05式サブマシンガン

 この銃に関しては、M16系やAUGなどのサブマシンガンバージョンのように、単に95式アサルトライフルをサブマシンガン化しただけのものだろうと思ってあまり興味を抱いていなかったんですが、よく見てみると面白い特徴を備えていることに気付きました。

http://www.gun-world.net/china/smg/05/05.htm

後に追加:ご指摘をいただきました。こちらも参照してください。


05式サブマシンガン

口径5.8mmx21

05式サブマシンガンが初めて外部に明らかになったのは、2004年の年末、一部の軍事フォーラム上のことだった。当時、ある射撃場で新型銃器の試射を行った画像を貼った人がいて、その中にあったのがまさに下の1枚である。(頑住吉注:原ページで確認してください。顔が加工されている画像です)その後の討論で、これこそが国内で新たに研究開発されている5.8mm消音サブマシンガンであり、すでに軍によってテスト中であることが明らかになった。おおまかに、この銃は消音弾(亜音速弾)を発射し、150mの距離でスチールヘルメットを貫通し、200mにおけるフルオート時の散布面が95式カービンより小さいらしく、容量50発の4列マガジンを採用していることが分かった。

この後、2005年5月10日における北京中国国際警察用装備および対テロ技術装備展示会で、この種のサブマシンガンの5.8mm、9mmバージョンが展示された。このうち9mm型は実物が展示され、長風機械工場のらせんマガジン付きサブマシンガンと共に置かれ、多数のニュース写真がガンマニアたちの注目を集めた。そしてついに同月に発売された第6期「兵器知識」誌上で、すでに正式に05式と名付けられたこの新型5.8mm口径サブマシンガンが正式に発表された。

わが軍の現在の編成では、歩兵小火器はライフルとマシンガンがメインとされ、サブマシンガンは特殊補助兵器にすぎない。使用形式としては消音火器が主であり、偵察分隊等特殊部隊が隠密作戦行動中、音を立てずに偵察したり、偵察行動時に先頭に立つ者が携帯するというのが典型的である。05式サブマシンガンの設計目的は、現在装備されている85式消音サブマシンガンの代替となることであり、したがってこの銃はサイレンサーを外して普通弾薬を射撃できるべきであるとされたものの、主要な設計意図はまず消音サブマシンガンの特殊用途を満たすことだった。このため騒音に対する指示要求が相対的に高かった。

この銃は全体構造上95式小銃のブルパップ構造を継承しているが、自由式遊底、慣性閉鎖(頑住吉注:ストレートブローバック)を採用している。ボルトはバレルを半ば包む構造であり、銃全体の重心をグリップに近付けている。キャリングハンドル内には光学サイト用レールがあり、これは95式小銃と同じである。

05式消音サブマシンガンの他の特徴には、グリップセーフティの採用が挙げられる。かつて初期の研究開発過程では平行移動式グリップセーフティ(頑住吉注:UZIのような)が使用されていた。しかしこの機構では射撃中にボルトの作動が減速し、頻繁に射撃中断が起こった。特に低温試験や川の水に浸す試験などの特殊条件下ではこの現象がさらに突出し、設計人員は論証を経て最終的に回転式グリップセーフティ(頑住吉注:ガバメントのような)に改めた。この他の理由として、05式消音サブマシンガンは慣性撃発を採用しているため、発射機のセーフティ機能の他に、さらにグリップセーフティが増設されているのである。落下時の暴発を防止するためである。

05式消音サブマシンガンは、分解可能な、カップが内蔵された構造のサイレンサーを採用している。サイレンサーを外しても使用可能である。銃本体にはサイレンサーのロック機構が装備され、射撃中にサイレンサーががたつくことを防止している。消音効果を高めるため、弾頭が比較的重く初速が比較的低い専用5.8mm亜音速弾薬が使用される。ただし必要時には普通弾も使用できる。亜音速弾薬使用時、銃口部における騒音は120デシベルであり、85式消音サブマシンガンより7デシベル低下している。セミオート時、銃口からは煙も炎も出ず、フルオート時もはっきりした硝煙や火炎は出ない。射手のそばにいた場合、ほとんどボルトが作動中の衝突音など機械音しか聞こえない。

05式サブマシンガンは直挿式(頑住吉注:AKや95式小銃などのように前を引っ掛けて後ろを入れるタイプでなくM16系のようなストレート挿入式であることを指しているんでしょう)4列大容量マガジンを採用している。目下いまだにこの種の4列マガジンがイタリアのスペクターM4サブマシンガンに類似したものなのか、国内で近年独自に開発された開合式マガジンフォーロワ(頑住吉注:下の広い部分では幅広く、上昇すると狭まるものでしょうか)を採用したものなのか、はっきりしていない。ただし現在分かっている状況から、この4列マガジンは幅が比較的大きく、またマガジンとグリップとの距離もひどく近いことが分かる。このため射手の手がマガジンに触れる可能性があり、いくつかの射撃姿勢時において腕が非常に不快であると思われる。


 銃自体の本質とは全く無関係なことですが、私がこの記事中で最も驚いたのは、中国において未発表の新兵器が、画像が軍事フォーラム上に流出することによって一般に初めて知られるなどということがあり得るのか、という点です。前回ライフル用5.8mm弾薬の開発には非常に多くの人や組織が関与したという記事をお読みいただきましたが、この銃の開発に関わった人、未発表のうちに試射する機会があった人は少数でしょう。またインターネットのアクセス状況等からも追跡可能でしょうから、当局が本気になればこんなふざけた顔の加工をしても人物の特定は容易なはずです。果たしてこの人物は処罰されたんでしょうか。気になります。

 この銃は95式小銃の操作に慣れた射手が扱いやすいように似せたデザインになっていますが、基本的にはバリエーションではなく別の銃と考えた方がいいようです。

 キャリングハンドルの前に取ってつけたようなフロントサイトハウジングはどうもスマートさを欠くデザインという気がします。95式のようにもっと前方に置くか、あるいはFAMASのようにキャリングハンドル内に置く方がいいのではないでしょうか。

 セーフティは95式のような後方ではなくグリップ直上にあり、95式より明らかに操作しやすいと思われます。

 この記事ではまだ不明とされているマガジンの構造図がありました。

http://mil.news.sina.com.cn/p/2006-08-30/0722393860.html

 なお原理図であって実物とは差があるとのことです。基本的にスペクターと同じであるようです。G11、スターシップトルーパーズの銃、H&K CAWSなど分厚いブルパップ銃をいくつも作っている私は内容を読む前に気付きましたが、ブルパップ銃のマガジンがこんなに分厚いと、確かに脇にはさんだ時、非常に邪魔な感じになると思います。

 ちなみに直接関係ないですが、検索していてこういうのを見つけました。M16系の4列マガジンです。

http://www.thefirearmblog.com/blog/2010/06/08/magpuls-quad-stack-magazine/


















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