ウクライナ問題最大の勝者は中国?

 本題以外にも気になる記述がありました。

http://military.china.com/news2/569/20140921/18803784.html


ロシアの新聞:ウクライナがロシア向け軍事工業製品の輸出を禁止 あるいは中国が得をするか

参考情報ネット9月21日の報道 ロシアの週刊「軍工信使」は9月17日にニコライ ノウェイチコフの文章を掲載し、題名は「ポロシェンコ、軍事工業企業に禁止令を発する」で、サブタイトルは「ウクライナ危機の最大の勝者は中国」である。以下のように要約する。

ウクライナ南部の戦事は不断にエスカレートし、キエフ当局は頑固に平和的ルートを通じての衝突の解決を望まず(頑住吉注:ロシアではこんな風に報道されてるんですね)、「このことは誰にとって有利なのか?」と問うのを禁じ得ない。ウクライナ軍事工業企業が何を捨て何を取るかも関心を注ぐに値する。ずっと前から彼らはずっと外国に向けソ連解体後に残された各種武器を投げ売りすることに頼って生活している。その大部分の輸出収入はロシアから来ており、ロシアはウクライナ軍事工業企業から少なからぬ部品や細かい付属品を購入した。

現在状況には根本的な変化が発生している。ウクライナ国家安全保障・国防委員会は2014年8月27日、「国家の軍事技術政策を完備させることに関する措置」の決定を通過させ、ウクライナ大統領はすでに命令を発布してこの決議に効力を発生させており、かつ政府が措置を取ってロシア向けの軍事工業製品と軍民両用製品の輸出を停止し、宇宙技術製品は除外するよう指示している。

これは決して人を意外には感じさせない。少し前ウクライナ政府はすでにこの種の決定をなしていた。ロシア工業貿易省の大臣デニス マントゥロフは、「今年3月にはもう制限令があり、我々はこれに対しすでに適応している。どんな武器の部品が事実上すでに提供されないのか分かっている。このためあらゆる必要な決定を通過させ、輸入の代替方式を採用し、ロシアでこうした武器の部品を生産している。」と語る。

彼は、輸入の代替計画はすでに制定されており、2年半の時間内にエンジンを生産し、最多で3年半の時間を用いて艦船用ガスタービン装置を生産することを希望している、と語る。

ロシアの輸入代替計画の主要な特徴は、全く新しい技術方式を用いて元々ウクライナで生産されていた部品を生産することで、俗っぽく言えば塞翁が馬で、このことは非常に大きくロシア軍事工業企業のさらなる一歩の発展を押し動かすことになり、同時にロシア向け軍用および軍民両用製品の輸出が禁止されるため、ウクライナの国防工業体系は崩壊することになる。

ロシア戦略・技術分析センター主任ルスラン プーホフは、ウクライナ軍事工業企業にロシアの発注がなければ生活してゆくことはできず、何故なら西側はその製品を必要としないからだ、と語る。「戦争は遅かれ早かれ終わり、その時ウクライナ国防工業および機器製造業はもうお陀仏だ。現在の経済の形勢の下では、ポロシェンコは自らの約束の言葉を果たすことはできない。2015〜2017年の期間に30億アメリカドルを捻出してウクライナ軍を装備し直し、装備を更新する、というもので、金の出所がない。国内の発注ではロシアの発注に取って代わることはできない。」

現在まだキエフ政権に忠誠を尽くしているウクライナ国防工業はすぐ自らの立場を変えるだろう。やっていけない企業は救済を必要とし始めるが金がない。プーホフは、これは先見の明のない決定であり、長い目で見ればポロシェンコ一派は非常に高い代償を支払うことになる、と語る。

ウクライナの軍・軍の民間転用・軍縮研究センター主任ワリャンチン バデラクは、「大まかな評価によれば、ウクライナの軍事装備は古くてしかも多数は使えなくなっているもののまあまあだ。このため我々は西側諸国に軍事技術援助を提供し、もって新しくより良い武器を得るのに便とする要求を堅持している。」と考える。彼のこの話は、政府が東部の軍隊のために本国製の武器を購入する問題に関して回答する時にされたものである。この決定のウクライナが武器輸出契約を履行することに対する影響に関し評論する時、彼は自分の知るところによれば、契約は基本的に凍結されている、と語った。

8月26日ウクライナ政府は、ウクライナ国防工業社が生産した軍事工業製品を緊急に購入し、もって直ちに戦闘地域に向け武器を提供するのに便とすることを決定した。内閣緊急会議は48時間以内に国防省の倉庫内から武器を提供して軍、国民防衛隊、対テロ行動に参加するあらゆる部隊に与えることを決定した。政府はさらに直ちに武器を修繕しまた改良することを要求した。

ウクライナ国家安全保障・国防委員会主席アンドレイ レイシェンコはやや遅い時期に、大統領の指示を執行するため、ウクライナ国防工業社の企業を「三交代」に改め、40%の生産量向上を勝ち取る、と語った。この会社の傘下には134の軍事工業企業があり、軍事装備の研究開発、製造、維持修繕に従事している。

