「高新6号」対潜哨戒機が就役

 日米最新式の1つ前の世代に匹敵するものがようやく登場したという感じのようですが。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/07/10/017676720.shtml


専門家:中国の新たな対潜機は防衛線を千km以上拡大し米日の潜水艦を阻止する

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:中国の高新6号対潜機はすでに北海艦隊に引き渡されている」)

少し前、国産初の対潜固定翼哨戒機が部隊に装備され始めたとの情報が多くのメディアによって明らかにされた。この「長い尻尾」をした専用大型機こそ、我が国が自ら研究開発を行った「高新6号」新型対潜哨戒機である。その標準の明るい灰色の作戦塗装とはっきり見える機体のマークは、この機がすでに正式に海軍航空隊に装備されていることを示している(頑住吉注:しばらく前は黄色いプライマー塗装の状態でしたね)。

「高新6号」は我が国に世界対潜強国グループに身を置かせる

対潜機は潜水艦を捜索および攻撃できる軍用飛行機あるいはヘリである。各種の対潜の方式の中で、水上艦艇や潜水艦といったような作戦プラットフォームは機動性の優勢が欠け、自身のエンジンあるいはスクリューが生じさせる騒音はソナーの探知計測が妨害を受ける結果をもたらすだろう。しかも対潜の区域が非常に限られ、このため顕著な対潜の優勢はない。航空対潜は反応時間が短い、機動能力が強い、作戦効率が高い、能動性が強い、安全性が高いなどの特徴を持ち、絶対的に優勢な速度をもって各種潜水艦が捜索、追跡、攻撃できる。通常少数の対潜機は短時間内に即大面積の海の区域に対し監視と捜索を行うことができる。このため対潜機は最も重要な対潜作戦手段と見なされている。それぞれの海軍大国のうちこの種の対潜機の開発を海軍力量建設のメインイベントとしない国はない。

近年来、我が国の海上の利益が不断に開拓展開されるのにつれ、海上権利維持と軍事防御の形勢が日増しに厳しくなっている。我が国の海上哨戒機は数が不足で、性能は立ち後れ、大面積の海域で大規模対潜作戦を行う需要を満足させるためには、できる限り早く我が国の航空対潜能力を発展、向上させ、我が国自らの大型対潜機を研究開発することが必須である。新世紀以来、我が国は運ー8系列をベースに、すでに早期警戒機、電子戦機、遠距離偵察機など多種の高新系列特殊機を開発済みであり、このため我が国はまた運ー8高新工程3種の搭載機プラットフォームをベースに「高新6号」を研究開発し、前世期末に研究開発された運ー8海上哨戒機に取って代わらせるのに用いる。新たな対潜哨戒機は新型ターボプロップエンジンに換装され、出力、航続距離、航続時間など全てに向上が得られた。2012年に「高新6号」というこの初の大型専用固定翼対潜哨戒機は初飛行を実現した。

現代の大型陸上基地対潜哨戒機は多種の高度新技術を一身に集めた総合対潜装備であり、その技術は複雑で、研究開発の難度は高く、就役期間は長い。戦後、アメリカでも2世代の陸上基地対潜機しか就役させていない。このため、大型対潜機はずっと軍事強国の重要な印の1つである。現在世界の対潜哨戒機には主にアメリカのP-3C「オライオン」およびP-3Cに取って代わるのに用いられるP-8A「ポセイドン」、フランスのATLZ「アトランティックオーシャン」、イギリスのHS-801「ニムロッド」、ロシアのツポレフ-142およびイリューシンー38、日本のP-1対潜機などがある。「高新6号」の就役は、我が国を対潜哨戒機を製造する能力を持つ数少ない国の1つにさせ、したがって大型対潜哨戒機世界強国グループ入りさせる。

「高新6号」は4つの大きな突出した特徴を持つ

国際的な同類哨戒機に比べ、「高新6号」の各項目の性能は中、上の水準にあり、アメリカのP-3Cとよく似ている。

1つ目は巡航速度が速く、捜索範囲が広いことである。「高新6号」は先進的な大后掠角(頑住吉注:主翼の場合後退角を意味する語なんですがプロペラの場合は不明です)6枚羽ターボプロップエンジンを採用し、野外飛行場で発進でき、巡航速度が速い、燃料消費が少ない、安定しているなどの特徴を持つ。その巡航速度と最大離陸重量はいずれもアメリカの先進的なP-3C対潜機に相当する。「高新6号」の航続距離は数千kmに達し、1日で何十万平方kmの海域をパトロールできる。水上艦艇に比べ、「高新6号」はその空を飛べる優勢を利用し、機上のレーダーの探知計測範囲と効率を非常に大きく向上させることができる。機は多くのソノブイを搭載し、大範囲のソナーネットワークを構成し、したがってさらに一歩捜索の範囲と精度を向上させることができる。

