バレル内に発射ガスを閉じ込める消音システム

 PSSの消音システムのルーツとなる、「発射ガスを閉じ込めて出さない」消音システムの歴史は意外なほど古く、実はハイラム・マキシムによる実用的サイレンサー第一号より古かった。「WAFFEN REVUE」62号に引用されている、この種のアイデアとしておそらく最古と思われるものを解説した文章(1898年の文献に画期的新アイデアとして掲載されている)を要約したものをお読みいただきたい。


 最近普及してきている新しい無煙火薬でも、少しの発射煙は出るし、音やフラッシュは大きい。フランス人のオバーステン・フンベルトは、発射時の音、フラッシュと同時に反動も取り消す装置を作った。この試みは成功し、評判になった。この装置は「受け止めるもの」と表現され、バレル先端部のネジにねじこんで固定される。ハンドガンに装備することもできる。
 装置の内部はバレル内よりわずかに広く、弾丸は無抵抗に通過できる。装置の内部には、ちょうつがいで結合され、上にぱたんと上がることができるトラップドアがある。上にはこれに対応する扇形のカットがある。このトラップドアによってバレル内は閉鎖される。弾丸が発射されるとき、発射ガスの一部はトラップドアの下にあるガスルート内に入り込み、トラップドアを上に押す。弾丸によって上昇が抑えられていたトラップドアは、弾丸が通過してしまうとすかさずガス圧ではねあがり、バレル内を閉鎖して発射ガスをバレル内に閉じ込める。発射ガスは後方へのルートを通って流出する。ガスは細い穴を通って圧が低下しているので音やフラッシュは小さくなり、またある程度の圧で後方に噴出するので反動を弱める働きをする。バレル中央にはガスの後方への流れを妨げるシールドがある。銃に面倒な操作は必要ない。
 このシステムはトラップドアを適したものに変更すればライフルにも使える。ただ、ライフルにつけるとバランスが非常に悪くなり、またサイトの邪魔になる。
 フランス陸軍大臣はこの巧妙なシステムに興味を持ち、兵器メーカーのホチキス社に銃ではなく実験用37mm砲身を作らせた。射撃試験の結果、発射音、発射炎、煙はきわめて小さくなったが、反動は依然かなり大きいことが認められた。発明者は反動が根本的に小さくなり、37mm砲を人間が立射できることを期待していた。ただ、トラップドアの閉鎖はしばしば失敗する。


 文章だけではよくわからないと思うのでイラストで説明する。

フンベルト1

 装置はこんな構造で、バレル先端にねじ込まれる。現代の着脱式サイレンサー同様、銃自体はまったく普通のものだ。空色の部分がトラップドアだ。

フンベルト2

 発射時、発射ガスはトラップドアの下に入り込んでトラップドアを上に押す。しかし、弾丸があるうちは当然トラップドアは上にはね上がることはできない。このときすでに後方のガスルートを通って一部の発射ガスは後方に漏れ始めるらしい。

フンベルト3

 弾丸が通過してしまうと、トラップドアはすかさずはね上がって発射ガスをバレル内に閉じ込める。後方へのガスルートは実際にはごく細いものがたくさんある形で、比較的ゆっくりガスが流出するようだ。
 消音と、後方に比較的高速でガスを吹き出すことで反動を弱めるというのは本来矛盾する。ガスが高速なら大きな音がし、低速なら反動を軽減する効果は低いわけだ。これを両方求めるのは欲張りすぎだと思う。また、いくらシールドがあるにしても、ガスを射手がいる真後ろに噴出させるというのは乱暴すぎる気がする。
 ただ、ガスを後方に噴出して反動を弱めるというアイデアは無反動砲にやや似ている。この装置をチャンバー直後に設けて後方へのガスを減速せずに噴出させ、射手はその前で保持し、大量の発射薬を使用すればかなり無反動砲に近いものになる。もちろんその場合消音効果はないわけだが。
 ちょっと考えると確実に作動しそうだが、良く考えれば真ん中のイラストよりやや後の段階ではトラップドアは内側からも力を受け始めるわけで、微妙なタイミングの狂いで作動しない場合が考えられる。しばしば起きた作動の失敗というのはそのためかもしれない。奇襲時に消音銃(砲)を撃つつもりで使用したのに轟音がしたのでは困るし、反動が小さいという前提で砲架を軽く作ったり人間が保持して撃ったのに大きな反動が生じるのも困る。

