03式自動小銃

 中国の新しいアサルトライフルと言えば95式小銃で、まだ全軍に行きわたるには程遠い状況にあるようです。それにもかかわらずさらに新しいライフルが開発され、しかも輸出専用ではなく国内での使用を始めているようです。95式はダメと評価されてこちらに切り替えられていくんでしょうか?

http://www.gun-world.net/china/rifle/03/03.htm

後に追加:ご指摘をいただきました。こちらも参照してください。


03式自動小銃

口径 5.8mmx42

03式自動小銃は「兵器知識」誌04年11期で初めて公開された。ただしこの銃は外形も95系列の1つに見えたし、文中でもそう書かれていた。実はこれは年初に公表されていたQBZ95Aだった。当然改造が加えられており、外観上最も明確なのはリアサイトがレシーバーカバー後部に移動していることだった。紹介文によれば、この銃は2003年12月に設計が定まったという。実は1989年に新型小口径突撃銃の設計が決定した時、すでにコンベンショナルな構造とブルパップ構造という2つの方案が存在した。ブルパップ案は95式で、早期に定型に至ったが、それ自体の欠点がいくつかあったため、部隊に両種の方案を提供して選定を進めるべきであると考えた人もいた。このためコンベンショナルな構造の研究開発も続けられた。ただし研究過程において95式の構造はコンベンショナルな構造のライフルにはそのまま流用できないことが分かり、両銃の主要部品を共用にするという要求は放棄された。できたのは新しい銃であり、とりあえず公表された際には95Aと呼ばれたが、実際には両銃の構造は大きく異なり、ボルトにも全く互換性はなかった。このためこのコンベンショナルな方案が最終的に定型に至った際にはこの「03」という名称が採用されたのである。

(頑住吉注:原ページにはここに、95式と03式のボルトキャリア、ボルトの比較画像があり、確かに全く互換性がないことが分かります)

この銃に関しては性能も不明なら詳細な資料もないが、発表されている写真から見て取れるこの銃の欠点の1つは銃本体の工程性が劣り、生産にコストがかかることである。この問題は試作中にも実証されていたという。現在ネット上で行われているこの銃に関する議論は基本的に2種類である。1つは「コンベンショナルとブルパップに関する論争」である。この問題は国内外の専門家が何十年論争して今に至るも結論が出ない。このため各フォーラム上の論争の結果も「誰もが誰をも説き伏せられない」である。もう1つの論争は純粋に美学的視点に基づくものであり、すなわち「カッコいいかよくないか」の論争である。この他設計者の性別を理由にこの銃の性能を非難する人もいる(頑住吉注:設計者は女性ということでしょうか)。

数多い批判のうち、フラッシュサプレッサーに関する論争が最も多い。多くの人がラッパ型はバードケイジ型ほど美しくないと感じている。しかし事実としてこのフラッシュサプレッサーは多次にわたる試験による模索を経て最終的に確定したもので、設計者の頭にふとひらめいたものではない。この程度の銃身長でいえば、5.8mm弾薬の銃口における圧力は5.56mm弾薬より高く、もしその他の膨張式装置(例えばAKS74Uのような)を採用するとその直径はライフルグレネードの基準を超えてしまうだろう。このためM16類似のバードケイジ型あるいはその他の形状に改めることは困難なのである。FNのMINIMIを例にすると、ラッパ型のフラッシュサプレッサーは火炎や砂塵の抑制効果ではいずれもバードケイジ型より優れている。ただしアメリカ軍のM249はM16A2との共用のため最終的にそのサプレッサーに変更されたが。QBU88式汎用機関銃のフラッシュサプレッサーもMINIMIに似たものだが、試験中この機関銃の銃口炎はQSZ92式拳銃のそれよりさらに小さいことが分かった。03式自動小銃とQBU88式汎用機関銃の写真を比べてみると、両者のフラッシュサプレッサーの類似部分に気付くのは難しくない。ラッパ型のフラッシュサプレッサー部分が類似しているのであり、「外形は効能に服従する」原則通りである。95式のフラッシュサプレッサーは外観上M16のバードケイジ型に似て見える。ただし注意深く見れば、実際にはその内部形状もラッパ型であることに気付き(頑住吉注:このあたりが分かりやすいです http://www.gun-world.net/china/rifle/qbz95/flashhide3.jpg http://www.gun-world.net/china/rifle/qbz95/flashhide2.jpg http://www.gun-world.net/china/rifle/qbz95/flashhide1.jpg)、ただ95式のラッパ口が少し細長いにすぎない。外部的にも数本の加強筋(頑住吉注:補強リブ)が強度を上げているため、外観上円筒形に見えるのである。ただしこの種の加強筋はぶつけた際に容易に破損し、かつ後部のバレルとの連結部分も太短い。この他の重要な原因は、95式のフラッシュサプレッサーは精密鋳造で作られているが、国産の鋳造品のクオリティが高くない、ということである。鋳造品に穴を開けるよりも、03式のように直接旋盤で製造する方が望ましい。コストも節約できるし、生産物のクオリティも保証される。ただし03式の機構は逆に95式と比べて生産が難しい。

目下発表されている写真から判断すると、03式は国境警備部隊にますます多数が装備されているようだ。以前某消息筋は、95式、03式、05式(頑住吉注:まだ正体不明で、G36に酷似したものではないかとする説があるようです)は互いに無関係で、03式は国境警備部隊に装備され、95式は正規軍に装備されるというのが今年の主要な趨勢であると指摘した。


 この銃は95式のコンベンショナル型から出発したが、結果的には全く別物になったということのようです。一見AKから発展したもののようにも見えますが、もちろんAKとも全く別物です。95式ほどプラスチックが多用されておらず、生産は困難ですが、多くのブルパップライフル採用国が特殊部隊にだけはコンベンショナルなライフルを支給していることから分かるように、それなりのメリットもあると考えられます。しかし何故国境警備部隊にこれが向いているのかはいまいちピンと来ません。中国国内では「カッコ悪い」という批判が強いようですが、私はそんなに悪いデザインとは思いません。ちょっと89式にも似た感じがします。

 95式のフラッシュサプレッサーが実はラッパ型だというのはびっくりしました。これに気付いている人は国内にはごく少ないのではないでしょうか。
















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