2つ目に探知計測能力が強いことである。「高新6号」機首下方の鼻状の位置には「鰓」型の整流カバーが追加装備され、360度海面を見回せる大型捜索レーダーが配置され、有効に潜水艦が探知計測できる。特に通常潜水艦が浮上して充電する時に伸ばすシュノーケル、潜望鏡、ブイなどである。その尾部にはさらに1本の特徴が顕著で象徴的な長い尾があり、これは水中の潜水艦を探知計測できる「磁気異常探知計測装置」である。この探知計測装置にはアンテナが長いほど効果がいいという特徴がある。「高新6号」のこのアンテナはP-3Cに比べさらに長く、このため一部の専門家はその探知計測能力はP-3Cより優れていると考える。

3つ目は偵察・打撃一体である。「高新6号」は魚雷、爆雷、機雷、空中発射対潜ミサイルなどの対潜武器を装備する。搭載する乗員は10名を超え、これには操縦員、レーダー員、ソナー員、潜水艦捜索員および技術分析、ソナー懸垂、武器操作などの人員が含まれる。目標を探知計測することもできれば、また空中発射対潜ミサイルのために目標攻撃の指示を提供することもできる。このように、この飛行機は偵察、捜索、確認、分析、攻撃を一体に集めた対潜体系となる。

4つ目は一定の自衛能力を持つことである。「高新6号」は先進的な自衛早期警戒システムおよび空対空ミサイルを装備し、比較的良好に空中から来る脅威に対応できる。この種の自衛能力はP-3Cと基本的に同等である。

ある分析は、「高新6号」はシステムのハードウェアの上ではすでにP-3Cの水準に到達し、その対潜能力は日本のP-1対潜機やアメリカのP-8A対潜機とも非常に大きな技術の世代差はない、と考える。だが「高新6号」は我が国の固定翼対潜哨戒機の有無の問題を解決しただけであり、この機はソフトウェア方面で先進的な対潜機に比べると依然一定の隔たりがある。このためある専門家は、将来我が国は国産大型機C919、運ー20などのプラットフォームを利用して新世代対潜機を開発し、もって対潜機の高速性能、低速性能、長い航続距離および適した価格に充分に合わせ配慮しても良い、と提案する。

「高新6号」は我が国の対潜能力を大幅に向上させる

現代の海戦あるいは海上輸送は随時潜水艦の打撃を受ける可能性があり、対潜作戦は当然に各国海軍の主要な作戦目標の1つとなる。現代の潜水艦は潜水深度が深く、騒音レベルが比較的低く、水中の機動性が強く、水中に長時間留まることができる。加えて海底の背景は複雑で、潜水艦に対する正確な位置決定や連続した追跡は非常に困難である。このため、対潜は各国海軍の最も解決を必要とする、また最も解決し難い問題となる。

現在米軍は世界で最も強大な原潜部隊を持ち、日本は世界で最も先進的な通常潜水艦を持つ。米日の潜水艦は年中中国周辺海域に来て接近偵察を行い、かつ我が関連水道に潜伏し、我が軍の潜水艦やその他の艦艇の動向を追跡、監視している。米日の航空対潜体系はナンバーワンで、さらに我が国周辺に200機あまりのP-3C対潜機やその他の小型対潜機を配備しており、我が国周辺海域に対し持続的で厳密な監視を実施し、我が国の海軍の活動を制限することができる。このため我々の水中の安全が直面する形勢は楽観を許さない。

長期にわたり我が国の対潜装備の発展は緩慢で、特に大区域、大面積の水域で快速哨戒や快速反応が行える空中対潜装備にはなおさら欠陥があった。「高新6号」の就役は、この不足を補った。この機は大面積の地域をカバーおよび支配でき、短時間内に対潜区域に駆けつけ、疑わしい海域に対し素早く有効な対潜捜索が行える。この機の就役は、我が国にアメリカと互角な対潜能力を持たせるだけでなく、しかも我が国の対潜技術を相当な長時間内周辺国に先んじさせ、かつ我が国の対潜監視支配範囲や対潜防衛線を千km以上前進させ、第2列島線にまで拡張展開させ、中国海軍の支配範囲に水中において極めて大きな延伸を得させる。このようになれば、アメリカ、日本の潜水艦の中国に照準を合わせた活動を阻止し、中国海軍潜水艦部隊に比較的安全な状況下で、スムーズに列島線の封鎖を突破し、より便利に広大な遠洋に向かい作戦任務を執行させることができる。

「高新6号」の就役は、人民海軍装備の最後の空白を埋め、わが国の海軍の遠海作戦能力を向上させる決意を反映し、我が軍の広域対潜能力の重大な飛躍であり、中国海軍が遠洋に向かうまた1つの印でもある。

(作者は謝成 李偉 機関:国防大学)


 「磁気異常探知計測装置〜にはアンテナが長いほど効果がいいという特徴がある」というのはたぶん「銃身が長い方が威力が大きい」みたいなもので、「それ以外の条件が全て同じならば」という前提条件が必要なんではあるまいかと思います。これは1つの例ですが、この記述のようにこの機が本当にP-3Cに匹敵するような能力を持つか実際のところは分からんでしょう。
















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