H&K HK4 より詳しい説明

HK4右側面HK4左側面

左右。スライド、フレームはキャロムのブルースチール、マガジンはブラッセン、バレルはG.スミス.Sの新艶銀、グリップは通常のつや消し黒でそれぞれ塗装し、ファイア表示に赤、セーフ表示に白のマーキングを入れた。


マガジン抜き、スライド後退

 マガジン上部には,32ACPのダミーカートを装着した。マガジンを抜いてスライドを引くと実銃通りホールドオープンする。スライドのストロークはほぼ実銃通りのはず。マガジンキャッチは実銃通りグリップ後下部にあるコンチネンタルタイプ。


スライドリリース

 実銃通りホールドオープン状態からトリガーを引くとスライドが前進する。ただし、ディスコネクトされないのでこれをするとハンマーも戻ってしまう。ただ、スライドのリリースとハンマーがスライド前進によって押されなくなるまでにはタイムラグがあるので、トリガーを一瞬引いて戻せばハンマーコックのままスライドを前進させることは一応可能だ。また、実銃通りマガジンを挿入するとスライドは自動的に前進する。この際はもちろんハンマーは倒れない。弾薬が入っているという設定のマガジン挿入状態ではスライドストップは機能せず、連続的にスライドを引いて空撃ちができる。


マズル

 マズル。実銃通り6条のライフリングを表現している。バレル内は深さ10mmくらいで閉鎖され、その奥にはウェイトが入っている。


エジェクションポート

 エジェクションポート。エキストラクターは固定のダミーだがブリーチと一体でスライドとは別パーツの接着となっている。チャンバーには.380ACP仕様を示す「9K」(9mmクルツの略)の刻印を入れた。


エジェクションポート開

 開いたエジェクションポートからはダミーカートが見える。


セーフティ、ハンマーまわり

 ハンマーはコックしても開口しない…はずなのだが、これにはハンマー上端とスライド切り欠きの下端が完璧に一致しなければならない。ハンマーが上に行きすぎるとそこからスライドを前進して分解できなくなるわけだ。そこで安全を見て上部がわずかに開口する形に調整している。セーフティをかけてもデコックしないが、これは実銃も同じ。


セーフティの機能

 セーフティの機能は写真ではわかりにくいのでイラストで説明する。これはファイア位置。断面が円のセーフティをこの図で反時計方向に回転すると、黄緑色のファイアリングピン後端が下降してハンマーの打撃面を避ける。同時にブリーチの赤い部分にブロックされて前進できなくなる。この部分の動きは実銃とまったく同じ。ただし、この働きはハンマーコックしても(ほとんど)開口しないこの銃では外部からはわからない。また、セーフティを戻すときファイアリングピン後端がハンマーにひっかかるなどの不具合が生じるので、実際にはハンマーは寸止めされてファイア時でもファイアリングピンは叩いていない。この機能はフィールドストリップ状態で確認してほしい。


トリガーガード

 トリガーガードを普通にするとトリガーにひっかかるので、中央上部を掘り下げてある。これも実銃通り。このせいでフレームの型が1ピース増えた。実銃でも生産性を落とすし、異物がひっかかってトリガーが停止しやすく、またその際排除しにくいのではと推測する。トリガーガードをあと2mmくらい下にすればいいだけのことなのにどうしてH&Kの技術者はこういう意味のない部分に凝るのかわけがわからない。ちなみに初期型では普通のデザインだった(床井雅美氏の「最新ピストル図鑑」等参照)のにあえてその後こういうデザインに変更している。


スライド刻印

 スライドの刻印。H&Kの場合、国内で販売する分には大メーカーの製品でもいまのところ商標権問題は生じていないようなのでほぼ実銃通りの刻印とした。


スライド上面

 スライド上面。リアサイトは左右調節できる。上部の凹にはエッジがないが、実銃のスライドはプレスのためこんな感じだ。


分解1分解2分解3

 分解するには、必ずハンマーをコックしておく。実銃にはさらにセーフティをかけておかないと分解できないという珍しい特徴があるが、これは再現していない。トリガーガード内前上方のラッチを下げると、スライドが1cmくらい前進したのち上に抜ける。さらにバレルをやや前進させて下後方に抜くことができる。分解するときより、ワンタッチでパチンと結合するときのほうが快感だったりする。


フレーム内部メカ

 フレーム内部のメカ。かなり簡略化したが、実銃の特徴的な部分はある程度表現できたと思う。


 ダブルアクションが再現できなかったのは残念だが、特徴的なスライドストップの機能や分解、結合などの機能が大筋表現でき、なかなか面白いものができたと思っている。バレル、マガジン、グリップ内にウェイトが入っており、重量感もけっこうある。ちなみにディレードブローバックシステムは再現したが、写真に撮影しにくい。どういうものかは「実銃について」で説明するので、それをお読みいただいた上で実際に目で確認してほしい。

 
戻るボタン