殲-20の表面には何故リベットが見られないのか

 殲-20の構造上の特性について説明したページです。画像の右でクリックすると次のページに進みます。

http://tuku.military.china.com/military/html/2012-08-01/205256_2205268.htm


画像を解明! 殲-20の最も人を不可解にさせる部分

殲-20の出現後、これまでの戦闘機とは一変して機体全体にほとんどリベットが見られず、ある人はこれは外表面がステルス塗料層で覆われているからリベットが見えないのだと言っているが、実はこれは間違いである。

F-22もリベットを使っており、仔細に近くから見ればすぐ見つけることができる。

(頑住吉注:2ページ目)何故F-22のリベットは塗料層を使って完全にカバーして見えないようにすることができないのか? これはF-22の外皮はリベットに頼って1ブロック1ブロックリベット留めしているからで、リベットをカバーできないのは維持修繕の便のためである。万一外皮が脱落したら迅速にリベットを外して1ブロックを交換でき、しかも肉眼で機体の外皮にクラックがあるか否か判断することができる。

それでは殲-20には何故リベットが見られないのか? これは実は加工技術と関係がある。技術の進歩ゆえに殲-20の機体は大きな1ブロックのチタン・アルミ合金一体式鋳造を採用しており、さらに専用のプレス機でプレスして密度を上げ(この機械は2年前に研究開発に成功した。以前メディアがこの航空機機体プレス機は殲-20専用に研究開発されたものだと報道したことがある)、最後にデジタルコントロール工作機械でくりぬく。これも高精度のデジタルコントロール工作機械で、全体のチタン・アルミ合金鋳造部品(直径は3m以上に達するものが可能)をくりぬいて飛行機の機体の形状を作り出す。こうすれば機は外皮でさらにカバーする必要がなく、機体のフレームと外皮はいずれも1ブロックのチタン・アルミ合金として加工して作り出される。

(頑住吉注:3ページ目)このため殲-20には全くリベットが見られないのである。このような技術は機体強度を大幅に増加でき、しかも加工精度も大きく向上する。これは航空機の機体加工技術の革命的進歩である。これまでの航空機はステップバイステップで組み立てられ、まずチタン・アルミ合金のフレームを組み立て、フレーム間に穴を開けネジで固定し、その後さらにリベットで外皮を固定した。こうした技術は完全に手作業頼みで、精度のコントロールが難しく、しかももしどれかのネジにリベットによる締めがなく、あるいは老化がひどくなるとすぐ航空機全体の解体がもたらされる可能性があり、軽くても外皮が裂けて開口する結果がもたらされる可能性がある。このため航空機は全て静力破壊試験を行って設計強度に達しているか否か検査する必要がある。

(頑住吉注:4ページ目)しかも殲-20は新技術による加工を採用しているため、機体全体が一体で、最良の強度に達し、後に空中で高機動動作を行っても機体が解体するような状況の出現はもはやもたらされない。

殲-20は機体の加工ができた後、機体の表面にステルス貼片を貼り付ける必要があるだけである。下の図に注意されたし(頑住吉注:元の記事では写真が下にあったんでしょう)。殲-20のステルス貼片は1ブロック1ブロックと貼り付けられ、やや潜水艦の吸音ゴムブロックに似ている。もし以後どれかの貼片が脱落したら1ブロックを貼り直せばすぐOKであり、このようにすれば飛行機の維持メンテナンス作業が簡単になる。

(頑住吉注:5ページ目)殲-20のこの一体式加工技術は現在世界初の航空機への応用で、F-35もやはりリベットに頼って固定を行っており、ロシアのT-50は言うまでもなく完全に20年前の技術で、全く殲-20との比較可能性はない。

(頑住吉注:6ページ目)このためある航空機の先進性は表面ばかり見ても理解されない。殲-20は戦略的必要(大量の燃料を搭載し航続距離を延長する、また大型対艦ミサイルを搭載する)のため、非常に機体が長く設計され、このようにすると機体をもしこれまでの古い技術で加工すると、我々は肉眼に頼ってもすぐ機体のプロポーションが正しくないと感じ取ることになる(頑住吉注:それは加工技術に問題があるからでは)。機体が長すぎると、機体の中ほどは応力の薄弱な所で、ここが最も容易に折断する。だが新技術を採用すればこの欠点は完全に消し去られる(頑住吉注:戦闘機より機体が長い飛行機なんていくらもありますが、そうした機は一般に戦闘機のような激しい機動を行わないので強度に問題が出ることはない、ということでしょうか)。このため殲-20が世に問われたばかりの時、国外の専門家は皆不可解に感じた。だがひとたびその加工技術を理解すると、疑問は一気に解消した。

(頑住吉注:7ページ目ですが、これまでとは全く別の記事です)軍盲である私菜鳥はいくつかの基本理論と画像の助けを借りて、現在の世界にある数機種のステルス戦闘機の全方向へのレーダー波反射の状況について荒く浅く分析する(頑住吉注:「軍盲」とは軍事知識が足りないのに知ったかぶりして話したがる人のことだそうで、一種の謙譲表現ですね)。まず我々はこの説明図を見よう。