 このアイデアは、おそらく非常に効果的な消音が可能で、装置自体も通常のサイレンサーより小さく、特に短くできるというメリットがある。後で紹介するアイデアと違って射手に特別の操作を要求せず、極端に速くなければたぶん連射にも問題ないはずだ。ただ、通常のサイレンサーならごく薄いスチールで作り、非常に軽くできるが、このシステムではかなりの強度が必要で、軽く作るのは難しいと思う。コストもかなり高くなるはずだ。改良などを行っているうちにマキシムのサイレンサーが普及し、結局ものにはならなかったという。
 ただ、非常に面白いアイデアだし、通常のサイレンサーよりコンパクト(うまくいけばフラッシュハイダー程度、大きくとも演習用ブランクアダプター程度)にでき、おそらく通常より高い消音効果が期待できる点は捨て去るには惜しい気がする。作動の確実性は改良可能のようにも思えるし、現在ならチタンなどで強く、軽く作ることも可能かもしれない。ガトリング機関砲のアイデアが電動のバルカン砲としてリバイバルしたように、このアイデアが技術の進歩によって復活する可能性もあるのではないだろうか。

 ちなみにライフル用にアレンジしたものはこんな構造になっている。ライフルだとなぜこの方法が適しているのかは説明がなく不明だ。

フンベルト4 フンベルト5

 トラップドアのかわりに弁としてボールを使用したものだ。弾丸が通過して急速なガスの流れができるとボールは圧によって吸い出され、バレル内を閉鎖する。
 お気づきの方も多いだろう。これはプレシュートブローバックガスガンの発射ガスをカットする、いわゆる「負圧バルブ」にきわめて似ている。実際この方法の応用で、現在のものよりシンプルなプレシュートシステムが可能かもしれない。

フンベルトの方法を応用したプレシュートシステム

 トリガーを引くと下からシリンダー内にガスが流入する。ガスはピストンを後方に押すが、ピストンは重いスライドと連動し、リコイルスプリングで抑えられているのですぐには動き出さない。一方発射ガスは前方に噴出する。ガスが急速に一定以上流れると球状の弁が発射ガスをカットし、ブローバックする。これだとシリンダーはパーツを2点にして接着する必要があるが、それでも全体のパーツ数は減少し、弁には型を起こしたり1個1個削り出したりする必要がない既製品のベアリング、高精度BB弾等が使え、コストダウンできる可能性もあるのではないだろうか。
 人間のアイデアというものは約100年前からさほど変わっていないのかもしれない。話が関係ない方向にずれたようだが、実は全然関係なくもない。プレシュートガスガンとの比較によって、このシステムにやや疑問が生じるのだ。ガスガンの場合、BB弾がチャンバーを出てすかさずガスがカットされるのではまともにパワーは出ない。高速でガスがある程度流れてからガスがカットされるわけだ。実銃の消音システムではフロンガスよりはるかに高圧の発射ガスを使い、マズル部にあるため到達するガスはすでに高速であるという違いはあるが、それでも弾丸通過から弁が閉じるまでにごくわずかのタイムラグが生じ、このときに発射音が生じてしまうと思われる。これがどのくらいかはわからないが、下手をすれば高性能のマキシム型サイレンサーに劣る効果しか得られない可能性もある。

