中国空母戦闘群の具体的組成を予想

 アメリカの空母戦闘群との比較や最近の新たな駆逐艦、護衛艦などの登場から、「遼寧艦」を中心とする空母戦闘群の具体的内容と戦力を予測し、問題点を検討した記事です。

http://tuku.military.china.com/military/html/2013-03-14/214000_2324187.htm


中国海軍、初の空母作戦群を建設へ!

(頑住吉注:旧暦の)新年早々、遼寧号空母は大連造船工場に別れを告げ、青島の海軍基地に赴いて正式に加入した。このことは我が国海軍空母がすでに戦闘力形成段階に入り始めていることを表している。

我が国の海軍にとって、次の一歩の作業は2つあると言える。1つは艦載機飛行員を養成訓練し、艦載機の陸上基地から艦載への発展変化を完成すること。もう1つは空母艦隊を編成し、空母が最終的に実戦に向かうための確かな基礎を打ち立てることである。

我々はある空母の戦闘力はその艦載機によって決まることを知っている。だが一般に空母を実戦に投入できるか否かは、その航路護衛艦隊によっても決まる。何故なら空母は現代の海戦で最も威力ある水上艦艇として、海軍作戦能力の核心、そして中核であり、当然相手方の重点的な攻撃目標にもなるからである。このため戦時の空母は相手方の空中、水上、水中から来る全方位の攻撃を受ける可能性があり、特に対艦ミサイルが大流行な今日、単純に艦載機自体に頼ったのではこのような攻撃を食い止めることは非常に難しい。このため空母は充分な航路護衛艦艇を必要とする。また、空母および艦隊の艦艇は平時であろうと戦時であろうと必要とする物資、燃料は驚異的であり、このためさらに総合補給艦を必要とする。まとめると、ある空母を実戦に投入できるか否かに関しては、空母自体と艦載機以外に、さらにそれに組み合わされる航路護衛艦艇を見る必要があるのである。

(頑住吉注:2ページ目)アメリカ海軍を例にすると、その空母艦隊は空母1隻、空母2隻、甚だしきに至っては空母多数などの異なる類型に分かれる。1992年にアメリカ海軍は、臨時に行政によって兵力を組み分け、抽出して空母艦隊を編成するやり方を一変させ、全ての空母、大部分の水上戦闘艦、一部の原子力攻撃型潜水艦と空母艦載機を組織し、統一して12の常設の空母戦闘大部隊に編成することとした。それぞれの空母大部隊は1隻の空母、8〜12隻の水上艦艇、2隻の原子力攻撃型潜水艦を含み、総数は12〜15隻に保持された。だがたった1年の時を隔てただけで、アメリカはまた空母戦闘大部隊の標準編成を1隻の空母、2隻の「タイコンデロガ」級巡洋艦、2隻の「アーレイ・バーク」級駆逐艦、2隻の「スプールアンス」級駆逐艦、2隻の「ロサンゼルス」級原子力攻撃型潜水艦および1隻の総合補給船に改め、全部で各型の艦船は約10隻となった。

(頑住吉注:3ページ目)1996年、アメリカはまた空母戦闘大部隊を核心的空母戦闘大部隊に改め、1隻の空母と2〜3隻のミサイル巡洋艦を核心とし、具体的作戦任務を担う時にそれぞれの大部隊にさらに4〜7隻の水上戦闘艦、1〜2隻の原子力攻撃型潜水艦、1〜2隻の後方勤務艦船を配属するようにした。2003年、アメリカ海軍は空母兵力の快速反応能力および配備能力を向上させるため、再度空母艦隊の編成に対し全面的な改組を行い、規模をさらに一歩縮小した。各空母艦隊内の航路護衛艦艇は5〜6隻まで減らされ、標準編成は空母1隻、「タイコンデロガ」級ミサイル巡洋艦1隻、駆逐艦2〜3隻、原子力攻撃型潜水艦1隻、快速支援戦闘艦1隻となった。

(頑住吉注:4ページ目)では我が国海軍の空母艦隊はいかに編成されることになるのか? 最近の我が国の海軍主力艦艇の建造と就役から見て、我が国の遼寧号空母艦隊の編成は次の通りである可能性がある。遼寧号空母、4隻の052Cあるいは052D防空ミサイル駆逐艦、2隻の052B汎用型ミサイル駆逐艦、2〜4隻の054A型護衛艦、1〜2隻の093型原子力攻撃型潜水艦、1隻の総合補給艦。空母全体では殲ー15作戦機22機、直ー18早期警戒ヘリ4〜6機、Ka-27対潜ヘリ12機前後を搭載できる。

