二式拳銃製作記
これは二式拳銃の製作情況をリアルタイムでお知らせしたものです。なお、他のページと重複する画像は削除しました。

2月15日 
 二式拳銃は日本銃器株式会社の浜田文次氏が軍の要請に答えて作ったものです。口径7.65mmの浜田式を発展させたもので、生産が追いつかない九四式を補助する役割を期待されていました。九四式、十四年式と共通の8mm弾薬を使う、中型よりやや大きいサイズ、ストレートブローバック、ストライカー式の銃です。1943年に制式採用され、1,500挺くらいが生産されたものと見られますが、黒染めされ、使用状態で現存するものは全く知られていないという幻の拳銃です。
 資料が乏しいので困難ですが、メカは実銃を基本に簡略化したものとし、ほぼ実銃通りの分解、組み立てができるようにしたいと思っています。
 ギミックとしては、スライドを引いてトリガーを引くとストライカーがパチンと前進する、トリガーを引いたままスライドを引いてもコックされる(ディスコネクト)、グリップ後下部のマガジンキャッチの操作でマガジンが抜ける、マニュアルセーフティが機能する、フレーム後部のディスアセンブリープレートのロックを解除して下げ、スライドを後退させるとスライド後部が上に持ち上げられ、前進して外せる、バレルは上から見て時計方向に90度回したのち上に抜ける、といったものにする予定です。送弾、排莢はできず、実銃にあるマガジンセーフティ(メカニズムが不明)は省略することになりそうです。ホールドオープンはしませんが、これもホールドオープンディバイスが「ある」と断言している資料と「ない」と断言している資料があって困ったもんです。九四式では各部の肉厚をとった結果マガジンが小さくなり、上部にダミーカートが装着できなかったわけですが、今回は何とかなるかもしれません。
 基本的には九四式より簡単だと思うんですが、トリガーが入るスペースを型でどうやって抜けばいいのか今から頭が痛いです。また、リコイルスプリング(場合によってはストライカースプリングも)、グリップ固定ネジ(1挺につき4個必要)を特注で作る必要があり、九四式より数が出ないと思われるので、結果的に九四式と同じか、やや高くなるかもしれません。
 実は現在基本的な機能はすでにできています。寸法や肉厚、作動の正確さなどでけっこうギリギリの部分が多く、やや不安がありますが、完成はけっこう早そうです。ただ、途中でいったんHK4の生産に戻り、二式の作業は中断するので完成はいつになるかはっきり見とおしが立ちません。

2月23日

二式製作途中1二式製作途中2二式製作途中3

 今こんな感じです。すでに機能は出揃い、あとは各部の造形をして完成です。このまま続けたいところですが、いったんここで中断しHK4の生産に戻ります。御徒町のマルゴーで8mmナンブのダミーカートを買いました。マガジンは何とかこれがセットできるものになりそうです。ただ、肉厚を取らねばならないプラキャストの場合、マガジンは左右1mmづつ、計2mmくらい実物より厚くしなければなりません。これによる弊害もあります。フレームの全体の厚みは1mm以上は増やさないですませようと思っていますが、厚いマガジンと薄いフレームに圧迫されてトリガーバーの肉厚がとれません。肉厚を1mm(これは実銃より薄いはずです)とし、何とか強度を取るため実銃では片側しか通っていないところ、ガバメントのように両側を通る形にしました。トリガーバーの強化には、今新しい方法を考えているところです。また、厚いマガジンがスライドのレールと干渉するのでマガジンはやや短くせざるを得ず、開いたエジェクションポートから見たときダミーカートが数mm下にある形になります。ストライカースプリングは特注にするとお金がかかるので、電動ガンのノーマルマガジンのスプリングが使えないかと考えています。あれなら中古のジャンクが安く手に入るでしょうから。

3月1日

二式製作途中4

 もうそう時間はかからないでしょう。私は普段エポキシパテをほとんど使わないんですが、今回はスライドの削り込み部に使いました。こういう、あらかじめだいたいの形に成形して盛りつけた方が後の作業が楽な部分には便利です。グリップのチェッカリングがちょっと不安です。ぶっつけ本番でやる自信がないのでプレーン状態で型を取り、複製品に彫っていくつもりです。まあ、実物もかなり荒いので多少おかしくても「本物もこうだ」と開き直ることにしましょう(笑)。

3月8日

二式製作途中5

 仕上げ段階に入りました。型で作るパーツ数は18点で、今回は歯科用レジンパーツはなしになりそうです。そのかわりプラキャストパーツはあの手この手で強化する必要があります。ウェイトはバレル、グリップ、マガジン内に入ります。

3月15日
 現在型取りの最終段階です。ただ、まだグリップはプレーンのままです。いったんこの状態で完成させ、グリップのなじみなどを確認して必要なら調整した上でグリップにチェッカリングを入れるつもりです。

3月18日

二式製作途中6二式製作途中7

 グリップはプレーンなままですが、型抜きしたものを一応組み立てて作動などもチェックしました。フレームの型にかなりの無理がありますが、作動も含めてほぼ問題なさそうです。実はこの後塗装して自分用として遊んでいます。ちなみにグリップがプレーンな銃は試作段階で実在します。塗装はなにしろ完成状態の実銃が全く知られていないので困りますが、本体はブラック、バレルはシルバー、グリップは木製風にするつもりです。また、完成状態ではどういう刻印が入っていたかも不明で、知られているものはいかにも仮に手で彫ったというようなものです。そのため刻印はセーフティの「安」表示のみとしました。

3月21日

 20日夜、二式拳銃の試作第1号が完成しました。というわけで、


 

 予想より早く完成したのはHK4を再生産する必要がなかったからなので喜んでばかりもいられませんが、とりあえず自分ではなかなか面白いものができたのではないかと思っています。このグリップの固定ネジは手元にあったものの流用ですが、現在注文していて、今回は黒色のメッキ仕上げにしました。この仕上がりが4月頭ごろということなので、4月第1週の末くらいに発売できそうです。価格は完成品22,000円、キット12,000円(どちらも九四式の1,000円増し)を予定しています。




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