 この他、1904年の文献に掲載されているアイデアとしてこんなものが紹介されていた。

「流動体」を使った消音システム

 黄色い部分は薬莢でたぶん空砲のようなもの、空色の部分はピストン、茶色の部分は弾丸だ。きわめてユニークなことに、青い部分に「流動体」(具体的に書かれていないが、水とは考えにくく、比較的粘度の低い油ではないか)が充填されている。発射薬に点火すると、ガス圧でピストンが前進し、流動体を前方に押す。流動体はほとんど圧縮されず、シリンダー部より細いバレル内に流入するので、高速で弾丸が押し出され、発射される。ピストンは前進しきると停止し、発射ガスは閉じ込められる。文章にはっきり書かれていないが、イラストからは流動体を閉じ込める仕組みはないとしか思えず、弾丸発射後、大部分の流動体はマズルから噴出するのだろう。実際はこれでもかなりの音はしたし(これが漏れるガスによるのか、流動体が弾丸と同じ速度で噴出することによるのかは書いていない)、流動体は重くて不便(使い捨てにするなら大量に必要)ということでこれ以上発展しなかったという。おそらく装填も面倒だろうし、流動体がピストンや薬莢の周囲からじわじわ漏れるのを防ぐのも難しそうだ。また、重い流動体を弾丸と同じ速度で噴出させれば、通常の何倍もの重さの弾丸を発射するというか、異常に長時間反動が持続することになり、きわめて撃ちにくいのではないかと思われる。

 PSSについて説明した「DWJ」2003年6月号の内容は後のコーナーで紹介するが、ここでPSSのアイデアのルーツとして紹介されているパテントの内容を説明しよう。まず1901年のJ・ハットフレスによるアイデアだ。

ハットフレス1
 

ハットフレス2

 弾丸はバレルより小さな径になっていて、ピストンにセットされている。発射薬に点火するとガス圧でピストンは前進し、バレル先端の狭められている部分で強制的に停止させられる。弾丸だけがピストンから抜け出て飛んでいく。バレル途中にはごく小さな穴があり、ガスはゆっくりと漏れる。
 きわめてシンプルなアイデアだが、問題も多いと思われる。ピストンは金属製である程度の重量があるはずだ。これが高速で狭窄部に激突するときは、いわばくさびを強引に打ち込むようなものだからバレルに強いストレスがかかり、命数が小さくなるのではないか。また、ピストンに弾丸を固定する方法は書かれていないが、まったく均一な力がかけられるとは思えず、少しでもアンバランスになれば命中精度に悪影響が出るだろう。また、発射後には非常に長い棒でピストンを後方に押し戻してやらないと次の発射ができない。発射速度はたぶん熟練者が扱うマズルローダー以下だろう。

 次に紹介されているバシリウス・ガブリロフのアイデアは、残念ながら私のドイツ語力不足でどういうものか良く理解できない。ただ、フンベルトのアイデアに似た、マズル近くに設置された機械式のものであるのは間違いないようだ。バシリウスのものは、発射後に弁を手動でリセットする必要があり、発射ガスを誘導して蓄える畜気室のようなものがあったらしい。

 最後に紹介されているエティエネ・キオサのアイデアに関しては、「特殊小火器研究所」の秋氏に原文のパテント書類をいただいた。せっかくなのでここで内容を紹介しよう。


帝国特許局

特許証書

−No.223580―

クラス72a グループ28

パリ在住 エティエネ・キオサ

栓つきの火器によって、硝煙、銃声、反動を回避する装置

1909年7月4日ドイツ帝国に特許出願

1910年6月24日告示

この発明は、栓つきの火器によって、硝煙、銃声、反動を回避する装置に関するものである。同じ目的の発明はすでに知られているが、これは銃口に装着するもので、硝煙、銃声、反動を完全に遮断するものではない。本発明はそれとは異なり、バレル自体によってこれを行う。これによって銃に重大な進歩がもたらされた。

 本発明においては、薬莢の中に栓があり、それは火薬と弾丸の間に配置されている。この栓には全体にネジの形の溝があり、射撃時、ガスはここを通って遅延し、少しずつ流出する。

