ブローニングポケットピストルの大ヒットの影響で、欧米のピストルメーカーはこぞって類似、対抗製品を発売した。その多くはブローニング設計の亜流だったが、独自のアイデアを盛り込んだ製品もあり、ドイツの一流銃器メーカー、モーゼルのM1910もその1つだった。弾薬としてはすでに普及していた6.35mmブローニング(.25ACP)を使用し、ストレートブローバックという作動方式も同じだったが、パーツ構成は全く異なり、残弾がなくなるとホールドオープンし、新しいマガジンを挿入すると自動的にスライドが前進するなどブローニングにない長所もあった。口径6.35mmはブローニングM1906(コルトポケットと同型)と同じだったがサイズはベストポケットより明らかに大きく、その分撃ちやすい反面サイズの割にパワーがないという不満もあった。後に発売されたM1914はより強力な7.65mmブローニング(.32ACP)を使用する、ブローニングM1910と競合する製品だった。サイズはモーゼルM1910よりやや大きくなっていたが、構造は同一だった。この銃はドイツ国内だけでなくアメリカでもヒット商品になり、グリップ形状以外ほとんど変化のない改良型M1934とともにドイツ軍将校にも愛用された。

 この製品はモーゼルM1914の外観をなるべくリアルに再現するとともに、単発のみだがブローバックの動きが楽しめる擬似ブローバックギミックを盛り込んだ。マガジンはほぼフルサイズで、機能はないもののセーフティの独特の動きも再現してあるし、非常にユニークな分解方法もほぼ実銃通りになっている。カートリッジは前作M1900ピストル(F)と共通で、3発付属する。

当時の価格  完成品:20,000円  キット12,000円

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組み立て説明

製作記







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