以上の編成によれば、遼寧号空母は防空において上空に3本の防衛ラインを形成することができる。第1本目は直ー18早期警戒ヘリと殲ー15艦載戦闘機によって組成される。直ー18は空母の艦載フェイズドアレイレーダーとの組み合わせの下に艦隊周辺の空の状況に関する情報を掌握する。関連資料によれば、直ー18は空母からの距離100kmの時、戦闘機サイズの目標に対し150〜200km程度の探知計測距離が提供できる。一方殲ー15は4発のSD-10、および2発の霹靂-8空対空ミサイルを配備した状況下で、第1、第2発進ポイントから飛び立ち、空母から距離250kmの場所で2時間前後の巡航が持続できる。

(頑住吉注:5ページ目)現在、大多数の国が装備する対艦ミサイルの射程も200kmである。このことは、それらが遼寧号空母の作戦範囲に進入することが必須で、それでやっと攻撃を発動できることを意味している。水上艦艇はミサイル発射を終えれば迅速に退避、離脱できるとしても、対艦ミサイルは中継制御誘導があることを必須とし、それでやっと攻撃を完成させることができる。このため殲ー15は直ー18の指揮の下にこうした中継制御誘導機(一般に艦載ヘリあるいは海上哨戒機)を攻撃することができ、したがってこうした対艦ミサイルの中継制御誘導システムを失わせ、目標を攻撃できなくする。甚だしきに至っては計画的に組織された殲ー15に相手方の戦闘区域の海上で情報を収集する飛行機に対し攻撃を行わせ、相手方の戦闘区域の水上情報獲得能力を削減することもできる。こうすれば相手方の対艦攻撃能力は根本的に弱められる。

対地攻撃方面では、殲ー15の第1、第2発進ポイントからの最大離陸重量は29トンであり、19.5トンの空虚重量、4発のSDー10と2発の霹靂-8空対空ミサイル、加えて飛行員と航空機関砲の弾薬およそ2トンの重さがあり、これを差し引けばこの機の有効搭載重量はおよそ7トン前後である。もし800kmの作戦半径を保証したければ、この機の搭載燃料は5トン前後とすべきであり、こうなれば2トンの対地攻撃武器しか搭載できない。2発の雷石-6のような500kgクラス正確制御誘導爆弾2発およびセットされる指令吊り下げポッドは搭載できる。国産のCM-506KG小直径射程延長制御誘導航空爆弾を配備すれば、搭載弾数は4〜6発まで増加させることができる。

(頑住吉注:6ページ目。なおこの前の「対地攻撃方面では〜」は本来もっと後に入る内容のような気がするんですが)第2本目の防空ラインは052C/D防空ミサイル駆逐艦に搭載される紅旗-9中距離艦対空ミサイルによって組成される。海外資料によれば、紅旗ー9は指令+中継慣性+終末段階でのアクティブレーダー制御誘導方式を採用しており、最大射程は125〜200kmで、多目標攻撃能力を持っている。一般に052C型防空ミサイル駆逐艦は48発の紅旗ー9を搭載でき、同時に12以上の空中目標を攻撃でき、その防空能力はすでに世界先進レベルに到達している。艦隊に4隻の052C/D防空ミサイル駆逐艦があるとして計算すれば、それらは192発の紅旗ー9ミサイルを配備し、同時に48の空中目標を攻撃できる。こうなればすでに比較的大規模な飽和攻撃を食い止めることができる。

(頑住吉注:7ページ)第3本目の防空ラインは052B型汎用ミサイル駆逐艦上のSA-N-12中、近距離艦対空ミサイルと4隻の054A型護衛艦上の紅旗ー16中、近距離艦対空ミサイルである。この2種のミサイルの射程はいずれも30km前後で、中継慣性+終末段階でのセミアクティブレーダー制御誘導システムを採用している。052B型汎用型駆逐艦は2基の単一アーム式発射架を配備し、準備されるミサイルは48発である。一方054A護衛艦は垂直発射システムを採用し、32の発射ユニットを持つ。数ユニットは対潜ミサイルを装填する必要があるかもしれないという可能性を考慮すれば、054A型護衛艦は最少で24発の紅旗ー16艦対空ミサイルを配備することができる。それぞれの艦は4基の照射レーダーを配備し、同時に4つの来襲する目標に対処できる。こうなれば艦隊はおよそ24の来襲する目標に対処できることになる。

(頑住吉注:8ページ目)対潜は空母艦隊のもう1つの重要な任務である。艦隊の外周の対潜は093型原潜によって完成され、中間は052B型汎用ミサイル駆逐艦と054A型護衛艦である。これらの水上艦艇はH/SJG-206曳航アレイソナーを配備している。もし音響条件が良ければ、探知計測距離は100kmを超え得る。これらの艦艇はKa-27対潜ヘリを配備しており、作戦半径は100kmを超え得る。Ka-27は吊り下げソナー、ソノブイ、磁気異常探知計測器、水上捜索レーダーなどの対潜設備を配備しており、しかもデータバスによって一体につながれる。対潜武器には魚雷および爆雷などが含まれる。艦隊は全部で20機前後のKa-27対潜ヘリを持ち、50%の出動率で計算すると、1回で10機の対潜ヘリを出動させることができる。

