中国、「沿岸警備隊」を創設へ

 「海洋法執行機構統合」関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20130319/17735214.html


アメリカメディア、中国、沿岸警備隊を創設、規模はあるいは日本の海上保安庁を超えるか、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「我が国の現行の海上法執行力量は分散、検査の重複、建設の重複という問題が突出しており、法執行機能は高くなく、権利維持能力が不足している。」)

最近、中国の両会の召集は国内外のメディアの広範な報道をもたらした。この期間、中国政府は3月10日に国務院機構改革および職能変更方案を公布し、国家海洋局の再編が大規模な部、制度改革業務の重点の1つとなり、各方が関心を注ぐ一大焦点となっている。

方案によれば、中国の現行の海上法執行力量に分散、検査の重複、建設の重複という問題が突出し、法執行機能が高くなく、権利維持能力が不足していることにかんがみ、国務院は海上法執行力量に対し整合を行うことになり、改めて国家海洋局を建設し、もって海洋資源の保護と合理的利用を強化し、国家の海洋権益を維持保護する。調整の内容は次の通りである。現在の国家海洋局およびその中の中国海監、公安部の国境警備海警、農業部の中国漁政、税関総署の海上密輸取り締まり警察の隊伍と職責を整合し、改めて国家海洋局を建設し、国土資源部によって管理する。改組後、国家海洋局は中国海警局の名義で海上の権利維持法執行を展開し、公安部の業務指導を受ける。

3月11日、アメリカ海軍学院教授のアンドリュー エリクソンと安全領域の専門家ゲイブ コリンズは「ウォールストリートジャーナル」に評論の文章を発表し、中国は海上法執行力量を統一し、自らの沿岸警備隊を建設中であり、この挙は東海および南海の領土をめぐる争いに対し重大な意味がある、とした。

文章は、非常に多くの外界の分析者は中国の急速に発展する海軍に関心を注ぎすぎているが、短期的に中国の周辺海域における行動に対する影響が最大なのは、現在進行中の大規模な部、制度改革である可能性が高く、これは中国にアジア最大の沿岸警備隊を建立させることになる、としている。中国の海上民事法執行隊伍は現在先端的能力方面で依然、この地域で規模が最大、実力が最強の日本の海上保安庁に立ち後れているが、総数から言えば各部門の法執行船隊が持つ大型巡視艦と巡視艇はすでに基本的に日本と互角である。なお長年を必要として完備されたものにできる空母戦闘群に比べ、中国初の沿岸警備隊に統一して編入される各部門は、「現在すでに積極的に運用されている」のである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「海洋資源の保護と合理的利用の強化、国家の海洋権益の維持保護のためには、海上法執行力量の整合が必要である。」です。)

過去長年にわたって、中国の五大民事海洋法執行機構は異なる部門に隷属し(すなわち公安部の公安国境警備海警部隊、交通部の中国海事局、農業部の漁政局、国土資源部の国家海洋局、そして税関総署)、このため「五匹の竜海を騒がす」の称号を奉られていた。今、4匹の竜は新たな国家海洋局の旗の下に合併されようとしており、第5匹目の竜である中国海事局だけが「方案」の中でまだ言及されていない。

将来あるいは日本の海上保安庁を超えるか

エリクソンとコリンズは、過去長年の関連の思考と実践の経験は、今回の改革が「すでに強力な政治の支持を得」ており、しかも「中国の海上法執行能力の実質的向上を成功裏に実現する可能性が非常に高い」と考える。

文章は、より強力な中央による統制は新たに成立する海警部隊が国家の目標実現を促進し得ることを確保し、同時にまた個別の指揮官に縛りをかけ、海上の衝突のエスカレートを引き起こす可能性のある軽率な挙動をなすことを避けることもできる、と考えている。

筆者は次のように指摘する。日本はずっと前からすでに、軍艦の動員に比べて、沿岸警備隊の有効な使用は反対にあうことも、衝突をエスカレートさせるリスクも少ない、ということを意識するに至っている。事実として、日本メディアの最近の報道によれば、日本政府の釣魚島国有化後、前首相野田佳彦はかつて海上自衛隊に、中国船舶が釣魚島周辺海域に進入した時は「視野の範囲の外で待ち」、海上保安庁の船舶によって「第一線の役割が演じられる」よう命令を下した。

今、日本の海上保安庁に似た「多用途」の沿岸警備隊の建設によって、中国も自身の選択を多様化させる努力をしているところである。文章は、中国の民事海洋部門は「大規模な造艦ラッシュの真っ最中にあり」、今後5年内に新たに36隻の近代化された大型巡視艦と巡視艇が増える可能性があり、「少なくともいくつかの判断基準に照らせば」、その時地域最大の沿岸警備隊を持つことになる、としている。高度に先端的な軍艦に比べれば、民事法執行船舶も機械的安定性および海上行動の耐久性を要求しはするが、より簡単で廉価であり、建造もよりスピーディである。こうした要素はいずれも中国の多くの強大な造船工場に、「必要のある状況下で迅速に大規模生産を行う」ことを可能にさせる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取っただけなので省略します。)

一部の日本の安全保障業務分析者はすでに心配している。2〜3年しか必要とせず、中国の沿岸警備隊ははもう釣魚島海域向けに、「数が日本の海上保安庁の受け入れ範囲を超える」法執行船舶を配備できる、と。データは、2012年4月1日までに、日本の海上保安庁は全部で448隻の艦船と73機の飛行機を持っており、これには51隻の1,000トン級大型巡視艦が含まれることをはっきり示している。一方中国の海上法執行船隊はすでに47隻の同クラスの艦船を持ち、しかも2015年になる前にさらに「少なくとも20隻が新たに増える」。