ウクライナの著名な武器専門家ルビアン ヨハンソンの視点は関心を注ぐに値する。彼はキエフとモスクワの関係の冷却の中からまずメリットを得るのは中国であると考える。危機的な情勢ゆえに、ロシアに対してもウクライナに対しても、中国の武器貿易、共同研究開発、武器評定の中でのパートナーとしての作用が非常に大きく高まる。過去ロシア・ウクライナ両国はいくつかの軍事工業プロジェクトの上で密接に協力していたが、現在協力は終わっている。ロシアとウクライナはいずれもかつて中国をロシアとウクライナが合同で生産する武器の販売市場と見なしていた。専門家たちは、中国のいくつかの武器のロシア・ウクライナ技術に対する依存性は、中国の協力に対する興味を大きくしている、と指摘する。

ヨハンソンは殲ー11BH(頑住吉注:殲ー11の改良型殲ー11Bの海軍バージョン)戦闘機を例にする。これは中国の沈陽工業集団が生産するもので、8月19日にはアメリカのP-8哨戒機をスクランブルした。殲ー11は基本的にロシアのスホーイー27CK機をコピー生産したものである。初めて明るみに出たのは2010年で、この機は主に海軍の使用に提供され、防空と空中目標を迎撃する任務の執行に非常に適している。

キエフのある軍事工業企業の責任者は、殲ー11BHはスホーイー27を簡単にコピー生産したものではなく、この飛行機上のあらゆる無線電信、電子設備はロシアあるいはウクライナが生産したものである、と語る。当然、当局の言い方に照らせば機載レーダーは中国が自ら生産したのである。だが、実際にはそれはウクライナのノヴァトール工場で生産されたものなのである。それはスホーイー27に用いられる機載レーダーH001の改良型で、中国はより先進的ないくつかの部品に交換しただけである。

ヨハンソンは、アメリカや西欧の制裁ゆえに、ロシアの対外政策の中での中国の作用は高まり、このため北京はロシア・中国協力の中で石油・天然ガス、原料、軍事技術をより多く得ることになる、と考える。中国が新世代武器と技術の購入を希望する長期にわたる談判は勝利をもって終わりを告げる可能性があり、こうした装備と技術は中国国防工業を新たなレベルに進入させることができる。たとえば中国はコードネーム「117C」の航空エンジンあるいはスホーイー35多機能戦闘機を購入することになるだろう。モスクワはおそらく中国を、ロシアの経済を保証し得る唯一の資金のソースと見なすだろう。

だがヨハンソンの話は必ずしも同意を得られない。何故ならロシアの武器の大口の輸入商として単に中国だけがあるわけではないからである。ロシア国防製品輸出社総裁アナトリー イサイジンは、3年の期間(2016年含め)社はずっと130億アメリカドルの年販売量を保持している、と語る。社は2020年までの発展綱要を執行中である。「大統領と政府が批准した年度計画を執行中であり、2014年の業務は計画通り進行している。今後製品輸出が記録を作ることはないだろう。原因は皆分かっているが、ロシア自身の国防に関する発注が非常に多いからである。」 「きっと我が国の陸軍および海軍の装備更新を優先して保障する必要がある。生産能力はいささか過負荷であり、輸出もずっと増加しており、国際市場のロシアの武器に対する需要は生産能力を超えている。」

確かに、非常に多くの国が列をなしてロシアの武器を購入している。1990年代同様、最大の買い手は中国である。中国は世界で初めてロシアの最新式地対空ミサイルS-400を獲得する国となり、過去このミサイルは輸出が禁止されていた。続いて締結されるだろう契約にはスホーイー35多機能戦闘機およびセットされる攻撃武器、そして「アムール-1650」通常動力潜水艦のライセンス生産があり、中国はこれに対し早くから非常に大きな興味を持っている。

ロシアの軍事工業製品はさらに世界市場で先んじた地位を保持している。確かに、すでにウクライナの部品と付属品はなくなっている。(編集翻訳/ションイーメイ)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像は米軍の軍用機が撮影した中国海軍航空隊の殲ー11B戦闘機。翼下に霹靂-12および霹靂-9ミサイルの実弾が搭載されている。画像のソースはネット。」)

(頑住吉注:2、3ページ目)画像は殲ー10戦闘機が迅速に編隊で離陸するところ

(頑住吉注:4ページ目)画像は空戦から帰った飛行員が相互に交流しているところ


 窮地に陥ったウクライナはこれまで以上に中国に軍事技術を売ろうとするでしょうが、もはやめぼしいものはないという見方もあります。一方ロシアのスホーイー35、新型潜水艦、対空ミサイルの中国への輸出は日本にも大きく影響するはずです。「当局の言い方に照らせば機載レーダーは中国が自ら生産したのである。だが、実際にはそれはウクライナのノヴァトール工場で生産されたものなのである。それはスホーイー27に用いられる機載レーダーH001の改良型で、中国はより先進的ないくつかの部品に交換しただけである。」という記述の信憑性は非常に気になります。中国はステルス機に対抗し得るレーダーも含めたレーダー技術の進歩を強調していますが、ウクライナの技術によるところが大きいんでしょうか。
















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