この説明図が示すのは、飛行機が水平360度の範囲にレーダー波を反射する状況である(普通機載レーダーの波長はミリ波である)。これはまさにステルス機の「全方向」に焦点を合わせているのであり、正常な状況下では飛行機のステルスに対しては水平360度の範囲内のレーダー波反射状況だけが考慮される。図から我々は、非ステルス機が全方向に反射するレーダー波がいずれも比較的強烈で、25dBsm前後であり、一方ステルス機は全方向のうちいくつかの極めて小さな角度の範囲内に強烈なレーダー反射があるだけで、その他の圧倒的多数の角度の範囲では反射されるレーダー波の強さはいずれも−10dBsm以下である(頑住吉注:カッコ内で単位の説明をしていますが全く理解できません。と言うかたぶんいろいろ調べて知識を補充しない限り日本語でも理解できないと思います)、ということを見て取ることができる。この画像はステルス機のステルスの方法も示している。すなわち受けたレーダー波を少数の極めて小さな角度の範囲内に集中して反射させ、敵に圧倒的多数の角度では見えないようにさせ、一方少数の角度では一瞬強烈な「反射光」があるという状態にし、レーダーが有効に探知計測、ロックオンできないようにさせるのである。

このため我々はステルス機の俯瞰図の輪郭が、互いに平行なエッジを追求していることを見る。このようにすれば散射が断面に沿って空中の背景に向けられる回折に変わり、その後こうした鋭角の断面を並行に設計すれば、散射と回折の方向が同じになり、戦闘機は特定方向に向けてレーダー信号を反射することになる。このようにすればレーダーは戦闘機の信号を補足できるが、特定方向への反射なので、キャッチされる信号は一瞬でしかない。角度が変わればRCSもまた急激に低下する。すなわちレーダースクリーンに表示されるのは時たま出現するちらつきでロックオンできない信号である。NATOの演習中かつてF-15が、F-22が目視できる距離にいるのにレーダーで探知計測される信号が依然、突然明るくなり突然暗くなって把握できないことが示されたのはまさにこれが原因である。

(頑住吉注:8ページ目)ここまで話せば我々は、ステルス戦闘機の全方向へのレーダー波反射特性の重要性をすぐ理解できる。続いて我々は具体的機種と画像を見てみよう。まずYF-23である(頑住吉注:F-22と競争試作された機で量産されず)。

私が書き込んだ翼面の平行線が見える。1つの色が1つの波系を表している。相互に平行な線は1つの波系で、機首が1つの波系、主翼左右が2つの波系、翼端が1つの波系と、全部で4つの波系反射特性であることが分かる。レーダー波は4つの特定方向に集中して反射され、この機はステルス戦闘機中反射波系が最小である。これはYF-23がステルス性の最良な戦闘機となっている原因の1つである。

YF-23は4つの波系反射特性を保証するため、菱型の主翼と一体化された全動複合尾翼を採用し、伝統的な意味での水平尾舵と垂直尾舵はない。傾斜した全動尾舵と多機能一体化フラッペロン(頑住吉注:フラップ+エルロン)が2つの役割を兼ね、相互に平行な輪郭は余計な波系を生み出さない。

(頑住吉注:9ページ目)今度はYF-22とF-22Aを見てみよう。

(頑住吉注:10ページ目)補充説明図。F-22の空気取り入れ口の菱型のエッジと主翼は相互に平行で、余計な波系を生み出さない。

(頑住吉注:11ページ目)YF-22およびF-22はいずれも8つの波系の反射特性で、レーダー波は8つの方向に集中して反射される。

(頑住吉注:12ページ目)次にT-50、PAK FAを見てみよう。

画像から見て、T-50は11波系に違いない。その全方向へのレーダー波反射特性はF-22に比べやや劣る。F-22の8つの波系より増加している3つの波系は次の通りである。2つの空気取り入れ口のそれぞれ1対のエッジと主翼が平行でなく、2つの波系を増加させ、尾椎(頑住吉注:医学的には脊椎の下端を指しますが航空機では不明です)が1つの波系を増加させ、全部で3つの波系が増加している。T-50の全動垂直尾翼に関しては現在正確な画像がないが、エッジは平行で余計な波系の増加はないに違いない。

このロシアのネット仲間からもらった図から見て、殲−20は10波系で、機の腹部の状況が現在不明確で、全動垂直尾翼の平行の状況も不明確で、これらが明確になれば12波系に増えるかもしれない。10波系という状況の、F-22の8波系に比べ増加している2つの波系は、主翼前の2つのストレーキである。

(頑住吉注:13ページ目)最後にF-35を見てみよう。F-35は10波系で、F-22の8波系に比べ増加している2つの波系は2つの垂直尾翼後縁がその他と平行でないためのものである。

このため単純に反射波系特性から言い、塗料や投影面積を考慮しなければ、全方位ステルス性能の順位はYF-23>F-22>T-50で、J-20とF-35、T-50とJ-20の反射波系特性はほぼ同じである。J-20はT-50に比べやや良好かも知れず、F-35の特性はT-50より良く、F-35とJ-20の特性は同等かも知れない。


 殲-20の機体が一体成型だというのには驚きました。しかし疑問もあります。戦闘機というものは当然攻撃を受けて機体が破損する可能性があります。全損してしまえばしかたないですが、例えば小口径機関砲弾や高射砲弾の破片によって比較的大きな穴が開いたらどうするんでしょうか。全ての場合に機体を全交換するとは考えられず(特に戦時においては)、一部のみ切り抜いて別の板を取り付けて修理することになるのだと思われます。普通の機体構造ならば、一部の外皮を新品と交換してリベット留めした場合、原則として元通りの強度になるはずです。しかし一体が前提の殲-20の機体の一部を切り抜いて別の板を取り付けたら元々より強度が低下するはずです。その機で無理な機動をすれば空中分解につながるかもしれません。どの部分をどのくらいの大きさで切り抜いて別の板を取り付けたらどの程度強度が低下するか、全て調べ上げるのは不可能ではないでしょうか。











戻るボタン