殲ー20関連2題

 先日「殲ー20関連2題」の中で「楊偉総設計士の新たな任命は、いったいどのようなものか、皆見守っていてよく、絶対に悪い情報ではない」という記述があり、私は「自分がインサイダーで内情に精通しているような書き方ですが具体性を欠き、どこまで信じられるのか全く分かりません」と書きましたが、自信満々の書き方から見ても本当に内部情報に通じた人物だったようです。


殲ー20の総設計師だった楊偉の行き先が明るみに:中国航空院副院長に昇進

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国航空工業集団主催の『中国航空報』公式ウェブサイトは楊偉関連の報道を掲載した(画像のソース:中国航空報公式ウェブサイトからのキャプチャー画像)」)

この前ネットで、盛んに伝えられた殲ー20の総設計師だった楊偉が「免職にされた」一件にまた新たな進展があった。中国航空工業集団主催の「中国航空報」が先日公式ウェブサイトに掲載したある文章は、楊偉の職務にはすでに新たな変化が発生し、その新たな職務は中国航空研究院の副院長であり、かつ中航工業科学技術委員会副主任の職を兼任することをはっきり示している。

この文章はまず中航工業が閻良で行うAG600「蛟竜」機のエルロン操縦システム操作試験の状況を報道している。その後多くのスペースで楊偉に関する状況を報道している。文章は報道し、「9月9日、中国航空研究院副院長で、中航工業科学技術委員会副主任の楊偉が中航工業沈陽所にやってきて「飛行機研究開発のシステム工程と工程管理」特定テーマ講座を行った、としている。沈陽所指導者、主任設計師、技術の中核的人物など300人あまりが講座に参加し、中航工業沈陽飛行機の技術人員や沈陽飛行機社に駐在する軍事代表室代表も招待を受け参加した。」とした。報道は特別に強調し、「楊偉は30年あまりの多くの機種の研究開発作業の蓄積を通じ、総設計師および実践者の視点をもって、需要、研究開発、試験という3つの方面のシステム工程応用に対するカギとなる重要部分と要素から緻密な論述を行った、としている。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「『中国航空報』公式ウェブサイトは楊偉に関する関連の報道を掲載した。(画像のソース:中国航空報公式ウェブサイトからのキャプチャー画像)」です。)

楊偉は特別に、「建立されようとしている新たな飛行機研究開発体系の重要なカギは全寿命周期に向き合ったPLM、相互に関連するシミュレーションモデル体系、製品の分解構造に向き合ったPMとPDMに基づく製造体系を建立し、したがって欧米との隔たりを縮小することである。」と強調した。

この前、中国大陸のネットに楊偉が免職にされたとの情報が伝えられた後、外界の彼が免職にされた原因およびその後日の行き先に関する議論が次々に起こり、今回「中国航空報」に掲載された報道は、外界からネットに伝わる「楊偉免職事件」に対する当局の回答とも見なされている。

公開の資料は、楊偉は中国大陸の現在最も若い総設計師で、免職される前は中国航空工業第一集団社成都飛行機設計研究所の総設計師を担当し常務副所長、研究員を兼ねていたことをはっきり示している。後に中航工業集団の副総工程師に昇進し、殲ー20戦闘機の設計作業を主宰した。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「かつて殲ー20の総設計師を担当した楊偉」です。)

これまで、楊偉はずっと中国当局から中国の新世代戦闘機のフライバイワイヤシステムの組織者および開拓者の名を冠されている。その支持の下で、デジタル式フライバイワイヤシステムのカギとなる重要技術の中国国内の空白が埋められた。楊偉は指導して飛行コントロールシステムの全体方案を確定した。中国大陸メディアはかつて報道し、「某回の飛行コントロールシステム工程の研究開発の中で、楊偉は初めて試験飛行しすぐ直接に静不安定技術を採用し、これは国際的な新たな飛行機の試験飛行史上前例がないことだ。万に一つの失敗もないことを確保するため、楊偉はシステム総合過程の中で第一線に深入りし、昼夜兼行で問題を探し、原因を分析し、解決方案を研究し、3,000飛行時間あまりの地上システム総合試験と機上総合計測試験を行い、某重点機種の飛行機の初飛行の安全を保証した。」とした。

1998年、楊偉は命令を受けて成都飛行機設計研究所副所長、副総設計師を担当し、飛行コントロールシステム総設計師を兼任した。2001年1月、総設計師兼常務副所長に任命され、同時に中国高度新武器装備某重点機種である複座型機の総設計師および中国新世代輸出軍用機超七/FC-1型機総設計師を担当し、かつ次世代戦闘機など重大事前研究プロジェクトを主宰した。彼が研究開発の成功に参加した某重点機種とは中国初の自ら研究開発を行った、自主知的財産権を持つ、現代の作戦環境に適応する新世代先進戦闘機で、世界先進水準に到達している。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「殲ー20は中国空軍の先進武備の集大成者と見なされている」です。)