 イラストは本発明を具体化した場合の一例を図解したものである。

 図1は弾薬の断面図である。図2はバレル末端の縦断面である。図3は本発明の核心部分となる栓である。図4と5は改良型の栓の縦断面で、それぞれ別の状態を示している。

 発明の対象は、円筒形の栓からなっていて、これは圧力の下で変形する素材(木、皮、エボナイト、圧縮した紙など)でできている。この栓aは火薬dと鉛の散弾eの間に配置される。栓aの直径はバレル内径と正確に一致している。長さは使用する火薬の性質および量によって異なる。栓aには周囲にネジの形の溝があり、その数とピッチは、望む初速にあわせて設定される。栓aは、火薬の膨張ガスが活発に膨張し、外に出ようとするのに対抗するように作られる。この目的の下に、バレルはその先端部に狭くなった部分fを持ち、ここの内部はストレートである。ここに至る部分gは、内部が先細りのテーパーになっていて、この部分で栓aは燃焼ガスを捕らえる。

 発射の際、栓aと鉛散弾eはストレートなバレルの本体h部分を急速に通過し、先細りテーパー部gで圧縮される。鉛散弾eは再びストレートになった部分fを通過して高速で射出される。一方、栓aはテーパー部gに到達すると減速され、くさび状になって停止することで銃口を閉塞する。これによってガスが即座に流出することは妨げられる。そして、ネジの形の溝を通ってゆっくり流出する。このような方法でガスの流出を鉛弾の発射より遅らせ、分割、延長する。そして硝煙と銃声を緩和する。その後にバレル内に残存しているガスは非常に弱いので、顕著な空虚を生じない。そして空気は外部からゆっくりバレル内に流入するので銃には反動が生じない。

 ガスが溝を通っている間、栓は高温のガスによって熱せられる。栓を高温によって膨張する素材で作っておけば、棒のようなもので栓を閉鎖機構側に簡単に押し戻すことができる。改良型の栓である図4、5は発明の核心部分ではない。栓aは内部に円錐型のインナーiを持ち、例えばアルミニウムのような素材でできていて、既知の方法によってフィットを固くする。つまり、インナーiが圧力で栓a内部にくいこむことで栓aを押し広げ、フィットを固くし、停止する。これによって制限された栓の圧縮が実現する。発射後、溝を通ってガスは流出し、その後先端の突起jを叩いて押し戻せば、栓aのフィットも緩くなり、基本形のものより容易に後方に押し戻せる。

特許請求

栓によって小火器の硝煙と銃声と反動を回避する装置。この栓は薬莢の火薬と弾丸の間に配置され、マズルの狭められた部分で止まる。栓には全体にネジの形の溝があり、発射後、ガスは分割、遅延して流出する。


 イラストを交えて補足説明する。まず、このアイデアは、散弾銃専用のもので、マズル部分の内部に狭窄部(ただしハットフレスのものよりはるかにゆるやかな)があることと、専用弾薬を使うこと以外は現在の散弾銃と全く変わらない。おそらく現在の散弾銃のマズルにアダプターとして取り付け、専用弾薬を使用することでも実現可能だろう(当たり前だがやっちゃだめですよ)。


キオサの弾薬

 専用弾薬といっても、現在知られている散弾銃の装弾とさほど変わらない。
 通常の弾丸はそれ自体で発射ガスを封じることができるが、粒状の散弾の場合、それを発射ガスで直接押したのでは粒と粒の間からガスが抜けてパワーダウンしてしまう。そこで散弾と発射薬の間にワッズと呼ばれるものをはさみ、これでガスをシールする。昔はフェルトを圧縮したものを使ったが、現在は柔軟な樹脂を使っているようだ。キオサの専用弾薬はこのワッズにあたるものが特殊なだけで、他は通常の弾薬と変わらない。イラストの空色部分がその「栓」だ。「栓」にはこのようにゆるいツイストの入った溝が多数ある。散弾とワッズにあたる「栓」は、マズル近くまでは通常の散弾銃とまったく同じに前進する。

