いてロシアの空襲部隊のために援護を提供している。

このことから見て、前回中央テレビが中国のスホーイー35購入を「欽定」した時、この機は実際には量産後の国家試験中に種々の問題を暴露しつつあったのである。こうした問題は飛行機自体だけでなく、メディアによって中国が最も獲得したがっているとされる117Sエンジンが遭遇した信頼性問題もあった。ある情報は、解放軍のロシアに赴いた考察人員は密かに、117Sエンジンの信頼性を初期の状態が良くなかった「太行」エンジンと同列に論じたとし、このことは側面からこの問題を実証してもいる。スホーイー35を第一線の戦闘機として購入したい中国軍にとって、この機に技術不安定、不成熟の兆しが出現する時、さらに一歩の視察と深入りした談判が疑いなく必要な慎重さだと言える。

(頑住吉注:これより5ページ目。1枚目の画像のキャプション。「スホーイー35の117Sベクトルエンジン」 続いて2枚目。「117SエンジンはT-50上でもう何度も出火事故を発生させている」)

某何人かの軍事評論員が繰り返し誇大宣伝するいわゆる「中国はスホーイー35のライセンス生産を追求したができなかった」あるいは「中国は100機以上のスホーイー35の購入を迫られてやっとロシアとコピー生産を談判した」、甚だしきに至っては「スホーイー35を購入すること=中国の軍事工業水準は低すぎる」は、むしろ軍事マニアたちが作り出した感情的な推断のようである。中国航空工業に関して言えば、かつては大量の精力をスホーイー27SKおよびその関連技術をコピーしまた飲み込むのに消耗したが、時今日に至り、中国はすでに殲ー11D、殲ー16などを含む大型第4世代半戦闘機を研究開発中であり、飛行性能上推力ベクトル技術を応用していないためスホーイー35に遜色があるが、機載武器、飛行性能(頑住吉注:変ですけど原文ママ)、航空電子性能の上ではいずれも全面的にスホーイー35に接近し、少なからぬ領域はさらに超越している。次世代機殲ー20はすでに少量試験生産を開始し訓練大綱作成に用いる状態に近く、技術的に先んじた性能を持たない戦闘機技術の導入は、国内の科研製品との互換できないだけでなく、絶対的な必要性も欠乏している。

(頑住吉注:これより6ページ目。画像のキャプションは「ネットに伝わる殲ー11D原型機の画像」です。)

スホーイー35の導入は中国にとって、その意義はいくつかの性能が先進的な第4世代半戦闘機を提供し、もって国内戦闘機の生産能力不足の問題を補い、同時に国内大型第4世代半戦闘機全面装備前、中国空軍に2から3年前倒しで第4世代半戦闘機を装備させ、かつ第5世代戦闘機装備後の補充とさせることができる、というところにあると言える。一方航空工業に関して言えば、スホーイー35戦闘機のライセンス生産の全面導入あるいは作図してのコピー生産はいずれも必要性に欠けるが、ロシア航空工業の現在の実用戦闘機の最高峰を代表するスホーイー35であり、それに対し全面的考察を行い、ロシアの各種航空技術製品の近年のレベルを理解し、かつ国内の関連製品の改良、研究開発のために参考と啓発を提供することは、依然非常に必要なことである。特にこの機のすでに実用化されたベクトルノズルを総合した飛行コントロールシステムは、今に至るも同類技術を大量試験していない中国航空工業にとって価値はいわずとも明らかである。24機しか購入しないことに関しては、疑いなく中国方面のスホーイー35に対する態度を説明している。すなわち、一気に大量購入して生産ラインを導入するつもりでは決してなく、国内戦闘機研究開発、生産の状況を根拠に、柔軟にスホーイー35戦闘機の購入状況を調整するのである。


 中国にはロシアに勝る得意分野がいくつかあると自称しており、それをスホーイー35の技術と結合させればより優れた戦闘機ができるはず‥‥ですかね。














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