今、解放軍空軍で最も先進的な殲ー20戦闘機はすでに多くの民衆が注目するスター武器となっており、その一挙手一投足は全て外界の関心を集める。殲ー20戦闘機総設計師である楊偉が、今回中国航空院副院長の職に昇進できたのは、あるいは中国政府上層部の彼がなした貢献に対する一種の肯定かもしれない。


http://military.china.com/important/11132797/20161021/23800592.html


殲ー20の腹部のかの円柱形の物体は何とこの作用を果たす

スペシャルサンクス 微信公衆号:兵工科技

この2日、ネット上にアップされた殲ー20の鮮明で無検閲の大きな画像は皆を見て有頂天にさせ、少なからぬ人は殲ー20の機体腹部の弾薬倉とF-22にどんな差異があるか深く検討し、突然殲ー20とF-22の腹部に外形が似た円柱状の物体が装着されているのに気付いたが、これは何の用をなすのだろうか?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像の注釈:殲ー20の機体腹部に装備されたLunebergレンズ(赤丸で示すところ)」)

Lunebergレンズとは何か

実はこの装置はLunebergレンズと呼び、物理学者R.K.Lunebergによって1944年に発明された。簡単に言うと、球形の多面屈折レンズで、光線がレンズを通過した後、レンズ両側で相互に屈折し、拡大された鏡像を形成する。

この原理は後に電磁領域に導入され、レンズの一部表面に金属反射層を塗布すると、それに電磁波を屈折かつ拡大できるようにさせる。このようにすると、レーダー波がこの装置を通過する時、球の中心対称にした方式をもって空中に屈折させかつ拡大する。この原理を採用して製造されたアンテナは、比較的小さい出力をもって比較的大きな効果を達成できる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像の注釈:Lunebergレンズの原理の説明図」)

殲ー20とF-22上に装備されたLunebergレンズ装置が見たところ円柱形をしているのは、内部に2つの球形のレンズを装備しているからで、このようにするとレーダー波が機首から来ようと後方から来ようと、屈折拡大された後、元の軌跡に沿って戻っていき、レーダーに反射波がキャッチできるようにさせる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「画像の注釈:F-22上のLunebergレンズアンテナの特写」です。)

ステルス性能が良すぎ、止むを得ずLunebergレンズを装備

ならば何故殲ー20のようなステルス戦闘機にレーダー波を拡大しかつ反射できる装置を装備する必要があるのだろうか? これは飛行機のステルス性能が良すぎるからで、地上のレーダーが探知計測するのが非常に難しく、もし戦時にこのようならば当然非常に良く、こちらが探れず、敵も探れない。だが平時ならば、もし飛行機が地上を離れて飛んだらもう捜し当てられなくなり、どこまで飛んだのか、どんな状況なのか、その他の飛行機の航路上に飛んだのか否か分からなくなり、万一他の飛行機と衝突したら? さらには現在は全てが体系作戦であり、もしいつも相手がどこにいるのか分からなかったら、さらにどうやってコンビネーションするのか?

このため、ステルス機にLunebergレンズアンテナを装備し(取り外せる)、それにレーダー波を感謝できるようにさせることは、地上レーダーの追跡に便利で、一体どこまで飛んだのかよく分かる。当然、どんなレーダー波も全て反射するのではなく、「特定の波長」のレーダー波だけを反射する。この波長は当然絶対の機密で、こちらだけが知っていて、専用のレーダーのみがやっと発射できるものでもある。

ひとたびこのようになるや、Lunebergレンズを装備するか否かは、飛行機のステルス性能が優秀か否かの印となる。現在殲ー20、F-22、F-35にのみLunebergレンズが装備されている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像の注釈:F-35上の機腹部に装備されたLunebergレンズアンテナの特写(赤丸で示すところ)」)


 殲ー20に関しては怪しい情報も当然多いんですが、総設計士の件に関しては、昇進している以上殲ー20が少なくとも現在の中国のレベルでは優秀な機だと認められたこと、そしてここには言及がありませんが評価の高い総設計士が現場を離れられるということは殲ー20の研究開発が本当に終わりに近づき、今後重大な問題に遭遇する可能性は低いと考えられていること、Lunebergレンズの件に関しては、少なくとも中国のレーダーではそのまま殲ー20を探知するのに大きな不都合があること、これらはもうかなり確度が高いと見ていいのではないでしょうか。


















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