PSSは旧ソ連が開発した特殊消音ピストルだ。大筋のメカはマカロフをベースとしており、一部を除き特殊なものではない。最大の特徴はSP-4と呼ばれる特殊弾薬だ。内部にピストンを内蔵し、スチール製で円筒形の弾頭を強く押し出したのちに内部で停止し、発射ガスを閉じ込める。これにより、かさばるサイレンサーが不要となり、高い消音効果を発揮する。通常のオートで高い消音効果を得るにはスライドをロックする必要があるが、PSSはセミオートで連射できる。スチール製の弾頭は初速は低いもののボディーアーマー等にも高い貫通力がある。メーカーでは有効射程は50mとしている。冷戦時代は極秘だったが、最近では輸出もされており、やっと詳しい情報が出始めたところだ。製作にあたっての資料にはドイツの銃器雑誌「DWJ」2003年6月号に掲載されたレポートを主に使用した。
製品はモデルガンでもエアソフトガンでもない、ステージガンに近い特殊な再現方法をとっている。チャンバーに実物大のカートを入れ、スライドを押して閉鎖する。トリガーを引くとスライドが勢い良く後退してカートを排出し、前進して再び閉鎖する。火薬もガスも使用せず、スライドの後退と前進に別のスプリングを使用する、一部のステージガンと同じ変則システムだ。もちろん連発はできないが、発射音、炎、煙がないPSSの実銃の作動に似た外観が楽しめる。ギミックは排莢アクション、マガジン着脱のみで、セーフティ、ハンマーは固定されている。マガジンはフル装弾状態の外観を再現したが、全体にやや小さく、機能はない。紛失の可能性が高いのでカートは2個付属している。キットの難易度は比較的低いが、グリップをきれいに仕上げるには原型製作に使用したのと同じアサヒペンのストーン調スプレーが必要になる。
当時の価格 完成品:20,000円 キット10,000円
実銃について