タイプW モデル1ピストル より詳しい説明

 

左右側面。左面にトリガーバー前端が露出している点、右面に分解用押しボタンがある点を除けばほぼ左右対称。途中で終わっているスライドの滑り止めは下端部の仕上げに非常に苦労した。




コクサイ製コルトポケットとの比較。サイズはほぼ同じ。




マズルには6条のライフリングを表現した。トリガーガード前面にあるのは実銃では分解時に使用するスライドロック。




フレーム後部右面には前後に2つ押しボタンが並んでいる。前のボタンは左右に貫通しているクロスボルト式セーフティで、このように右面に突き出ている状態でファイア。後ろのボタンは末期型にしかない分解時に使うボタン。




マガジンキャッチはグリップフレーム後下部にあるが、ブローニングM1900、コルトM1900等と同様に前に押して解除となるタイプ。マガジンは制約上ややサイズが小さいがさほど違和感はないと思う。カートリッジは底部の厚みを増しているがそれ以外は実物ダミーからの型取りで3発付属する。




スライドをいっぱいに引いてスライドロックを押し込むとスライドは後方で停止する。




この状態でエジェクションポートにカートを入れ、スライドを少し引くとスライドロックが解除されるのでスライドを手で押し込む。その後トリガーを引くとバレル内のスプリングの力でスライドは後退し、カートが排出され、スライドはリコイルスプリングの力で閉鎖する。




分解方法は実物と異なる。実物ではスライド前部は太いバレルジャケットの存在によって持ち上がりが防がれ、一方後部はフレームから上方に突き出た「Ω」状突起がスライド内のファイアリングピンが通る下方が開放された穴内に入ることによって持ち上がりが防がれる。このかみ合いはスライドを少し引くと1点において途切れ、スライドを持ち上げることができる。実銃の初期モデルは分解時、スライドを引いてスライドロックをかけた状態でバレルジャケットを回して抜き、スライドを少し引いて後部を持ち上げるという分解方法だった。つまり初期モデルでは常にスライド後部が1点において持ち上がり可能な状態にあり、これを防ぐのはバレルジャケットとスライド前部の短いスパンの誘導機能だけだった。おそらくスライド後部を分解可能ポイントで強引に持ち上げようとすれば少し浮き上がっただろう。この点に問題があったため、末期のモデルでは分解用ボタンが追加された。この分解用ボタンにはスライド後部誘導用の補助レールとかみ合う突起が付属していて、ボタンを押すとこの突起が引っ込む。逆に言えばこのボタンを押さない限りスライド後部はどこでも持ち上がりが不可能になった。製品ではバレルジャケットの着脱機能は省略し、バレルジャケットがあるままでもスライドを少し引いて分解用ボタンを押せば後部が持ち上げられるようにアレンジした。分解用ボタンを備えた時点で実銃もこうした方が良かったのではないかと思う。

なお、スライドを少し引いてスライド後部を持ち上げれば、圧縮されたファイアリングピンスプリングの力で後部のガイドが勢いよく後方に飛び出してしまい、また組み込み時は細い棒のようなものでガイドを押し込みながらでないと組めない。この点は以前から疑問だったが、今回実銃に準じた再現を行って、やはり実銃も同じ欠点を持っていたとしか思えない。紛失をなるべく避けるため、ファイアリングピンスプリングとガイドが容易には分離しないようにした。




スライド内にはファイアリングピン、同スプリングおよびガイドが収納されている。エキストラクターがカートのリムをかみ、ファイアリングピン先端がカート底部を押すことによってカート先端が上に動こうとするがチャンバー内にあるうちは当然動けず、出た瞬間にひねられて排出されるという実銃通りのプランジャー式エジェクターを再現した。ただしエキストラクターとの距離を取ってカートが排出されやすくするためファイアリングピン先端はセンターではなく下部を押し、またファイアリングピンはコックされず、リコイルスプリングを兼ねている点が異なる。リコイルスプリングガイドは外観のみ再現し、実際にはスプリングは巻かれていない。


 

トリガーを引くとトリガーバーが後退し、トリガーレバーが回転し、シアを押し下げる。シアがファイアリングピンを保持するかスライドを保持するかの違いはあるが、パーツ構成や機能は大筋実銃に似ている。










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