日野式拳銃 より詳しい説明

左側面

左側面。バレルをセーフティコック位置まで後退させたところ。コック位置にある前ページのタイトル写真と比較して欲しい。通常左右側面写真をお見せするが、この銃は外観上左右対称なので左側面のみにする。外観は基本的に「日本帝国の拳銃  再考」(「Japanese Military Cartridge Handguns 1893−1945」)に掲載されているシリアルナンバー156を再現してある。


トリガーまわり

 トリガーはオートピストルとしてはかなり珍しいガードのないシーストリガー。握るとトリガー後下部を止めている「つっかえ棒」が外れるだけというグリップセーフティ、グリップフレーム前面にあり、グリップの握り方によってはマガジンが脱落するのではないかと不安なマガジンキャッチとも実銃通りのシステム。


エジェクションポート周辺

 エジェクションポートは真上。リアサイトは実銃ではアリミゾ結合だがこの製品では一体(フロントサイトも同じ)。エキストラクター、ファイアリングピンまわりには機能はない。


マガジンとマガジンキャッチ

 マガジンはここまでしか引き出せない。マガジンには実銃とは全く異なる機能があるからだ。


パーツ構成

 基本的なパーツ構成。バレルに巻かれたリコイルスプリングはバレルを後方に押し、トリガーがこれを直接止め、トリガーを引くとかみあいが外れてバレルはリコイルスプリングの力で後退する。ディスコネクターは再現していないが、ここまではほぼ実銃通り。チェーンが付属したハンマー状のパーツは実銃にはない全くのオリジナルで、これが作動上最も重要な役割を果たす。


ハンマー前進

 バレルが前進している状態。ハンマーには強い引きバネで反時計方向に回転するテンションがかけられている。


ハンマー後退

 マガジンとハンマーはチェーンで結合されており、マガジンを強く引き出すことによってハンマーはコックされて止まる。


シアの動き1

 ハンマー上部にはシアが付属し、スプリングで時計方向に回転するテンションがかけられている。ハンマーをコックすると、シア上部がレシーバー内部の段差にひっかかってハンマーはコック状態で停止する。


シアの動き2

 トリガーを引き、バレルが後退するとバレル後端がシアに当たって動かし、ハンマーはレットオフする。バレルを動かすスプリングよりハンマーを動かすスプリングの方がはるかに強いのでハンマーはバレルを押しながら元の位置まで前進して止まる。バレルには実銃にはないセーフティコック位置を設けており、トリガーを引いていったんバレルをレットオフ寸前まで後退させ、あらためて実銃のようにバレルを前方に引き出してコックしたり、銃を強く振ることでコックする操作ができるようになっている。これが基本的な作動で、カートのエジェクトは作動とは直接関係はないし、リアルな方法で行うこともできなかった。いわばおまけギミックだ。


エジェクトの仕組み

 ハンマー内部はパイプ状になっており、スプリングが入っている。ハンマーをコックするとき.32ACP実物ダミーから型取りした薬莢をエジェクションポートから押し込む(薬莢を押し込みながらマガジンを強く下に引く操作はやややりにくいものになってしまった)。薬莢は単にレシーバー内部に押さえられて出られず、ハンマーが前進してエジェクションポートと一致したところで上に飛び出す。ハンマーが高速で前に動きながらカートを吐き出すので、どうしてもカートが前寄りに飛ぶ傾向が出る。写真で分かるように可能な範囲でなるべく後ろ向きの角度で飛ぶようにしたが、完全に修正はできなかった。











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