2.11.5.6 ファイアリングピンによるダブルアクション銃(頑住吉注:直訳ではこうなりますが、ストライカー式のことです)

 他のピストル同様最初の発射のために外装ハンマーをコックできる(頑住吉注:要するにSAも可能な)全てのハンマー式ダブルアクション銃のうちの大多数とは異なり、ファイアリングピン(頑住吉注:ストライカー式)ダブルアクション銃はたいていトリガーの運動のみによってコックできる。図2.11.24は典型的ダブルアクションファイアリングピン発火機構の図式的断面図を示している。閉鎖機構(3)はバレル方向にスライド可能にフレーム(2)と結合され、前の最終位置でバレル(1)にあてがわれる。筒(8)は閉鎖機構の「栓」を形成している。この筒はファイアリングピン(5)誘導のための穴ぐりを持ち、ファイアリングピンスプリングの受けとしても役立っている。トリガー(4)はそのレストでファイアリングピンレストの前をつかみ、誘導棒(6)に巻かれているトリガースプリングによって前方に押されている。射手がトリガーを矢印の方向に動かすと、ファイアリングピンは後方に押し動かされ、ファイアリングピンスプリングは圧縮される。最終的にトリガー後端は斜面(7)に達し、この結果トリガーレストはファイアリングピンレストから外される。これによりファイアリングピンは解放され、ファイアリングピンスプリングによって左へと動かされる。この配置の場合特別なディスコネクターは必要とされない。トリガーレストはトリガーを引いた後低い位置にあり、このためファイアリングピンレストに達しないからである。ファイアリングピンスプリングは短く、(頑住吉注:ファイアリングピンが前進しきった状態では)圧縮されていない。これによりファイアリングピンに巻かれた小さなスプリングがファイアリングピンレストを大きく後方に押し動かしているので、射手がトリガーを放した際トリガーレストによってつかまれる。その上ファイアリングピンスプリングはファイアリングピンを閉鎖機構の閉鎖運動の際にabfangenしなければならず、このため再装填された弾薬は点火されない(頑住吉注:「捕まえる」、「迎え撃つ」、「支える」などの意味を持つ単語ですが、ここでどういう意味なのか分かりません)。



図2.11.24 Le Francaisピストルのダブルアクション設備(頑住吉注:このイラストは「ダブルアクションセルフローディングピストルの発達」)の項目ですでにお見せしたので今回は小さいサイズにします)


 最後の部分は意味不明ですが、あるいはこの図では分かりませんがファイアリングピンの前端はファイアリングピン、後端は「筒」に固定されており、レットオフ時に急速に前進した場合は慣性でファイアリングピンの定位置以上の前進を許すものの、他の場合は前進を引き止める、ということかも知れません。ただそれだとファイアリングピンのリバウンドスプリングは不要のはずで、違うような気もします。いずれにせよこのシステムではあまりスライドの前進速度が速いと、理論上フルオートになってしまう可能性があると思われます。トリガーをこのように戻した後は、ファイアリングピンはトリガーに支えられており、銃口を下にして落としても慣性でファイアリングピンが前進して暴発することはありません。

 H&K P9S、ザウエル38のように内蔵ハンマーをコッキングレバーでコックできる銃、ワルサーP99のようにストライカーをデコックできる銃は存在しますが、ストライカーをマニュアルでコックできる銃は‥‥少なくとも私の知る限り存在しません。








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