H&K P46 UCP製作記
これはH&K P46 UCPの製作情況をリアルタイムでお知らせしたものです。なお、他のページと重複する画像は削除しました。
H&K P46 UCPはMP7を補完する4.6mmx30ハンドガンで、FNのファイブセブンピストルと競合する機種です。「Visier」2005年5月号に簡単なレポートが掲載され、その内容は「知識の断片」コーナーでお伝えしましたが、まだ構造も秘密とされ、不明の部分が多く残されています。本来ならばモデルアップにはかなりの無理があるんですが、メーカーとかぶる可能性がほとんどゼロであるこの時期に世界初モデルアップにチャレンジしてみることにしました。ファイブセブンもP2000もまだモデルアップされていませんし、おそらくP46をレポートしたのは世界中で「Visier」のみ、そしてまだ形状が変更される可能性もあるとされる状態ですから、メーカーがモデルアップするまでには最低まだ3年はあると踏んでいます。
いまこんな感じです。韓国製コッキングエアガンであるシグザウエルP230をベースとする製品になる予定です。BB弾発射機能のある製品にはP11水中ピストルがありましたが、これはやや変則的な製品なので例外とすると、まともなエアソフトガンの製品化は2002年8月発売のマカロフ以来約3年ぶりになります。
今回はあのときの反省も踏まえて、
1、スライドを無理矢理広げてはめこむ方法はやめる。
2、コッキングの際非常に強い力がかかるシリンダーはスライド内の段差で保持されるが、精度や強度の低い素材での確実性を増すため段差をかさ上げする。
3、アウターバレルやマガジンを接着によって継ぎ足す方法は接合部をきれいに仕上げる手間がかかるので避ける。
といった工夫を盛り込みました。マガジンキャッチは実銃通りになる予定です。セーフティは別パーツで分解に使いますがセーフティとしての機能はなく、実銃通りの動きはしません。これ以上のギミックは盛り込まず、なるべくシンプルで信頼性が高く、組み立てやすいものを目指すつもりです。ちなみにピカティニーレールは先日の激震祭で100円で買ったジャンクパーツから切り取って組み込んだものです。
BB弾を発射する限りマズルは6mm以上どうしても必要ですが、なるべく6mm強以上の大きさにはならないように工夫します。そのためにはインナーバレルが大量に必要になるので、カスタマイズで不要になったライフルタイプの電動ガンのノーマルバレルが数本手に入らないか探してみるつもりです。
この銃を映画等に使えばまず間違いなくこの銃が登場する世界初の映像作品になるはずですが、場合によってはパーツを最大限流用した擬似ブローバックバージョンも検討したいと思っています。
進行状況はここでお伝えして行きます。
8月1日
スライドの造形がほぼ終わりました。ふつうなら4割くらいできたかなというところですが、この銃の場合作りにくい部分がグリップまわりに集中しているのでまあ2割といったところでしょうか。ちなみにすでに機能は揃っており、全く問題ありません。インナーバレルは電動ガンのバレルを切って使う予定ですが、精密バレルで気密が上がってパワーアップする分と、シリンダー容量に適正な銃身長よりおそらく長くなることによってパワーダウンする分を合わせてどの程度の初速になるか、命中精度にどんな影響があるか、まだちょっと分かりません。性格上シビアに性能を云々する製品ではなく、室内プリンキングに充分であり、不利を承知の上でゲームに使おうと思えば使えないこともない、程度の性能ならいいのではと思っています。
ベースとしてP230を20挺用意しました。完成品のベース用だけならもう少し少なくてもいいかもしれませんが、身近でアカデミー製品が入手できないのでキットと一緒にベースの銃も欲しいという人が一定程度いるはずなのでこんなもんかなと。まあ余ったらいずれ別の銃に使えばいいわけですし。コッキングの67式サイレンサーピストルも作ってみたいですねー。
8月6日
フレームの造形を続けています。
苦労しましたが、トリガーセーフティも再現できそうです。ちなみに私は「Visier」の記事を読んだとき、トリガーセーフティのオンオフはグロック同様外からは見えない上方で行っており、トリガーの後方にもろに突き出している突起とそれに対応するフレームの突起はディレードブローバックに関連するのではと考えましたが、よく見ればこれがトリガーセーフティの機能部でした。なんでまたこんな、いかにもものがひっかかりやすそうなデザインになっているのかは分かりません。
8月12日
ほぼ造形が終わり、これからサーフェイサーを吹いて仕上げにかかります。
グリップ前、後面のシボはまだ表現していませんが、仕上げをある程度進めた段階で加える予定です。それにしてもグリップ側面の滑り止めの造形には苦労させられました。まあこれでもプラスチックフレームの銃の中ではまだましな方なんですがね。イスラエルIMI製のsp-21(バラク)は手作業ではとうてい作れないような形ですし、ファイブセブンピストルもこの銃よりかなり難易度が高いです。
パーツ数はスライド、フレーム、バレル、マガジンアウター、トリガー、トリガーセーフティ、マニュアルセーフティ、マガジンキャッチ、スライド誘導レール、そして機能的には一体でもいいが気泡を入れずに複製するため別パーツにする小パーツ7個程度と、比較的少なくて済みそうです。価格は完成品15,000円、キット8,000円だったマカロフをやや上回る程度に抑えたいと思っていますがまだ未定です。
8月21日
現在仕上げ作業中です。
グリップ前後のシボは、荒い耐水ペーパーを貼り込もうかと思ったんですが、水で濡らしても曲面に馴染んでくれず、この方法はダメみたいです。マスキングしてロック調スプレーを吹いてみることにします。
8月26日
昨日夜試作第1号が完成しました。
ということで、
心配だったトリガーの剛性は問題ないようですが、現在のところマガジンキャッチは精度や剛性の不足から左右から同時に操作しないとマガジンがリリースできません。修正するよう努力してみますが、まあ片手でもできますし、素材や製法の制約上止むを得ないかもしれません。その他組み立て、機能に全く問題ありません。ただ、気泡が多く、ある程度は改善できますが、仕上げに手間がかかるキットになってしまいそうです。
インナーバレルはありあわせのものを使うので、内径はバラバラですし、真鍮製とアルミ製が生じてしまいますが、これもやむを得ないこととして了解してしただくしかありません。
たぶん9月下旬までには発売できると思います。価格は完成品17,000円、キット9,500円を予定しています。