(頑住吉注:9ページ目)054A型護衛艦はさらに対潜ミサイルを配備し、1隻あたり8発の対潜ミサイルを配備するとして計算すると、艦隊は32発の対潜ミサイルを配備できる。海外資料によれば、国産対潜ミサイルの射程は50km前後で、中層の対潜火力が提供できる。また各艦はさらに324mm小型対潜魚雷を配備し、近距離対潜に用いる。

対艦方面では、前述のように作戦半径800kmという状況下では、殲ー15は2発の対艦ミサイルを配備できる。遼寧号空母は1つの攻撃波で12機を出動させることができるとして計算すると(駐機区最大使用状態)、艦隊は1回で目標に向け24発の空対艦ミサイルを発射できる。こうなれば1つの中、小サイズの水上艦隊を制圧できる。

(頑住吉注:10ページ目)水上艦艇の対艦能力方面では、052C型駆逐艦は8発の鷹撃ー62型対艦ミサイルを配備し、艦隊は全部で32発の鷹撃ー62対艦ミサイルを持つ。その最大射程は300kmを超え得る。これは一般の水上艦艇の射程を超えており、艦隊のために中距離対艦火力を提供できる。また052Bおよび054Aは鷹撃ー83対艦ミサイルを配備し、その射程は200km近く、艦隊は全部で64発の鷹撃ー83ミサイルを持つ。こうなれば艦隊の持つ対艦ミサイルは100発近くなり、このような攻撃能力にはやはり非常に見るべきものがある。

(頑住吉注:11ページ目)以上の分析から、我々は遼寧号空母艦隊の作戦能力はすでに比較的高いレベルに達しており、軽空母艦隊や非空母水上艦隊(例えば日本の海上自衛隊艦隊)を完全に制圧できる、ということを見て取ることができる。陸上基地の大型早期警戒機、給油機、対潜機の支持が得られれば、さらにアメリカの空母1隻を含む艦隊に対抗する能力も持つ。これは我が国の海洋権益と国家の安全を防衛する有力な武器である。だが我々は、遼寧号空母には比較的大きな不足が存在し、後続の艦の設計および建造の中で補う必要がある、ということも冷静に見ておくべきである。

(頑住吉注:12ページ目)航路護衛艦艇の性能も依然不足である。現在我が国の海軍で現役の052C/D型防空駆逐艦は、国外の同類型艦と比べると、そのトン数は依然小さめで、搭載弾薬も少なめである。1隻の052C駆逐艦の装備する弾薬は48発しかなく、一方アメリカのアーレイ・バーク級は100発近く、その50%にしか相当しない。このような艦隊は比較的多くの艦艇を必要とし、艦隊の行方が容易に暴露される。このため我が国はより大きな航路護衛艦艇を建造する必要がある。

(頑住吉注:13ページ目)配備する武器の性能も不足である。紅旗ー9と紅旗ー16の性能はすでに国外の同類ミサイルの先進レベルに到達しているが、依然グレードアップの余地はある。例えば紅旗ー9の射程をさらに一歩延長し、もって相手方の海上偵察機、哨戒機を攻撃する能力を向上させてもよい。同時に協同交戦能力を増加させ、水平線を超えて相手方の対艦ミサイル、巡航ミサイルを迎撃できるようにしてもよい。紅旗ー16の体積と重量は大きめで、将来はESSMのように1つの垂直発射ユニットに4発のミサイルを収容できるようにすべきである。こうすれば現有の054A護衛艦は8つの発射ユニットしか必要とせず、もう32発のミサイルを配備できる。こうなれば艦艇の対潜ミサイルの配備数を増加することができる。

(頑住吉注:14ページ目)総合補給艦の能力も比較的低い。現在国産の総合補給艦の満載排水量は2万トンクラス前後で、このようなトン数で空母艦隊を支持するのでは明らかに意気込みに力が追いつかない。また国産の総合補給艦はディーゼルエンジンを採用し、航行速度が比較的低く、空母艦隊に追いつくのも難しい。このため我が国の海軍に関して言えば、将来4万トンクラスの、ガスタービンを動力として採用した、航行速度25ノットを超える総合補給艦を建造し、もって空母艦隊に後方勤務保証を提供するのに便とする必要がある。

このため我が国の海軍に関して言えば、遼寧号空母の就役は万里の長征を終える第一歩でしかなく、この後さらに多くのなす必要のある作業がある。だが我々は、我が国の総合的国力が不断に向上するのにつれ、我が国の海軍はより多く、より強大な空母艦隊を持つようになる、と堅く信じる。

(頑住吉注:後のページは画像と「中国海軍艦艇」のキャプションだけです。)


 「遼寧艦」が充分に戦力化されれば現有の戦力でもでも日本の海上自衛隊には完全に勝て、単一のアメリカ空母艦隊にも対抗できる、という結論は信じがたいんですが、知識不足で具体的にどこがおかしい、と指摘することはできないです。















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