戦略的意義は深遠

文章は、中国国家海洋局の再編という作業は種々の困難に直面することになる、と考えている。このうち最大の未知数は、上層部の改革に関する決定が5大海洋法執行部門内部に断固たる決意性を持った支持者を説得して作り出し、しかも充分多くの「飯の種」を打破し、もって整合作業の有効な進行を確保できるか否かである(頑住吉注:要するに既得権益を持つ者の抵抗ですね)。もし改革が成功したら、合併後の中国海警がいかにして装備とその他の能力の不足を処理するかも早急な解決が待たれる問題となる。

中国の民事海洋法執行部門に対する整合は、北京が地域の海洋の衝突にごく短時間での解決を得ることは不可能だと考えていることを示す。ある日本の評論は、中国のそれぞれ関連のない海上法執行機構と統一した指揮の欠如は、「東海の安全情勢を極めて複雑化させている」と考えている。だがエリクソンなどの人は事実は決してずっとこうだったわけではないと考えている。2009年3月8日、中国海軍、海監、漁政およびその他の政府部門の船舶はかつて相互に緊密に協力し、「中国沿海の公海海域の、1隻の非武装のアメリカ政府測量船を有効に妨害した」(すなわち「Impeccable号」事件)。だが文章は、中国の危機の中でのリアルタイムな決策と管理能力は確かに非常に大きな困難に直面している、と考えている。今回の改革の矛先はこの深刻な問題を真っ直ぐに指しているが、国家海洋局がいかにして新しい竜を飼い慣らすかに関しては、まだ観察が待たれる。

文章は、より一貫性のある民事海上法執行能力の発展は、中国の核心的戦略利益に符合する、と指摘する。中国にぴったりと接する東海および南海海域において、北京が直面する非常に多くの安全上の脅威は、海賊など非伝統的形式である。また、より統一された指揮体系は、中国海洋法執行の行動の効率をも極めて大きく向上させる。例えば、中国海事局上海救援協調センターには、リアルタイムで海事局船舶の所在する位置を表示できる船舶追跡システムが1セットあるが、このシステムはその他4つの海洋法執行機構の船舶を表示することができない。国家海洋局の再編後、上層部の監督と指揮の合併は、このような不足の克服の助けになる。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションはやはり本文の一部です。)

筆者は次のように考える。時間の推移と共に、統一された中国の沿岸警備隊は行動上、そして地理的に不断に開拓展開し、北京の「グレーシップ(軍艦)ではなくホワイトシップ(民事法執行船舶)を使った」領海をめぐる争いへの対応能力を向上させることもできる。この種のやり方は海洋法執行専門家ライル ゴールドスタインによって、「非軍事的エスカレート」と呼ばれ、その挙動は抑制的で、伝達される情報は比較的適度である。例えば、アメリカの沿岸警備隊はグローバルに活動を展開している。中国のグローバルな海洋の利益が不断に拡張中であること、しかも北京が「その法律を国境外での活動に適用することを考え始めている」ことを考慮すれば、合併後の海警局はあるいはより広範な任務の執行を勝ち取れるかもしれない。

また文章は、漁業管理、海賊、テロリズムやその他の非伝統的脅威への対応などの領域において、中国は日本、韓国、アメリカ、インドなどの国と共通の利益を持つ、と指摘する。この方面から言えば、国内により集中した接触ポイントを設立することは、中国と他国がより緊密な協力を行うことを促進できる。

文章は、将来中国が機構の合併と協調方面の困難を克服できさえすれば、新たな海洋法執行船隊は北京により多くの行動の可能性を持たせる、と考える。中国の沿岸警備隊の発展の方向、未来における規模および任務は、北京の外海計画の重要な目印となる。(徐寅)

(頑住吉注:5ページ目)海洋業務の統一した計画配案と総合的な協調を強化するため、「方案」は高いレベルでの議事協調機構である国家海洋委員会を設立し、国家海洋発展戦略の研究、制定と、海洋の重大な事項の統一した計画配案と協調を担当させることを提示している。

(頑住吉注:6ページ目)中国海警局は国家海洋局に隷属し、単に形式から見ればそれは以前分散していた力量を整合し、共同で海上法執行を行うに過ぎず、総体として行政法執行、公務法執行の職能を保持する。だが日本の海上保安庁、韓国の海上警察庁には軍事化という特徴があり、海上警察部隊に属し、それらはある時には軍事法執行の職能を担当する。このため、力量から言えば、中国と日本、韓国のそれにはまだ比較可能性はない。

(頑住吉注:7ページ目)中国海警局が公安部の指導を受けること、国境警備海警が加入することは、海洋巡航法執行の力の強さに対して間違いなく強化である。結局のところ国境警備海警は武装力量に属し、巡航する船舶上には武器が配備され、海警は一定の規律と戦闘力を持つのである。

(頑住吉注:8ページ目)中国海警局が成立後にいかに法執行を行うか、将来の発展方向はどこかに関しては、まだ確定できない。その性質、引き受ける機能、各部門の具体的分業を、現在関連部門は発表しておらず、これも次の段階で真面目な研究を必要とする問題である。


 既得権を持つ者の抵抗云々は中国の政治システムからして中央が力づくででも抑えてしまえるのではないかと思われ、この種の強力な組織が誕生する可能性は非常に高いでしょう。

















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