キオサの消音システム 

 マズル近くのゆるい狭窄部に達すると、散弾は粒状なので問題なく通過するが、「栓」は摩擦によって減速され、圧縮され、ついには停止する。イラストでは都合上これでもテーパーがきつくなっているが、実際は狭窄部の長さは「栓」の長さの数倍はあり、「栓」が柔軟で軽い材質であることとあわせ、ハットフレスのものよりバレルにかかる無理は小さい。
 ただし、ハットフレスのものは棒で簡単に押し戻せるのに対し、キオサの「栓」はくさびを猛烈な力で打ち込んだようなものだから容易に抜けないだろう。温度で膨張する素材を使うというアイデアが出されているが、「栓」が完全に冷えるまで気長に待つ必要があるだろうし、あまり高い効果があるとも思えない。そこでこんな特殊な「栓」も考えたわけだ。

特殊な「栓」

 「栓」自体にくさびを内蔵し、後方からの圧力でくさびが食い入って「栓」を広げ、発射後は先端の突起を叩いてくさびを押し戻せば比較的容易に抜けるというわけだ。ただ、これでもかなり大変だろう。
 どうでもいい話だが、筆者はこれを見て、ステッキに.410番の消音散弾発射装置を備えた老殺し屋なんてのを想像した。2発目を予定しない一撃必殺の暗殺目的なら何とか使えるかも知れないが、それ以外では使いようがない気がする。また、このシステムでは散弾以外は使用できないというのも大きな制約だ。

 PSSのシステムのルーツにあたるこれら「バレル内に発射ガスを閉じ込める消音システム」は、薬莢内に発射ガスを閉じ込めるPSSの方式と違い、通常の銃とほとんど変わらない威力が期待できる。ただし、多くのものは連射が利かないという大きな欠点があり、唯一連射可能なフンベルトのものにも問題があったため、結局どれも普及はしなかった。ただ、前述のようにフンベルトのものは改良によって使えそうな気もする。また、ハットフレスのものを応用し、ピストンを強度の高い樹脂製、弾丸をタングステンカーバイト製のフレシットとし、ペッパーボックスと結びつければ連射も可能になり、威力はPSS以上にできるから、特殊兵器としてなら使える可能性もありそうだ。

 なお、後方にガスを噴出するフンベルトのものはまだ分かるとして、それ以外のものも「反動をなくす」効果を主張しているのは何故だろうか。キオサのパテント文書の説明は全くの意味不明で、おそらく根本的に何らかの勘違いをしているのだろう。しかし、「DWJ」のように「願望に過ぎない」と片付けていいものでもないと思う。複数の人が一致して訴えている以上、これらのシステムには実際に反動を軽減する効果はあるのだろう。
 確かに弾丸発射の反作用としての反動はこれらの方法でも変わらない。しかし、通常の銃の場合、弾丸発射後に高圧のガスが前方に噴出することによっても反動が生じている。だからこそ空砲でも軽い反動があるのだし、またマズルブレーキやガスポートに効果があるわけだ。このガスを封じ込んでからゆっくりと漏出させれば、この分だけ反動は小さくなるはずだ。どのくらい小さくなるのかは分からないが、ハットフレスやキオサらが実験時に明らかに体感する程度の差はあったのだろう。砲の場合、砲口制退機の効率(制退機があることによる後座エネルギーの減少率)は50%になることもあるという。それほどの力を持つ発射ガスを封じ込めることには想像より大きな(別々のアイデアマンがこれで反動を完全に消せるかもしれないと夢を抱く程度の)反動抑制効果があるのかもしれない。もちろんこれはPSSの場合でも同じで、同じ重さの弾丸を同じ速度で発射する通常の銃(重量やデザインなどが同じならば)より反動は小さいはずだ。実際「DWJ」も「THE NEW WORLD OF RUSSIAN SMALL ARMS&AMMO」(参考文献についてはPSS実銃の項目の最後にまとめて触れる)も一致して反動が小さくて撃ちやすいと記述している。PSSの弾頭は初速は遅いものの9mmパラベラムより重い。これを中型に近いサイズのストレートブローバックの銃で撃って、射手に反動が小さいという感想を与えるのは、この効果も手伝ってのことかも知れない。

 

戻るボタン