2.11.2.3 オーバーストローク

 コックの際打撃部品は、コック部品のレストが打撃部品のレストに入り込むことができるほどいっぱいに動かされなくてはならない。セルフローディングピストルにおいてはコック運動は閉鎖機構によってあやつられる。図2.11.5ではこの経過が図式的に表現されている。ハンマーののレストが最も低くなった際の相互のレストの距離がオーバーストロークである。ハンマーがこの位置を通過するための距離mは、この中でレストのかみ合いがなされ得る時間に影響する。この時間は、閉鎖機構がハンマーを再び解放したときにはコック部品の運動が終了している長くなくてはならない。



図2.11.5 オーバーストローク


 どういうわけか図の説明がほとんどなくて分かりにくいですが、1はハンマー、2はシア、3はフレーム、4は閉鎖機構です。この図は閉鎖機構がいっぱいに後退してフレームのストッパー位置に衝突した瞬間を示しています。閉鎖機構に押されてコックされるハンマーはほんのわずかにでもシアによって保持される位置より大きく起こされねばならず、これをドイツ語では「Uberzug」(「U」はウムラウト)というわけです。悩んだ末オーバーストロークと訳してみました。また、ストローク自体が充分であるだけでなくスプリングの力で動くシアがパチンとはまってハンマーを保持することができる時間的余裕も必要だということです。

 とまあ言っている意味はだいたい分かるつもりですが、これが良いトリガーとはどういうものかいう論の中でいかなる意味を持つのかはよく分かりません。






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